エミール・ゾラの作品一覧

「エミール・ゾラ」の「ナナ」「居酒屋」ほか、ユーザーレビューをお届けします!

作品一覧

  • マルセイユの秘密
    -
    1巻1,650円 (税込)
    本書はエミール・ゾラが一八六七年から一八六八年にかけて世に問うた長編小説『マルセイユの秘密』の全訳である。厳密に言えば、本書は初版から十七年以上経て再刊された一八八四年の再版である。この頃のゾラはルーゴン・マッカール叢書を次々に世に出して、自然主義文学の代表作家として世界的に有名になっていた全盛期にあった。百五十年以上前に書かれた弱冠二十七歳の駆け出しの作家の小説とは思えない極めて現代的なシリアスな内容である。貴族と平民の身分違い結婚をめぐるトラブルに端を発し、婚資と未成年の後見人制度、高利貸から不動産取引詐欺、ギャンブル依存症、公証人の詐欺、宗教者の欺瞞まであばいている。さらに歴史的事件としてバリケード闘争とコレラ・パンデミックを背景にしている。まるで現代の日本の深刻な社会問題を予見しているかと思われるほどの若きゾラの筆力と構想力には舌を捲く。『マルセイユの秘密』は、今こそエミール・ゾラの文学作品の中で正当な地位を占めるべきである。
  • ボヌール・デ・ダム百貨店
    4.0
    1巻4,180円 (税込)
    消費文化の光と影 ゾラが24年をかけて完成させた「ルーゴン=マッカール叢書」(全20巻)中の『ボヌール・デ・ダム百貨店』は、消費社会を〈贅沢・労働・恋愛〉の視座から描いた先駆的な作品!
  • ナナ(上)
    -
    1~2巻770円 (税込)
    ナナはパリのヴァリエテ座の俗悪なオペレッタでデビューし、怪しい魅力によって男たちの注目を集める。老銀行家ステネール、喜劇役者ホンタンの女となる経験をへてナナは売春婦となることを決意し、寄って来る男たちを次々と破滅におとしいれることに生きがいを見いだす。伊達男ヴァンドーヴル、放蕩者のファロワーズ、さらにユゴン大尉と遍歴を続け、ついにはナポレオン三世の高官ミュファ伯爵との交渉がはじまる。彼女は老伯爵をまるで下男のように鼻であしらい、公衆の面前で恥ずかしい思いをさせることに無上の喜びを感じる。伯爵に建てさせた屋敷に引きこもり、取り囲む男たちを互いに反目させ、彼らの家庭の秘密を片っぱしから暴露する。ナナは伯爵家を破滅させるが、同時にそれは自身の破滅になる。ナナは見すぼらしいホテルの一室で生涯を終わる。ゾラは「居酒屋」についでこの「ナナ」で、腐敗した時代の社会の悪を、大きな壁画のように描こうとした。
  • 獣人
    3.0
    1巻990円 (税込)
    パリ=ル・アーブル間を走る「ラ・リゾン」の一等機関手ジャック・ランチエには、女の裸を見ると殺意に襲われるという病的なところがあった。彼はある日たまたま、助役ルボーとその妻セヴリーヌが走り去る列車のなかでおかす殺人現場を車外から目撃し、彼女に惹きつけられていく。「獣人」は鉄道界と司法界をバックに、呪われた遺伝的発作に苦しむ主人公と、けだもののように疾走する機関車の姿とを重ね合わせ、人間獣性の諸相をえぐり出す。機関車の機械美、緊迫した筋の展開、絡み合う作中要素と人々の相互関係などが圧倒的な迫力で迫る。ゾラの円熟期に書かれた傑作。
  • パリ 上
    5.0
    1~2巻2,640円 (税込)
    政治は腐敗、ブルジョワが隆盛を極め、労働者は貧困に喘ぐ19世紀末パリ。建設中のサクレ・クール寺院が見下ろす悪徳と矛盾の町で、信仰を失い魂を彷徨わせる一人の神父がいた――。

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  • 居酒屋(上)
    -
    1~2巻770円 (税込)
    愛人に去られ、まじめな職人と結婚して慎ましい幸福に恵まれたと思ったのも束の間、貧困にうちひしがれて夫は狂い死にし、ついには自分もいたましい死をとげる洗濯女、ジェルヴェーズ。その数奇な一生を描き、パリ下層社会の悲惨な実態を活写したゾラの傑作。

ユーザーレビュー

  • パリ 上

    Posted by ブクログ

    『パリ』は「ルーゴン・マッカール叢書」を書き上げたゾラの集大成とも言える作品となっています。とにかくゾラらしさ満載で、「THE ゾライズム」と言いたくなるような作品です。

    私は今の日本にこそ、ゾラが必要だと感じています。

    ゾラほど冷静に社会の仕組みを分析し、正義や真実を求めた作家はいないのではないでしょうか。

    『パリ』は最高の作品です。ゾラのことがもっと好きになりました。ぜひ多くの方に広まることを願っています。

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    2024年08月19日
  • ボヌール・デ・ダム百貨店

    Posted by ブクログ

    ▶こちらが新版。
    ●2025年6月17日、5/8に吉祥寺・外口書店で買った「デパートを発明した夫婦」を含む3冊にふせんやブックカバーをつけて、ふとこの本のレビューを過去の分から読み返してたら、このまえタモリステーションでデパ地下特集を熱心に見てたのを思い出した。そして、デパートに関する本をもっと知りたいと思ってチャットGPTに相談したら「デパートの誕生」をすすめられた。


    さらに、ほかにもありますか?と質問したら、この「ボヌール・デ・ダム百貨店」と「夢の消費革命一一バリ万博と大衆消費の興隆/ロザリンド・H・ウィリアムズ」の2冊をすすめられた。

    チャットGPT:
    1. 『ボヌール·デ·ダム百

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    2025年06月18日
  • 獣人

    ネタバレ 購入済み

    やっと読み終えました

    ゾラの小説は居酒屋やナナを読んでたので、こちらは未読だったため読みました。ゾラの作品は好きなので、それなりに面白かったのですが、
    やはり他の作品の方が素晴らしいかったので、つい比べてしまいます。今回は汽車の話なので、それなりに迫力があります。ひとつ気になったのですが脇役で、夫に毒を盛られて死亡する老婆のお金の隠し場所はどこだったのでしょうか?最後に隠し場所がわかると思ったのですが・・・
    老婆は自分の体の中に隠したのでしょうか?

    #エモい #ドキドキハラハラ

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    2023年07月10日
  • パリ 下

    Posted by ブクログ

    完璧という印象。
    三部作の前二部は日本語で読めませんので、ルルド、ローマの試みはわかりませんが、パリで成功したことはわかります。我が心情に似る所があって、ピエールの気持ちが痛いほどわかります。
    最後は「わくわくどきどき」で読み進めますが、とても気持ちのいい流れで癒されます。
    田山花袋なども影響を受けた自然主義文学なんですね。とても「古さ」は感じられません。

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    2018年05月04日

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