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世界500万部、「2022年最も売れたデビュー小説」 60年代米国、未婚のシングルマザーの化学者・エリザベスは男社会で大奮闘するが――世界が共感した痛快エンパワー&エンタメ小説! Apple TV+『レッスン in ケミストリー』原作
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Posted by ブクログ
主人公やその周りの境遇は結構ヘビーなのだが、主人公のおかげでそれを感じさせずに物語が進んでいく。彼女は大真面目なのだろうが、それがかえって読者に癒しを与えてくれるのだ。 最後もさわやかに、彼女らしい決断を見届けることができて満足。女性ならもっと共感できるのではなかろうか。
1960年代のアメリカで、才能ある化学者だが女性ゆえ保守的な科学界で苦悩するエリザベス。 女性の地位が下の下であった頃、男は女を管理したがり、触りたがり、支配したがり、黙らせたがり、矯正したがり、指図したがる。 なぜこうも下に見ることしかできないのか… 女のくせにとか、女だったら大人しく相手に合わ...続きを読むせろよがあたりまえのよう…。 化学者としてもっと励みたいのに手柄は横取り…。 唯一、研究所内で天才化学者のキャルヴィン・エヴァンズだけは、彼女との結婚を望んでいたが突然の不幸な事故で亡くなってしまう。 未婚でシングルマザーになったエリザベスは、職まで失うが…。 ひょんなことから料理番組に出ることになり、ここでも自分のやりたいことだけを貫いていく。 料理は化学であると言うが、彼女は視聴者の女性たちにも変化を起こす。 勇気が変化の根っことなる。 これからはもう我慢しない。自分になにができるかできないか、他人に決めさせない。 性別や人種や貧富や宗教など、役に立たない区分で分類されるのを許さない。 自分の才能を眠らせたままにしない、自分の将来を設計しよう。 エリザベスは、強くて最高にカッコいい。 そして大切なのは何かを知っている。 最高のエンタメに良い時間を過ごせた。 彼女が番組最後に言う台詞 「子どもたち、テーブルの用意をしてください。お母さんにちょっとひと息つかせてあげましょう」
60年代のアメリカを舞台に優秀な化学者でありながら保守的な研究所で性差別と闘うエリザベスが主人公。 唯一気の合う化学者仲間の彼と暮らすが、彼の急死で残された娘と、2人と一匹の犬で社会の因習や様々な差別を乗り越えて行く。 マッドの可愛らしさやシックス=サーティの忠実ぶり、悪役達の最低の悪人ぶりも含めて...続きを読む、紙面上に絵の具をばら撒いた様にカラフルで生き生きとした描写が続き、ページを捲るのが楽しくて仕方なかった。
つい最近迄、アメリカに性差別があったとは。日本でも、なかなか女性が管理職にはなれない。自分達が首になっても女性進出を促そうという政治家は、現れない。残念ながら。
エリザベスは取材を受けて語る。 「彼女はふたりの恋愛を〝膨張〟や〝密度〟や〝熱〟といった言葉で説明し、その情熱の基盤にあったのはたがいの能力に対する敬意だったと、力をこめて話した。「それがどんなに特別なことかわかりますか? 男性が女性の仕事を自分の仕事と同じくらい大事なものと認めていることが」」 ...続きを読む 「化学を理解すれば、世界の仕組みがわかるようになります」 「宗教はわたしたちを責任から逃れさせるものだと思います。なにごともわたしたちのせいではないと教えていますよね。何かが、あるいはだれかが糸を引いているのだから、究極的にはわたしたちに責任はない。現状をよくするには祈りなさい、と。でもほんとうは、世界のだめなものを作ったのはほかならぬわたしたちです。そして、わたしたちには直す力がある」 このインタビューの記事から急展開する。 偏見に満ちた時代を生きる優秀な女性の、苦しい境遇を背景にしながら、テンポ良く、明るく話が進む。ひょんなことで担当することになった料理番組のシーンは本当に楽しい。 家族の在り方に目を向けさせられ、感動とともに長い話は終わる。 アメリカでもとても売れたみたいだし、ドラマもあるみたい。 素敵な物語だった。
アメリカって自由の国って思ってたけど、女性の置かれた立場は日本と変わらないんだということに驚いた。 女性の目を覚ますエリザベスの言動が爽快だった。 男性がエリザベスを困らせようとする時に、エリザベスが返す言葉には思わず笑ってしまった。 読んでよかった。
昨年、観るつもりのなかった「Barbie」を猛烈に薦められて観て、猛烈に心動いた以上に、超猛烈な感動です!おもしろく、痛く、深く心揺さぶられました…1986年男女雇用機会均等法第一世代の女性が部署に入ってきて、3年後、彼女が結婚するという報告を受けた時に「おめでとう!で、いつ会社辞めるの?」と発言し...続きを読むたこと、今でもその当人から揶揄されます。その人はもちろん寿退社などせずに仕事でも頭角を表し、その分野での第一人者に、そして会社でもリーダーの一人になっています。不適切にもほどがある黒歴史です。お恥ずかしい限りです。その遥か以前の1960年代がこの物語の舞台です。光文社新書の「アートとフェミニズムは誰のもの?」を読んだ時にジャクソン・ポロックとリー・クラズナーの関係を知り動揺しました。アートという感性領域でももちろんですが科学というアカデミズムの世界ではさらなるジェンダーギャップの積み重ねがあるのでしょう。mRNAでノーベル賞を受賞したカリコ博士の闘いも思い出されます。そう言えば、東工大の入試の女子枠の問題もありました。差別の解消なのか、逆差別なのか…エリザベスの問題は今も続いているのが、この本が600万部も売れている理由なのでしょう。本書の中の徹底的な悪役たちを嗤うこと、本当に出来るのか、30年前の発言のようなコンサバ成分、今の自分には皆無なのか?自問自答させる苦さも感じる読後です。
いいっ! ゾットの強さに憧れつつ、逆境を乗り越えていくのを全力で応援したくなる。とってもスカッとする作品。 こういう人が世界に勇気を与えていく。なんとなくの当たり前に疑問を呈していく。女性の幸せは結婚であると周りの合意がある世の中で育った私にはドンピシャでした。こういうロールモデルが欲しかった。...続きを読む 1人の観覧者の人が夢を叶えたところはウルっと来てしまった。 やりたいことをやる、なりたいものを目指す、カッコいい
前半はすこし取っ付きづらい部分があったけど、中盤以降はテンポよく物語が進んでいって一気に読み進められた。化学が好きな人はもちろん、嫌いな人でも気持ちよく読める本。
くそみたいな男性が多すぎて読むのがつらい。 エリザベスやマッド、ハリエット、フラスクが「でも」とか言わなくていい世界を追求しましょう。
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