笹沢信のレビュー一覧

  • 評伝 吉村昭

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    これを読んでいたら、吉村作品を再読したいと思ってきました。
    それぞれの作品(特に歴史・記録もの)の独特の文体により読者をその中に引きこませる技はすばらしいです。
    また、資料を元にした緻密な世界観も他の作家にはなかなか感じることのできないものです。
    なかなか陽の当たらない人物を主人公をしていることが多く、
    歴史の中で翻弄される人々のドラマにもスポットを当てているのが興味深いです。

    吉村氏の亡くなられた後、
    同じように読める作家に私はまだ出会えていません。

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    2014年08月16日
  • ひさし伝

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    これは「ひさし伝」というより井上ひさし文学の評論集と言ったがいいかもしれません。

    しかし労作です。たとえば井上ひさし全仕事という全集をつくるとすると、ひょっこりひょうたん島から組曲虐殺までゆうに百巻は越すでしょう、史上最多巻の全集となるはずです。再読するだけで二年はかかったでしょう。

    とにかく、井上ひさしさんの膨大な著作群を目の前にすると、、天才と天才ゆえの努力にだれもが圧倒されてしまいます。笹沢さんは作品群を時系列に分解整理して井上ひさしさんの思想と方法論を解き明かしています、いやはや大変なお仕事。

    好子さんとの離婚話のところはちょっとつらいですね。
    当時テレビでも途方にくれる井上さん

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    2012年10月26日
  • 藤沢周平伝

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    あまり藤沢周平の本は読んだことがありませんが、「雲奔る」も楽しく読めましたし、同郷の文豪としてこれからはいろいろな本を読んでみたいと思います(^^)

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    2013年11月23日
  • 藤沢周平伝

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    ネタバレ

    著作を通して周平の実像に迫っている。
    改めて再読したく成る。作品が支持されるまでの努力は凄まじいものがある。 小説を読んでも、腹が満たされるわけでもないし、明日の暮らしがよくなるわけでもない 古来政治によって世の中が平和で、万民が幸福だったなどという時代がどれはどあっただろうと考えるのだ 馬も牛も姿を消して、かわりにトラクターが田圃を這い回った 村のそばを流れる生活排水と農薬で濁り、背骨の曲がった魚が泳いだ 

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    2013年11月10日
  • ひさし伝

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    山形の小さな町から湧き出でた言葉の泉が戦後という時代を流れながら、井上ひさしという大河になる物語です。コント、TV台本、歌詞、小説、戯曲と言葉の流域を広げていった人ですが、自分の言葉を文字にして書きつけることより、人の声にして放つことを大切にしていたような気がします。だから小説より戯曲という一回性の表現にこだわったのでした。ストリップ劇場のコント作者出身という原点にその理由を求めることも出来そうですが、しかし、もしかしたら「時間を止める」「時間を忘れさせる」という彼独自の〈ユートピア〉感がそうさせたのかもしれません。悲惨な現実を否定するのではなくて、「いまユートピアに向かって走っている」という

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    2012年09月09日
  • ひさし伝

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    ひさし文学の全貌を知るにはとても詳しい案内書になる。井上ひさしの人間としての生活という点からは少し物足りないが、紛れも無い労作である。

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    2012年08月15日
  • ひさし伝

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    ネタバレ

    井上ひさしの故郷である山形新聞の記者であった著者が膨大な資料を駆使してひさしの生涯を書き尽くす.引用文が多すぎるのが玉にきずだが仕方がないか.

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    2012年08月12日
  • ひさし伝

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    ひょっこりひょうたん島」が死んだ人、死んだ子供たちの話だったと知って吃驚! 井上ひさしの本はかなり読んだと思っていたが、まだまだ読んでない本がたくさんあった。読み続けていきたい。芝居も機会があれば見続けていきたい。精神のリレーを繋いでいきたい。

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    2012年08月07日
  • ひさし伝

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    この戯作者が生きている
    その時代に間に合ったことが
    たまらなく うれしい

    そして
    その戯作者が逝ってしまったことが
    たまらなく 悲しい

    ていねいに
    たんねんに
    ゆっくり
    じっくり
    井上ひさしさん の
    六千万歩
    を 辿ってくれた
    労作

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    2012年08月11日
  • ひさし伝

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    「ひょっこりひょうたん島」「ネコジャラ市の11人」「ブンとフン」「下駄の上の卵」「偽原始人」「モッキンポット師の後始末」「青葉繁れる」「四十一番の少年」そして「十二人の手紙」。私が観たり読んだりした井上作品はざっとこんなところだった。いつだったか、講演会を聞きに行ったこともある、オーストラリアの人々が、日本人にフレンドリーなのはなぜかという部分が印象的だった。それはともかく、井上ひさしの人物像を理解するには役立つ一冊。

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    2012年09月02日