我が子が自死する。ご両親にはそれだけで大きな衝撃であるだろう。
その自死の原因が学校でのいじめであったのなら。そして、学校は
頑なにいじめを否定したら…。
心痛の真っただ中で、学校相手に闘う。途轍もないパワーが必要で
はないかと感じる。ご両親はただ、再発防止を学校に願っただけな
のだ。それなのに、
...続きを読む学校側は自死発覚当初から「逃げる」ことしか
念頭になったのではないか。
第三者委員会がいじめと認定しても、その報告書さえ受け取りを
拒否するってなんだ?有名校のプライドか?
いじめによる自死を「なかったこと」にしたい学校側は、人ひとりの
「死」を、あまりにも軽く考えていやしないか。
副題にもあるように、カトリック系の学校である。そのホーム
ページには「人間尊重の精神」の理念を掲げ、その下に「「己の
ごとく人を愛せよ」とのキリスト教の愛の精神により、人間の尊さ
を学び、思いやる心を大切にする教育を行います。」と書かれている。
ならば、問いたい。被害者である生徒、そのご両親に対し、学校は
「愛」をもって対応したのか?他者を尊重したのか?…のと。
していないだろう。していたのであれば、ご両親は学校側を相手に、
長い長い闘いをすることはなかったのだろうから。
公立校と、私立校では文部科学省も対応の違いがあるのだろう。
だからといって、私立校が実際に起きたいじめによる自死を
認めなくてもいいなんてことはないと思うのだ。
学校内で起きたことに対しては、公立だろうが私立だろうが
重く受け止め、真摯に対応する。それが「他者を尊重する」って
ことじゃないのか。
でも、実際には学校内って治外法権が堂々とまかり通っているよな。
どんな学校でも隠蔽体質はあるもの。
それに挑んだご両親の心痛はいかばかりか。巻末の年表を見るだけ
で、学校側の不誠実さが分かる。
正直、いじめが完全になくなることはないと思う。だが、起きて
しまったことを素直に受け入れ、今後を考えることで学校現場の
あり様は変わって来るのではなだろうか。