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いじめられっ子の兄弟アールとグレイは、事故で亡くなった父親の書斎で妙な絵本を見つけ、異世界「アークノア」に迷い込んでしまった。そこは、戦争も飢饉もない、天井や壁に囲まれた箱庭のような絵本の中の世界。そして、アークノアを破壊すべく現れたおそろしい怪物を倒さなくては、二人はもとの世界に帰れないことを知る……。鬼才・乙一が描くファンタジー長編第一弾!
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Posted by ブクログ
乙一のファンタジー長編作品第一弾。 いじめられっ子の兄弟が亡き父の残した一冊の絵本から突然不思議な世界に迷い込む。 死んでも翌日には蘇る住人たちに自らが生み出した恐ろしい怪物の存在。 憎たらしいほど悪態をつきまくるのになぜか憎めない弟と家族想いの優しく勇敢な兄。 怪物を生み出すほど...続きを読むの心はなぜ生まれたのか。 かなり好みの物語展開。 読みやすい子供の成長系冒険ファンタジー。 乙一の描く登場人物はいつも孤独を抱えていて、その中で手に入れる繋がりや絆がとても尊い。
現世(こちらの世界)でいじめられていた兄弟が、ファンタジーの世界に流れ着きます。 そこでは「異邦人」である彼らの心の闇から生まれた「怪物」が猛威を振るっていました。彼らが生み出し高異物を退治することが、元の世界に戻る唯一の方法だと聞かされた兄弟は、まずは弟の心から生まれた巨大な「大猿」を退治するため...続きを読むの戦いに身を投じることになります。 父親が死に、繰り返されてきたいじめによってすっかり性格が悪くなった弟グレイが生み出した、怒りに身を任せて破壊を繰り返す大猿は、その被害の大きさから「退治されるべき存在」として描かれますが、それだけの負の感情をため込むに至ったグレイのつらさを考えると、創造主であるグレイの怒りを彼に代わって放出しているだけで、消されなくてはならない存在とされた大猿の存在価値のはかなさにも心が痛みます。 乙一が描くファンタジー作品ということで興味を持って手に取りましたが、ただの不思議な冒険物語で終わらず、主人公の心理描写が緻密であるところや、人間の怒りや憎しみといった負の感情が形を持った「怪物」がファンタジー世界を破壊する存在として描かれるという設定などは著者の個性が発揮されているように思います。 シリーズ作品として第2巻が刊行されているようで、続きが気になる作品でもあります。
面白いは面白く読めたのですが、 世界観がすごすぎて(^ ^; 正直、ちょっと付いてけない感も(^ ^; また、登場人物が多いと、 「人の名前を覚えない症候群」の私は どれが誰だかよく分からなくなり(^ ^; どうやら続き物の一巻目らしく、 壮大な割にまだ事件は半分しか解決してない。 続編を......続きを読む読むかなぁ...(^ ^; 読みたい気持ちは山々なのですが、 結構読むのに体力いるしなぁ...(^ ^;
異世界モノに少し興味があったので読んで見ました。 やはりなんと言ってもアークノアという異世界が他の異世界作品にあるような世界ではないので想像するだけでとてもワクワクしました。そして異世界ならではの設定がまた上手く出来ていると思いました。また、設定上仕方のないことですが、戦う時にハラハラする場面が少な...続きを読むかったかなー?というのは感じました。でもとても面白かったです。
いじめられっこの兄弟が、亡くなった父の書斎から発見した古い絵本。彼らはそれに導かれるがごとく、異世界「アークノア」に迷い込んだ… オーソドックスな異世界冒険譚であるものの、「自分のつくった怪物を排除しなくちゃ…」という設定だったり怪物が淡々と人々を葬っていくさまとか、かなりブラックな側面も持つファ...続きを読むンタジーで、そのあたりのバランスはさすが乙一。とはいえ、ずいぶん丸くなったブラック乙一だと思います(長年の読者としてはそう思う)。 死のない世界、空のない世界、年をとらない世界、(本来)殺人のない世界。ままごとのようなこの設定をベースに怪物という異種を紛れ込ませてスリルを醸し出し、後半は一つの目的に向かっての絶望と希望を描きスピード感がありました。 全体的にはユニークなキャラ設定や世界設定、わかりやすいプロットで、十代世代にもぜんぜん楽しめるのではないかとも。現実から逃れたい少年の苦しみとわだかまりを怪物という形であらわし、自己を乗り越えていこうとする青春譚としても巧くまとまっています。 兄の冒険譚のつづきをまた楽しみに読みます!
いじめられっ子兄弟アールとグレイは 亡き父の書斎から不思議な絵本を見つける 森や砂漠や、その他様々なものが詰め込まれた部屋の断面図が 細かく描かれた絵本「アークノア」 その絵本の世界に迷い込んでしまった2人が告げられたのは この世界を破壊する、恐ろしい怪物を退治しなければ 元の世界には帰れない、とい...続きを読むう宿命だったーー ※※※※ ホラーのイメージが強かった乙一さんのファンタジーということで手に まず、周囲を壁や天井に囲まれた箱庭世界の集まり、という世界観が面白かった 一見して普通の空かと思いきやそれは天井で 太陽だと思ったものは電気だったり けれどその世界の構成物は紙などではなく 人々に過不足なく生きるためのものが与えられている 平和な世界 それを破壊する存在として現れる 迷い込んだ異世界人と、怪物 現実世界では、弱くて、いじめられるばかりで 何の力も持たない2人が怪物なんて強大な敵を倒すことなど 可能なのだろうか? 小さな子どもたちはしかし戦いにその身を投じる 何よりも強く立ちはだかる、自分の心と向きあうために
少年たちの成長を描く王道ファンタジーであった。 乙一氏ならではの、ちょっとした不気味さやハラハラも感じられる小説であった。特に終盤に向けて、ファンタジーの世界を広く使い壮大でダイナミックな闘いがイメージでき面白かった。 後半にも期待したい。
アールとグレイの兄弟はある日、アークノアという本の中の世界に迷い込む。 いくつもの部屋が連なり、歳も取らず死ぬこともなく変わらない人々が暮らす世界。 しかし二人が迷い込んだことで、平和なその世界に怪物が現れたという。 怪物を殺すためにハンマーヘッドと呼ばれる少女、犬の頭を持つカンヤム・カンニャム達と...続きを読む共に旅に出る。 乙一のファンタジー。続きもの。 巨大なシャンデリアが光源となっている森や、至る所に本棚がそびえ立つ港町など、部屋ごと特徴が変わる不思議な世界観が魅力的。 見たことない光景なのに、想像力を刺激される。 続刊の展開が気になる。
いじめられっ子の兄弟が本の中の世界を冒険するお話。ありがちだけど、嫌いではない笑 (これだけ聞いたら果てしない物語だよな^^;) 充分楽しめました。 お話はどんどん続いてくっぽいです。てかハードカバーでは出てるみたいだけど、ハードは物理的に買えない… 文庫版出たら続きも読もうかな
完全なファンタジー作品。 白乙一でも黒乙一でもない作品。 それでも、読後感の爽やかさは素敵でした。 続きも読みたくなる作品。
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