講談社の検索結果

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  • 日露戦争と新聞 「世界の中の日本」をどう論じたか
    4.0
    日英同盟の是非、開戦論vs.非戦論、「露探」問題、日比谷焼打……新聞がいちばん面白かった時代。日露戦争の時代、新聞界は黄金期を迎えていた。福澤諭吉創刊の『時事新報』、陸羯南主筆『日本』といった高級紙から伊東巳代治による『東京日日新聞』、徳富蘇峰『国民新聞』や『東京朝日新聞』など時の政府に近いもの、政治家の女性問題のようなゴシップから政府・大企業批判、リベラルな主張までを載せる『萬朝報』『二六新報』。知識人から下層階級、政府支持から社会主義者まで、多様な読者に向けた無数で雑多な新聞が、大国との戦争へと向かう日本と世界をいかに語り、論争をしたか。膨大な史料を掘り起こし、新聞が大企業化する以前の、粗野で豊かだった時代を活写する、メディア史研究の試み! (講談社選書メチエ)
  • 日本人の階層意識
    3.0
    格差意識の広がりと「一億総中流」のからくり。現実の日本人は、学歴もさまざま、職業も年収もさまざまなのに、なぜ人口の9割が「自分は中流」と思っていたのか? 社会と意識のあいだには「みえない境界」があって、それが人びとの階層意識を枠づけている。格差意識の広がりも、「みえない境界」に目を向けることで、別の一面が顕わになる。時間・空間・価値意識をキーワードに「日本人」を分析する。(講談社選書メチエ)
  • 日本海海戦とメディア 秋山真之神話批判
    4.5
    極秘海戦史でわかった語られざる真実。連合艦隊司令長官・東郷平八郎とその参謀・秋山真之。この軍神と天才によって敢行された丁字戦法によって、連合艦隊はロシアのバルチック艦隊を撃破――。日本海海戦の勝利は胸のすく快挙として昭和の軍国主義イデオロギーの核心を形成していく。その伝説の影響は今日にも及ぶといって過言ではない。これまで明らかにされることのなかった史実を、第一級史料『極秘明治三十七八年海戦史』を丹念に読み解き、浮き彫りにするとともに、神話を作りあげていったメディアの側をも批判的に検証する。(講談社選書メチエ)
  • 大日本帝国の生存戦略 同盟外交の欲望と打算
    -
    清の侵攻を恐れる新興国・大日本帝国。基盤の脆弱なこの国が、いかにして列強の侵略を凌ぎ、さらに覇権国・英国と結んだのか。その同盟戦略はどう機能し、どう破綻したのか。日英同盟から三国同盟まで、戦争と外交にみる帝国の通史。(講談社選書メチエ)
  • レヴィナス 無起源からの思考
    4.0
    倫理=政治=哲学論考。人間の起源についての真実。存在を・欲望を・責任を・正義を・国家を考え抜いたレヴィナス。「他者」の「顔」が私に到来するとき哲学が始まるとは、どういうことなのか? 「砂嵐のような文体」で語られた真理に迫る渾身の書き下ろし。(講談社選書メチエ)
  • 日本人の脳に主語はいらない
    3.7
    脳科学が明かす日本語の構造。英語で"I love you."とは言っても、日本人は決して「私はあなたを愛している」などとは言わない。「雨が降る」を英語で言うと、"It rains."のように「仮主語」が必要になる。――これはどうしてか? 人工知能研究と脳科学の立場から、言語について実験と分析を重ねてきた著者が発見した新事実。それは、日本語の音声がもつ特徴と、主語を必要としない脳の構造とが、非常に密接な関係にあることだった。斬新な視点による分析と、工夫をこらした実験、先行研究への広範な検討を重ねて、主語をめぐる長年の論争に大きな一石を投じる、衝撃の書! (講談社選書メチエ)
  • ギリシア文明とはなにか
    4.3
    オリエント・ギリシアを包含する「東地中海文化圏」の視点から独自の史観を展開。地中海世界は「東」と「西」に分かれている。ギリシア文明は、エジプト・ペルシアなどオリエント「先進国」のはざまのローカルな「東地中海文明」だった。その小さなギリシアが歴史の僥倖によりオリエントを征服し、西洋文明の源泉となる。「自由」と「海」の小さな文明が歴史に残した偉大な足跡を辿る。(講談社選書メチエ)
  • イスラムと近代化 共和国トルコの苦闘
    4.5
    「世俗化」=「近代化」、「イスラム」=「反動」では、ない。「共和国トルコの父」ケマル・アタテュルクによって否定されたはずのイスラムは、なぜその後も長く生き残ったのか。幾重にも複雑に絡まった糸を解きほぐし、イスラム世界における近代化の問題を「脱イスラム」のフロントランナー、トルコ共和国の歩みから読み解く。(講談社選書メチエ)
  • 鎌倉仏教への道 実践と修学・信心の系譜
    3.0
    「旧仏教」を読み直し鎌倉新仏教のルーツを探る。鎌倉新仏教はゼロから生まれたのではなかった。偉大な祖師たちの思想が生まれる背景には、先行する有名無名の宗教者たちによる、さまざまな試みがあった。山林修行、戒律の問題、経典への信仰など「実践」をキーワードに、これまで見過ごされてきた、新仏教を準備したさまざまな運動に光を当てる。(講談社選書メチエ)
  • 戦前昭和の国家構想
    3.5
    関東大震災の三年後に始まった戦前昭和とは、震災復興=国家再建の歴史だった。社会主義、議会主義、農本主義、国家社会主義という四つの国家構想が、勃興しては次の構想に移っていく展開の過程として、戦前昭和を再構成する! (講談社選書メチエ)
  • 島津久光=幕末政治の焦点
    4.0
    時は、幕末がいまだ「政治の季節」であった文久期。幕府の権威が根底から揺らぎ、過激志士らの暴発に朝廷がおびえる中、その動向をもっとも注目された男こそ、島津久光であった。久光の指揮の下、小松帯刀、大久保一蔵、中山中左衛門、堀次郎ら、実力ある藩士たちが、京都の中央政局を舞台にして、幕末の行方を決定づける政争をくりひろげてゆく。史料を丹念に読みこみ、幕末政治史にあらたな光をあてる意欲作! (講談社選書メチエ)
  • ギリシア正教 東方の智
    4.5
    「東」のキリスト教――その深い智慧への誘い。カトリックともプロテスタントとも異なる「もう一つのキリスト教」。東西教会分裂の原因となった「フィリオクェ」問題、アトス山などの修道生活で発展した独自の瞑想技法、華麗にして深遠なるイコンの世界など、「東」のキリスト教思想の奥義に迫る。(講談社選書メチエ)
  • 世界のなかの日清韓関係史 交隣と属国、自主と独立
    3.7
    日清韓――利害と政治の歴史を照射する! 朝鮮半島は、東アジアの国際関係史を考えるうえで、きわめて重要な位置を占めている。16世紀の東アジア情勢から説き起こし、江戸時代の「日朝交隣関係」と「清韓宗属関係」の併存、19世紀後半の「属国自主」を検証。そのうえで、近代の日清韓の利害対立、国際関係の行方を追う力作。日清、日露戦争にいたる道とはなんだったのか、大きなスケールで描く。(講談社選書メチエ)
  • 会津戦争全史
    3.7
    日本を割った大戦争、なぜ虐殺で終わったか? 会津戦争は「新政府軍と旧幕府軍の戦い」ではない。非寛容の精神で残虐行為に走る薩長軍に対して、奥羽越列藩同盟は新生国家のグランドデザインを突きつけ、正面から戦闘を挑んだのだ。しかし、戦略なき会津軍は「武士道」のもと非戦闘員をも動員し、悲劇へと突き進む――。幕末の会津藩を追い続けた著者が描く一大戦記。(講談社選書メチエ)
  • 銀座四百年 都市空間の歴史
    -
    「銀座の空気」はこうして作られた。江戸の誕生から町人地としての発展、明治の煉瓦街建設からモダン都市成立、そして戦後の変容。魅力あふれる銀座という街の空気は、幾重にも重ねられた、都市の歴史が作り出したものだった。都市研究者が自身の足で街を歩きつくし、資料を丹念に読み込み、銀座の構造と進化の過程を鮮やかに描き出す。(講談社選書メチエ)
  • 項羽と劉邦の時代 秦漢帝国興亡史
    5.0
    鴻門の会、四面楚歌――『史記』の虚実を読み解く。「秦を滅ぼすものは必ずや楚ならん」――。中国を最初に統一した秦帝国は、なぜ短期間で滅んだのか。なぜ農民出身の劉邦が項羽に勝利したのか。秦と楚、2つのシステムという観点から「鴻門(こうもん)の会」「四面楚歌」に代表される『史記』史観をとらえ直し、漢王朝成立までのドラマを描き出す。(講談社選書メチエ)
  • グノーシス 古代キリスト教の〈異端思想〉
    4.0
    日本人研究者による待望の入門書、登場! 世界を創造した神は〈善〉か〈悪〉か? 「人間は<偽りの神>が創造した偽りの世界に墜とされている。われわれはこの汚れた地上を去り、真の故郷である<天上界>に還らなければならない」――誕生間もないキリスト教世界を席巻した<異端思想>。膨大な史料を博捜し、その実像に迫る。(講談社選書メチエ)
  • シオニズムとアラブ ジャボティンスキーとイスラエル右派 一八八〇~二〇〇五年
    4.0
    「(アラブ人との)合意につながる唯一の道は『鉄の壁を建てる』ことであり、それはイスラエルの地ではいかなる状況下でもアラブ人の圧力に屈しない力がなければならないことを意味する」(1923年の論文「鉄の壁」より) 2002年に着工、今なお未完成のヨルダン川西岸の分離壁。その理論的基盤となる思想を唱えたのが、リクードのイデオロギー、修正主義シオニズムの鼻祖ジャボティンスキーである。紆余曲折を経て先鋭化されていった彼の民族論は、イスラエルの対アラブ強硬論を読み解く重要な鍵となる。民族と国家との関係はどうあるべきか? この紛争に未来はあるのか? 混迷の続くパレスチナ問題の核心と本質に迫る意欲作。(講談社選書メチエ)
  • 身体の哲学 精神医学からのアプローチ
    4.0
    人は皆やっかいな身体を生きている。心と体は別ものではない。互いに交差し合い、しかも他者のからだへと開かれている。拒食症、解離症、境界例などの心-身に関わる病例に依りながら、「こころ」と「からだ」の問題を根底から問い直す。(講談社選書メチエ)
  • 来るべき精神分析のプログラム
    -
    フロイト=ラカンを超えてヴァージョン・アップ。「私」とはなにか。それはいかに作動し、「経験」を作り出し、自己を変容させるのか。「システム」をキーワードに、21世紀における新たな精神分析の構築を試みる。(講談社選書メチエ)
  • 抗争する人間(ホモ・ポレミクス)
    -
    今村社会哲学の到達点! 暴力・闘争・排除を生む人間の本質に迫る。社会的人間が内包する暴力性とは何なのか? 排除・闘争を通じて構造化される秩序とは? 人間が持っている社会的欲望がどんな暴力現象となって現れどのように制御されるのかを解明し、そうした精神の構造に楔として打ち込まれる倫理の可能性を探る。(講談社選書メチエ)
  • 記憶の中のファシズム 「火の十字団」とフランス現代史
    -
    第2次世界大戦前後のフランスで、反ファシズムの標的とされた1人の男がいた。「火の十字団」総裁、ラロック中佐。穏健な中道派志向でありながら、なぜファシズムの権化として集合的記憶に刻まれることになったのか? 現代も活発に続くファシズム論争に、新たな視座を供する画期的な書。(講談社選書メチエ)
  • 流通王 中内功とは何者だったのか
    4.0
    中内の生涯は、われわれ日本人に対して「無から有を生み出す者こそもっとも尊い」というメッセージを残したと言えるのではないかと私は考えている。無から有を生み出すというのは、なにも「ものづくり」にかぎった話ではあるまい。社会に新しい価値観、新しいライフスタイル、新しい社会システム、すなわち新しい社会のあり方をこの世に現出させること。中内のやったことは、まさしくこれだった。――〈「序章」より〉
  • ロシアの源流 中心なき森と草原から第三のローマへ
    5.0
    第三のローマ=モスクワはいかに生まれたか。東から西から、ルーシの地に歴史の圧力がかかる。モンゴル、十字軍、異教リトアニア、そしてビザンツの正教会。中世期、激動するユーラシアでルーシがロシアへと固まってゆくドラマを追う。(講談社選書メチエ)
  • 世界システム論で読む日本
    3.0
    ウォーラーステインを超えて「日本近代化の謎」を解明! 世界の近代化はいかに成しとげられたのか。なぜ日本だけが、非西洋世界でいち早く近代化をとげたのか。ブローデル・ポランニーの理論を包摂し、ウォーラーステインを超えて展開する、画期的世界システム論。(講談社選書メチエ)
  • 真珠湾〈奇襲〉論争 陰謀論・通告遅延・開戦外交
    3.0
    「陰謀論」の系譜、検証作業の迷走。「真珠湾」は隠密奇襲作戦の成功なのか、ルーズベルトの陰謀なのか? 日本の開戦通告の歴史的遅延の犯人は誰なのか? ハル・ノートは最後通牒だったのか? 同時代人の証言からアメリカ側史料までを精査、過剰な政治的意味を負わされた「論争」ここに決着。(講談社選書メチエ)
  • モンゴルvs.西欧vs.イスラム 13世紀の世界大戦
    4.0
    世界勢力三つ巴、殺戮と外交の時代。世界制覇に動くモンゴル。十字軍と奮闘するイスラム勇将。数千キロの彼方に親書を届ける西欧の宣教師。世界の3大勢力が武力と外交力の限りを尽くし覇を競った「中世の世界大戦」の時代を活写! (講談社選書メチエ)
  • 空想東京百景<V3>殺し屋たちの墓標
    -
    暗黒の魔窟に囚われた〈灼熱獄炎ノ魔銃〉の殺し屋・蓬莱樹一郎に襲いかかる、妖しげな〈怪異〉の罠!奇妙で幸福な〈殺し屋たちの休暇〉はあっけなく終わり、彼が歩いた〈道〉は〈殺し屋たちの墓標〉で彩られていく。すべては殺人序列者〈No.1〉の計算通りか? それとも、呪われた〈魔銃遣い〉自身の運命か?──妖艶の魔女もまた、熱い鉛にのたうって死んだ!※この商品は紙の書籍のページを画像にした電子書籍です。文字だけを拡大することはできませんので、タブレットサイズの端末での閲読を推奨します。また、文字列のハイライトや検索、辞書の参照、引用などの機能も使用できません。

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  • 森女と一休
    3.0
    本書は、一休が最晩年の10年間を同棲した盲目の女琵琶師・森女との物語が中心です。足利義政の時代の虚構に満ちた仏教界を嫌悪し、常識に囚われない「禅の神髄」を示そうと肉と魚を喰らい、酒をあおり、遊郭に出入りした一休が、77歳で森女と出会うことで、なぜ変わったのか。80歳で大徳寺の住職となり、応仁の乱で焼けた伽藍を復興。森女との交情のうちに一休が見出した「人の道」「無我無欲の境地」を描きます。
  • おまえの手を汚せ
    4.0
    1巻1,595円 (税込)
    ビジネスマン作家、驚愕のデビュー作!本社上層部の事なかれ主義でダメになる組織を、二人のウルフが変えていく!主人公は二人の男――。一人は総合商社のエネルギー事業本部課長。もう一人は日本最大自動車メーカーのインド工場の副工場長。「俺たちで必ず日本を変える」と約束し合った彼らの活躍は、社内で異端視され、多くの摩擦を引き起こすが、東日本大震災の後、俄然注目を浴びる。
  • 本居宣長『古事記伝』を読む I
    3.0
    1~4巻1,595~1,925円 (税込)
    誰もがその名は知っている本居宣長の大著『古事記伝』。しかし、全巻読み通した人はほとんどいないといっていいだろう。つまみ食い的に読んで彼の思想を語る前に、まず、細部まで精緻に読み抜こうではないか。とはいえ、宣長の注解は多岐・厖大にわたり、簡単に読み切れるものではない。本書は、現代の代表的『古事記』研究者が、その責任において、徹底的に、かつわかりやすく『古事記伝』全44巻を読み解いていく画期的なシリーズである。そこに浮かび上がってくる宣長の無類のおもしろさ、そして思想の核心とは──。(講談社選書メチエ)
  • 〈階級〉の日本近代史 政治的平等と社会的不平等
    4.0
    武士の革命としての明治維新。農村地主の運動としての自由民権運動。男子普通選挙制を生んだ大正の都市中間層……。しかし、社会的格差の是正は、自由主義体制下ではなく、日中戦争後の総力戦体制下で進んだというジレンマをどうとらえればよいのか。「階級」という観点から、明治維新から日中戦争勃発前夜までの七〇年の歴史を、日本近代史の碩学が描き出す。(講談社選書メチエ)
  • 世界文化小史
    4.0
    「宇宙戦争」「タイムマシン」などのSF小説で知られるウェルズは、その後半生には世界平和を希求し、国家主義を排した普遍的な世界史叙述に取り組んだ。第一次大戦の惨禍を経て、さらなる大戦争の恐怖を前に執筆された本書は、地球と生命の誕生に始まる人類の歩みを大きな視点で物語る。現代に通じる文明観と、人類への信頼に満ちた、世界史入門の名著。(講談社学術文庫)
  • 「イタリア」誕生の物語
    5.0
    一八世紀末、イタリア半島は小国の集合体だった。サルデーニャ王国、ジェノヴァ共和国、ヴェネツィア共和国、モデナ公国、パルマ公国、トスカーナ大公国、教会国家、ナポリ王国、ハプスブルク帝国領のミラノ公国……。フランス革命の風を受け、統一国家「イタリア」の実現を目指す「再興(リソルジメント)運動」の激しいうねり。大国フランスとオーストリアの狭間で、いかにして「想像の政治的共同体」は成立したのか? (講談社選書メチエ)
  • ふたつの嘘 沖縄密約[1972-2010]
    4.2
    国家の密約と夫の不実。西山太吉氏妻の告白沖縄密約をめぐる情報公開訴訟判決で、ベストセラー『運命の人』のモデル・西山太吉の名誉は回復された。本書は沖縄をめぐる本格ノンフィクションである。
  • 哲学者たちのワンダーランド 様相の十七世紀
    4.0
    デカルト、スピノザ、ホッブズ、ライプニッツ。この大哲学者たちには教科書ではとうていわからないアブなさと魅力がある。2+3=5なのは、神がそうしたからであって、2+3=6の世界だって神は創造できるのだ、と、デカルトは本気で考えた。この世の現実はぜーんぶ神でできている、とスピノザはいう。何かを行為したら、後からそのつもり(意志)はなかったとは言わせない、というのがホッブズの国家論。神と国家の哲学とは。
  • 蝶々にエノケン 私が出会った巨星たち
    5.0
    天才子役が見た昭和の芸人たち。長谷川一夫、花菱アチャコ、美空ひばり、古賀政男、水谷八重子、佐々十郎、横山エンタツ、ミヤコ蝶々、西条凡児、フランク永井、古川緑波、三益愛子、榎本健一、三木のり平、八波むと志、古今亭志ん朝、三遊亭圓生、益田喜頓、森繁久彌、三船敏郎、嵯峨美智子……。戦後昭和をたどる交遊録。芸能秘話でたどる戦後昭和史。
  • 文明と教養の〈政治〉 近代デモクラシー以前の政治思想
    -
    宮廷社会や文明社会を舞台としたヨーロッパの初期近代では、19世紀以降とは異なる、人文主義的な政治が展開されていた。そこでは、マナーや教養、レトリック、シヴィリティが重要視された。しかしフランス革命と産業化の19世紀を迎えてのち、デモクラシーの浸透とともに、人文主義的な政治マナーは衰退してしまう。アダム・スミス、ベイコン、ヒューム、ハーバーマスなどの論考を参照し、実践知の政治学に光をあてる。(講談社選書メチエ)
  • 「福音書」解読 「復活」物語の言語学
    3.5
    イエスの逮捕時に逃亡した若者。墓でイエスの復活を告げる若者。同一人物なのか? そして、その「若者」の正体とは? 最古のマルコ福音書と、マタイ、ルカ福音書との記述の違いを手がかりに、福音書の構造を鮮やかに解き明かす一冊。(講談社選書メチエ)
  • はじめての池坊いけばな入門
    -
    池坊いけばな初心者のための最初歩の入門書。花を愛する心得や道具の扱い方といった最初歩のイロハから、実際に作品をいけるときの勘どころと技術まで、豊富な図版と作例で紹介する、本当のはじめての入門書。※この商品は紙の書籍のページを画像にした電子書籍です。文字だけを拡大することはできませんので、タブレットサイズの端末での閲読を推奨します。また、文字列のハイライトや検索、辞書の参照、引用などの機能も使用できません。
  • 海の武士団 水軍と海賊のあいだ
    3.5
    「一所懸命」の語が象徴する、土地の支配を基盤とする武士とは異なった形態の武士団が中世にはあった。地場の海を「なわばり」とし、航行する船から通行料を徴収し、あるいは「海賊」として略奪する、「水軍」とも「海賊」ともつかぬような「勢力」。「海」側の視点から中世の始まりとともに出現した特異な「武士団」の興亡を描く、これまでにないユニークな日本中世史。(講談社選書メチエ)
  • 桃源郷 中国の楽園思想
    -
    仙人になって不老長生を得たいという願い。世俗を離れ思うがままに暮らしたいという隠逸への憧れ。古代の理想郷=華胥氏の国――。中国最古の詩集『詩経』にあらわれた「楽土」から陶淵明の「桃花源記」まで、中国の精神文化を考えるうえで欠かせない「楽園」の思想を読み解く。
  • 愛犬のためのがんが逃げていく食事と生活
    -
    愛犬のためのガン治療。余命宣告されても諦めるのはまだ早い。今日から始められる免疫力を上げる食材・食事がすぐわかる。食べればわかる! カラダが変わる!! 「全体食品」「発酵食品」「たっぷりの食物繊維」「体を温める食品」「ファイトケミカル」「粘膜を強くする食品」「デザイナーフーズ」で免疫力をアップする。※この商品は紙の書籍のページを画像にした電子書籍です。文字だけを拡大することはできませんので、タブレットサイズの端末での閲読を推奨します。また、文字列のハイライトや検索、辞書の参照、引用などの機能も使用できません。
  • 日本語に主語はいらない 百年の誤謬を正す
    3.8
    「文法」が日本語を迫害している。「主語がよく省略される」から「非論理的」まで、100年にわたり「日本語」に貼られてきたレッテルを一刀両断する! 「愛らしい」「赤ん坊だ」「泣いた」――日本語の基本文はこの3種で必要十分である。英文法の安易な移植により生まれた日本語文法の「主語」信仰を完璧に論破する、すべての日本語話者、必携の書。(講談社選書メチエ)※この商品は紙の書籍のページを画像にした電子書籍です。文字だけを拡大することはできませんので、タブレットサイズの端末での閲読を推奨します。
  • 朱子学
    3.7
    中国、朝鮮そして日本においても支配的な思想だった朱子学。「性即理説」「理気二元論」などのキーワードは語られますが、その哲学的な核心を、平易に解説することは、十分になされてきませんでした。本書は、前提となる専門知識なしでわかるように、「学とは」「性とは」「理とは」……と、基本的なところから、朱子学という学問の核心に読者を誘います。(講談社選書メチエ)
  • 丸山眞男を読みなおす
    3.7
    丸山眞男は西洋近代至上主義者・国民国家至上主義者だったのか。丸山が「主体性」論で追究しようとしていたものは何か。著作、講義録をいま一度丁寧に読みなおし、「他者感覚」「自己内対話」など新たな視点から、誤解されがちな丸山思想の可能性を探る。(講談社選書メチエ)
  • 団塊ジュニアのカリスマに「ジャンプ」で好きな漫画を聞きに行ってみた
    3.0
    ザクとうふを100万個売った男、ネット野菜販売のトップ、Yahoo!副社長、世界チャンプのトレーナー、透明マントの開発者、自殺者を激減させたNPO代表、脱原発の道をゆく俳優、日本を変える人材を生む元官僚。人生を濃厚に生きる同世代に、同世代の著者が「人生の支え」を訊く。返ってきた答えに共通するのは「ジャンプ」だった――。古市憲寿、畑野智美ら後発世代も激賞のオンリーワン・ノンフィクション。
  • 『西遊記』XYZ このへんな小説の迷路をあるく
    3.8
    中国史上もっとも「けったいな」奇書を縦横無尽に解読。なぜやたらと詩ばっかりなのか? なぜいつもどこかにもぐりこむのか? 『西遊記』はただの冒険奇譚小説ではなかった! 孫悟空・猪八戒や怪物たち、あるいはおびただしい作中詩やダジャレに秘められたシンボリズムを縦横無尽に読解し、中国的思考の迷宮を踏破する。(講談社選書メチエ)
  • 卒業式の歴史学
    4.4
    「最高の卒業式」を目指し、教師と生徒が努力を重ね、みんなでともに歌い、感動し、涙する「感情の共同体」が達成される――。この、日本独特と言える「儀式と感情との接合」は、いついかにして生まれたか。涙の卒業式、この私たちにとって当たり前の光景の背景には、明治初期以来の学校制度構築の歴史が横たわっている。日本の近代と教育をめぐる、まったく新しい探究! (講談社選書メチエ)
  • 超簡単!売れるストーリー&キャラクターの作り方
    3.8
    東京工科大学客員教授の金子満氏の研究した理論に、シナリオアナリストで脚本家の著者の経験知を加えて、物語をおもしろくするノウハウを「超簡単」に、「すぐに使える」ものとして完成させました。具体的な映画などのエンタメ・コンテンツを多数例にとって、わかりやすく説明したこの本通りに、あなたも見よう見真似で創れば、どんなエンタメでも……形はともかく、オリジナルのストーリーやキャラクターを「おもしろく」創り出すことができます!
  • フッサール心理学宣言 他者の自明性がひび割れる時代に
    3.5
    「私が私であること」「他者が存在すること」がわからなくなるという、多くの人が幼児期あるいは少年期に体験する「独我論的体験」。フッサール心理学はそれを正常な発達過程の一階梯ととらえ、その体験の内的構造を分析すべく現象学を援用して練り上げられた技法である。
  • ノワール・レヴナント
    3.9
    他人の背中にその人の「幸福度」が見えてしまう。本の背を指でなぞっただけで中身を記憶してしまう。毎朝5つだけ、今日聞くことになるセリフを予言してしまう。念じることで触れたものを破壊してしまう。そんな奇妙な能力を持ってしまった4人の高校生が、何者かの導きで出会った時、すべての“偶然”が“必然”だったことに気づく。
  • 僕たちの前途
    3.6
    1巻1,595円 (税込)
    よく「日本は若者の起業が少ない」「若者がもっと起業しやすい社会にしましょう」という議論を目にする。最近では「会社に雇われない働き方」や「ノマドワーカー」もブームだ。しかし、その割には起業する若者たちの「現実」があまりにも世の中には伝わっていない。そこで本書は初めて「起業」の実態を明かす。キーワードは「下流でもなく、ホリエモンでもなく」。あるいは「草食でもなく、肉食でもなく」。
  • グローバル・エリートの時代 個人が国家を超え、日本の未来をつくる
    3.8
    2013年、先進国と新興国の経済規模が逆転。日本人の強みを生かして「失われた二〇年」を終焉させる新しいグローバル化とは何か?  日本人は、グローバル・エリートになり得るスキルを世界でもっとも豊富に持っている。日本企業の現場でグローバル化をリードする著者が示す、グローバル人材を育成し、組織を変革するためのバイブル。
  • 乱脈経理 創価学会VS.国税庁の暗闘ドキュメント
    3.3
    1巻1,595円 (税込)
    こんなことが許されていいのか!? 永田町でも話題騒然! 税の番人・国税庁の狙いは創価学会と池田名誉会長。国税工作を命じられた著者と国税幹部の足かけ3年に及ぶ激しい攻防は、竹下元首相の一言で学会側の完全勝利に。この緊迫のやりとりを「黒い手帖」を元に、当事者の実名をあげて完全再現、宗教とカネのタブーに迫った。元公明党議員たちがどうしても封印したかった「黒い手帖」の中身がついに白日の下にさらされる。
  • ウィーン、わが夢の町 芸術都市散策エッセイ
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    「日頃、いわゆる『クラシック音楽』という分野で仕事をしている者にとって、ウィーンといえば、常に『はるかな憧憬の地』であるのは当然である……」音楽評論家で、芸術をこよなく愛する筆者が、ウィーンの音楽、ウィーンの文化、ウィーンの歴史を語り、そして日本の文化のありかたにも思いを及ぼす極上のエッセイ。観光ガイドブックとはひと味ちがったウィーンのガイド。表題は「ヴィエナー・リート(ウィーン演歌)」の代表作からとった。

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  • 哲学宗教日記 1930-1932/1936-1937
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    真の信仰を希求する魂の記録! 死後42年たって新発見された幻の日記 『論考』から『探究』へ―大哲学者が書き残した、自らの思考の大転換、宗教的体験、そして苛烈な内面の劇! “隠された意味”は何か!? 私の本『論理哲学論考』には素晴らしい真正の箇所と並んで、まがい物の箇所、つまり、言ってみれば私が自分特有のスタイルで空所を埋めた箇所も含まれている。1930.5.16 真の謙虚さとは、1つの宗教的問題である。1930.10.18 私はすべてを自分の虚栄心で汚してしまう。1931.5.6 人は職人の比喩に惑わされているのだ。誰かが靴を造るというのは1つの達成である。しかしいったん(手元にある材料から)造られたなら、靴はしばらくの間は何もしなくても存在し続ける。しかしながら、もし神を創造主と考えるのなら、宇宙の維持は宇宙の創造と同じくらい大きな奇跡であるはずではないのか、1937.2.24――<日記本文より> 『論考』がウィトゲンシュタインにとっての原罪であり、それを克服するためにこそ、この日記が書かれたのだという言葉に、おそらく多くの読者が驚き、いぶかしがられることと思う。――<訳者解説「隠された意味へ」より> *本書の原本『ウィトゲンシュタイン哲学宗教日記 1930-1932/1936-1937』は、  2005年に小社より刊行されました。 【目次】 はじめに 編者序 編集ノート 謝辞 凡例 第一部 一九三〇ー一九三二 第二部 一九三六ー一九三七 コメンタール コメンタールで使用された参考文献と略号 人名索引 隠された意味へ ウィトゲンシュタイン『哲学宗教日記』(MS183)訳者解説) 訳者あとがき 訳者あとがき補遺(学術文庫化にあたって)
  • アストロノミカ
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    本書は、紀元1世紀、帝政を迎えた古代ローマに生きた詩人マルクス・マーニーリウスによる、天文学・占星術について記された最古の文献の一つです。作者マーニーリウスについては『アストロノミカ』の著者であること以外、確かなことは知られておらず、本作に見られる記述から初代皇帝アウグストゥスから第二代皇帝ティベリウスの時代に書かれたことを推測できるにすぎません。 古代において、天文学と占星術のあいだの区別は存在しませんでした。執筆当時のローマを見れば、アウグストゥスが生まれた日に占星術師プブリウス・ニギディウスが「地上世界の主が生まれた」と断言したと伝えられ、アウグストゥス自身も天文学や占星術を利用していたことが知られています。未来を知ることができる技術がとりわけ政治家にとって重要な意味をもつことは想像に難くないでしょう。だからこそ、マーニーリウスは本作の第一巻の序歌にこう記しました。 「生きた身ながら果てしない大空を巡ること、そして星座や 逆行する惑星の動きを知ることは喜ばしい。 だがこれらの知識だけでは不充分だ。大宇宙の心臓部さえも知悉すること、 それが星座を介して生物を生み出し支配する方途を 認識すること、そしてアポッローンの調律に従い それを詩に語ることはいっそう激しい喜びとなる。」(1.13-19) つまり、星座の分布や天体の動きに関する知識だけでなく、それらがいかなる力をもって地上に働きかけるのかという問題にまで踏み込んでいく必要がある、言い換えれば「天文学」の知だけでなく「占星術」の知をも身につけて初めて宇宙について知ることができる、と詩人は宣言しているわけです。 それゆえ、本書には古代の宇宙に関する知識のすべてが書かれています。「教訓詩」と呼ばれる韻文としてそれを綴った本作は、きわめて貴重な古典にほかなりません。残念なことに、本作にはラテン語原典から韻文の形で日本語に訳出したものは存在しませんでしたが、気鋭の訳者を得て、ここにその偉業が成し遂げられました。星空を眺め、宇宙に思いを馳せながら、ぜひ手にしていただきたい1冊です。 [本書の内容] 第一巻 第二巻 第三巻 第四巻 第五巻 訳者解説 訳者あとがき 図 表
  • 愛の徴 天国の方角
    4.7
    絵画、建築、神学、図像学、そして……ヨーロッパの叡智の結晶たちに新たな解釈と発見とを見出す「知」と「心」の旅。その橋渡しは「最新科学」――17世紀のヨーロッパと近未来の沖縄。それぞれの時代に生きる二人の女性が探し出した驚愕の真実とは――!?
  • 娼家の灯/面影 川崎長太郎新聞連載随筆集
    値引きあり
    -
    いわゆる赤線、著者が描いてきた「抹香町」、玉の井やその他私娼街など、娼婦の街に生きた女たちの姿を、感傷を排して描く「娼家の灯」。 小田原をはじめとする西湘地域の時代的な変遷をたどった「西湘今昔」。 徳田秋声や宇野浩二ら長太郎が交友した作家たちの姿を活写する「面影」。 当時の社会への批評や自身の日常にまつわる出来事を綴った「週言」。 自らをもクールに見つめ容赦なく素材として使って描きつづけた私小説作家ならではの、感傷を排した筆致でありながら、どことなくユーモアの気配漂う昭和文士の文章の芸が様々な角度から存分に堪能できる、講談社文芸文庫オリジナル編集の傑作随筆集。
  • 路草 朽花 川崎長太郎初期名作集
    値引きあり
    -
    武田麟太郎の斡旋で1934年(昭和9年)に刊行された連作集の『路草』と三人称客観描写の中篇「朽花」を中心に据えた作品集として1937年(昭和12年)に刊行された『朽花』は、川崎長太郎が東京で文壇に連なって作家として生きていた時期の単行本。 この2冊から「初期名作集」として新たに構成したのが本書である。 単行本『路草』収録の5篇から、のちに作家本人によって、冒頭に置かれた「その一 飛沫」が割愛され、「その一 穽」「その二 隻脚」「その三 泥」「その四 路草」という四章立ての連作「路草」となっている。 「路草」は、カフェの女給である民枝と作家本人に近い存在である主人公のもつれた関係の転変、そして悲痛な破局を緊迫感あふれる筆致で描いている。 また、「朽花」は、徳田秋声の息子である徳田一穂が私娼街・玉の井の娼婦を足抜けさせようとして孤軍奮闘するさまを三人称で描く、いわばモデル小説である。 本書では、タイプの異なる2篇を収録することで、可能性を秘めた若い作家だった川崎長太郎の初期の姿を、コンパクトでありながら鮮やかな形で1冊の文庫本に収めることをめざした。 講談社文芸文庫版として著者の歿後40年の節目に刊行するにあたり、「路草」に関連して単行本に収録されながら後に割愛された「飛沫」を、「朽花」について著者が書いた短いエッセイを、それぞれ参考資料として収録することで、川崎長太郎や私小説の愛好家向けに工夫をこらしている。
  • 女のいる暦
    値引きあり
    -
    23歳で文壇デビューしながら、その後不遇の時代が続いた私小説作家の川崎長太郎。東京での執筆に見切りをつけ、小田原の実家物置小屋に棲み、創作に専念すること十数年……。 1954年に娼婦たちとの関わりを描いた『抹香町』で長太郎ブームが起きるが、しばらくすると終息、そして間を置いて再び話題に……という具合の作家人生だった。 この作品は大正期後半、24歳の主人公が私小説の習作に励みながらも食べていくために子供向け読み物で糊口をしのいでいた時期に始まる。その後は27歳、29歳、31歳、33歳、35歳、すこし空いて42歳、45歳と年齢を重ねるたび、その時期に交際のあった女(カフェの女給、若い女流作家、家出した人妻、娼婦、芸者、食堂の女中)との日々を媒介にして大正末から敗戦直後に至る作家生活の周辺を回想するという仕立てで書かれている。 一見、いい気なものだという話にすぎないと感じられるかもしれないが、その筆致に甘さや虚飾はない。愛すべき人間でありながら、とうてい普通の市民としては生きられない「業」を背負ったかのような者たちが懸命に生きる姿が鮮やかに描き出されている。読後感はむしろ清々しささえ湛えているのである。
  • 本のなかの少女たち
    値引きあり
    4.0
    子供の頃からの読書体験で、心から共感できる少女の少なさを強く感じていた。しかしま時に納得できる「少女」に出会える喜びもあった―― そう回想する著者・津島佑子自身、自らが「少女」だったと確信を持ってはいないのだ。 「少女」とはいったい誰のことなのか? どのように描かれた「少女」なら実在感を感じられるのか? 自らの作品で「少女」に愛着を抱いて描いてきた作家が、「本のなかの少女 たち」を追ってみることを心に決め、「少女」そのものをテーマに新鮮な切り口で古今の名作を再び繙く。 再読を経て得られた新たな発見、洞察、感動を綴った、誰もが楽しめる読書エッセイ。
  • ブーニーズ
    値引きあり
    -
    1巻1,609円 (税込)
    『無駄花』で鮮烈デビューをした著者による、新たなる代表作! 18歳を迎えた加藤弘明は、日本のどこにでもあるような地方都市で、鬱屈した日々を送っていた。学歴もない。将来も、地元の工場や全国チェーン店で働き詰めることしか浮かばないような人生に、ひとつの希望が降ってきた。それはヒップホップという、未知の音楽、いや、体験だった――。 地方で懸命に生きる若者たちが、一度きりしかない青春と、大きな挫折を経て、己の人生をつかむまでを描いた、傑作青春小説。
  • 簡単な生活者の意見
    値引きあり
    4.5
    1959(昭和34)年より、東京西郊の団地にある賃貸の2DKに住まう文芸評論家は子ももうけることも家を所有することも欲することなく、親族との関係も絶ち、石塊の声に耳を傾けながらひたすら人間の生の根柢を見つめつづけてきた。 声高に語られる正義の言葉に疑問を呈し、その虚偽を拒む思考とはどのようなものか? 1974(昭和49)年から1987(昭和62)年という、オイルショック直後からバブル景気の時期に時代と社会の定点観測のように文芸雑誌や書評紙に書かれた文章を読む者は、その言葉が呟きのようでありながら独自性と粘りに満ちていることに気付かされる。 その深くえぐるような強度は、21世紀の現代においてむしろ重要性が増しているように感じられるものなのである。 混迷する世界にかろうじて生きる我々にこそ響くエッセイ集、初の文庫化。
  • アレアレ!
    値引きあり
    4.0
    1巻1,609円 (税込)
    僕は、変わる。 もう一度、妻に会いに行く。 1,200kmの過酷な旅路を輝かせる、勇気と優しさの物語。 還暦を過ぎ、突如ひとり身に。 途方に暮れる男は、一念発起しフランスへ飛ぶ。 8,000人が集う、伝説の自転車イベントに参加するためだ。 完走すれば、平凡な自分も胸を張れる――。 家族の再生をかけた戦いが始まった! 〈あらすじ〉 「好きな人ができた」。 その一言で、穏やかな日々はひっくり返った。 妻に捨てられ呆然とする進は、自転車イベント〈ブルベ〉に出会う。 勝ち負けは存在しない。目指すのは、制限時間内の完走だけ。 ままならない現実から目を逸らし、無我夢中でペダルを漕ぎ続けるうち、進は決意する。 「僕は、弱い自分を変えたい」 世界中の自転車乗りが憧れる大イベント〈パリ・ブレスト・パリ〉で1,200kmを走り切り、これまでの自分と決別する。 そして、妻に会いに行く――。
  • シギラの月
    -
    南海の楽園で展開する壮大な歴史ロマン。太陽の島が知っている――「真に蜜牙古島(みやこじま)の安穏を考えるのであれば、琉球と事を荒立ててはなりません。誇りのために、蜜牙古島を滅ぼしてしまうかもしれないからです」……不思議な自然現象によって海の女神が現れるという伝説を軸に展開する、若者たちの愛と戦いの物語。ベストセラー『宇宙皇子』の著者が放つ、壮大な歴史ロマン大作。
  • 新装版 とらんぷ譚 全四巻合本版
    値引きあり
    -
    幻視者たちの見た夢……伝説の幻想文学四部作! 「読めば分る。──私はこの作品について、なにも語りたくないのである」澁澤龍彦 反地上的な夢濃密な幻想、日常世界を超えた者が見るのは反地上的な夢。濃密な幻想で構築される、妖美なる博物館ーー日常的な人間世界を超え、あるいは離脱して、幻視者たちが存在する。彼らが視るものは、反地上的な夢、濃密な幻想である。それを蒐集して構築される、幻想博物館の妖美さ。著者が熱愛する短篇形式への供物として捧げた13の幻想譚は、手作りトランプのように、装飾にみち色鮮やかに語られる。(『新装版 連作とらんぷ譚1 幻想博物館』) 【収録作品】 ・『新装版 とらんぷ譚1 幻想博物館』 ・『新装版 とらんぷ譚2 悪夢の骨牌』 ・『新装版 とらんぷ譚3 人外境通信』 ・『新装版 とらんぷ譚4 真珠母の匣』
  • 日本の警察シリーズ 全3冊合本版
    値引きあり
    -
    日本の警察シリーズ 全3冊合本版 『焦土の刑事』『動乱の刑事』『沃野の刑事』収録。 東京は壊れつつある。見慣れぬ街に変わりつつある――。 1945年。B29による空襲の翌朝、防空壕の中で女性の遺体が発見される。首には刃物による切り傷が。無数の遺体と目の前のたったひとつの遺体。 これは戦争ではない。個人に対する犯罪だ――。 捜査を進める京橋署刑事の高峰は署長から思わぬ言葉を聞かされる。「あれは、空襲の被害者だ」。殺人事件のもみ消し――そしてまた殺人が起きる。 高峰は、中学からの同級生で特高に籍をを置く海老沢とともに、終戦をまたいで「戦時下の殺人」の犯人を追い詰めていく。 警察小説の旗手が満を持して描く、壮大な警察大河シリーズ、ここに開幕。(『焦土の刑事』)
  • スノードームの捨てかた
    3.7
    1巻1,617円 (税込)
    10年後に思い出す。そんな日は突然やってくる。 『わたしを空腹にしないほうがいい』『うたうおばけ』『湯気を食べる』がロングヒット&話題沸騰!! ままならない人生に巻き起こる、心ざわつく悲喜こもごも――。 エッセイで日常のシーンを鮮やかに切り取り掬い上げてきたくどうれいんが描く、風味絶佳な初の小説作品集。 「そうだ。この間、酔って穴掘ったんだよ」「穴?」「どこに」 高校時代からの三人の友情は、公園の穴に吸い寄せられてゆく。(「スノードームの捨てかた」) 「いいんだよ、バイキングって『ご自由に』って意味なんだから」 同じヨガ教室に通う美女・ようこさん。彼女の“秘密”を知った私は――。(「鰐のポーズ」) 「どういうことですか」「こういうことです」 別れた恋人との指輪の処分に迷うまみ子が出会った、しゃがみ込む男。(「川はおぼえている」) 「すみません相席いいですか」 美術館の監視係をするわたしに舞い込んだ恋の予感、のはずが……。(「背」)」 「なにか直してほしいところ聞きたい、時間つくるから、つくって」 ――結婚目前の彼女からの不穏な質問。(「湯気」) 「あら、じゃあもう決定だ、正解だ、運命だ」 仕事を辞め、虚ろな毎日で見つけたのは、一枚の祖父の絵だった。(「いくつもの窓」) 思ってもみなかった。こんなに心ざわつく日がくるなんて。 くどうれいんが描く傑作6篇。
  • じんせいに諦めがつかない
    3.7
    多才な女優・森川葵さんによる文章一本勝負のエッセイ集! このエッセイを読んでくださるみなさまが、何かを感じ、拾いあげ、確かに私もなぜだか人生諦めきれないかもなぁと思ってくれるだけで出版される意味があるのかと思う。ーー森川葵 女優としてドラマや映画をはじめ、バラエティ番組など様々なジャンルで活躍中の森川葵さん。書籍化に際して、小説現代の連載を加筆修正、新たに書き下ろしが加わり全26篇のエッセイと自身による手描きのイラストを収録。 本書では、文章を書くこと、女優としての思い、愛猫のことなど、何事も器用にこなす異才・森川さんの日々の諦めきれなかったエピソードが綴られています。
  • コーヒーにミルクを入れるような愛
    4.0
    ふたり暮らし。書くこと。前を見て進むこと。 日々の手ざわりがあざやかな言葉に変わる。 ロングセラー『わたしを空腹にしないほうがいい』『うたうおばけ』『虎のたましい人魚の涙』『桃を煮るひと』に続く、注目作家の最新エッセイ集。 【目次】 飛んじゃったサンキャッチャー なまけ神様 大荷物のこころ ほそい稲妻 すばらしい枝 歯とベンツ 泣きながらマラカス クリーニング・キッス 鬼の初恋 蝙蝠・胡麻団子・氷嚢 夜のマンション 夕陽を見せる いやな手 見ていないし、見透かしていない コーヒーと結婚 倒産と失恋 長野さんは陸を泳ぐ へそを出して来た ヤドリギ かわいそうに ミルク 作家みたい 深く蔵す
  • ウェルテルタウンでやすらかに
    3.8
    1巻1,617円 (税込)
    推理作家「私」のもとへ現れた、不審な自称「町おこしコンサルタント」の男。彼は「私」に、町おこしのために小説を書いてほしいと依頼する。小説の力を利用して、寂れゆく町・安楽市を自殺の名所にしたいと嘯くのだ。承諾した「私」だが、密かにその計画を阻止することを決意する。なぜなら安楽市は、「私」の故郷なのだから――。
  • かんがえよう なかよしのルール こころをそだてる SDGsのおはなし
    値引きあり
    -
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 SDGsは世界共通の「みんながしあわせで、ずっとなかよしでいるため」のルール。今日明日そして何年後も、みんなのしあわせがつづくためにはどうすればいいかを考えるおはなし集! 日常生活の「なぜ?」が、子どもにもわかりやすい「おはなし」に! 身近な場所から、世界へと目を向けるおはなし15話! ・料理を食べのこすのはもったいない? ・じゃぐちの水は、どこからくるのかな? ・使わなくなったランドセルをどうする? ・けんかをしないでなかよく遊ぶには? ・女の子の色、男の子色ってあるの? ・はたらくって楽しいの? ・夕方にスーパーで安売りをするのはなぜ? ・どうしてドアにマークがついているの? ・自動はんばいきの横にごみ箱があるのはなぜ? ・ひなんばしょがわかりづらいのはなぜ? ・ゆうせんせきにすわれるのはだれ? ・どうしてウミガメからビニールが出てくるの? ・学校に行かずにはたらく子どもがいるの? ・しぜんエネルギーだけでくらす島を知っている? ・世界一びんぼうなだいとうりょうって? 読み聞かせ4歳、ひとり読み6歳から ※この商品は紙の書籍のページを画像にした電子書籍です。文字だけを拡大することはできませんので、タブレットサイズの端末での閲読を推奨します。また、文字列のハイライトや検索、辞書の参照、引用などの機能も使用できません。
  • 獏の掃除屋
    4.7
    1巻1,617円 (税込)
    「俺が喰ってやるよ。あんたの悪夢をさ」 身近な人にやるせない感情を抱く4人の依頼者たち。 “獏”は彼らの夢に共に入り、劣等感に、罪悪感に、無力感に喰らいつく!! 「獏憑き」の黒沢彩人は従兄弟の桂輔が社長を務める白木清掃サービスで、悪夢の原因となる穢れを取り除く「夢祓い」を行っている。 実家のパン屋を継ぐ夢を絶たれた館平奈々葉、 妻子と別れ、占い屋を営む根津邦雄、 四歳の娘にどうしても優しくできない笑原香苗ーー 獏憑きは穢れを喰べるほどに寿命が縮む。 しかし彩人には、残された時間でどうしても喰べたい悪夢があったーー
  • 決定版 日本妖怪大全 妖怪・あの世・神様
    値引きあり
    4.3
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 水木しげるの妖怪図鑑が新しくなって登場! 新たに200以上の妖怪や神さまを追加し、全面改稿した妖怪ファン必携の完全保存版。 ※本書は、『図説 日本妖怪大全』(講談社+α文庫1994年6月刊行)と『図説 日本妖怪大鑑』(同2007年7月刊行)をあわせて、再編集し、改題したものです。
  • 競争の番人 内偵の王子
    4.0
    1巻1,617円 (税込)
    謎の脅迫状に巨大カルテル、恋敵(?)も現れて……この業界も私もヤバい。 ドラマも絶好調! 霞が関でも話題沸騰の「公取委」ミステリー。 著者より)全国の働き者に捧げます。仕事帰りの豚骨ラーメンのような一冊です。―新川帆立 公正取引委員会の審査官、白熊楓は、九州事務所への転勤を命じられる。ところが配属先は、前任者が次々と離職しているいわくつきの部署だった。上司のパワハラ、人員不足、慣れない土地での生活に苦しみながらも、内偵業務のエース、常盤とともに、呉服業界の内偵に乗り出す。内偵を進めるなかで、巨大なカルテルの可能性が浮上。本局第六審査長(通称ダイロク)のメンバーたちも博多にやってきて、調査を開始するが……。呉服業界を覆うぶ厚い雲を、白熊たちは取り払うことはできるのか? 『競争の番人』シリーズ第2弾、新天地で開幕! 「法律の描写がファクトに忠実だ」と、公取委職員もうなる物語。担当記者のバイブルにしたい。―毎日新聞社会部 柿崎誠 お仕事小説の真髄は、当該職業従事者ならではの矜持を描くことにある。その矜持──公正取引委員会が「競争の番人」たるゆえんが明かされた瞬間、小説自体がひと回り大きな変貌を遂げた。この小説は、古き良き、今どき新鮮な「正義のヒーロー」を出現させる試みだったのだ。主人公は中央(霞ヶ関)から地方へと転勤したものの、中央の仕事の下請けであらざるを得ないことから、仕事に対し苦悩と葛藤を抱く。そして二転三転する厚みあるストーリーをくぐり抜けた先で、主人公が正義のヒーローへと変身する瞬間が現れる。この変身こそが、『競争の番人』シリーズの最大の快感であるとともに、読者へのメッセージでもある。なぜなら自分なんて「正義のヒーロー」からはほど遠いと思っているあなたもまた、変身できる、と断言してくれるからだ。―書評家 吉田大助
  • 『エセー』読解入門 モンテーニュと西洋の精神史
    5.0
    ミシェル・ド・モンテーニュ(1533-92年)の名は『エセー』とともに知られています。全訳だけでも5種類を数えるほど日本ではなじみのある著作ですが、岩波文庫で全6冊という分量、そして著者身が全2巻の初版(1580年)公刊後も改訂を続け、1588年には第3巻を増補するとともに最初の2巻に加筆を行った版を出し、さらに没年まで改訂を進めたため、さまざまな時期に書かれた文章が混在した書物になっていることから、決して分かりやすいとは言えないこともまた事実です。 そうした事情ゆえ、これまで『エセー』の入門書や概説書が陸続と出版されてきました。しかし、本書はそのどれとも異なる、決定版と断言できる1冊になっています。 断言できる理由は明確です。『エセー』第3巻第2章で、モンテーニュは「ここでは、私たち、つまり私の本と私自身が一致してひとつの道を進んでゆく。よそでは作者のことをわきに置いて作品をほめたりけなしたりできるが、ここではだめである」と記しています。つまり、「私の本」である『エセー』と「私」であるモンテーニュは不可分であるというわけですが、ここに示されているのは、作者の意図を知らなければその著作を理解できない、といった単純なことではありません。直後には「そのことをわきまえずに私の作品を判断する者は、私をというよりも、むしろ自分自身を傷つけることになるだろう」という言葉が続いているのですから。 なぜ『エセー』をモンテーニュから切り離して読む者は「自分自身を傷つける」ことになるのか――本書は、この問いに答えるために、『エセー』をモンテーニュから切り離すことなく、ていねいに読んでいきます。『エセー』を一度も読んだことがなくても、モンテーニュについて何も知らなくても、名前を聞いたことがあるだけでも読めるように書かれています。むしろ、そのような人のためにこそ、本書は書かれました。 本書によって大著の全容を知ることができるのはもちろん、本書を通して『エセー』を読むことは人間が紡いできた精神の歴史そのものを読むことにほかならないと気づくでしょう。そのような著作は他にありません。そして、そのことをありありと伝え、実践する『エセー』についての書物も、これまでありませんでした。渾身の書き下ろしによる1冊、ここに自信をもってお届けいたします。 [本書の内容] 第I部 若すぎた世紀 第1章 宗教戦争 第2章 十六世紀ルネサンス 第3章 モンテーニュのほうへ 第II部 「自分」・「私」・〈魂〉 第4章 執筆開始 第5章 マニフェスト 第6章 だれが?――〈魂〉が 第III部 〈魂〉の軌跡 第7章 もうひとつの背景 第8章 ソクラテスへの視線 終 章 百姓のかたわらで
  • 裏家電
    3.9
    1巻1,617円 (税込)
    高校生の萌絵の将来の夢は、父とともに働き、実家の「トージョー電器」を大きくすることだった。 だが、父が病気を患い、お店を閉じることになってしまった。 「トージョー電器」を立て直すためには、私が力を付ければよいのではないか。 「お客様満足度業界ナンバー1」が売りの全国チェーン・R電器に入社するが、この電器屋、何かがおかしいーー 電器屋を舞台に起こる事件と衝撃の真実。 「福ミス」受賞作家、新境地の1作!
  • 素朴と文明の歴史学 精選・東洋史論集
    4.0
    日本の東洋史学が生んだ20世紀の巨人、宮崎市定(1901-95年)。広範な領域にわたる魅力的な著作の数々から、全集未収録作品を含め、これまで文庫に収録されてこなかったものを中心に精選したアンソロジー。長年の愛読者はもちろん、宮崎史学初めの一歩にも。 「歴史は須(すべか)らく世界史でなければならぬ。事実、私の研究は常に世界史を予想して考察して居り、世界史の体系を離れて孤立して個々の事実を考えたことは一度もない」(『アジア史研究』第一、「はしがき」より)。出発点となった宋代史研究をはるかに超えて、中国史のあらゆる時代、さらに西アジア史や古代日本史にまで及ぶ優れた業績は、いずれも偉大な歴史家の理念に力強く裏打ちされている。 鋭く細やかな洞察、時間・空間ともに壮大な展望を予感させるスケールの大きさと独創性、生き生きとした人物描写、これらを可能にする文章力……。枚挙に暇がない魅力ゆえに、宮崎の作品は、専門家にとどまらず長きにわたって多くの読者を得てきた。専門とする時代・領域ともに異なりながらも、宮崎への思い入れが嵩じて評伝を著し話題になった西洋古代史研究者の井上文則氏もその一人である。その井上氏が、歴史家としての宮崎市定、とりわけその人となりがわかるような作品を厳選、解説では宮崎の人生のなかにそれらの作品を位置づける。 中国の歴史は中国周辺の民族に代表される素朴主義と、中国社会そのものである文明主義の入れ替わりの歴史であったと喝破し、素朴主義に共感を寄せる「素朴主義と文明主義再論」。本作品をはじめとする宮崎独自の雄大な歴史観、そして古代・中世・近世史、さらに文化史についての各論を通して、巨峰宮崎市定の威容に迫る決定版セレクション! 【本書の内容】  1 歴史の見方 世界史序説 素朴主義と文明主義再論 歴史と塩 『宋詩概説』吉川幸次郎著〔書評〕  2 歴史学各論   ・古 代 中国上代の都市国家とその墓地――商邑は何処にあったか 条支と大秦と西海   ・中 世 晋武帝の戸調式に就て 六朝時代江南の貴族 清 談   ・近 世 五代宋初の通貨問題梗概 王安石の黄河治水策 雍正時代地方政治の実情――シュ批諭旨と鹿洲公案   ・文化史  シナの鉄について 江戸時代におけるシナ趣味  3 全集未収録作品 大きな静けさ はしがき〔『地獄の決闘』〕 中国漢代の都市 中国における易占の発達 付録 宮崎市定と青木木米(リチャード・ピアソン&一枝?・ピアソン) 解 説(井上文則)
  • どの口が愛を語るんだ
    3.6
    1巻1,617円 (税込)
    のたうちまわって超えていけ、愛。 『流』の直木賞作家・東山彰良が新たに挑む、自由でボーダレスな短編集! 九州の温泉街、小さな街の団地、ニューヨーク、台北、東京――。 残酷さとやさしさが隣り合わせるパッとしない世界 それでも生きていくむきだしの人間たち。 「猿を焼く」 さえない温泉街に引っ越してきた中三のぼく。無軌道な不良とよそ者の少年は、なぜ猿に火をつけたのか? 「イッツ・プリティ・ニューヨーク」 クレイジーな同級生カメと、そのアバズレな姉。欲求に翻弄されるぼくと彼らの団地の日常。 「恋は鳩のように」 同性婚が合法化された日、歓声に沸く群衆の中、アンディは詩人の恋人・地下室に電話をかける。 「無垢と無情」 人間じゃなくなった「やつら」から身を潜めるように、おれは画面の中のミーティングルームを訪れた。
  • 天誅組
    -
    尊皇攘夷、公武合体、権謀術数が渦巻く激動の幕末の文久2年、土佐の山奥の若き庄屋・吉村虎太郎は、脱藩を敢行。翌年8月、「天誅組」を組織、挙兵。その秋、激烈なる死を遂げた。草莽の志士たちへの著者の深い共感が、歴史に埋もれた「もう一つの転換期のエネルギー」を鮮やかに捉える。史料の博渉、明晰なる解読で、維新の先駆者の真実を追跡。「物語体」も一部駆使した、創見溢れる「史伝体歴史小説」。
  • 臆病な都市
    3.6
    1巻1,617円 (税込)
    新型コロナ感染拡大の前に書かれた、新鋭による問題作。 鳥の不審死から始まった新型感染症流行の噂。 その渦中に首都庁に勤めるKは巻き込まれていく……。 組織の論理と不条理、怖れと善意の暴走を生々しく描く傑作。 組織の内部を描くという点で、物凄い洞察力を持った作家だ。                       ――亀山郁夫 コロナがこうなる前に書かれているというのに凄みを感じる。                       ――安藤礼二 まったく、なんだってあんな根拠のないものにそうすぐ振り回されてしまうのだろう。 それとも本当に、ただ自分のあずかり知らぬところで未知の病気が広まりつつあるのではないか、とも考えてみたが、やはり実感は湧かない。 家々から漏れる灯りがそこここに生活が在ることを教えてくれる。言い知れぬ不安が、影のように自分のあとを追ってきている気がした。 ――本書より
  • さよならが言えるその日まで
    4.0
    1巻1,617円 (税込)
    ねぇ、嘘だって言ってよ、お父さん――。 その日、ありふれた日常がひっくり返った。 教え子を誘拐したまま、事故死した父。 親族、警察、マスコミ――誰も何もわかってない! 遺された娘は、父の名誉にかけて、真相を追う。 「静岡県三島で交通事故が発生。運転していた男性一名が死亡――」ニュースを見た森遠伊緒は愕然とする。亡くなったのは自分の父だった。だが、悲嘆にくれるのも束の間、追い打ちをかけるように驚愕の事実が判明する。事故発生当日の未明に失踪した少年の痕跡が、事故車から発見されたという。自分の父は誘拐犯だったのか――いや、そんなわけがない。周囲からあびせられる非難、マスコミの追求、警察からの圧迫。折れそうな心を奮い立たせ、伊緒は真相を知るべく、行方不明の少年を探すと決意するが……。 ミステリ界期待の新星が書き下ろす、「家族のカタチ」を問う傑作ミステリー!
  • 野生の科学
    値引きあり
    3.7
    ガリレオ、デカルト以降、現代の原子核物理に至る近現代の「科学」=客観科学は、「自然」を人間の外部としてコントロールしようとします。レヴィ=ストロースはそれを「家畜化」と名付けました。その科学技術は、昨年この国で大惨事を引き起こしました。「科学」が覇権を握る近現代において、人類学や民俗学だけが、「科学」に細々と抗い、「野生型」の知識の豊かさが無尽蔵にあることを、明らかにしようとしてきました。その精神を引き継ぎ・発展させ、豊かで、具体的で、世界・自然と交感する新しい科学の創造を提示していきます。本書は、「野生の科学」の精神をもって、多岐に亘るテーマを扱っていきます。「科学」を乗り越えるインターフェイスの思想。「自然過程」で働く〈不思議な環〉を組み込んだ新しい人間科学。神話的思考による「ねじれ」、贈与的「新経済学」、「穴の幾何学」による「心的トポロジー」。柳宗理「民藝」運動、深沢七郎「普遍文学」。アール・ブリュット、アール・イマキュレ、現代美術と心の構造の関係、そして曼荼羅が表現する「心そのもの」。稲荷山(京都・伏見)、甲州(山梨)、熱海をアースダイビング。その上で、「土地」と脳の関係を「野生の地図学」として抽出します。
  • 捨てられる銀行 全3冊合本版
    値引きあり
    -
    ベストセラー『捨てられる銀行』3冊合本版。2015年夏に就任した森信親・金融庁長官の真意を知ろうと、いま金融機関のMOF担はじめ多くの銀行関係者は右往左往している。もともと不良債権処理のために整備された金融庁による金融検査の手法が一変しようとしているのだ。森長官に密着する金融庁担当記者がそのすべてを明らかにする。森信親・金融庁長官が剛腕を揮う、金融改革とは何か。会議の一新。銀行を飛び越えて、取引相手の中小企業に銀行について徹底ヒアリング。金融検査マニュアルを実質廃止して、金融機関の事業性を評価する新基準。始まったばかりの改革の行く末と狙いを明らかにする。森信親、金融庁長官の素顔。森長官が地銀から異例の一本釣りをして改革の担い手として抜擢した日下智晴氏の正体。地域金融のトップランナー、多胡秀人氏の信条。金融検査マニュアルや信用保証協会の存在で、顧客を見なくなり、目利き力を失った金融マンの問題とは。ノルマ達成がメインだった人事評価を一変せよ!稚内信金、北國銀行、きらやか銀行、北都銀行など、改革をいち早く始め成果を上げた地域金融のケーススタディ。※この電子書籍は、2016年5月に講談社現代新書として刊行されました『捨てられる銀行』、2017年4月に講談社現代新書として刊行されました『捨てられる銀行2 悲産運用』、2019年2月に講談社現代新書として刊行されました『捨てられる銀行3 未来の金融 「計測できない世界」を読む』を合本とし、電子書籍化したものです。この電子書籍とは別に『捨てられる銀行』、『捨てられる銀行2 悲産運用』、『捨てられる銀行3 未来の金融 「計測できない世界」を読む』もそれぞれ電子書籍で配信中です。
  • ていん島の記
    3.0
    聖山アマンディをいだき、遥か上空、雲の海に浮かぶ島"ていん"。民は山と川と空の三つの部族に分かれ、互いの領分を守って暮らしていたが、天が荒れて作物は育たず、獣の数も激減。長きにわたる凶作と飢えの末、部族間のいがみ合いは深刻化していた。仲間を飢餓から救うため、封じられし狼神の力を望んだ山人のムウマは、山と川の会合が行われた日、川人のライラとともに、空人の少女が川の聖地に墜落するのを目撃し――。決して交わるはずのなかった三人が出会うとき、島の運命は大きく変転する!偽りの平穏に、運命に、抗え。ベストセラー<僕僕先生>シリーズ著者が、新しい時代の幕開けに放つ、英雄冒険ファンタジーの極み!
  • 始まりの家
    4.0
    1巻1,617円 (税込)
    宇奈月弥生は女優・朝倉ミチの専属ヘアメイクとして多忙な日々を送っていた。仕事の仕方を考え始めていたある日、ミチが脱税疑惑で逮捕されてしまい、宙ぶらりんの状態になる。一方、宇奈月家の四女・葉月は幼い頃の病気により妊娠出来ない身体なのにもかかわらず、どうしても子供が欲しいと思い詰め、母親の益美にとある相談を持ちかける。長女と四女の生活の激変が、平穏そうに見えた宇奈月家の秘密を暴くきっかけとなっていく。
  • 三木清文芸批評集
    -
    「哲学と文学とは根本において同じ問題をもっている。そのような問題は、例えば、運命の問題である。自由と必然の問題、道徳と感性との対立の問題である。」哲学者にして評論家の三木清はまた、稀代の文芸批評家でもあった。批評論・文学論・状況論の三部構成で、その豊かな批評眼を読み解く。
  • 集団探偵
    3.0
    <シュアハウス銀杏坂>の住人達は、一癖も二癖もある探偵たちばかり。町の事件を、土蔵に集まり多数決で解決する彼らは、熊出没事件から誘拐事件まで、数々の難事件?を人知れず解決する!読み出したらとまらない、乱歩賞作家の新境地!
  • 藁屋根
    4.0
    戦時中に結婚して初めて一緒に住んだ大きな藁屋根の家、そして戦後に疎開先から戻って住み込んだかつての飛行機工場の工員寮を舞台に、大寺さん連作のうちでも若かりし日にあたる三作と、恩師である谷崎精二を囲む文学者の交流と彼らの風貌を髣髴とさせる「竹の会」、アルプス・チロルや英国の小都市を訪れた際の出来事を肩肘張らぬ筆致で描いて印象深い佳品が揃う短篇集。
  • 天窓のあるガレージ
    4.0
    日常から遠く隔たった土地の悠久の歴史を物語る遺構や人を寄せ付けない奥深い自然の中に身を置いた主人公が自らの経験を通じて「私」を超えていこうとする試みは、やがて若者や女性といった身近な他者の異質な感性に刺激されて一層深化した世界感覚によって変貌を遂げる。後に高い評価を受ける都市を舞台にした作品群の嚆矢となった表題作を始め、転形期のスリルに満ちた傑作短篇集。
  • 「勇気凜凜ルリの色」シリーズ全5冊合本版
    値引きあり
    2.0
    浅田次郎の「勇気凜々ルリの色」全5冊をまとめて読める合本版。収録作品は『勇気凜々ルリの色』『勇気凜々ルリの色 四十肩と恋愛』『勇気凜々ルリの色 福音について』『勇気凜々ルリの色 満天の星』『ひとは情熱がなければ生きていけない 勇気凜々ルリの色』。浅田次郎のデビューからベストセラー作家になるまでの軌跡。笑いあり、心にしみる言葉あり、面白くてためになる傑作エッセイシリーズ!
  • 人質オペラ
    3.0
    1巻1,617円 (税込)
    和田秀樹さん(精神科医)、書店員さん大絶賛。 ------------------------------------------------------- 自己責任社会の不条理と希望を描いた、まさに今読みたい一冊! -------------------------------------------------------
  • 301号室の聖者
    3.4
    新米弁護士の木村は、所属する事務所の顧問先・笹川総合病院の、ある医療過誤訴訟をめぐる損害賠償請求事件を担当する。訴訟にむけた調査や準備を進めるなか、亡くなった患者がいたその病院の、その病室で、短期間のうち立て続けに、他患者の急死、不自然な医療事故が起きる。看護師の過失か、医療器具の不具合か、あるいは何者かの意志による犯行か。原因を探る木村が目にした、その病室〈301号室〉の真実とは──
  • 原色の呪文 現代の芸術精神
    3.7
    独創的な芸術作品のみならず、優れた芸術論やエッセイも多数遺した岡本太郎。1968年刊行の『原色の呪文』から、現代芸術に関する文章を抜粋、「黒い太陽」「わが友、ジョルジュ・バタイユ」「対極主義」「ピカソへの挑戦」「坐ることを拒否する椅子」「芸術の価値転換」「モダーニズム克服のために」などを収録。若き芸術家たちに絶大な影響を与えた芸術論の名著。
  • 鳥の水浴び
    -
    名作『夕べの雲』から三十五年。時は流れ、丘陵の家は、夫婦二人だけになった。静かで何の変哲もない日常の風景。そこに、小さな楽しみと穏やかな時が繰り返される。暮らしは、陽だまりのような「小さな物語」だ。庄野文学の終点に向かう確かな眼差しが、ふっと心を温める。読者待望の、美しくもすがすがしい長篇小説。
  • 中原の虹 全4冊合本版
    値引きあり
    4.6
    「汝、満州の王者たれ」。予言を受けた親も家もなき青年、張作霖(チャンヅオリン)。天命を示す"龍玉"を手に入れ、馬賊の長として頭角を現していく。馬と拳銃の腕前を買われて張作霖の馬賊に加わった李春雷(リチュンレイ)は、貧しさゆえに家族を捨てた過去を持つ。栄華を誇った清王朝に落日が迫り、新たなる英雄たちの壮大な物語が始まる。圧倒的なスケールで中国近現代を描く『蒼穹の昴』シリーズ続編、待望の合本に!
  • ハンナ・アレント
    4.5
    二十世紀思想の十字路と呼ばれたハンナ・アレント。全体主義を近代精神の所産として位置づけ、国民国家秩序の破綻と難民の世紀到来を明らかにした政治哲学者。彼女は、帰るべき家郷を失った時代の保守主義者として、あるいは進歩を信じ得ない時代の革命的理論家として常に時代と対決することで現代の苦境を可視化し、政治の再定義を通じて現代に公共性を可能にする条件を構想した。その思想の全体像を、第一人者が平易に描き出す。(講談社学術文庫)
  • 惨劇のアテナイ
    -
    1巻1,617円 (税込)
    乱歩賞作家の新しい魅力が溢れる異色作品集。ナチス台頭下のベルリンでの日本人子爵の孫娘探しを描く「ベルリンに消えた女」ほか、古代ローマ、アテナイ、ロンドンを舞台に繰り広げられる歴史ミステリー集。

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