小説・文芸 - 集英社文庫作品一覧
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3.3遭難したダイビング仲間を探すため、奥多摩の地底湖に潜った正人は複雑に枝分かれした水中洞窟に迷い込む。命綱は切れて酸素の残りもわずか。死を覚悟した正人を出口へと導いたのは、直接頭に入り込んできた“彼女”だった。体の奥に響く衝撃とともに浮かぶイメージ。あれは一体何だったのか。正体を明らかにしようと再び正人はその地へと向かう――。著者の原点となった傑作ファンタジー小説。
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-1945年8月14日、女子アナウンサーだけ集められた部屋で上司にこう告げられた。「明日、日本は負けます。もし何かあってもあなたたちは自分の身を守りなさい」。戦前から戦争を経て、戦後、そして高度経済成長期、平成。家庭と職場を両立させながら、アナウンサーとして、ディレクターとして、女性として、世の中に絶えず問題提起を続けた彼女にしか語れない言葉がある。様々な著名人との出会いやエピソードを交えつつ、ラジオを通して、いま改めて近代日本が歩んできた道を振り返る。戦争経験者が少なくなる中、時代の証言として後世に残したい珠玉のエッセイ。
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3.3「社長室の壁を取っ払ってください!」新社長の一言が風を起こす。50人足らずの社員たちが有機的に動き出し、彼らの熱が外部からの応援者も呼び寄せた。経営危機からのV字回復。飛行機を一機しか持たない、日本最小の航空会社が奇跡的に復興した、現代のおとぎ話。その秘密に迫るべく、社員一人ひとりに寄り添って取材したドキュメント。熊本地震や世界遺産登録を経ての天草の現状も追加取材。
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4.2父親を病でうしない、母親との確執を抱えた女子中学生の雨音(あまね)は不登校になり、山岳写真家の伯父・道夫のもとに身を寄せた。道夫はバーニーズ・マウンテン・ドッグのワルテルとともに自前のログハウスに住んでいた。ログハウスの近くには大きな別荘があり、雨音はそこの持ち主の長男で高校生の正樹と知り合う。正樹は再婚した父親と若い母親に対して、複雑な感情を抱えていた。雨音と正樹は道夫の影響で登山の魅力を知るようになり、道夫の愛犬ワルテルと自然との触れ合いが、二人の心を少しずつ癒していく。家族の問題を抱えた中学生と高校生が、道夫とワルテルと過ごすなかで自らの生きる方向性を見出していく、心に響く長編小説。
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4.8我那覇和樹を襲った、日本サッカー史上最悪の冤罪事件。沖縄出身者として初の日本代表入りを果たした彼のキャリアは、権力者の認識不足と理不尽な姿勢により暗転した。チームやリーグと争いたいわけではない。ただ、正当な医療行為が許されない状況を何とかしなければ。これは一人の選手と彼を支える人々が、日本サッカーの未来を救った苦闘の記録である。覚悟と信念が宿るノンフィクション。
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3.5いじめられっ子の兄弟アールとグレイは、事故で亡くなった父親の書斎で妙な絵本を見つけ、異世界「アークノア」に迷い込んでしまった。そこは、戦争も飢饉もない、天井や壁に囲まれた箱庭のような絵本の中の世界。そして、アークノアを破壊すべく現れたおそろしい怪物を倒さなくては、二人はもとの世界に帰れないことを知る……。鬼才・乙一が描くファンタジー長編第一弾!
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