コーヒー・ハウス 18世紀ロンドン、都市の生活史

コーヒー・ハウス 18世紀ロンドン、都市の生活史

ビジネス・実用
1,540円 (税込)

7pt

17世紀半ばから1世紀余にわたり繁栄を見せた欧州カフェ文化の先駆、コーヒー・ハウス。そこは政治議論や経済活動の拠点であると同時に、文学者たちが集い、ジャーナリズムを育んだ場として英国に多大な影響を与えた、社会の情報基地でもあった。近代都市・ロンドンを舞台にした、胡乱(うろん)で活力にみちた人間模様と、市民の日常生活を活写する。(講談社学術文庫)

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コーヒー・ハウス 18世紀ロンドン、都市の生活史 のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ

    18世紀イギリス文化を、コーヒーハウスを軸に置いて描き出した文化史。

    コーヒーハウスは、かつて私が受けた世界史の授業で一つの文化拠点として紹介されたが、私のイメージよりも広範に影響を及ぼしたことが分かり率直に驚いた。

    政治談義やビジネス、マスメディアや文学など、当時のイギリス文化を下支えする大きな役割を担っていたと言える。

    コーヒーハウスに繁栄をもたらした雑多性が、時を経るにつれ減退し、各コーヒーハウスに分極化していく流れは、文化は否応なしにニッチ化していくという一つの必然を描き出しているようにも感じられた。

    折角なら、喫茶店で読まれることをお勧めしたい。

    0
    2025年12月20日

    Posted by ブクログ

    新聞という存在が生まれたのは17世紀のロンドンのコーヒー・ハウスから、という豆知識みたいなものはあったのですが、そもそもコーヒー・ハウスとは何だったのか?なぜそういう場所が生まれ、なぜ人々は集い盛り上がったのか?実はちゃんとわかっていない、と思い手に取った文庫です。決して現在のSTARBUCKSで人々がそれぞれにWiFiの接続先に向き合って黙々と飲み物を飲んでいる在り様からはイメージ出来ないものの実態を知りたかったのです。たまたま雑談していて現在の社会にコーヒー・ハウス的な存在が出来るといいな、とふと思ったのがきっかけでした。そもそもコーヒーそのものが新奇な飲み物であり、アルコールに対するアンチテーゼであったとのこと。そしてコーヒーを提供する店に身分・職業、上下貴賤の区別なく入店できたことがロンドンという都市において新しい社会を招来させるきっかけになったのです。市民という新しいクラスターや保険や新聞や広告という新しいビジネスや、さらにほ民主主義とか資本主義とかの揺籃器としての役割も果たしました。まさに現在の社会の仕組みに直接繋がる役割を果たしたのです。それが政治的な動きで分断が起こって衰退していく歴史にも、2025年と響あうものを感じました。パーソナルとパブリックのあわいに起こるクリエイティビティ、それがコーヒー・ハウスって存在だったのではないでしょうか?

    0
    2025年12月20日

    Posted by ブクログ

    コーヒーハウス。店には美しい女店員がいて、店を明るい感じにしている。それら美人が愛嬌のある眼差しで、タバコの煙に満ちた店内に誘い込む。空いてる席があればどこでも座ってもいい。大きなテーブルが一つあり、そこでいろいろな話題について議論している。あちこちのテーブルには官報や新聞、雑誌などが置かれて客の用に供されている。字の読めない人のために、読んで聞かせている人もいる(当時、新聞や雑誌で情報を得る場所はコーヒーハウスなどに限られていた)。壁には、盗品を見つけた人への報酬を描いた広告、実母を探す男の広告、逃亡奴隷の捜索依頼などが貼られている。p.40

    初期のコーヒーハウスでは、身分・職業・上下貴賎の区別なく、ぼろを着た人も、流行の衣装を着たおしゃれな男も、誰でも店に出入りできる人間のるつぼだった。怪しげな人間が数多く出没する場所でもあった。p.36 男性客のみ出入りでき、女性客は出入り禁止だった。p.41 賭博や喧嘩、宗教問題を議論することを禁止して罰金をとるコーヒーハウスもあった。p.41 コーヒーが二日酔いの特効薬とされたこともあり、ほとんどのコーヒーハウスはアルコールを出さなかった。p.37 トーリー系のコーヒーハウス、ホイッグ系のコーヒーハウスがあった。p.117

    *****

    1554年、イスタンブールに世界初のコーヒーハウスが開店。1650年、オックスフォード東部の聖ペテロ教区で、イギリス初のコーヒーハウスをユダヤ人のジェイコブという人が作る。1655年、オックスフォードにティリヤード・コーヒーハウスが開店。王党派の学生たちのたまり場として栄える。1670年代、夕方5時になるとコーヒーハウスに多くの学生が集まった。たむろして駄弁ってばかりいると真面目な学問が衰えると批判が起こった。1675年、チャールズ2は、コーヒーハウスで人々が国王の政策を非難しているとして閉鎖を命じた(多くの抵抗にあってすぐに撤回された)。1688年頃、ロイズ・コーヒーハウスがロンドンで開店。海上保険を担うように。

    0
    2024年05月15日

    Posted by ブクログ

    18世紀のロンドンで流行したコーヒーハウスは、ただコーヒーを飲むだけの場所ではない。様々な人が集い、議論するこの場所で、ジャーナリズムや文学が育った。保険や郵便のシステムも。

    難しくはないのに知的好奇心がくすぐられ、満たされた、心に残っている本です。大学時代の最初の一冊。

    0
    2013年11月02日

    Posted by ブクログ

    筆者は1949年生まれ。専門はイギリス文学、文化。本著は1984年に刊行されたものが2000年に学術文庫として出版されたもの。

    0
    2012年08月21日

    Posted by ブクログ

    togetterで話題になっていたので手に取った。
    主に17~18世紀に流行った「コーヒーハウス」について、どういった経緯で流行し、流行の背景にはどういった時代背景があるのかを解説している。特にコーヒーハウスとジャーナリズムの興隆に関して詳細が書かれており、新聞や雑誌がどのようなニーズから生まれたかを知ることが出来た。
    また、著者自身は文学が専攻?なのか、18世紀の文学的な解説が多くあり、それについての記載は読んだが、正直あまり理解できない部分が多くあった。(あまりその方面には興味が持てないと改めて感じた。)

    0
    2026年01月24日

    Posted by ブクログ

    コーヒーハウスには身分職業上下貴戝の区別なく誰でも見せに出入りすることができた。いわば人間のるつぼ

    政治、文学、経済の話、科学実験などが行われた

    17世紀のイギリスでは限られた場所でしか、情報、ニュースを得ることができなかった

    そんな中でそれをまとめるジャーナリズムが生まれた



    なぜコーヒーハウスではいろんなジャンルの議論が活発に行われていたのだろうか?
    とにかく様々なバックグラウンドを持った人が集まってる場所に、少しお金を払えばアクセルできて直接話ができるわけだから、単純に好奇心が掻き立てられて活発な議論が行われたのでは?
    著名人と話ができる可能性もあるし。
    現代でそう言った環境ってある?少なくとも今の喫茶店にはない。
    スナックは若干そういう性質があるかも?

    0
    2021年08月25日

    Posted by ブクログ

    イギリスと言えば紅茶のイメージしかなかったのだが、
    コーヒーが流行っていた時期もあったのだなぁ。
    その裏には文化、政治、はては植民地までもつながっているのが興味深い。

    0
    2014年08月31日

    Posted by ブクログ

    注目した点はおもしろく、網羅的。当時の書物からの引用が多く、時代の雰囲気を少し味わうことができる。ただ、それぞれの項目において、コーヒーハウスとの関わりを深く分析してほしかった。

    0
    2012年01月24日

    Posted by ブクログ

    17〜18世紀のわずか100年の間に、コーヒーハウスがメディアをいかに進化させたかを研究した論文。まだ情報の媒介が「人づて」であった頃のメディア論であり、王政復古前後のイギリスの動静を描く歴史論でもある。

    テーマが硬い割に読みやすいが、もう少し読者を引き込む工夫がほしい。範囲を拡幅して、革命の流れとコーヒーハウスにおける物語を組み込めば、一般に読み物として受け入れられ得るだろうが、それは著者の意図するところでないかもしれない。

    0
    2011年03月24日

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