中野宣子の作品一覧
「中野宣子」の「Lの運動靴」「ノクチョンハクソニマミレテ」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
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「中野宣子」の「Lの運動靴」「ノクチョンハクソニマミレテ」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
Posted by ブクログ
民主化デモ中、催涙弾を頭部に受けて亡くなった“L”。民主化の旗印となった彼の遺品を集めた記念館から、劣化が進む運動靴の修復以来が美術修復士に舞い込む。
繊細な修復士の仕事を通して伝えられるのは、記憶をいかに後世に残すかということ。
大きな記憶で言えば、時折挟まれるアウシュビッツ、慰安婦等の言及。
小さな記憶で言えば、物語に出てくる記念館の館長だったり、お子さんを施設に預ける女性修復士の過去。
うつろい行く記憶への不安さとそれでも風化させてはいけない思い、後悔がかいまみえる中で、“L”の運動靴は何も語らず物語を終える。
残された記憶に、意味を見いだすのは私たちだ。
Posted by ブクログ
表題を含め5編の中短編が収められている。
ほぼ私の世代の筆者は、本業が映画監督。
訳も含め、かなり読み易い文体、映像の感覚が随所に見られるの画、筆者の本業と分かり納得。
南北分断と朝鮮層を経て、20世紀後半以降の韓国の世情に渦巻くイデオロギー、中産階層の空気感が核となっている。
特に表題の作品が然り。
川辺に佇む鹿の姿・・・あたかも山水画を思わせる・・が装丁のどす黒さ、退廃感は??
筆者の狙いが現れている~20世紀泣かばよりくに破れて山河在りき様となった国情。
国を興すべくシャカリキとなった韓国・・中産階級が住むマンション群が鹿川に立ち並び、それはあたかも「糞尿痰」の上に屹立した建物。そこを