文藝春秋作品一覧
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4.5「脳に電気ショックを与えて、『完璧な人間』へとつくり変える」 現在の米脳科学界における一大トレンドであり、DARPA(米国防高等研究計画局)も莫大な予算のもと参戦する「脳深部刺激療法」。 「サイコパス」「依存症」「うつ病」「てんかん」「パーキンソン病」、そして「小児性愛」「性犯罪者」さえも矯正可能であるという夢のような治療法だ。 軍事転用すれば、冷酷な兵士を人工的に生み出せる。 しかし、闇に葬り去ったはずの禁断の治療法がふたたび甦ってしまった、と戦慄する人も多い。 というのも1950~60年代、マッドサイエンティスト疑惑のある天才脳神経外科医が、 倫理観の希薄な南部(ニューオリンズ)の大学で、思う存分に人体実験を敢行していたからだ。 患者の頭蓋骨に穴を空け、電極を差し込むことによって。しかも彼は、人類の進歩に貢献する英雄として、もてはやされていたのだという。 恐るべきことに彼は、同性愛者を異性愛者へつくり変えることに成功。 暴力行為が一瞬で消えた患者、上限のない幸福感に満たされる患者、メンタル疾患が消えた患者なども。過激化する人体実験。 その一方で、手術失敗で発生した廃人たちを隠し切れなくなりーー。 人間の本質=「脳」という臓器に変更を加えることは許されるのか?
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3.8「航空機の事故には必ずウラがある」 社運を賭けてビジネスジェットの開発に挑むプロフェッショナルたちの挑戦を描く航空ミステリーの傑作! 航空機メーカー四星工業の技術者・沢本は、元同僚の倉崎の「航空機事故には必ず、発表できないウラがある」という言葉を重く受け止めていた。 かつてのオスプレイの墜落事故なども含めて、過去の事故原因は、いつも謎のままだ――という。 このとき、四星工業は社運をかけて、同社初となる民間航空機の開発に乗り出していた。 ところが四星工業の稼ぎ頭である戦闘機部門の実験中に機体が墜落し、パイロット一人が死亡。 すぐさま事故原因が発表されたが、規事業は暗礁に乗り上げてしまう。 航空機事故の裏側に隠された「真実」に、沢本が迫る。 彼女は四星工業の窮地を救えるのか。 四星工業航空機の設計者である著者が、「航空機事故の原因」というタブーに挑んだ傑作ミステリー。
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3.0ブルース・リーに捧げる、衝撃の学園バイオレンス! 暴力の支配するその学園を人はカンフー・ハイスクールと呼ぶ。壮絶な抗争を拳で切り抜ける少女を描く気鋭のノワール作家の問題作。 マーティン・ルーサー・キング・ハイスクール。 ドラッグの密売で強大な力を持つ生徒リドリーと、それを黙認する校長ダームーディーの独裁下、暴力の日常的に吹き荒れる高校。生徒のほとんどが格闘技を身につけなければ生きてゆけない、通称「カンフー・ハイスクール」。 15歳のジェニーは、兄のキューとともにカンフー高に通う。だが、世界的なカンフーの達人でいとこのジミーが香港からやってきた日から、カンフー高は揺れ始める。もうこの拳は振るわないと誓うジミーだったが、学園の暴力者たちは意に介さず、事態はエスカレートしてゆく…… 金曜日、すべては暴力のカオスとなって爆発する。 殺らなければ殺られる、だからわたしは殺る――。 新進ノワール作家、ライアン・ギャティス。 彼がコロンバイン高校銃撃事件などのスクール・バイオレンスを材にとり、ヤングアダルト小説の古典『チョコレート・ウォ―』と、 ブルース・リーの『ドラゴン危機一髪』へのオマージュをこめて一気に書き上げられたのが本作である。 英米各誌で『キル・ビル』『ファイト・クラブ』『アメリカン・サイコ』と並び称された、ポップでイカレて残忍なスクール・バイオレンス・アクション。
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5.0老俳人・月岡草飛が行くところに怪異あり? それは実際に起こった――そういうことだ。 俳人・月岡草飛は妻を亡くして気まま放題。月岡のもとには、謎めいた依頼の数々が持ち込まれる。 生きる欲望に貪欲に突き進むうち、いつしか異界に迷いこむ。 名手が贈る、ブラック&ナンセンスな奇譚集。 それはごく小さな空間で、真っ白な蓬髪を肩まで伸ばした老人が椅子に座り、背を丸め、眉根にしわを寄せて、 自分の前の台のうえに置いた大きなフラスコの中をじっと見つめていた。 月岡が思わず怯んだのは、その凝視のまなこに狂気の光としか呼びようのないものが炯々と輝いていたからだ。――本文より
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4.8ORIX BLUEWAVE 1994-1996 イチローの誕生。 打率3割9分でも凄いじゃないですか。まだハタチですよ/ボクがメジャーを好きな理由/僕は革命者だろうか?/ICHIRO & KAZU ORIX BLUEWAVE 1999-2000 新境地への飛躍。 ピークは遥か先にある/ずっと探してきた感覚を見つけた/揺るぎなきプライド SEATTLE MARINERS 2001-2003 ICHIRO第二章。 躍動するスピリット/99%の満足/イチロー×アレックス・ロドリゲス SEATTLE MARINERS 2004-2007 栄光の先の孤高。 262安打のためにどうしても必要だったもの/この道の彼方に/6年目の孤独/7年目のMVP/17年目のスタートライン ほか WBC 2006&2009 甦る死闘。 僕はいま、イチローを超えた/みんなが折れかけた心を支えてくれた/イチロー×王貞治 ほか NEW YORK YANKEES 2012-2014 転機と、偉業と。 NY、特別な場所で/1―4000、ひたむきな旅路の果てに/『51』は特別な数だから MIAMI MARLINS 2015-2017 偉大なる旅路。 変化、破壊、成熟/“4257”と“3000”の間で/揺るがぬ歩み SEATTLE MARINERS 2018-2019 ICHIRO最終章。 失意と泰然/ふたたび、戦いの場へ/長き戦いを終えて 1994年の仰木彬と鈴木一朗 ICHIRO PERFECT BOOK A to Z 別冊付録Numberイチロー全表紙 ※「ICHIRO ゴールドカード」は電子版には収録されておりません。
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4.2あの文豪の生涯と作品を織りまぜて、リシャッフルし、夢見直して、12の妖しい、美しいピースに仕立てた本。それだけで十分すごいが、さらにこの日本語版は、原文の独特のリズムを緻密に再現し、等しく妖美な作品を再創造している。奇跡のような一冊。 ――柴田元幸 本書を読む者は 必ずや二度三度と 芥川の文学的狂気に侵される。 イギリス暗黒文学の旗手が、芥川龍之介の生涯を恐るべきヴィジョンと魔術的な語りを通じて幻想文学として語り直す。 芥川龍之介。東方と西方の物語と伝承と信仰に魅せられた男。そのなかで静かに渦を巻く不安。それがページから少しずつ滲み出す。 半透明の歯車が帝都を襲った震災の瓦礫の彼方にうごめき、頽廃の上海の川面には死んだ犬が浮き沈み、長崎には切支丹の影が落ち、己が生み出した虚構の分身が動き出し、そして漱石がロンドンでの怪異を語る。河童。ポオ。堀川保吉。ドッペルゲンゲル。鴉。マリア像。歯車。羅生門、藪の中、蜘蛛の糸、西方の人――キリスト。私のキリスト。 ジェイ・ルービン訳の芥川作品をピース自身の呪術的な語りとコラージュし/マッシュアップし/リミックスして生み出した幻想と不安のタペストリーを、コーマック・マッカーシーやリチャード・パワーズらを手がけた黒原敏行が芥川自身の文章と精密によりあわせて完成させた日本語版。芥川と幻想ノワールの結合として、原語版以上の衝撃をもって読者を眩惑する。 災厄と文学、狂気と詩情、日本文学と英国文学、現代文学と近代文学、現実と幻覚……すべての境界をおぼろに融かしてゆく文学と翻訳のはなれわざ。
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-秋田の豪雪地帯に「何年待っても手に入れたい」と籠好きが憧れる、“幻のあけび籠”を編む職人がいる。名工といわれた父・十郎の跡を継いで15歳で籠編みの世界に入り、材料の蔓採りから編み上げるまで全ての工程を手がけるあけび蔓職人、中川原信一。その仕事の全容を秋田県横手の美しく厳しい自然と共に記録し、65点余のカラー写真と文章で紹介する愛蔵版。巻頭エッセイ・光野桃「祈りを携える」。 本書は、中川原の仕事にほれ込んだ著者がクラウド・ファンディングで174名のサポートを得て、単行本化が実現した。 「中川原の仕事が美しいのは、こうした見えないところに手間隙をかけているからに他ならない」(本文より)
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3.5◆考古学ではわからなかった「世界史」の最先端◆ ヒトゲノム計画以降、急速な進化を遂げたDNA解読技術によって、 私たちは数万年前の人類のゲノムも抽出・分析できるようになった。 それにより、遺骨や遺跡の存在が不可欠だった従来の歴史学は一変。 ゲノムの痕跡を辿ることで、骨さえ見つかっていない太古の人類から 現在の私たちへと繋がる、祖先の知られざる物語が解き明かされた―― ・ホモ・サピエンスはネアンデルタール人と何度も交配していた ・DNAにのみ痕跡を残す、知られざる「幻の人類」が発見された ・狩猟から農耕への移行を加速させたのは、二つの突然変異の出現だった ・現存する全人類の共通祖先は、わずか三五〇〇年前、アジアにいた ・ヨーロッパを二度襲ったペスト菌はどちらも中国からやってきた 【目次】 ■序 章 人類の歴史はDNAに刻まれている ■第一章 ネアンデルタール人との交配 ■第二章 農業革命と突然変異 ■第三章 近親相姦の中世史 ■第四章 人種が消滅する日 ■第五章 遺伝学は病気を根絶できるか? ■第六章 犯罪遺伝子プロジェクト ■第七章 ホモ・サピエンスの未来 ■解 説 ゲノムで辿る日本人のルーツ 篠田謙一(国立科学博物館人類研究部長)
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4.0三島由紀夫、中村八大、寺山修司……時代を彩った多くの才能との邂逅、稀代の表現者となった美輪明宏の歌と音楽に迫る、傑作ノンフィクション! 「自分以外の人によって、己れの人生を克明に調べ上げ語られると、そこには又、異なる人物像が現出する。歴史に残る天才達によって彩色された果報な私の人生絵巻が、愛満載に描かれていて、今更ながら有難さが身に沁みる」――美輪明宏 〈目次〉 第1章 異端にして革命児 第2章 長崎の臣吾少年から丸山明宏へ 第3章 三島由紀夫に見出された若き才能 第4章 シャンソン喫茶「銀巴里」とともに 第5章 中村八大という音楽家 第6章 日本初のシンガー・ソングライター誕生 第7章 “ほんとうの日本の歌”を作る 第8章 伝説の番組「夢であいましょう」 第9章 「ヨイトマケの唄」の衝撃 第10章 寺山修司との出会いから演劇の道へ 第11章 60年代の砦・アートシアター新宿文化 第12章 「ブラジル組曲」で始まったリサイタル 第13章 映画『黒蜥蜴』と「黒蜥蜴の唄」 第14章 別離の季節となった一九七〇年 第15章 復活する「ヨイトマケの唄」 第16章 二一世紀へと歌い継いだ者たち
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-国内で、海外で、被災地で、両陛下はいつも心を込めて人々と接せられた。ひとつひとつの場面を思い起こすと、今も感動は新たである――。十二年間に渡って、両陛下の旅にもっとも近くで随行した前侍従長の旅の記録。※紙の書籍版に収録されている巻頭の写真などは、電子版には収録されていません。
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4.4著者はかつて、当局にイスラム過激派と疑われたために職も婚約者も失ったと訴える、ムスリムの青年を取材したことがあった。クウェート難民としてロンドンで育ち、大学でITを学んだ礼儀正しい青年、ムハメド・エムワジは数年後、イスラム国の黒覆面の処刑人「ジハーディ・ジョン」となり、湯川遥菜さんや後藤健二さんらを斬首することになる。エムワジはなぜ、凶悪なテロリストになったのか。「ジョン」と会った唯一のジャーナリストによる決定的評伝。 彼の足跡を辿ると、欧米社会で育ったムスリムの若者たちが偏見や差別にさらされ、将来に絶望する日々のなかで過激思想に染まっていく状況が見えてくる。テロ対策の名のもとにイスラム社会に行っている、抑圧や監視が若者たちの先鋭化につながり、ジハード戦士を生み出す土壌になっている、と著者は指摘する。ジハーディ・ジョンの替えは、いくらでもいるのだ。「クローズアップ現代」でキャスターを務めた、国谷裕子氏の渾身の解説も必読! 【目次】 序章 わたしは「ジョン」と会っていた 第一章 クウェートから来た少年 第二章 イスラム過激派のネットワーク 第三章 MI5とアフリカの角 第四章 素顔のエムワジ 第五章 監視対象 第六章 シリアへの道 第七章 世界を震撼させた斬首 第八章 テロリストの逆流 最終章 「ゼロ・トレランス」の罠 解説 『ジハーディ・ジョンの生涯』を読み、後藤健二さんを想う (国谷裕子)
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3.7本書は不遜な歴史書だ! ギリシャの「科学」はポエムにすぎない。 物理こそ科学のさきがけであり、科学の中の科学である。 化学、生物学は物理学に数百年遅れていた。 数学は科学とは違う――。 1979年のノーベル物理学賞を受賞した著者が、 テキサス大学の教養課程の学部生にむけて行っていた講義のノートをもとに 綴られた本書は、欧米で科学者、歴史学者、哲学者をも巻きこんだ大論争の書となった。 「美しくあれかし」というイデアから論理を打ち立てたギリシャの時代の哲学が いかに科学ではないか。アリストテレスやプラトンは、今日の基準からすればいかに 誤っていたか。容赦なく現代の科学者の目で過去を裁くことで、 「観察」「実験」「実証」をもとにした「科学」が成立するまでの歴史が姿を現す。 解説・大栗博司 (理論物理学者)
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4.1宗教への信仰を持たないアメリカ人女性ジャーナリストが、 友人のイスラム教の指導者とともに、コーランを実際に読む。 ・女性はベールやヒジャーブで身体を覆い、肌を見せてはいけない。 ・女性に教育を受けさせてはいけない。女性を打擲するのが夫の務めだ。 ・ムハンマドが9歳の妻を娶っていたことは小児性愛の肯定だ。 ・ジハードで死ぬと楽園の72人の乙女という報酬を約束されている。 コーランには、実はそんなことは一言も書かれていない! 子ども時代をイスラム圏で暮らし、今はジャーナリストとして「ニューズウィーク」や「タイム」などに多くの記事を寄稿しているカーラ・パワー。 彼女はある日、17年間のキャリアの中で、編集者から一度も「コーランについて書いてほしい」と言われたことがなかったと気がつく。 メディアが求めるのは、いつも「イスラム教から生まれた政治」であり、イスラム教そのものではない――。 そう感じた彼女は、かつてオックスフォード大学イスラム研究センターで同僚だったイスラム学者のアクラムとともに、1年間にわたってイスラム教の原点、コーランを読み解くことを決意する。 女性の権利、ジハード、小児性愛、夫の暴力、イエス・キリスト、そして死後の世界……。 コーランの真髄に触れる旅の中で、知られざるイスラム教本来の姿が明らかになる。
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4.3卑劣な殺人マシンか、素晴らしき兵器か? 無人偵察機からテロリストを殺害するまで進化した無人攻撃機。誰が何のためにここまで開発したのかを追及したノンフィクション大作。
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5.0「外務省機密漏洩事件」に材をとり、構想10年・毎日出版文化賞特別賞受賞の傑作「運命の人」全4巻が電子書籍の合本として登場。 第1巻/毎朝新聞政治部記者の弓成亮太は、自他共に認める花形記者。昭和46年春、大詰めを迎えた沖縄返還交渉の取材中、弓成は日米間にある密約が結ばれようとしていることに気づいた。しかし物証がない。熾烈なスクープ合戦の中、弓成に蠱惑的な女性の影が……。 第2巻/警視庁地下の取調室に響いた声は「弓成亮太、逮捕状を執行する」。強大な国家権力と「報道の自由」を訴えるジャーナリズムの全面戦争に沸騰する世論。ペンを折られ、苦悩する弓成。スキャンダル記事に心を乱し、家族を守ろうとする妻・由里子。弓成の不倫相手と注目され被告席でぐったりと目を伏せる元外務省の三木昭子と、それをじっと見つめる夫。そしてついに、運命の初公判──。 第3巻/東京地裁の判決は、2人の被告の明暗を分けた。毎朝新聞記者の弓成亮太は無罪、元外務省高官付き事務官・三木昭子は有罪に。その直後、弓成は新聞社に退職届を出し、とある週刊誌には昭子の赤裸々な告白手記が掲載された。傷ついた弓成の妻・由里子はある決意をかためる。判決後、検察側はただちに控訴。「知る権利」を掲げて高裁で闘う弁護団の前に立ちふさがるのは、強大な国家権力。機密は誰のためのものなのか? 第4巻/国家権力に叩きのめされた弓成は、すべてを失って沖縄へ辿り着き、様々な島の人々と出会う。アメリカに蹂躙されつづける現実に直面した彼は、ゆっくりと甦り、ふたたびペンを手にする。そのとき、あの密約を立証する公文書が米国立公文書館で発見されたというニュースが飛び込んできて……。感動の巨篇、ここに完結。電子版には、この作品に寄せる著者の談話と沖縄取材記を特別収録。
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4.0開業医ばかりが儲かるカラクリを暴く! ●なぜ診療所の院長の方が、激務の勤務医よりも平均収入が高いのか ●なぜ日本では、海外よりも診療所や病院に行く頻度が高いのか ●なぜ日本では、薬の長期処方やリフィル処方が普及しないのか ●なぜ厚労省は開業医の利益団体である医師会に弱いのか ●なぜ医師会は自民党に強い影響力を持ち得るのか 取材を始めると、診療報酬という「医療の値段」が合理的な理由だけでなく、医療団体の強い要望や政治家の厚生労働省への口利きなど、政治的な要素を含んで決まるものがあることが、次第に分かってきた。それは医療費のムダにつながっている可能性があった。そのほかにもいろいろな疑問が浮かんできた――。(「はじめに」より) 日本の年間医療費は約48兆円。保険料負担の上昇で勤労者の手取りは増えないのに、開業医の平均年収は2653万円、診療所の内部留保は1億2400万円に上ります。東京新聞編集委員の著者は、コロナ禍で開業医の診療拒否が相次いだことに不信感を抱き、取材を開始。医師会が「票とカネ」を武器に政治家を動かし、診療報酬という「医療の値段」の決定に大きな影響力を及ぼしている実態を明らかにしていきます。圧巻の調査報道ノンフィクションです。
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5.0豊臣家の栄達の裏に、凄腕の料理人がいた! 「おみゃあら、今から腹ごしらえだ。 座って食えるのはこれが最後だと思え」 豊臣家の天下統一の陰に、知られざる包丁人(料理人)の姿があった──。 その男は京出身の大角与左衛門。味方の兵たちを食でまとめあげ、敵方の調略にも一役買っていたという。 屑として捨てられていた雉の内臓を使った汁。 決死の戦の前に、即席のかまどで焼いた下魚のかまぼこ。 秀吉と秀長の故郷の味、ドジョウの味噌鍋…… 秀吉・秀長の豊臣兄弟に仕えた包丁人が作る、 人と人との心をつなぐ料理とは? 戦国時代の「食」に光を当てた、前代未聞の天下取り物語!
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4.324歳にして「世界のMAO」に――規格外の天才ピアニスト、待望の初著作 20か国・100都市。世界が彼のピアノに恋をした。 クラシック・シーンを更新し続ける24歳が綴った、2年間の全記録。 2019年、弱冠20歳で世界3大ピアノコンクールのひとつ、チャイコフスキー国際コンクールで第2位入賞。 以降、世界のマエストロからラブコールを受け、数々の名門オーケストラとの共演を実現させてきた藤田真央さん。 現在はベルリンに拠点を移し、ヴェルビエ音楽祭、ルツェルン音楽祭といった欧州最高峰の舞台で観客を熱狂させています。 ・エッセイ&語り下ろしによる、2年間の全記録 音楽の殿堂・NYカーネギーホールのデビュー。 欧州音楽祭で、一流アーティストたちと魂の共演。 新解釈で挑んだモーツァルト。 アジア人差別に直面したベルリンでの新生活。 亡き恩師・野島稔先生と交わした約束。 ――本物の天才のみが見ることを許された景色とは? ・写真もたっぷり収録 スカラ座、コンセルトヘボウから、雪山の中の古城ホテル、フランスの森のピアノまで。 カラー写真で世界各地でのコンサートの様子をお届け! 【藤田真央】 ★世界中からラブコール! 20か国・100都市でコンサート 巨匠マエストロ、一流オーケストラからオファー殺到 ★奇跡の音色と圧倒的実力 18歳で「クララ・ハスキル国際ピアノコンクール」優勝 20歳で「チャイコフスキー国際コンクール」2位 日本人初! 名門ソニークラシカルとワールドワイド契約 ★もちろん、日本でも人気はダントツ! 映画「蜜蜂と遠雷」では奇才・風間塵役のピアノ演奏を担当
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-話題のNHKスペシャルの書籍化 誰が、なぜ選ばれたのか? 極秘資料が明かした選別の実態。 15年に及ぶ取材で隊員約4000人の本籍地や経歴を徹底調査。 浮かび上がってきたのは、選別の実態と職員たちの心情、 そして当時の日本人の特攻への熱狂――「一億特攻」の真実に迫る。
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-目次 [秀才と天才の相剋] 東條英機 軍閥の清算人 石原莞爾の世界観 田中新一 [派閥抗争の深層] 渡辺錠太郎/永田鉄山/林銑十郎 暗殺された二将軍 罠にかかった真崎甚三郎 [特別大座談会]半藤一利/保阪正康/福田和也/戸部良一/黒野耐 昭和の陸軍――日本型組織の失敗―― 宇垣一成/服部卓四郎/荒木貞夫/辻政信/武藤章/杉山元/本間雅晴/梅津美治郎 [憲兵隊長はなぜ社会主義者一家を殺したのか] 暗殺者・甘粕正彦の死 マキノ光雄 [もうひとつの「命のビザ」] 樋口季一郎 ユダヤ難民救出「80年目の迫真証言」 樋口隆一/早坂隆 [重大事件「衝撃の手記」] 河本大作 私が張作霖を殺した 田中隆吉 かくて天皇は無罪になった [宮様の関与はあったのか] 秩父宮雍仁親王/三笠宮崇仁親王/津野田知重 “東条暗殺計画”の真相 [帝国軍人、覚悟の最期] 栗林忠道 その死の真相 梯久美子 [家族の思い出の中の名将たち] 西竹一 「硫黄島玉砕」父・バロン西の優しさ 西泰徳 今村均 聖将・今村均 鮮かな晩節 今村和男 阿南惟幾 三男との最後の対話 阿南惟正 [インパール―― 最悪の統帥と地獄の戦場] 佐藤幸徳/牟田口廉也 「烈」師団長発狂す 瀬島龍三 昭和の参謀ついに死す 保阪正康 [最後の陸軍大臣] 下村定 帝国陸軍の骨を拾う [親子二代の陸軍元帥] 陸軍の「坊っちゃん」寺内寿一 [B C 級戦犯裁判の記録] 山下奉文 米国で発見された獄中手記 保阪正康 岡田資中将の闘い 牛村圭 [終戦後も続いた戦争] 根本博 蒋介石の軍事指南番 小野田寛郎 二十九年後の終戦記念日
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3.6昭和100年、戦後80年記念エッセイ 昭和19年生まれの著者は、人生のほぼすべてを戦後と共に生きてきた。それはまるで、奇跡のように平和な時代。家業が没落したのちも気丈な母、しおれてしまった父、そんな父に反発する兄、苦労して成功した友人、仕事を諦めた妻、バブルを謳歌した仲間たちとの思い出、忘れられないあの人の記憶。平成・令和と時は流れる。いつの時代も人は懸命に生きてきた。共に生き、暮らし、そして風になっていった人々に送る31篇の人間賛歌。 【目次】 はじめに 1章 名古屋・東京・千葉 二度の大地震/サマータイム/長崎の鐘/転校生/モナミの思い出/闇市/兄の進学/被爆した船員/兄の手紙/一九六〇年安保闘争/千葉駅前栄町/東京オリンピックの空/沖縄への旅/羽田闘争/一九六九年/革新都政/デモに行きませんか/妻の中学校/「本の雑誌」のこと/目黒孝二と椎名誠/独立/彼女の名はノエル 2章 満洲 満洲に行ってみる/北京の公園にて/孔乙己酒楼と酒/満洲への第一歩/世界でもっとも美しい街/大草原の大きな要塞/満蒙開拓の旅/高原列車の旅/景星県の小さな村 あとがき
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4.1子供の世界へダイブする、カラフルな短篇集 植物や花、虫やさまざまな生き物が乱舞する、色鮮やかで心躍る「子供の世界」へ! 二人の少年が川原で拾った、怪我をした犬の命運は。(「心臓」) 子供が飲み込んでしまったスモモの種はいつ出てくるのか。(「種」) 「穴」で芥川賞を受賞して以来、独自の小説世界を築いてきた小山田浩子さん。近年では海外に招かれる機会も多く、「日本発のマジックリアリズム」の旗手として注目を集める著者が、言葉の奔流のような文体と、顕微鏡をのぞきこむような高精細な描写で「子供の世界」に挑む9篇。 子供の世界へ身体ごとダイブし、子供が見るように世界を見る、唯一無二のカラフルな小説集。
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4.1狂乱のバブルが生んだ最後のアンチヒーロー もう二度と日本にこんな兄弟が現れることはないだろう。 狂乱のバブルに踊り、栄光と挫折の物語を生きた2人は、時代が求めた最後のアンチヒーローだった! 質素なスポーツの祭典だったオリンピックを巨額の利益を生み出すイベントに変えた電通にあって、長年、スポーツ局に君臨した高橋治之が、2022年、ついに東京オリンピックでの収賄容疑で東京地検に逮捕された。東京拘置所へと引っ立てられる治之の姿を見て、30年近く前、同じような光景を見た気がした人も多いだろう。 1995年、東京協和信用組合破綻に関する背任容疑で東京地検特捜部に逮捕された、イ・アイ・イーインターナショナル社長の高橋治則。治之と治則は年子の兄弟なのだ。 天皇家にもつながるという名門で、花嫁修業中のお手伝いさんがいるような裕福な家庭に生まれ、慶応幼稚舎から慶応大学に進み、電通、日本航空という当時の超一流企業にコネで就職。誰もがうらやむエリートコースを進んだ2人が、なぜ、そろいもそろって塀の向こう側に落ちてしまったのか。 稀有な兄弟の人生を、抜群の取材力でたどった本書は、戦争ですべてを失った日本が、奇跡の復興によって立ち直ったものの、やがて傲慢になり、バブルの狂乱を生み出して破綻していった「昭和」という時代を見事に描き出した。 大きな話題を呼んだ「週刊文春」長期連載がついに単行本化された。 現在、裁判中の治之のインタビューに成功し、直接、疑問をぶつけ、肉声による反論を載せているのは、まさに王道ノンフィクションの醍醐味である。
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4.3村山由佳が描く、業界震撼の“作家”小説! 「どうしても直木賞が欲しい……!」 賞(prize)という栄誉を獰猛に追い求める、あるベストセラー作家と彼女を取り巻く人間たちの、破壊的な情熱が迸る衝撃作! あらすじ ライトノベルの新人賞でデビューした天羽カインは、3年後には初の一般小説を上梓、その作品で〈本屋大賞〉を受賞。以来、絶え間なくベストセラーを生み出し続け、ドラマ化・映画化作品も多数。誰もが認める大人気作家である。 ――しかし彼女には何としてでも手に入れたいものがあった。それは〈直木賞〉という栄誉。 過去に数度、候補作入りするものの、選考委員からは辛口の選評が続いた。別居する夫には軽んじられ、まわりの編集者には「愛」が足りない。私の作品はこんなに素晴らしいのに。いったい何が足りないというの? * 『南十字書房』に勤める緒沢千紘は、天羽カインの担当編集者である。学生のころから大ファンで、編集者になってからは必死のアピールのすえカインの担当となった。〈直木賞〉が欲しいとのたまうカインに振り回されつつも、彼女の情熱に応えるべく、自らのすべてを懸けてカインに没頭するようになってゆき――。 * 一方『文藝春秋』のカイン担当、「オール讀物」編集長の石田三成は当惑していた。文春から出す新作を「絶対に候補作にしろ」とカインに詰め寄られたのだ。そしてその日カインが宿泊するホテルのカードには、手違いで「石田三成」の名前が載っていて……。 果たして天羽カインは直木賞を獲得することができるのか。 あまりのリアリティに業界震撼! 文芸を愛するすべての人に捧げる容赦ない作家小説。
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4.720時間を超える両陛下との懇談の記録 「保阪君、雲の上の人に会う気はあるか」 故・半藤一利氏にそう声をかけられたのをきっかけに、筆者は2013年から2016年の3年間で6回も、天皇、皇后両陛下(現上皇、上皇后)に御所にお招きいただき、それぞれ数時間にわたる「雑談」を、都合20時間以上重ねた。 近現代史を研究してきた筆者にとって、両陛下のお話は歴史の機微に触れる、まことに貴重な証言であったのと同時に、いずれ編まれるであろう平成の天皇実録の史料として、この雑談の記録を残しておくよう、侍従長であった故・渡邉允氏に強く勧められたこともあって、「文藝春秋」2023年1月号、2月号の2回にわたってこの懇談録を執筆した。 これに、2015年5月号掲載の渡邉侍従長との対談、2018年9月号掲載の川島裕侍従長との対談を合わせて、平成の天皇、皇后両陛下の、常に歴史と国民に向き合われてきたお姿を記録したのが本書である。 「日本にはどうして民主主義が根付かなかったのでしょうね」 「石原莞爾はそういうところ(田中メモランダムの執筆)でも関与しているんですかね」 など、公式の場面では絶対に出てこない陛下のお言葉は、昭和、平成の2代の歴史の重みを自然と感じさせる。 両氏が御所にお招きいただいたのは、ちょうど陛下が「生前退位」をお考えになっていた時期でもあった。 歴史の大きな節目に関わった、歴史研究家による貴重な記録が本書なのである。
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4.2かつて司馬遼太郎は、歴史はどうしても悪玉と善玉とで説明されると嘆きました。 化学では酸素が悪玉で水素が善玉なんてことはないのに、と。 イデオロギーによる正邪の要素が歴史解釈には入り込んでしまうわけです。 ところが、出口流の歴史解釈は、ちがいます。 「あったはずだ」「あるべきだ」といったイデオロギーに基づく願望を排除し、 「あった」「なかった」「あたりまえやで」と、あるがままの姿を切り取っていきます。 これは、保険業界というビジネスの最前線で戦ってきた筆者だからこその、 ビジネスマインドによる歴史解釈なのかもしれません。 明治維新に始まる日本の近代は、戦争の連続でした。 日清・日露、第一次世界大戦とシベリア出兵、満州事変、日中戦争、太平洋戦争……。 右派も左派も、イデオロギー満載で解釈してきたこの時代が、 出口流歴史解釈によって、じつに明快に、そして生き生きと再構成されています。 本当に起きたことを知りたい人に、最適のテキストです。 【目次】 第1章 明治維新と文明開化 第2章 武士の世の終わりと国民国家 第3章 憲法発布と議会開設 第4章 富国強兵の成果 日清・日露戦争 第5章 短かった国際協調と政党政治 第6章 満洲事変と世界からの孤立 第7章 アジア・太平洋戦争と近代国家の破綻 第8章 近・現代篇まとめ
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3.4自衛官出身、『小隊』の砂川文次が圧倒的なリアリティーで描くノンストップ・ミリタリーアクション巨編! ロシア軍の侵攻から10年が過ぎた北海道東北部は、ロシア軍や自衛隊の残党、民兵、マフィア、ヤクザなどが群雄割拠している。日本政府「支援飛行隊」のイリキは、ヘリコプター墜落から九死に一生を得る。救ってくれたヤマガタ、アンナと共に、血なまぐさい「無法地帯」を奥へ奥へと進んだイリキの前に、ついに究極の兵器が現れる!
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4.025歳で七冠を制した羽生善治。 勝敗の数を超えたその強さと人生を、 藤井聡太らトップ棋士たちとの闘いを通じて描く。 宇宙のように広がる盤上で駒をぶつけあう者たち――。 本書は、名対局の一瞬一手に潜むドラマを見逃すことなく活写してゆく。 中学生で棋士となった昭和。勝率は8割を超え棋界の頂に立った平成。 順位戦B級1組に陥落した令和。三つの時代、2千局以上を指し続けた 羽生善治、そして共に同じ時代を闘ったトップ棋士たちの姿を見つめながら、 棋士という“いきもの”の智と業をも浮かび上がらせる。 「週刊文春」連載時より大きな反響を呼んだノンフィクションに 新たな取材、加筆を行った堂々の一冊。 【主な登場棋士】 米長邦雄/豊島将之/谷川浩司/森内俊之/佐藤康光/深浦康市/渡辺明/藤井聡太
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4.0なぜ、人と人は争わねばならないのか? 日本史上最大の危機である元寇に、没落御家人が御家復興のために立つ。 かつては源頼朝から「源、北条に次ぐ」と言われた伊予の名門・河野家。しかし、一族の内紛により、いまは見る影もなく没落していた。 現在の当主・河野通有も一族の惣領の地位を巡り、伯父と争うことを余儀なくされていた。 しかしそんな折、海の向こうから元が侵攻してくるという知らせがもたらされる。いまは一族で骨肉の争いに明け暮れている場合ではない。通有は、ばらばらになった河野家をまとめあげ、元を迎え撃つべく九州に向かうが…… アジア大陸最強の帝国の侵略を退けた立役者・河野通有が対峙する一族相克の葛藤と活躍を描く歴史大河小説。
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3.9奇人にして天才――カテゴライズ不能の「知の巨人」、その数奇な運命とは 「知る」ことこそが「生きる」こと 研究対象は動植物、昆虫、キノコ、藻、粘菌から星座、男色、夢に至る、この世界の全て。 博物学者か、生物学者か、民俗学者か、はたまた……。 慶応3年、南方熊楠は和歌山に生まれた。 人並外れた好奇心で少年は山野を駆け巡り、動植物や昆虫を採集。百科事典を抜き書きしては、その内容を諳んじる。洋の東西を問わずあらゆる学問に手を伸ばし、広大無辺の自然と万巻の書物を教師とした。 希みは学問で身をたてること、そしてこの世の全てを知り尽くすこと。しかし、商人の父にその想いはなかなか届かない。父の反対をおしきってアメリカ、イギリスなど、海を渡り学問を続けるも、在野を貫く熊楠の研究はなかなか陽の目を見ることがないのだった。 世に認められぬ苦悩と困窮、家族との軋轢、学者としての栄光と最愛の息子との別離……。 野放図な好奇心で森羅万象を収集、記録することに生涯を賭した「知の巨人」の型破りな生き様が鮮やかに甦る!
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4.0サラブレッド大河ロマン小説 現代→1916年。日本人騎手が「蹄鉄」に転生! フランスの凱旋門賞に出場した日本人騎手・藤晩夏は、レース中の落雷で異世界に転生してしまう! 口の悪い「蹄鉄」になった晩夏は、アラブ系の少年アリーの相棒として、ロンドン郊外からアメリカのケンタッキーへ、馬たちの成長を見守ることになった……。愛と裏切りと、狂気と堕落と執念と。さまざまな苦難と対峙して、世界的な名馬たちの誕生から、悲劇的な死に至るまで、アリーと晩夏は時代を走り抜ける。サラブレッドロマンあふれる大河小説!
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4.1紫式部が生きた時代の豪華絢爛宮中絵巻 日本初の女性による女性のための歴史物語『栄花物語』の作者である朝児(赤染衛門)からみた宮廷はどんな姿をしていたのか? 宮中きっての和歌の名手と言われる朝児(あさこ)は夫を亡くしたばかり。五十も半ばを過ぎて夫の菩提を弔いながら余生を過ごそうとしていたが、ひょんなことから三条天皇の中宮妍子の女房として再び宮仕えをすることになる。 宮中では政権を掌握した藤原道長と、あくまで親政を目指す三条天皇との間には緊張が入っていた。道長の娘の妍子が、将来天皇となるべき男児を出産することが、二人の関係に調和をもたらす道だった。しかし、女児が生まれたことで、道長は三条天皇の排除を推し進めていくことになる。 朝児は、目の前で繰り広げられるきらびやかながらも残酷な政争に心を痛める。なぜ人は栄華を目指すのか。いま自身が目にしていることを歴史として書き記すことが自らの役目ではないのか。そこで描かれるのは歴史の勝者ばかりではない。悲しみと苦しみのなかで敗れ去った者の姿を描かねばならない。その思いの中で朝児は筆を取る。
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-「死んでもらいます」 健さんが斬る! 「弾はまだ残っとるがよう」 文太が吠える! 膨大な資料と証言から綴り上げる「ヤクザ映画史」! 任侠の起点たる『侠客 祐天吉松』に始まり、『仁義なき戦い』を経て、 『孤狼の血』に至るまで。執念の取材でヤクザ映画100年余の修羅に踏み込む。 そこに映し出される「暴力の近現代史」を描き上げる画期的労作。
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4.1それは、鉤爪や翼や魂が再びそなわった者たちの物語 奇病が流行った。ある者は角を失くし、ある者は翼を失くし、ある者は鉤爪を失くし、ある者は尾を失くし、ある者は鱗を失くし、ある者は毛皮を失くし、ある者は魂を失くした。 何千年の何千倍の時が経ち、突如として、失ったものを再び備える者たちが現れた。物語はそこから始まる―― 妊婦に翼が生え、あちらこちらに赤子を産み落としていたその時代。森の木の上に産み落とされた赤子は、鉤爪を持つ者たちに助けられ、長じて〈天使総督〉となる。一方、池に落ちた赤子を助けたのは、「有角老女頭部」を抱えて文書館から逃げだした若い写字生だった。文字を読めぬ「文字無シ魚」として文書館に雇われ、腕の血管に金のペン先を突き刺しながら極秘文書を書き写していた写字生は、「有角老女頭部」に血のインクを飛ばしてしまったことから、老女の言葉を感じ取れるようになったのだ。写字生と老女は拾った赤子に金のペン先をくわえさせて養うが、それが「〈金のペン先〉連続殺人事件」の発端だった…… 歌集『Lilith』、短篇集『無垢なる花たちのためのユートピア』、掌篇集『月面文字翻刻一例』の新鋭、初の幻想長編小説。
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4.5なぜキーンさんは英語で書き、私に翻訳させたのか ドナルド・キーンは生前、日本の新聞社・出版社の求めに応じて自伝を3冊刊行したが、まとまった評伝はこれまで書かれてこなかった。『日本文学史』をはじめ、長年のキーンの日本文学研究についての本格的な批評・研究もあまり見られないのではないか。数々の文学賞や文化勲章を受け、晩年に帰化してからは多くのメディアに登場したが、「学者ドナルド・キーンは、こうした受賞も含めて世間で持て囃されるか、あるいは無視されるか、そのどちらかの扱いしか受けてこなかったような気がする」と、40年来の友人で、『明治天皇』『日本人の戦争』などを翻訳した著者は指摘する。 ドナルド・キーン生誕101年、ユーモアと本物の知性を兼ね備えた文人の生涯をたどり、その豊かな仕事に光をあてる1冊。
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4.1史上最も無能な征夷大将軍 やる気なし 使命感なし 執着なし なぜこんな人間が天下を獲れてしまったのか? 動乱前夜、北条家の独裁政権が続いて、鎌倉府の信用は地に堕ちていた。 足利直義は、怠惰な兄・尊氏を常に励まし、幕府の粛清から足利家を守ろうとする。やがて天皇から北条家討伐の勅命が下り、一族を挙げて反旗を翻した。 一方、足利家の重臣・高師直は倒幕後、朝廷の世が来たことに愕然とする。 後醍醐天皇には、武士に政権を委ねるつもりなどなかったのだ。 怒り狂う直義と共に、尊氏を抜きにして新生幕府の樹立を画策し始める。 混迷する時代に、尊氏のような意志を欠いた人間が、 何度も失脚の窮地に立たされながらも権力の頂点へと登り詰められたのはなぜか? 幕府の祖でありながら、謎に包まれた初代将軍・足利尊氏の秘密を解き明かす歴史群像劇。
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-「のど自慢」「ふるさと歌まつり」「紅白歌合戦」の名司会で日本中を熱狂させた、昭和を代表するアナウンサー、宮田輝。だが、なぜか評伝らしきもが書かれたことがなかった。田中角栄に口説かれ、NHKを定年前に退職して、参議院議員になったことがその理由なのか? それとも……。本書は未亡人の恵美さんに信頼された筆者が、宮田家から膨大な資料の提供を受け、初めて挑んだ本格評伝。宮田が歩んだ道のりは、まさに昭和の日本そのもの。数々の番組の裏話や著名人のインタビューもあって、エンターテインメントとしても楽しめる1冊。みのもんた氏など他局の後輩アナウンサーの目標ともなった宮田の司会術の奥義も面白い。古き良き昭和を切り取った力作。 目次 序 章 宮田輝伝説 第一章 宮田家の人々 第二章 太平洋戦争前後 第三章 縁(えにし) 第四章 ラジオメディアの時代 第五章 テレビジョンに挑む 第六章 人間 宮田輝 第七章 十六年はひと昔 第八章 参議院議員 宮田輝 第九章 祭りのあと あとがき 宮田輝関連年表
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3.9昭和18年、戦時下の日本。国家のために死ぬことを夢見る軍国少年・勇二が出会ったのは、歴史学者の娘・涼子。 日本が戦争に負けると言い放ち、自由奔放に振る舞う不謹慎な彼女が、大学生の兄の恋人だと知ったのは、学徒出陣が近付く頃だった…。 「どうして俺が生き残っちゃったんだろうな」 「生き残ることは罪じゃないでしょう」 自由が統制され、夢を見ることさえ叶わない社会で、少年少女はどこへたどりつくのか。 秘密の図書館、真夜中の帝都、出征の朝、西へ向かう夜汽車、真っ白な日の丸。 『平成くん、さようなら』の著者による書き下ろし青春小説!!
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4.0「映画は子供のころから見ていた。東京は日本橋区の生れで、和菓子屋の九代目の長男で、親や番頭に可愛がられながら育ったから、そういうことになる。」 自らをそう振り返る小林信彦さんが、折にふれて観なおす名画の話。八十何年かの人生をいろどる幸福な出会い。名著に加筆を施した『決定版 日本の喜劇人』のこと……。 「週刊文春」で23年連載された名物コラム『本音を申せば』シリーズが、本書をもって完結します。 第一部「奔流の中での出会い」は、野坂昭如さん、山川方夫さん、渥美清さん、植木等さん、長部日出雄さん、大瀧詠一さん、江戸川乱歩さんなど、ひときわゆかり深い17名の思い出。 第二部「最後に、本音を申せば」は、2021年のクロニクル。NHKBSプレミアムで放映される映画のラインナップが上質なのに感心し、『日本の喜劇人』に加筆して「決定版」を刊行された年でした。 「数少い読者へ」と題した最終回が「週刊文春」に掲載されると、愛読してこられた読者の方々からのお便りが、編集部に続々と寄せられました。長年のご愛読に感謝しつつお届けする最終巻。平野甲賀さんのフォントを題字に使用し、本文挿絵は小林泰彦さんです。
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5.0西暦1000年。 西ヨーロッパはいまだ暗黒時代からの復興の途上にあり、大航海時代は遠い先のことだ。 しかし本書はその西暦1000年こそが「グローバリゼーションが誕生した年」である、と西欧中心の史観を離れて描き出す。 中国からインド、アラビア半島、さらにアフリカまでの海上交易ルートはこの頃初めて結合した。さらにカナダに到達したバイキングが、南北アメリカで発達していた交易路を、その海上ルートと結びつけた。 史上初めて、異国のもの、技術、情報、宗教が遠く離れた国に到達し、一般の人々まで影響を及ぼす「グローバリゼーション」が始まったのだ。 イェール大学歴史学教授である著者はは西暦1000年の各地の交易品を手がかりに、世界中で同時進行していた変化を生き生きと再現する。世界的な交易は農業生産性を高める反面で感染症を広め、知識を広める反面で固有の文化を分断し、新技術を伝える反面で伝統工芸を消滅させた。 宗教を変え、他国向け製品をつくり、反グローバリゼーション運動を起こす人々の姿は、驚くほど21世紀と似ている面がある。 西暦1000年から、ヨーロッパの支配という世界史の新たな局面が始まる1500年までの500年間、「最初のグローバリゼーション」が世界を大きく変えていた。 バラバラに知っていた世界史の知識が新たなフレームで再定義され、読者に知的興奮を呼び起こす。現代グローバリゼーションの世界を生きる者への教訓に満ちた胸躍る歴史書。
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3.7
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4.0「日本は東日本を失うかもしれない」―― 戦後最大の危機から10年、衝撃的肉薄で明かされる「福島第一原発の真実」! メルトダウンの最中、パニックに陥る日本政府中枢、 蔓延る官僚システムの陥った失敗、悲劇の数々、 そして問題解決に取り組んだ偉大な技術者たち…… 今、改めてこの国の危機対応を問う 国民的ノンフィクションの金字塔。 日米同時発売、 第44回大宅壮一ノンフィクション賞受賞作を大幅アップデート! 分刻みで描かれる「メルトダウン」、 そのとき日本政府は、日本国首相は、東電は、 そして現場の職員・技術者たちは何を考え、課題に取り組んでいたのか? 新史料で続々と明らかになる「フクシマ」の真相。 序 フクシマはなお、終わっていない。 第1章 SBO 全交流電源喪失 第2章 原子力緊急事態宣言 第3章 水素爆発 第4章 海水注入 第5章 運命の日 第6章 対策統合本部 第7章 住民避難 第8章 最後の砦
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3.4スティーヴン・キングが賛辞を贈る新鋭、 恐怖と驚愕を増量して前作『白墨人形』をしのぐ傑作。 ホラーか? ミステリか? いや、これは恐怖と驚愕を両立したホラー・ミステリの傑作なのだ。 妹アニーに起きた忌まわしい出来事が再び起こる。そう告げる不吉なメールで ぼくは故郷に呼び戻された。ぼくの前任の教師は、「息子じゃない」という血文字を残して 息子を惨殺したという。その血文字にこめられた真意を、ぼくは知っている。 8歳のアニーが姿を消したのは、ぼくが友人たちとともに探検に行った鉱山跡の洞窟でのことだった。 あの夜、あそこで恐ろしいことが起きた。そしてそのあとアニーにもっと恐ろしいことが起きたのだ……。 過去の忌まわしい記憶と、現在の忌まわしい事件。友人の不可解な自殺。惨劇の家で起こる怪異。 封印した恐ろしい記憶。それらがすべて明らかとなり、ひとつになるとき、 恐怖に満ちた真相が姿をあらわす! 恐怖と驚愕を見事に融合させた新鋭の傑作。
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4.1網の中(インターネット)にひそむ悪魔をあぶり出せ! 『13・67』の著者、渾身の勝負作 自宅アパートの22階から飛び降り自殺した女子中学生シウマン。 彼女は通学電車の中で痴漢事件に巻き込まれ、犯人と目された男の甥からインターネット上で攻撃を受けていた。 ネットの誹謗中傷が彼女を死に追いやったのか? 自分の知らない世界で妹を脅かすどす黒い悪意の存在を知った姉のアイは、変わり者だがネット専門の凄腕探偵・アニエを説得し捜査を依頼した。 だが、アニエの調査の結果、次々に意外な事実が判明し、事態は混沌としていく――。 貧富の格差著しい香港を舞台に、ネットリンチや痴漢冤罪やダークウェブなどなど、我々日本人も同じように抱える社会問題を背景に、現代社会における人間の善悪を問う。 前作『13・67』で香港の現代史を俯瞰した著者が〈いま現在の〉香港の光と影を描き切った、華文ミステリーの最高峰!
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4.5「クソみたいなキューバを変えられるのは、カストロしかいなかった」 アメリカ傀儡政権から祖国を取り戻した男の闘いを描く! 若きJ・F・ケネディや、アレン・ダレスCIA長官が活躍する大国アメリカの影響を受けながら、米国の傀儡政権が支配するキューバで、革命への土台を作るために戦った若き日のフィデルを描く! 祖国キューバのためを思い、立ち上がったフィデル・カストロは、時の権力者・バチスタ将軍に何度も敗れた。 それでも、フィデルに私心はなく、国民のために戦っていたからこそ、多くの国民に支持をされた。 キューバ革命への礎を築いたフィデル・カストロの壮絶な激闘譜。 英雄チェ・ゲバラを描いた『ゲバラ覚醒』『ゲバラ漂流』、カリスマ指導者フィデル・カストロの幼少期から青年時代を綴った『フィデル誕生』に続く、ポーラースター・シリーズ最新刊。 アメリカと対峙し続けた、キューバの歴史を読めば、世界の現代史が読み解ける。 【電子特典】 全電子版共通の「あとがき」、付録(「海堂尊・全著作リスト」「作品相関図」など)のほかに、本書には以下の文章を収録。 電子版あとがき 『フィデル出陣 ポーラースター』 【関連小文】1 「オバマ大統領、広島訪問」 【関連小文】2 「ローマ教皇フランシスコ、広島・長崎訪問」 【関連小文】3 「コロナ来襲」 【関連小文】4 「紙は神様である」
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-忘れられない人、場所がある。 あの日以来、ずっとフクシマのことを考えてきた――。 日本を離れ、長らくドイツで教鞭をとってきた著者の脳裏に去来する言葉がある。 石牟礼道子、井上光晴、大江健三郎、柄谷行人、小林秀雄、島崎藤村、谷川雁、寺山修司、中上健次、中野重治、萩原朔太郎、水上勉、柳田国男、横光利一、保田興重郎、李恢成、若山牧水……。 自らの過去から近現代へと、深い哀しみとともに綴られる思索の旅。 【目次から】 序章 フクシマ以後を考える 第一章 故郷という概念 第二章 懐かしさの演出 第三章 離郷と望郷 第四章 故郷はどのようにして失われたか 第五章 水上勉の故郷 第六章 故郷という共同幻想 終章 周縁と故郷の文学
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4.5これぞエルロイ、これぞ警察小説――新たなる傑作の誕生。 戦時下でもジャップ殺しの捜査を継続することで警察の公正さをアピールする。それがLA市上層部の結論だった。だが真犯人を捕らえる必要はない。都合のいい変態かジャップを捕らえて真犯人をデッチ上げろ。その意を受けて、ダドリー・スミスが動き出す。一方、LA市警本部長候補である刑事ウィリアム・パーカーは、汚職警官ダドリー・スミスに狙いを定めていた。警察官は清廉でなければならない――アルコール依存症に苦しみながらもパーカーはヒデオ・アシダに接近、ダドリー失脚の機会をうかがう。 アシダ、ダドリー、パーカー。それぞれの正義のために共闘し、裏切り合う男たち。その思惑に巻き込まれた女ケイ・レイク。反米ジャップと共産主義者への弾圧がはじまったLAで、戦争のパニックに乗じて儲けようとする男たちが悪辣な策謀を紡ぎ出す―― 警察内部の暗闘。国家同士の戦争。愛国と反米。ヘイトの嵐の中で、男たちは真実にたどりつくことができるのか? ミステリ史上最強の警察小説、ここに降臨!
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-犯罪のサポートと情報の売買。それがカーラの仕事だった。だが今回持ち込まれた依頼は危険きわまりない――〈プログラム〉への潜入の手配である。頻発する刑務所の暴動に手を焼いたイギリス政府が導入した矯正施設、〈プログラム〉。ゴーストタウンとなった住宅街を接収、二重の壁で囲み、そこで受刑者たちによる「自治」が行われている。依頼人は元狙撃兵の殺し屋ジョハンセン。カーラの手配でジョハンセンは施設に潜入するが……。 依頼の背景を調べはじめたカーラは、次々に不可解で不穏な事実にぶちあたる。かつて彼女とジョハンセンが関わったギャングの抗争。元MI5の老スパイの死。謎の失踪を遂げた女性医師。警察、MI5、犯罪者たち……この一件の裏側で何か秘められた謀略が動いている。そして〈プログラム〉の中では、ジョハンセンに怨みを抱く大物ギャングが待ち受けていた……。 ジョン・ル・カレばりの陰謀の迷宮。スタイリッシュなクライム・ノワールの語り口。最高にクールな女性ヒーローと巧妙なプロットでイギリス出版界を揺るがせた新人のデビュー作。
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3.8「半導体の集積密度は18~24ヶ月で倍増する」つまり「コンピュータの処理能力は指数関数的に向上していく」、1965年、インテルの創業者であるゴードン・ムーア博士が発表した論文に書かれていた半導体の能力に関する洞察は、「ムーアの法則」として、今日にいたるまで、情報産業にかかわるものが、逃れらない法則となった。 その法則を生み出した「世界で最も重要な会社「インテル」の産業史である。 ムーアの法則」の誕生のみならず、本書を読む読者が切実に感じるのは、今自分が努めている会社、業界のすべてに通ずる共通のテーマが、鮮烈なエピソードをもって書かれている点だ。 すなわち、「技術力か営業力か宣伝力か」という問題。 あるいは「才能か努力か」 あるいは、「継承か革新か」 あるいは「模倣か創造か」 本書の中には、コンピュータの心臓部であるマイクロプロセッサ(CPU)を世界で初めインテルとともに開発した日本の電卓メーカーが、最後の最後で社長の判断から契約をキャンセル、結果的には、CPUの知的財産権を逃すという「史上最悪の経営判断」をしてしまう話や、あるいは、モトローラに劣るチップをインテルが営業力でもってシェアを逆転する様など、私たちの今日のビジネスの日々の判断に通じる血わき肉おどるエピソードが満載されている。 著者はアメリカの新聞で初めてシリコンバレー担当をおいたサンノゼマーキュリーニュースで最初のシリコン・バレー担当となった記者。1970年代から今日まで、その有為転変を追い続けてきた
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4.1xのn乗 + yのn乗 = zのn乗 上の方程式でnが3以上の自然数の場合、これを満たす解はない。 私はこれについての真に驚くべき証明を知っているが、ここには余白が少なすぎて記せない。 17世紀の学者フェルマーが書き残したこの一見簡単そうな「フェルマーの予想」を証明するために360年にわたって様々な数学者が苦悩した。 360年後にイギリスのワイルズがこれを証明するが、その証明の方法は、谷村・志村予想というまったく別の数学の予想を証明すれば、フェルマーの最終定理を証明することになるというものだった。 私たちのなじみの深いいわゆる方程式や幾何学とはまったく別の数学が数学の世界にはあり、それは、「ブレード群」「調和解析」「ガロア群」「リーマン面」「量子物理学」などそれぞれ別の体系を樹立している。しかし、「モジュラー」という奇妙な数学の一予想を証明することが、「フェルマーの予想」を証明することになるように、異なる数学の間の架け橋を見つけようとする一群の数学者がいた。 それがフランスの数学者によって始められたラングランス・プログラムである。 この本は、80年代から今日まで、このラングランス・プログラムをひっぱってきたロシア生まれの数学者が、その美しい数学の架け橋を、とびきり魅力的な語り口で自分の人生の物語と重ね合わせながら、書いたノンフィクションである。
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4.41巻2,241円 (税込)◆初めて明かされる国盗り物語の全貌◆ これまで数々のスクープで世界中に衝撃を与えつづけてきたワシントン・ポスト紙が、 3か月にわたって20人以上の記者を投入し、 これまで1度も選挙の洗礼を受けていないトランプの全人生を徹底取材! 発売直後、英ガーディアン紙をはじめ、欧米の各紙が一斉に取り上げる一方、 トランプ氏本人は本書について「Don’t buy, boring!(買うな、退屈な本だ!)」と、 自身のTwitterで不買運動を呼びかけた。 ・マンション群に黒人を入居させなかったとして「人種差別罪」で訴追されている。 ・マライア・キャリーやダイアナ妃と「やりたい」「自分ならやれた」とラジオで公言。 ・3度目の結婚の際にヒラリー・クリントンを招待、ヒラリーは最前列で出席。 ・1999年から2012年まで7回、党籍を変える。民主党、共和党、改革党。 ・トランプは100億ドル以上の純資産を持つと主張するが、実際には10分の1以下。 ――など、数々の知られざる事実が明らかになる!
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4.1集大成的恋愛小説、圧巻の千三百枚 二人の恋の炎は、すべてを焼きつくす。 京都と東京を舞台に描く、集大成的恋愛小説 「誰かを傷つけるのはこわいけど、傷つけなければ生まれない感情もある。」――綿矢りさ 京都に暮らす久乃(ひさの)は、中学校の入学式で出会った同級生の綸(りん)にひと目で惹かれ、二人は周囲の偏見にも負けず、手さぐりで愛をはぐくんでいく。 「名前なんか、どうでもいーやん。私は久乃が好き。久乃は私が好き。それで十分やろ」 しかしあることがきっかけで二人は決定的に引き裂かれる。 そして十数年後、東京の会社に勤める久乃は思いがけない形で綸に再会するのだった――。 綿矢りさ史上最長、圧巻の1300枚!
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3.7誰かが死ななきゃ分かんないの? 首相暗殺テロが相次いだあの頃、インターネット上にももう一つの爆弾が落とされていた。ブログに突如書き込まれた【宣戦布告】。そこでは、SNSで誹謗中傷をくり返す人々の名前や年齢、住所、職場、学校……あらゆる個人情報が晒された。 ひっそりと、音を立てずに爆発したその爆弾は時を経るごとに威力を増し、やがて83人の人生を次々と壊していった。 言葉が異次元の暴力になるこの時代。不倫を報じられ、SNSで苛烈な誹謗中傷にあったお笑い芸人・天童ショージは自ら死を選んだ。ほんの少し時を遡れば、伝説の歌姫・奥田美月は週刊誌のデタラメに踊らされ、人前から姿を消した。 彼らを追いつめたもの、それは――。
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4.0宮本文学初の大河歴史小説、堂々の開幕篇! 幕末・維新の激動に立ちむかった「富山の薬売り」たちの知恵と勇気。 人を導く、「大いなる力」とは何か? 人間を描き続けてきた宮本文学の集大成にして初の歴史小説、堂々の開幕篇。 幕末の越中富山に生まれた川上弥一は、藩を挙げての産業・売薬業に身を投じる。 やがて薩摩藩を担当する行商人となった弥一は、じょじょに薩摩藩の内情に通じてゆき、薬売りと薩摩藩をつなぐ「秘密」に気づき始める―― 黒船来航、幕府の危機を背景とした壮大な物語が、今はじまる。 第二の開国(グローバリゼーションや通貨変動)にさらされる現代日本人にとって「羅針盤」となる大長編! ※初回配本限定特典「讀む藥」は、電子書籍版には収録されておりません。ご了承のほど、お願いいたします。
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4.5文芸業界の性、権力、暴力、愛。戦慄の長篇 性加害の告発が開けたパンドラの箱―― MeToo運動、マッチングアプリ、SNS……世界の急激な変化の中で溺れもがく人間たち。対立の果てに救いは訪れるのか? 「わかりあえないこと」のその先を描く、日本文学の最高到達点。 「変わりゆく世界を、共にサバイブしよう。」――金原ひとみ 文芸誌「叢雲(むらくも)」元編集長の木戸悠介、その息子で高校生の越山恵斗、編集部員の五松、五松が担当する小説家の長岡友梨奈、その恋人、別居中の夫、引きこもりの娘。ある女性がかつて木戸から性的搾取をされていたとネットで告発したことをきっかけに、加害者、被害者、その家族や周囲の日常が絡みあい、うねり、予想もつかないクライマックスへ――。 性、権力、暴力、愛が渦巻く現代社会を描ききる、著者史上最長、圧巻の1000枚。 『蛇にピアス』から22年、金原ひとみの集大成にして最高傑作!
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4.8クラシック界に数々の金字塔を打ち立てた男 “世界のマエストロ“の訃報から一年。 長年取材し続けてきた著者が満を持して放つ本格評伝。 『N響事件』憧れのNHK交響楽団と何があったのか 『二つの恋』ピアニスト、モデルとの恋 『日本フィルの分裂』如何にして新日本フィル創立へ向かったのか 『ボストン交響楽団音楽監督』30年の長期政権 『サイトウ・キネン・オーケストラ』新たなライフワーク 『ウィーン歌劇場音楽監督』クラシック界最高のポストの一つに就任 <目次> プロローグ 第1章 スクーターと貨物船で●北京の四合院/引き揚げ/贅沢と貧困/成城学園中学校へetc 第2章 N響事件●五ヶ月間の滞日中に/初レコード録音/N響のこと、よろしく頼みますetc 第3章 二つの恋●指揮者を指揮する男/恩師斎藤秀雄を排除してetc 第4章 日本フィル分裂事件●日本フィル首席指揮者/小澤体制での解雇etc 第5章 新日本フィルとボストン響●新日本フィルハーモニー交響楽団結成/嬉遊曲、鳴りやまずetc 第6章 サイトウ・キネン・フェスティバル●俺に反対できるのはあんたぐらいetc 第7章 世界の頂点へ●予想外の記者会見/屈指の歌劇場制覇/旅を住処とするetc 第8章 初心に戻る●降板/発病/二〇一〇年 復帰会見/七分間の本番etc 年表
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4.5倒産間際の企業が椅子の魅力で再生するまで。 カリフォルニア州クパチーノ市アップル・パーク通り1番地。 そこに71ヘクタールもの広大なApple本社「Apple Park」が広がっている。 iMac、MacBook、iPod、iPhoneを生み出した 伝説のデザイナー、ジョナサン・アイブのこだわりが随所に感じられるその空間で、 日本製の椅子が数千脚も使われている。それが「HIROSHIMA」だ。 ジョナサン・アイブも尊敬する日本を代表する デザイナー、深澤直人が生み出した優美な曲線で構成され、 木目も美しい椅子は、2023年の広島サミットでも、 テーブルとともに首脳会談で使われた。 この日本を代表する椅子を製造しているのが、 広島の家具メーカー「マルニ木工」である。 じつは「HIROSHIMA」が誕生したとき、同社は倒産寸前だった。 かつて日本人の生活が洋風化していく波に乗り、 100万セット以上も高級なリビングセット、ダイニングセットを売りまくったが、 バブル崩壊以降の日本経済の低迷、そして消費者の嗜好の変化も相まって、 90年代の後半、経営危機に陥ってしまう。 綱渡りの資金繰り、工場の縮小、そして1928年の創業以来初となる社員のリストラ…… 地元広島の企業や金融機関の支援でかろうじて命脈をつなぐなか、 創業家である山中一族の三代目は、 深澤直人と組んで世界に打って出る決断を下す。 そんな起死回生のプロジェクトを支えたのは、 これまで培ってきた、ものづくりの力だった。 追いつめられていた企業を救った「奇跡の椅子」。 それにこめられた熱い思いと、誕生の物語。
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4.3あなたにとって幸福とは何ですか? 「岡村ちゃん」こと岡村靖幸が22人の多彩なゲストと語り合った「幸せとは何か」の記録。 「週刊文春WOMAN」人気連載対談が1冊に。まえがき・あとがき・各回の「対談を終えて」は語り下ろし。 【「まえがき」より】 22人のゲストの方々に訊いた「あなたにとって幸福とは何ですか?」。その答えはもちろん十人十色。みなさんがどんなふうに幸福を見つけたのか、見つけようとしているのか、どんなことに幸福を感じるのか。幸せになるためのハウツーはありません。でも、前向きに生きていくための指針になるのではないかと思います。(岡村靖幸) 【ゲストのみなさん】 神田伯山(講談師)/千原ジュニア(芸人)/伊藤蘭(俳優・歌手)/能町みね子(エッセイスト)/川谷絵音(ミュージシャン)/小林麻美(モデル・俳優・歌手)/オードリー・タン(台湾の政治家)/高村薫(小説家)/土井善晴(料理研究家)/ロバート キャンベル(日本文学者)/アイリーン・美緒子・スミス(環境活動家)/田中泯(ダンサー)/スパークス(ミュージシャン)/宮嶋茂樹(報道カメラマン)/村田沙耶香(作家)/ネルケ無方(僧侶)/ショーン・レノン(ミュージシャン)/吉川晃司(歌手・俳優)/よしながふみ(漫画家)/斉藤和義(ミュージシャン)/鈴木おさむ(元放送作家)/立川談春(落語家)
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4.0昭和100年、そしてデビュー70周年に向けて 石原裕次郎、美空ひばり、高倉健らとの華麗なる交遊、 輝き続ける名曲・名演の舞台裏、芸能界への直言――。 今だから明かせる、破天荒な秘話の数々! 「渡り鳥シリーズ」「マイトガイシリーズ」など、 日活黄金時代の貴重なスチール写真も大量に収録。 「生涯現役なんていう意識はないが、黙って消えるのは柄じゃない」 (本書より) 目次 序章 静かなるカリスマ 第一章 日活黄金時代の輝きのすべて 第二章 世界への飛翔とアクション、そして愛 第三章 日本人を応援し続ける名曲の数々 第四章 昭和後期――円熟の演技の時代 第五章 別れと永遠と 第六章 芸能界への直言 第七章 「いま」を生きる 本人による作品解説 映画と音楽、珠玉の十作
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4.5ここまで政治の奥に迫った本はなかった 安倍はいかに首相に返り咲き、戦後の難問に対峙したか? 病に倒れた第1次政権から5年、安倍晋三は再び自民党総裁選に立つことを決意した。それは7年8カ月に及ぶ政治ドラマの幕開きだった――。 アベノミクス、靖国参拝、尖閣問題、TPP、戦後70年談話、平和安全法制。次々に浮上する政治課題に、安倍と彼のスタッフはいかに立ち向かったか? 安倍本人をはじめ、菅義偉、麻生太郎、岸田文雄などの閣僚、官邸スタッフなどに徹底取材、政治の奥に迫る第一級のノンフィクション。 【上巻目次】 プロローグ 1 再登場 2 アベノミクス 3 靖国神社 4 尖閣諸島 5 TPP 6 慰安婦問題 7 戦後70年首相談話 8 平和安全法制 9 ヒロシマ/パールハーバー 10 消費税増税
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3.7『曾根崎心中』『国性爺合戦』など、 数多の名作を生んだ日本史上最高のストーリーテラー・近松門左衛門。 創作に生涯を賭した感動の物語。 越前の武家に生まれた杉森信盛は浪人をして、京に上っていた。 後の大劇作家は京の都で魅力的な役者や女たちと出会い、 いつしか芸の道を歩み出すことに。 竹本義太夫や坂田藤十郎との出会いのなかで 浄瑠璃・歌舞伎に作品を提供するようになり大当たりを出すと、 「近松門左衛門」の名が次第に轟きはじめる。 その頃、大坂で世間を賑わせた心中事件が。事件に触発されて筆を走らせ、 『曽根崎心中』という題で幕の開いた舞台は、異例の大入りを見せるのだが……。 書くことの愉悦と苦悩、男女の業、家族の絆、芸能の栄枯盛衰と自らの老いと死―― 芸に生きる者たちの境地を克明に描き切った、近松小説の決定版。 絶賛、続々! 〈実〉を緻密に積み上げ、〈虚〉の世界から情を迸らせる。 読みながら、何度もぞくりとした。 本作は、虚実皮膜のギリギリを攻める近松の浄瑠璃と地続きにある。 ――平松洋子 生真面目で切なくて、色っぽい。虚と実の間に立ち昇る、 近松の真実(リアル)。圧巻の芸道小説だ。 ――朝井まかて
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4.1人の心は分かりませんが、 それは虫ですね――。 ときは江戸の中頃、薬種問屋の隠居の子として生まれた藤介は、父が建てた長屋を差配しながら茫洋と暮らしていた。八丁堀にほど近い長屋は治安も悪くなく、店子たちの身持ちも悪くない。ただ、店子の一人、久瀬棠庵は働くどころか家から出ない。年がら年中、夏でも冬でも、ずっと引き籠もっている。 「居るかい」 藤介がたびたび棠庵のもとを訪れるのは、生きてるかどうか確かめるため。そして、長屋のまわりで起こった奇怪な出来事について話すためだった。 祖父の死骸のそばで「私が殺した」と繰り返す孫娘(「馬癇」)、急に妻に近づかなくなり、日に日に衰えていく左官職人(「気癪」)、高級料亭で酒宴を催したあと死んだ四人の男(「脾臓虫」)、子を産めなくなる鍼を打たねば死ぬと言われた武家の娘(「鬼胎」)…… 「虫のせいですね」 棠庵の「診断」で事態は動き出す。 「前巷説百物語」に登場する本草学者・久瀬棠庵の若き日を切り取る連作奇譚集。
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1.0「慰安婦神話」を実証的に論破する! 韓国、日本、そして世界は、真実に基づかない運動に騙されてきた―― 【エピローグより】今まで慰安婦運動グループの研究者や運動家たちが主張してきたものは、架空の作り話というしかない。(略)彼らは、道を歩いて至り村の井戸で水を汲んでいたりした少女を、いきなり現れた官憲が父母も知らないうちに捕まえ連れていったと主張する。(略)しかし、そうしたことは、本書で論じてきたように全て事実ではない。 慰安婦は20万人いた? 幼い少女も動員? 官憲による強制連行? 慰安所では無報酬だった? 慰安婦を虐待、虐殺……? こうした「主張」は、全て事実ではない。
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4.7「Sports Graphic Number」を主な舞台に、 野球、サッカー、プロレス、競馬など、 さまざまなスポーツを描き続けた阿部珠樹さん。 2015年に逝去するまでに発表した900篇以上の記事から傑作を厳選。 最後の4割打者の独白。全米を席巻したトルネードの記憶。 日本一足の速い少女が選んだ人生。強すぎて憎まれた横綱。 競馬史に残る大穴を開けた14番人気の伏兵。 観客席からあらゆるスポーツを見つめ続けた スポーツライターが遺した珠玉の42篇。 【主な収録作品】 第一章 伝説 テッド・ウィリアムス 神様は返事を書かない 金田正一/張本勲/王貞治 超人たちの瞬間 イチロー 210安打の戦慄 ブルース・リー 李小龍よ永遠に―― 第二章 肉声 長嶋茂雄、日本野球を語る 松井秀喜 進化して行く自分 野村克也 絶対に負けたくない敵だった 長州力 ピュア・ソルジャー 第三章 北の湖 憎まれた横綱 小林繁と江川卓“悲劇のヒーロー“流転の31年間 高津臣吾 野球の果てまで連れてって 三沢光晴のルーツを辿る 第四章 頂上の記憶 阿萬亜里沙 アリサは帰ってきた 神サマになりそこねた男 木田勇の短か過ぎた栄光 ダイユウサク 単勝配当 13790円 大西直宏 18年目のダービー 第五章 ゲームの分け前 未完の完全試合 山井大介“決断”の理由 アジアカップ準々決勝ヨルダン戦 奇跡には理由がある メジロマックイーンvsトウカイテイオー 2強激突の果て 第六章 野茂英雄 野茂英雄 引退、そして野球人生を語ろう 野茂英雄 17奪三振の野性と緻密
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3.9北欧、華文、韓国の次は……今もっとも熱い「インド・ミステリー」の傑作 手段を選ばず、お子さんを志望校に入れる。それが僕の仕事です―― 貧困の中からのしあがった青年ラメッシュがニューデリーで営むのは「教育コンサルタント」。依頼人を希望の大学に押し込むのが仕事だ。 今回の依頼は富裕な建設業者からで、息子ルディをインドの一流大学に入れてくれという。ルディはバカなドラ息子であり、手段は替え玉受験しかなかった。 受験は無事に終了するも、予想外の結末が待っていた。ラメッシュは全国トップの成績をあげてしまったのだ。インド最高の天才少年現る!とメディアは群がり、ラメッシュはマネージャーの地位に収まってカネを稼ぐが……。
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5.01巻2,400円 (税込)彼方は遠く、記憶になかったことばかり思われる 仰げば彼方は鏡のようにある。記憶になかったことばかり思われる。――「ラサンドーハ手稿」 蜃気楼のように現れる塔。ざぶんざぶんと波の音。へそから出てくるうなぎたち。母がクリーニング店に預けたもの。画家が描く瓜二つの妹たち。ある日、人類に備わった特殊能力…… 九人の実力派作家が紡ぐ幻想アンソロジー。 【目次】 ラサンドーハ手稿 高原英理 串 マーサ・ナカムラ うなぎ 大木芙沙子 マルギット・Kの鏡像 石沢麻依 茶会 沼田真佑 いぬ 坂崎かおる 開花 大濱普美子 ニトロシンドローム 吉村萬壱 天の岩戸ごっこ 谷崎由依
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4.1今年一番の話題作! マスク自身が語り尽した初の公式伝記 世界的ベストセラー『スティーブ・ジョブズ』評伝作家だからこそ描けた。 いま、世界で最も魅力的で、かつ、世界で最も論議の的となるイノベーターの赤裸々な等身大ストーリー-。彼はルールにとらわれないビジョナリーで、電気自動車、民間宇宙開発、人工知能の時代へと世界を導いた。そして、つい先日ツイッターを買収したばかりだ。
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4.4水牛と共に生きる被差別民がもつ“循環共生”の叡智とは? 権力に抗うアウトローや迫害されたマイノリティが逃げ込む 謎の巨大湿地帯〈アフワール〉 ―――そこは馬もラクダも戦車も使えず、巨大な軍勢は入れず、境界線もなく、迷路のように水路が入り組み、方角すらわからない地。 中国四大奇書『水滸伝』は、悪政がはびこる宋代に町を追われた豪傑たちが湿地帯に集結し政府軍と戦う物語だが、世界史上には、このようなレジスタンス的な、あるいはアナーキー的な湿地帯がいくつも存在する。 ベトナム戦争時のメコンデルタ、イタリアのベニス、ルーマニアのドナウデルタ……イラクの湿地帯はその中でも最古にして、“現代最後のカオス”だ。 ・謎の古代宗教を信奉する“絶対平和主義”のマンダ教徒たち ・フセイン軍に激しく抵抗した「湿地の王」、コミュニストの戦い ・水牛と共に生きる被差別民マアダンの「持続可能な」環境保全の叡智 ・妻が二人いる訳とは?衝撃の民族誌的奇習「ゲッサ・ブ・ゲッサ」 ・“くさや汁”のようなアフワールのソウルフード「マスムータ」 ・イスラム文化を逸脱した自由奔放なマーシュアラブ布をめぐる謎……etc. 想像をはるかに超えた“混沌と迷走”の旅が、今ここに始まる―― 中東情勢の裏側と第一級の民族誌的記録が凝縮された 圧巻のノンフィクション大作、ついに誕生!
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4.0WBC 2023 THE BRIGHTEST MOMENT 完全保存版 侍ジャパン 頂点の記憶。 [THE SCENE] FINAL vs.USA SEMIFINAL vs.MEXICO QUARTERFINAL vs.ITALY [FIRST ROUND] vs.CHINA vs.KOREA vs.CZECH REPUBLIC vs.AUSTRALIA [侍たちの肖像] 大谷翔平 対戦国が見た日本 ダルビッシュ有 “史上最強”ができるまで ヌートバー 村上宗隆 吉田正尚 佐々木朗希 山田哲人 近藤健介 山本由伸 岡本和真 源田壮亮 山川穂高 中村悠平 甲斐拓也 大城卓三 牧秀悟 牧原大成 中野拓夢 周東佑京 今永昇太 伊藤大海 戸郷翔征 高橋宏斗 宮城大弥 高橋奎二 大勢 湯浅京己 松井裕樹 宇田川優希 山崎颯一郎 RESULTS ※電子書籍版は、紙の雑誌と内容が一部異なる場合や、掲載のないページがある場合がございます。
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3.7会話の「普遍のルール」から人間の本性が見える 「え?」「えーと」「はあ?」……これまでの言語学が見逃してきた、こんな言葉に「人間の本性」が表れていた!? 今まで、主流の言語学が重視してきたのは常に文法や単語の成り立ちだった。 しかし、あなたが人と会話するときに、完全に文法通りの文章で話すことなどあるだろうか? 「あー」「いや」「はあ?」「え?」「で?」などなど、辞書には載らない言葉を繰り出しながら、すさまじいスピードで言葉のキャッチボールをしているのではないだろうか。 もちろん文法の研究は重要だ。だが、人間は文字より前に会話をはじめていた。現実の会話には、主流の言語学が軽視してきた本質的な何かがあるのではないか……本書は、そんな言語学の「革命」を追うサイエンス本である。 AIがまるで人間のように問いかけに答えてくる現代こそ、「会話」を考えることは「人間」を考えること。本書には、そのヒントが詰まっている。
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4.4福岡県北九州市で7人が惨殺された凶悪事件が発覚したのは、 2002年3月のことだった。逮捕されたのは、松永太と内縁の妻・緒方純子。 2人が逮捕された2日後に現場入りを果たして以来、 20年間にわたってこの“最凶事件”を追い続けてきた事件ノンフィクションの 第一人者が徹底的に描く、「地獄の連鎖」全真相。 【著者略歴】 小野一光(おの・いっこう) 1966年、福岡県北九州市生まれ。雑誌編集者、雑誌記者を経てフリーに。 「戦場から風俗まで」をテーマに、国際紛争、殺人事件、 風俗嬢インタビューなどを中心とした取材を行う。 著書に『風俗ライター、戦場へ行く』『連続殺人犯』『震災風俗嬢』 『新版 家族喰いーー尼崎連続変死事件の真相』『冷酷 座間9人殺害事件』 『昭和の凶悪殺人事件』など。
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-『翔んで埼玉』『パタリロ!』魔夜峰央 「天才が本気で描くと こーゆーすごいマンガになる! 私には描けない――。その時代の若者がすべて共有した感性を再現されたのだと思う。時代に共通する精神の感応を意図して表している」 マンガ史おいて、この作品が23年も読めなかったのは損失だ――。 伝説のロックコミック、復刊! 特別掲載 幻の初収録短編「PINK FLOYD」 貧しいが正直に働く少年アロンは、ふとしたことで犯罪者と疑われ、感化院へ送られてしまう。 感化院で出会ったファイヤー・ウルフの奏でる音楽に触れ、アロンは心を奪われる。 感化院を出たアロンは、死んだウルフから譲られたギターを手に、仲間たちとバンド「ファイヤー」を結成する。 次第に彼の才能は開花し、ファイヤーは一躍人気バンドになっていく――。 「女手塚」とも言われた女性漫画家の旗手・水野英子が、60年代アメリカを舞台に、若者たちの赤裸々な想いや叫びを描き、人々に共感と衝撃を与えた名作が、いま再び。
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4.2ビル・ゲイツが「読むべき5冊」に(2021年末発表)に選出! 「生命科学の最前線を知る絶好の書。多くの人に読んでもらいたい 大変優れた本」――ノーベル賞生物学者・大隅良典氏推薦! 世界的ベストセラー『スティーブ・ジョブズ』評伝作家による最新作! 米Amazonで1万レビュー超え、平均4.7★ 。全米ベストセラー遂に上陸! 遺伝コードを支配し、コロナも征服。ゲノム編集技術クリスパー・キャス9を開発しノーベル賞受賞し、人類史を塗り替えた女性科学者ジェニファー・ダウドナが主人公。 20世紀最大の「IT革命」を超える大衝撃、「生命科学の革命」の全貌を描き尽くした超弩級のノンフィクション。
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3.9ホモ・サピエンス誕生からトランプ登場までの全人類史を「家族」という視点から書き換える革命の書! 人類は、「産業革命」よりも「新石器革命」に匹敵する「人類学的な革命」の時代を生きている。「通常の人類学」は、「途上国」を対象とするが、「トッド人類学」は「先進国」を対象としている。世界史の趨勢を決定づけているのは、米国、欧州、日本という「トリアード(三極)」であり、「現在の世界的危機」と「我々の生きづらさ」の正体は、政治学、経済学ではなく、人類学によってこそ捉えられるからだ。 下巻では、「民主制」が元来、「野蛮」で「排外的」なものであることが明らかにされ、「家族」から主要国の現状とありうる未来が分析される。 「核家族」――高学歴エリートの「左派」が「体制順応派」となり、先進国の社会は分断されているが、英国のEU離脱、米国のトランプ政権誕生のように、「民主主義」の失地回復は、学歴社会から取り残された「右派」において生じている。 「共同体家族」――西側諸国は自らの利害から中国経済を過大評価し、ロシア経済を過小評価しているが、人口学的に見れば、少子高齢化が急速に進む中国の未来は暗く、ロシアの未来は明るい。 「直系家族」――「経済」を優先して「人口」を犠牲にしている日本とドイツ。東欧から人口を吸収し、国力増強を図かるドイツに対し、少子化を放置して移民も拒む日本は、国力の維持を諦め、世界から引きこもろうとしている。
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4.0ホモ・サピエンス誕生からトランプ登場までの全人類史を「家族」という視点から書き換える革命の書! 人類は、「産業革命」よりも「新石器革命」に匹敵する「人類学的な革命」の時代を生きている。「通常の人類学」は、「途上国」を対象とするが、「トッド人類学」は「先進国」を対象としている。世界史の趨勢を決定づけているのは、米国、欧州、日本という「トリアード(三極)」であり、「現在の世界的危機」と「我々の生きづらさ」の正体は、政治学、経済学ではなく、人類学によってこそ捉えられるからだ。 上巻では、これまで「最も新しい」と思われてきた「核家族」が、実は「最も原始的」であり、そうした「原始的な核家族」こそ「近代国家」との親和性をもつことが明らかにされ、そこから「アングロサクソンがなぜ世界の覇権を握ったか」という世界史最大の謎が解き明かされる。
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4.32016年から東京大学で開講されている人気講義「ボーカロイド音楽論」。 毎年初回の授業は数百人が受講、オンラインでは千人を超える視聴者が聴講することも。 初音ミクでスタートした講義はフロイトやラカン、ソシュール、いったいどこまで広がっていくのか……。 2020年代の「教養」のすべてがこの一冊にある。 プロローグ 第1部 アンチ・セクシュアルの時代 1章 ハチ=米津玄師論 2章 近代的主体と「裏表ラバーズ」 ~wowaka論~ 3章 厨二病はなぜ中2で発症するのか? ~初音ミク小論~ 4章 人のセックスを笑うな ~DECO*27小論~ 5章 成熟と喪失 ~みきとP小論~ 6章 融ける世界とフロイト ~kemu小論& はるまきごはん小論~ 第2部 2020年代のジェンダー/セクシュアリティ論 7章 2020年代のジェンダー/セクシュアリティ論入門 ~flower小論~ 8章 (言語という)かなしみのなみにおぼれる~あるいは「Neruによるラカン」~ 9章 「東京テディベア」論 ~あなたの身体は誰のものか~ 10章 サブカルチャーと書いてフェミニズムと読む 第3部 あらかじめ思い出だったすべての声のために 11章 身体のディスコミュニケーション ~表象文化論入門~ 12章 声の肌理という神話(を引き剥がす) ~現代押韻論~ 13章 残響論 ~Orangestar小論~ 14章 音楽と涙の区別がつかない ~録音音楽と時間~ 15章 ポケットが虹でいっぱい ~ぽわぽわP論・前編~ 最終章 Human ~ぽわぽわP論・後編&ボーカロイド音楽論~ エピローグ
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4.3アメリカが抱える巨悪を暴き、♯MeToo運動に火をつけた歴史的な一冊。 著者ローナン・ファローは本報道にて弱冠30歳でピューリッツァー賞受賞! 「爆発的で強力なジャーナリズム」(ピューリッツァー賞評) 「歴史に残る1冊になることだろう」(エッセイスト・洋書レビュアー 渡辺由佳里氏) ハリウッドの大御所プロデューサー、ハーヴェイ・ワインスタインによる性虐待疑惑を調査するよう上司から命じられた、テレビ局20代記者のローナン・ファロー。女優たちの勇気ある証言を得られたことで、取材にのめり込んでゆく。 が、やがて身の周りにおかしなことが起こり始める。調査の先に浮かび上がってきたのは、メディア界・政界・司法界による”悪の三位一体”だった。暗躍するスパイたち、大統領をも巻き込む国家的スキャンダルへ。 事実は小説よりも奇なりを地で行くようなサスペンス・ドキュメンタリー。 タイム誌、ワシントンポスト、フォーチュン誌、シカゴトリビューン紙 NPR(全米ラジオ)ほか「今年のベスト本」選出。 21世紀を代表する全米ベストセラーが遂に日本上陸!
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4.6世界一の権力を握った歴史的なドイツの女性宰相、メルケルの決定的評伝! 東独出身の地味な理系少女が、なぜ権力の頂点に立てたのか? ――その強さの源泉は「倫理」と「科学」にあった。 牧師の娘として、陰鬱な警察国家・東独で育つ。天才少女としてその名を轟かせ、ライプツィヒ大学の物理学科に進学。卒業後は東独トップの科学アカデミーに科学者として勤務する。だがベルリンの壁崩壊に衝撃を受け、35歳で政界へ転身する。 男性中心のドイツ政界では完全なアウトサイダーながら頭角を現す。その過程では、東独出身の野暮ったさを揶揄されたり、さまざまな屈辱的な仕打ちも受けた。40歳で環境大臣に就任すると気候変動に取り組み成果をあげる。51歳で初の女性首相へとのぼりつめる。 首相としてドイツをEU盟主へ導き、民主主義を守り、ユーロ危機も乗り越えた。トランプ、プーチン、習近平ら癖のある各国首脳とも渡り合う。人道的理由から大量の難民を受け入れた。一方で、極右やポピュリズムの台頭にも悩まされた。元科学者ならではの知見を生かし、コロナとの戦いに打ち勝った。 演説では美辞麗句を好まず、事実のみを述べるスタイル。聴衆を熱狂させるオバマのような能力はないと自覚している。SNSは使わない。私生活も決して明かさない。首相になっても普通のアパートに住み、スーパーで買い物をする庶民的な姿が目撃されている。得意料理はジャガイモのスープ。熱烈なサッカーファン。夫の渾名は”オペラ座の怪人”。彼女がロールモデルと仰ぐ意外な人物の名前も、本書で明かされる。
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3.8曲が書けないほど 全力で書いちゃったよ……(涙)。 マイクをペンに持ちかえて、不埒に、真面目に、時に感傷的に。 時は図らずもコロナ禍という非常事態、 「週刊文春」というステージで綴られた全66篇 “魂”のエッセイ!! サザンオールスターズのリーダーにして日本の音楽シーンの先頭を走り続ける桑田佳祐が、「頭もアソコも元気なうちに、言いたいことを言っておきたい!」という想いを出発点に、「週刊文春」で2020年1月から2021年4月にかけて連載したエッセイを一冊に結集! これまで音楽のこと以外はほとんど語ってこなかった桑田が初めて明かす、自身の原点や現代の世相への思い。そこには故郷・茅ヶ崎での少年時代や家族との絆、サザンが結成された青山学院時代の思い出、プロレスやボウリングへの愛、さらに「自主規制」がはびこる日本の現状への憂いや、60代となってからの「人生の目標」などが率直に綴られています。 もちろん音楽についても、自身のサウンドに大きな影響を与えたザ・ビートルズやエリック・クラプトン、ボブ・ディランらへの畏敬の念や、佐野元春や内田裕也、沢田研二、尾崎紀世彦など敬愛する日本のミュージシャンたちへの賛歌、サザンのメンバーやサポートスタッフへの感謝の想い、そしてコロナ下で行った無観客ライブの裏話など、桑田、サザンファンならずとも興味深い話題が満載です。 書籍化にあたって大幅な加筆&推敲を施し、さらに秘蔵カットも掲載! “ポップス歌手”桑田佳祐が「言葉」として残しておきたかったテーマを全身全霊、縦横無尽、天衣無縫に書き尽くした全432ページ、永久保存版の一冊です!
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