【感想・ネタバレ】いじめの聖域 キリスト教学校の闇に挑んだ両親の全記録のレビュー

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Posted by ブクログ

筆者の最後に書かれた言葉にただただ涙した。「学校という閉鎖的な空間で過去に理不尽を受けた記憶を持つ人へ」とし、「理不尽は自分の力ではどうしようもないから理不尽という。決してあなただけのせいではなく、誰にでも起こりうる。どうかあなたを必要とする人のために自分を大切にしてほしい」というような内容だった。かつて自分も子どももそうした苦しみを在学中に受けた。本書のような経験は誰にでも起こりうる。そのために親子さんは二度とこのような理不尽な思いを誰も受けないように、亡くなった息子さんへのあふれるほどの愛から戦っていらっしゃる。著者もそれに共感して筆を起こし、新たに訴訟もしていらっしゃる。この輪に加わり、少しでも問題解決に共に努めたいと思った。

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2024年03月25日

Posted by ブクログ

ホントにひどい話だ。息子が自殺するだけでもショックなのに、それが学校のイジメで、そのことを学校がなかなか認めない。息子の死で信じられないショックなのに、心身を削って学校と戦う。なぜ被害者の親が戦わなければいけないのか。なぜ認めないのか。なぜ生徒に何の働きかけもしないのか。なんなのか。それでも教育機関か。
あらゆるところに助けを求めて、孤軍奮闘するご両親。県も文科省も助けにならない。それを根気よく何度も何度も問い合わせる。やっと第三者機関が調査することになり、1年4ヶ月たち、ほぼ納得のいく報告書ができ、ホッとするところが、それを学校は認めない。は⁈
いい弁護士さんがついたり、署名活動を始めてくれたりする人が出てくる。そしてこの本を書いた記者さんとの出会い。
信頼できる、味方がいることは良かったけれど、そのことよりも何倍も何倍も苦労をされている。
地元の新聞と学校との癒着?もひどいものだ。
この本の出版の後、学校相手に裁判を起こされたようだが、その後どうなっているのだろう。
ん?著者も共同通信相手に裁判起こしておられる?東洋経済に移られたようだ。
その後を追った記事、読もう。なんかしんどそう。
正義感の強い、困った立場の人の味方になる真摯な記者さんほど、苦労されるものなんだなぁ。

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2024年02月11日

Posted by ブクログ

なぜこれほどまでに頑なな態度なのだろう、この学校
なぜこいうい人が教頭(後に校長)へ出世したのだろう
あくまで遺族側からの視点であるのはわかったうえで学校サイドからみた意見や考えだってもちろんある
はずだが何を言われても心に響かないような気がする

こういう人もいるんだな、と知れた事も含めて
スルーせずに読んでよかったと心から思えた一冊

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2023年06月22日

Posted by ブクログ

我が子が自死する。ご両親にはそれだけで大きな衝撃であるだろう。
その自死の原因が学校でのいじめであったのなら。そして、学校は
頑なにいじめを否定したら…。

心痛の真っただ中で、学校相手に闘う。途轍もないパワーが必要で
はないかと感じる。ご両親はただ、再発防止を学校に願っただけな
のだ。それなのに、学校側は自死発覚当初から「逃げる」ことしか
念頭になったのではないか。

第三者委員会がいじめと認定しても、その報告書さえ受け取りを
拒否するってなんだ?有名校のプライドか?

いじめによる自死を「なかったこと」にしたい学校側は、人ひとりの
「死」を、あまりにも軽く考えていやしないか。

副題にもあるように、カトリック系の学校である。そのホーム
ページには「人間尊重の精神」の理念を掲げ、その下に「「己の
ごとく人を愛せよ」とのキリスト教の愛の精神により、人間の尊さ
を学び、思いやる心を大切にする教育を行います。」と書かれている。

ならば、問いたい。被害者である生徒、そのご両親に対し、学校は
「愛」をもって対応したのか?他者を尊重したのか?…のと。

していないだろう。していたのであれば、ご両親は学校側を相手に、
長い長い闘いをすることはなかったのだろうから。

公立校と、私立校では文部科学省も対応の違いがあるのだろう。
だからといって、私立校が実際に起きたいじめによる自死を
認めなくてもいいなんてことはないと思うのだ。

学校内で起きたことに対しては、公立だろうが私立だろうが
重く受け止め、真摯に対応する。それが「他者を尊重する」って
ことじゃないのか。

でも、実際には学校内って治外法権が堂々とまかり通っているよな。
どんな学校でも隠蔽体質はあるもの。

それに挑んだご両親の心痛はいかばかりか。巻末の年表を見るだけ
で、学校側の不誠実さが分かる。

正直、いじめが完全になくなることはないと思う。だが、起きて
しまったことを素直に受け入れ、今後を考えることで学校現場の
あり様は変わって来るのではなだろうか。

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2023年03月06日

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