デザインに少しでも興味があるひとにはお勧めの良書。
第一部 使いやすいモノとは何か
第二部 欲しくなるモノとは何か
の二部構成。1978年のスリーマイル島原発事故からFacebookまで。
P351のことばをそのまま借りると、「ユーザーフレンドリー」は、「使いやすいモノをつくる世界」から「つい使っ
...続きを読むてしまうモノをつくる世界」「使わずにはいられないモノをつくる」「見るからに病みつきになるモノをつくる」へと変化している。
いつの間にか怖い話が多くなるなか、コンゴ民主共和国のオセットさんが考えた『マジックバスチケッティング』は、デザインのみで社会を変えた(具体的にはバスという公共インフラの効用を、定時運行のインセンティブ付与により劇的に高めた)、という点で、非常に希望に満ちた話だった。
スキナーが発見した、ラットも人間も予想通りの報酬よりも予想外の報酬(可変報酬)に対して最も反応する(脳が活性化する)、という点は、所謂、『進化的に安定的な戦略』なのだろう。(パチンコの確変もこれ) また、快楽そのものよりも、快楽が得られそうな予感、が脳内麻薬の正体という。
2016年のアメリカ大統領選挙におけるコジンスキーのFacebook 解析の影響の大きさは、空恐ろしさを覚える。