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「てんかん」のことがよくわかる本
脳の過剰な興奮が引き起こす発作をくり返す「てんかん」は、誤解や偏見が根強く残る病気。患者さんの8割は正しく治療すれば発作を抑制できるのですが、専門医が少なく、不適切な診断・治療を受け続けている方も少なくありません。本書は、病気のしくみや治療法を豊富なイラストやチャートでわかりやすく解説。必要以上の不安や、多くの人がいだいている誤解を減らし、患者さんやご家族の助けとなる一冊です。※この商品は紙の書籍のページを画像にした電子書籍です。文字だけを拡大することはできませんので、タブレットサイズの端末での閲読を推奨します。また、文字列のハイライトや検索、辞書の参照、引用などの機能も使用できません。 -
自閉症スペクトラムがよくわかる本
自閉症や高機能自閉症、アスペルガー症候群などの発達障害を、近年は「自閉症スペクトラム」と呼ぶことが多くなっています。言語や知的能力の発達には違いがみられるものの、「対人関係」が苦手で「こだわり」が強いという2大特徴は共通しているからです。本書は診断分類DSMの改訂をふまえて、定義や支援の最新情報をまとめたものです。自閉症スペクトラムの全体像と将来を見越した支援がわかる一冊です。※この商品は紙の書籍のページを画像にした電子書籍です。文字だけを拡大することはできませんので、タブレットサイズの端末での閲読を推奨します。また、文字列のハイライトや検索、辞書の参照、引用などの機能も使用できません。 -
「大人のADHD」のための段取り力
ADHDの人が仕事や家事でうまくいかないのは、目の前のことしか見ていないから。場当たり的にする作業には連続性がありません。仕事や家事をスムーズに進めるにはどうしたらよいか。本書ではADHDの人が苦手とする「時間の管理」「ものの管理」「プランニング」「記憶の補強」「持続力」を5つの課題として、職場と家庭での具体的な取り組み方をイラスト図解。自分を励ましながら確かな段取り力を身につけましょう!※この商品は紙の書籍のページを画像にした電子書籍です。文字だけを拡大することはできませんので、タブレットサイズの端末での閲読を推奨します。また、文字列のハイライトや検索、辞書の参照、引用などの機能も使用できません。 -
高次脳機能障害のリハビリがわかる本
忘れっぽい、やる気がない、怒りっぽい、疲れやすい……。いずれも脳梗塞・脳出血・くも膜下出血などの脳損傷後に現れる後遺症だが、身体的な不調に比べると本人も周囲も理解しにくく苦しむことが多い。最も多くみられる記憶障害のリハビリのために、いきなり漢字や計算ドリルなどに取り組んでもうまくいかない。本書では、効果的なリハビリのコツや注意点を徹底解説。障害への理解が深まる実践リハビリの決定版!※この商品は紙の書籍のページを画像にした電子書籍です。文字だけを拡大することはできませんので、タブレットサイズの端末での閲読を推奨します。また、文字列のハイライトや検索、辞書の参照、引用などの機能も使用できません。 -
失語症のすべてがわかる本
医療現場でさえも間違った対応がなされることがある失語症。「言葉を失う」とはどんな状態か、元に戻るのか。発症後まもなくの頃から知っておきたいこと、検査、治療、家族の対応の仕方を順番に説明しています。特に、コミュニケーション法は多くのページを使ってくわしく解説。適切な言語訓練が行われ、コミュニケーション法を身につけた患者さんは周囲が驚くほど豊かな表現力を発揮できます。専門職や介護職も実践で使える一冊。※この商品は紙の書籍のページを画像にした電子書籍です。文字だけを拡大することはできませんので、タブレットサイズの端末での閲読を推奨します。また、文字列のハイライトや検索、辞書の参照、引用などの機能も使用できません。 -
COCORA 自閉症を生きた少女
本書は、自閉症スペクトラム障害である著者が、自身の半生をもとに描いた、自伝的小説である。幼い頃から「変わった子 」と言われて育ってきた心良が、小学校入学とともに出会ったのは、理不尽な暴力教師「鈴本」だった……。次々に訪れる様々な試練。誰にも理解されない障害を抱え、もがきながら、戸惑いながら、全てのものと闘いながら、それでも必死に生きていく。自閉症スペクトラム障害の少女の 「闘いの軌跡」。 -
発達障害の子のコミュニケーション・トレーニング 会話力をつけて友達といい関係をつくろう
友達の話を聞かず、自分の言いたい事ばかり話す。ちょっとからかわれただけで、キレて暴力をふるう。そんな会話のトラブルを何度もくり返す子がいます。そのままにしておかず生活の中でトレーニングをすれば、ケンカやいじめなどの大きな問題に発展することを防げます。本書のトレーニングは親子で楽しみながらとりくめるものです。会話力をつける第一歩は「笑顔であいさつ」。スモール・ステップで一歩ずつ始めましょう!※この商品は紙の書籍のページを画像にした電子書籍です。文字だけを拡大することはできませんので、タブレットサイズの端末での閲読を推奨します。また、文字列のハイライトや検索、辞書の参照、引用などの機能も使用できません。 -
発達障害の子の「イライラ」コントロール術
イライラは、対処の難しい感情です。とくに発達障害の子の場合、ほかの子にとってはなんでもない場面でいらだちをつのらせ、手がつけられないほど爆発したりもします。そのような生活が続くと周囲から嫌われ、孤立していきます。そんな事態にならないように早期の対策が必要です。本書の「親子でいっしょに考える形式」でイライラ対策に取り組みましょう。初級→中級→上級と3ステップで紹介します。※この商品は紙の書籍のページを画像にした電子書籍です。文字だけを拡大することはできませんので、タブレットサイズの端末での閲読を推奨します。また、文字列のハイライトや検索、辞書の参照、引用などの機能も使用できません。 -
吃音のことがよくわかる本
2~4歳の子どもの約5%に発症するという吃音。言葉の頭の音のくり返し、引き伸ばしのほか、言葉につまるのも吃音の症状です。吃音に関する最新の知識は、かつての常識とは大きく変わっています。正しい知識を知ることで不安や悩みは解消されます。本書では原因、現れ方、家庭・学校での対応を徹底解説。吃音に悩まされていたことから医師となった吃音ドクターとして知られる菊池良和先生のアドバイスが満載の書です。※この商品は紙の書籍のページを画像にした電子書籍です。文字だけを拡大することはできませんので、タブレットサイズの端末での閲読を推奨します。また、文字列のハイライトや検索、辞書の参照、引用などの機能も使用できません。 -
15歳までに始めたい! 発達障害の子のライフスキル・トレーニング
ライフスキルは、日常生活の基盤となるものです。学力や運動能力、ソーシャルスキルなどをどれだけ身につけても、鍛えても、生活習慣や生活リズムが乱れていては、能力を十分に発揮することができません。本書では家庭生活や地域で活動するために必要なスキルを10種類に分けてトレーンング法を解説します。子どもが責任をもって活動する日をむかえる中学卒業前を目処に、ライフスキルの習得にとりくみましょう。※この商品は紙の書籍のページを画像にした電子書籍です。文字だけを拡大することはできませんので、タブレットサイズの端末での閲読を推奨します。また、文字列のハイライトや検索、辞書の参照、引用などの機能も使用できません。 -
クレマチスの咲く庭づくり
※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 クレマチスは、つる性植物のため管理がわかりにくく、庭のなかでどのようにあつかったらよいのか、よい解説書がありませんでした。そこで本書では、美しいクレマチスの作例とともに、クレマチスの選び方、使い方、育て方を紹介します。小さなスペースやコンテナ、憧れのアーチや窓辺でクレマチスを自在に使いこなすせ、クレマチスの庭づくりのバイブルになる1冊となります。 -
戦後七〇年史
太平洋戦争終戦前夜に大学に入学、学徒出陣を経て、戦後の七〇年間を通じ著者は近代史に民衆史という分野を開拓してきた。敗戦、神武景気、冷戦、安保闘争、高度経済成長、バブルの崩壊、二度の震災、国際テロと波乱の21世紀。その渦中をどう生きたか。著者が掲げてきた「自分史」という方法論の集大成として、歴史家の眼で戦後を総括する。 -
幻獣降臨譚 合本版
大人気ファンタジーシリーズ「幻獣降臨譚」の1巻から10巻が超お得な合本に! 合本だけのオリジナル書き下ろしショートストーリー「Five Years Before」付き! リアラ女神の加護のもと、精霊や幻獣が息づく世界。この国の少女たちは、生まれたときから精霊に守られて育つ。リスタル王国の辺境に住むアリアは14歳。期待と不安を胸に、精霊の代わりにより強大な幻獣との『契約の儀』を迎えるが…….。 -
愛と涙と勇気の神様ものがたり まんが古事記
※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 天岩戸開き、ヤマタノオロチ、因幡の白兎、海幸彦と山幸彦など、子供のころに読んだ日本の神話はどれも古事記に載っているもの。古事記というと難しそうなイメージがありますが、実は個性的なキャラクターの神様が様々な愛憎劇や冒険活劇を繰り広げる、愛と涙と勇気の一大ストーリー。そんな古事記を大人も子供も楽しめる作品に仕上げたのがこれ。活字の古事記につまずいた人でもすんなり古事記の世界に入れます。 -
空想東京百景<V2>殺し屋たちの休暇
〈呪詛爆弾〉投下によって改変された戦後──。昭和三十年代の平行世界〈東京〉を生きる〈異能者〉たちの死闘!殺人序列者が殺しの技を競う〈組織〉で暗殺任務に失敗した〈魔銃遣い〉蓬莱樹一郎に処刑の指令が下った。運命の分岐点に立つ彼の前に訪れたつかの間の休息、奇妙な〈殺し屋たちの休暇〉──。暗黒の魔窟に囚われた〈灼熱獄炎ノ魔銃〉の殺し屋・蓬莱の運命を操るのは、魅惑の美少女か? 妖艶の魔女か?※この商品は紙の書籍のページを画像にした電子書籍です。文字だけを拡大することはできませんので、タブレットサイズの端末での閲読を推奨します。また、文字列のハイライトや検索、辞書の参照、引用などの機能も使用できません。 -
洲崎球場のポール際 プロ野球の「聖地」に輝いた一瞬の光
東京下町、戦前は遊郭で賑わった洲崎にプロ野球専用の球場ができたのは、昭和11(1936)年のこと。沢村栄治がノーヒットノーランを演じ、伝統の巨人阪神戦がここではじまった。しかし、わずか1年後の昭和12年にできた後楽園球場にその場を奪われ球史から消えてゆく。今年2014年は、巨人が誕生してから80年、来年は阪神がそれに続く。「悲劇の球場」の詳細を野球少年だった著者が丹念な調査のもと蘇らせる。 -
民俗学・台湾・国際連盟 柳田國男と新渡戸稲造
植民地台湾における新渡戸稲造の「治者」の視線。それに触発されて新たな学問を構想した柳田國男だったが、国際連盟委員としてジュネーブでおおきな挫折を経験する。反転した視線は「常民」へと向かう……。近代化への応答としての日本民俗学誕生の過程を追う。(講談社選書メチエ) -
古事記ゆる神様100図鑑
※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 【ご利益情報満載! 神社めぐり携帯ハンドブック】 恋愛運、金運、健康運……運をアップさせるニッポンの神様大集合! キャラクター紹介に加え、家族構成、ご利益、祀られている神社などが早わかり。伊勢や出雲など神社参拝の前に必読! 有名神社から近所の神社まで、祀られているのはどんな神様? 神社めぐりがもっと楽しくなる。そして幸せも舞い込んでくる。 -
消えた警官 ドキュメント 菅生事件
「だれか市木を捜してくれ!」大分県で起こった駐在所爆破事件・菅生事件。国家権力が、ここまで謀略の限りを尽くすのか! 若きジャーナリストたちの執念が、ついに「消えた警官」を追い詰める。驚くべき「権力の犯罪」と、それに挑んだ「調査報道」の原点を追ったサスペンス・ノンフィクション。 -
田中角栄に消えた闇ガネ 「角円人士」が明かした最後の迷宮
長らく確証が掴めなかった「金大中事件の政治決着」と「柏崎刈羽原発用地売買」の疑惑につき、著者は越山会の会長も務めた最側近から重大な証言を得た。またもう一人の証言者からは、田中ファミリー企業の中心となる越後交通を築くため、周辺の会社買収に狂奔する父・角次と母・フサの赤裸々な姿を。躊躇なく巨額の政治資金を受けとる首相をみて、証言者は戦慄を覚えたという。 -
ワインパーティーをしよう。
1500円以下のワインで楽 しむディナー。ワインパーティーをしたいけどワインの買い方がわからないという悩みをお持ち方のために、すぐ手に入るワインと材料で構成した11のコースメニュー。※この商品は紙の書籍のページを画像にした電子書籍です。文字だけを拡大することはできませんので、タブレットサイズの端末での閲読を推奨します。また、文字列のハイライトや検索、辞書の参照、引用などの機能も使用できません。 -
カクテルはいかが?
おうちで楽しむやさしいカクテルレシピ24。簡単な24のカクテルの作り方とカクテルに合う前菜やおつまみを紹介する実用書。世界のバ-を巡る旅のエッセイ&カクテルにセレクトした音楽も魅力的な一冊。※この商品は紙の書籍のページを画像にした電子書籍です。文字だけを拡大することはできませんので、タブレットサイズの端末での閲読を推奨します。また、文字列のハイライトや検索、辞書の参照、引用などの機能も使用できません。 -
ロッキード秘録 吉永祐介と四十七人の特捜検事たち
これまで数多出版されてきたロッキード本と本書が決定的に異なる点は、捜査に従事した主任検事・吉永祐介と四十七人の特捜検事たちの、一人一人の「人間像」が描き出されている点だ。あの時、吉永を筆頭とする特捜検事たちは何を考え、どう動いたのか。厚いベールに覆われてきた「最強の捜査機関」の内幕がいま、明らかになる。 -
ステレオjct
「遊ばなきゃ――それが無意味な人生に対する復讐にもなるわけだ」▼神※を探して秋葉原を彷徨うミウラハジメ。処女崇拝の是非を池袋で問うアラシヤマシズエ。楽園を目指して山道を分け入るアニサキホズエ。三人の「私」と一人の「僕」が語り交わす三編のオムニバス。交差しぶつかりあう会話、会話、会話!(※ただしネトゲ上に限る。)▼講談社BOXから“隠れ”本好きに贈る、新人賞Powers受賞作家コタニ夕多の初小説。 -
戦闘破壊学園ダンゲロス
「魔人」と呼ばれる異能力者たちが存在する、とある世界。私立希望崎学園・通称戦闘破壊学園ダンゲロスでは、対立する2つのグループの抗争が激化していた。邪賢王ヒロシマ率いる、暴力で学園を支配する「番長グループ」。ド正義卓也を擁する、魔人校則の遵守により治安を保つ「生徒会」。ハルマゲドン勃発の日、一般生徒の両性院男女は幼馴染の保護と引き換えに番長グループに協力することになる。 -
福島原発 現場監督の遺言
福島原発の危険性を26年前から警告していた元現場監督・平井憲夫氏。一級配管技能士の資格をもつ配管のプロとして各地の原発工事と定期点検をした平井氏の告発を取材した著者が、原発の危険性を、平井氏へのインタビュー、平井氏と高木仁三郎・原子力資料センター代表との対面、大量被曝した作業員への取材を通じて根本的に問い直す。原子炉と、その冷却のための膨大なパイプの集合体としての原発は、地震にこんなにもろかった。 -
播磨国風土記 全訳注
◇土地の名前、不思議な説話。そのすべては、古代びとの生きた確かな証◇ 奈良時代の初期、『古事記』や『日本書紀』とほぼ同時期に編述された、官撰の地誌『風土記』。 地方に律令政治による統治を行きわたらせようとした朝廷が、令制国の国庁にそれぞれの地理、産物、文化、歴史についての調査を命じ、その記録を献上させたものである。 各国ごとに編纂された『風土記』だが、その多くは散逸してしまい、現在まで遺されているのは、ごく数ヵ国のものに限られる。 『播磨国風土記』はその一つであり、本書は兵庫県南西部の地名の由来、大国主の伝説や景行天皇求婚譚などの説話、古代人の生活・習俗などを生き生きと伝える最重要史料である。 本書は漢文で書かれた原文からの訓下し文に、詳細な訳註つき。 さらに懇切な解説も加えた、「風土記」の世界を味わいつくす全訳注! 【本書「まえがき」より】 〈国家神話〉として再構成されたものではなく、在地に生きる古代の人々の、生きた神話や伝説、また習俗・社会などのありさまが、断片的ながらも窺える……本書は日本古代の人々の、生きた姿を、少しでも明らかにしようと努めたものである。 【本書の内容】 まえがき 凡例 一 賀古郡(一) 二 賀古郡(二) 三 印南郡 補説「印南郡」の存否 四 餝磨郡(一) 五 餝磨郡(二) 六 餝磨郡(三) 七 餝磨郡(四) 八 揖保郡(一) 九 揖保郡(二) 十 揖保郡(三) 十一 揖保郡(四) 十二 揖保郡(五) 補説「言挙げ」について 十三 揖保郡(六) 補説『万葉集』と播磨 十四 揖保郡(七) 補説 天日槍 付、粒丘銅牙石 十五 讃容郡(一) 補説 鹿の話 十六 讃容郡(二) 補説「異剣」伝説について 十七 宍禾郡(一) 補説「大神」「伊和大神」について 十八 宍禾郡(二) 補説 葦原志許乎神について 十九 神前郡(一) 補説 大汝神少比古尼神 二十 神前郡(二) 補説 百済人 二十一 託賀郡(一) 補説 盟酒 二十二 託賀郡(二) 補説 女性神 二十三 賀毛郡(一) 補説 地名起源記事の種類と性格 二十四 賀毛郡(二) 補説 根日女の話 二十五 賀毛郡(三) 補説 延喜式と風土記 二十六 美なぎ郡 補説 於奚袁奚天皇と「詠辞」 解説 鉄野昌弘 播磨国風土記地図 *本書は訳し下ろしです。訳者の遺稿に補遺を施しました。 -
資本主義の本質について イノベーションと余剰経済
〔それでも、究極的に資本主義は受け入れなければならないシステムなのである。〕 冷戦下ハンガリーにあって社会主義経済の非効率性を明晰に論じ、その後は新古典派経済学に痛烈な批判のメスを入れたコルナイ・ヤーノシュが、 世界経済危機を経験した世界に向けて、満を持して問うた「システム・パラダイム」に焦点を当てる圧倒的論考! 資本主義と社会主義の境界が再び問い直される今こそ読まれるべき、「異端派」の巨峰が遺したメッセージ! 【本書「日本語版への序文」より】 「私は資本主義を「良い社会」だとは思っていない。多くの点で「悪い」と思っているが、それはちょうどチャーチルの民主主義にかんする見方と同じである。つまり、私は資本主義を、あらゆる実現可能な選択肢のなかでもっとも悪くはないものと見なしているのだ。より重要なことに、私は資本主義を、実際に行われた唯一の選択肢である社会主義よりもずっと良いと判断している。」 【本書の内容】 日本語版への序文 英語版への序文 第I部 イノベーションとは何か 第1章 はじめに 第2章 資本主義、社会主義、技術進歩 第3章 技術進歩の転換と加速 第4章 人は歴史的事実をどう受けとめるか 第5章 おわりに 第II部 不足経済と余剰経済 第1章 はじめに 第2章 財とサービスの市場―余剰の再生産メカニズム 第3章 財とサービスの市場―概念装置と測定手法 第4章 労働市場―余剰再生産のためのメカニズム 第5章 実証的な説明と因果分析 第6章 余剰経済の効果とその評価 第7章 一般的図式からの応用 第8章 おわりに 補論1 自由、平等、博愛―社会主義体制崩壊以後の変化の考察 補論2 一人の東欧知識人の目に映るマルクス 訳者あとがき 参考文献 索引 訳者略歴 *本書の原本は、2016年にNTT出版より刊行されました。文庫化にあたり訳文を改訂しました。 -
ニホンザルの生態
サルの社会に分け入り、文化を見出し、人間性の起源に迫る―― 世界をリードした日本の霊長類学(サル学)の原点がここにある! 今西錦司・伊谷純一郎らとともに日本の霊長類学のオリジネーターの一人として活躍した河合雅雄。意匠を凝らした筆致でもって生き生きと描かれる、サルの群れのリーダー交代劇、メスの巧みな繁殖戦略、イモ洗い行動の伝播などのありさまに、読者はきっと「息をのみ、眉をひそめ、思わず膝を打って微笑むことになる」(山極壽一氏解説より)でしょう。 加えて強調すべきは、何より研究者本人たちが実に生き生きと、楽しそうに研究に没頭している様子が紙面からありありと伝わること。ゆえに本書は、日本の学問が一番元気だった時代の「生きられた記録」でもあるのです。 解説:山極壽一 [目次] ○ニホンザルの生態 1 ニホンザル/2 ニホンザルの生活/3 ポピュレーションの動態 ○社会構造 1 社会構造/2 群れ社会の諸形態/3 社会構造の変容 ○社会構造を支えるもの 1 幸島の群れ/2 順位制/3 社会関係の調整機構/4 駆け落ちしたリーダー候補 ○クラスとグループ 1 リーダークラス/2 サブリーダー/3 ナミオス/4 ヒトリザル/5 メス/6 母と子/7 社会的成長 ○性 1 その生理/2 性行動 ○ニホンザルの文化[カルチュア] 1 一般に見られるカルチュア的現象/2 幸島の群れのカルチュア/3 知能とカルチュア ○コミュニケーション 1 音声によるコミュニケーション/2 行動による伝達 ○日本のサル学 ○あとがき ○再版にあたって ○解説 ニホンザル研究の一里塚――河合さんのやり方 山極壽一 -
憲法と国家の理論
偉大なる憲法学者・清宮四郎(1898-1989年)、初の文庫版にして、重要論文を収録したアンソロジー。 宮沢俊義(1899-1976年)とともに戦後日本の憲法学を主導し、その屋台骨を作った清宮四郎は、東京帝国大学を卒業したあとヨーロッパに留学し、オーストリアの公法学者ハンス・ケルゼン(1881-1973年)の講義に接しました。これを機に、広い領域に及ぶ関心と深い学識に裏打ちされた独自の理論を紡ぎ始めた清宮は、京城帝国大学、東北帝国大学などで教鞭を執ったほか、1958年には我妻榮、宮沢俊義、大内兵衛らと憲法問題研究会を組織し、憲法に関する啓蒙活動に注力したことでも知られています。 しかし、宮沢とは異なり、一般向けの著作を多く残さなかった清宮の名は、専門家を除けば、ケルゼンの『一般国家学』(1925年)の訳者として知られているのが実情でしょう。日本の憲法学の厚みと深みに接する機会がない現状は、理想とは程遠いと言わざるをえません。 本書は、そうした状況を打破するべく、東北大学で清宮の薫陶を受けた樋口陽一氏が、清宮が残した二冊の論文集『国家作用の理論』(1968年)と『憲法の理論』(1969年)から重要な論文を精選し、刊行するものです。憲法とは何か、国家とは何か――その重要な問いに答えるために、過去の思想家に遡り、最先端の知見と照らし合わせつつ根源に迫っていく筆致は、他の誰にも真似できない凄みを感じさせます。美濃部達吉(1873-1948年)とケルゼンという二人の師、そして宮沢という友の思い出を語った貴重な記録「私の憲法学の二師・一友」を併載し、樋口氏による懇切な「解説」を収録しました。 文字どおり「決定版」となるアンソロジーを、佐々木惣一『立憲非立憲』、尾高朝雄『国民主権と天皇制』、恒藤恭『憲法問題』に続く、学術文庫・憲法シリーズの1冊として、満を持してお届けいたします。 [本書の内容] I 日本国憲法の思想と原理 権力分立制序説 日本国憲法とロックの政治思想 憲法の法的特質 憲法の前文 国民主権と天皇制 天皇の行為の性質 数と理 多数決の前提条件 わが憲法上の解散 憲法の変遷について II 憲法理論の基礎 法の定立、適用、執行 違法の後法 憲法改正作用 ブルクハルトの組織法・行態法論 III 憲法学の二師・一友 私の憲法学の二師・一友 解 説(樋口陽一) -
アステカとインカ 黄金帝国の滅亡
一六世紀、スペイン人によるアメリカ大陸征服史が始まる。黄金を探すコロンブス、ピサロ、コルテス……。抵抗する、モクテスマ、トパック・アマルなどのインディオたち。栄華を誇った帝都と文明は、いかに滅ぼされたのか? 西欧と非西欧の壮絶なる戦いの記録を、既存の、スペイン人主体の史料では触れられなかった「敗者の視点」から再検証、植民地時代から現在へ続くラテンアメリカの被征服史を辿る。 プロローグ 黄金の夢 第一章 コロンブスの目指したジパンゴ 第二章 冒険者バルボア 第三章 メキシコの発見 第四章 首都の攻防 第五章 対決 第六章 「悲しき夜」 第七章 英雄の敗北 第八章 太平洋と中央アメリカ 第九章 南の海の探検 第一〇章 カハマルカの悲劇 第一一章 クスコ占領 第一二章 征服者たちの争いとインカ 第一三章 アラウコの国とパンパ 第一四章 ムイスカの黄金 第一五章 エル・ドラードとアマゾンの国 エピローグ 征服者たちの黄昏 あとがき 年表 民族と地域 人名検索 2002年小学館より刊行されました -
ギリシャ神話集
紀元後2世紀頃、ローマの一般大衆へギリシャの神話世界を伝えるために編まれた、277話からなる神話集。壮大なギリシャ神話の全容を網羅的に扱うためか、神話の骨子や人物の事績等がきわめて簡潔に綴られていて、作者は事典的性格を意図したものと推測される。作者のみが伝える神話要素も含み、ギリシャ神話の研究者・愛好家必読の書。本邦初訳。 -
言葉のトランジット
言葉と世界は、再発見に満ちている。 旅に出かけ、見えてきた景色。 2つのレンズを使って英語と日本語の間を行き来する、芥川賞候補作家の初エッセイ集。 +*+*+*+*+*+*+*+*+* 英語を母語としながら、日本語で創作する著者だからこそ見えてくる24の景色 「俺を使わない僕」・・・相手との距離で変わる日本語の〈一人称〉の不思議とは? 「轍」・・・英語と日本語の相互作用が創作に与える影響とは? 「言葉の出島」・・・日本にいながら英語を期待されるプレッシャーとは? 「マイジャパン症候群」・・・日本在住の英語話者コミュニティー独特の症状とは? 「Because Plants Die」・・・この英語、ちょっとおかしい? 言葉が持つニュアンスとは? and more… -
なめらかな人
たとえこの地球に散り散りに住むことになったとしても家族でいられるように、わたしたちは将来の約束をしない-ー群像の好評連載がついに単行本化。新進気鋭の美術家による清冽なエッセイ。 「実際のところ別に名前自体はどうでもいいとは思うが、必ずしも恋愛にもとづかない関係をときどき家族と名乗ることができたりする社会になったらいいのにな、とは心から思う。 けれど、わたしの中にある「家族」への固執は、おそらくもっと身勝手で、ままならない何かに紐づいている。自分の心と体が誰にも支配されることのない家を、安心して帰れることが約束された家を、わたしはこの手で作り直したかったのだと思う」(本文より) 目次 なめらかな人 ママと娘 骨が怖い 交差点 ビオランテ カラオケ日和 ねじれたヌード 底意地の悪い ドクメンタの夜 晋吾のスカート 肉を噛む バッド・ゲームの向う側 見ない、見えない、見なくていい 身籠り あの銅鑼が鳴る前に 石に歯 ぬいぐるみたちの沈黙 労働と蕩尽 マイホーム 続・マイホーム 白い塀 遥かなるゾーニング 秘密の融点 砂のプール あとがき -
共に明るい
\『この世の喜びよ』で芥川賞受賞、待望の受賞後第一作!/ その瞬間、語られないものたちがあふれ出す。 早朝のバス、公園の端の野鳥園、つきあってまもない恋人の家、島への修学旅行、バイト先の工場の作業部屋――。 誰もが抱える痛みや不満、不安、葛藤。 目に見えない心の内に触れたとき、「他人」という存在が、つながりたい「他者」に変容する。 待望の芥川受賞後第一作、心ふるわす傑作小説集。 「共に明るい」 早朝のバス、女は過去を語り出す。 「野鳥園」 産後の母親と少年が過ごす、仮初のひととき。 「素晴らしく幸福で豊かな」 出会って一ヵ月、恋人と過ごす不安定な日常。 「風雨」 台風で足止めをくらった修学旅行生たちの三日間。 「池の中の」 電池の検品バイトでの会話、起こる揺れ。 -
#Z世代的価値観
マーケティング用語じゃない。これはまったく新しい「世代論」 絶望的な世界に生まれた“Z世代”が 「愛」と「連帯」で価値観の革命を起こす! 「Forbes JAPAN 30 UNDER 30 2023」受賞! メディア・SNSで話題騒然!『世界と私のA to Z』の著者による画期的エッセイ お金、健康、人間関係、SNS、仕事―― Z世代的価値観で分析する“私たちのいま” ・「ホットガール」とセルフラブ ・セラピーは心の必需品 ・「リアル&楽しい」食に夢中 ・エブエブ旋風の奇跡 ・さよなら「インフルエンサー」消費 ・つながりが広げる読書 ・ブランド価値より「今」の価値 ・「仕事≠人生」的な働き方 -
我が手の太陽
第169回芥川賞候補作。 鉄鋼を溶かす高温の火を扱う溶接作業はどの工事現場でも花形的存在。その中でも腕利きの伊東は自他ともに認める熟達した溶接工だ。そんな伊東が突然、スランプに陥った。日に日に失われる職能と自負。野球などプロスポーツ選手が陥るのと同じ、失った自信は訓練や練習では取り戻すことはできない。現場仕事をこなしたい、そんな思いに駆られ、伊東は……。 “「人の上に立つ」ことにまるで関心がった。 自分の手を実際に動かさないのなら、それは仕事ではなかった。” ”お前が一番、火を舐めてるんだよ” ”お前は自分の仕事を馬鹿にされるのを嫌う。 お前自身が、誰より馬鹿にしているというのに” 腕利きの溶接工が陥った突然のスランプ。 いま文学界が最も注目する才能が放つ異色の職人小説。 -
旋回する人類学
文化人類学ってどんな学問? 黎明期の先駆者たちから、ラトゥール、インゴルド、グレーバーまで。 繰り返されてきたパラダイム・シフト(=転回)と研究者たちの「格闘」の跡をたどり、現在地を探る。 6つのテーマ(人間の差異、他者理解、経済行動、秩序、自然と宗教、病と医療)を取り上げ、 ぐるぐるめぐり歩きながら考える、文化人類学の新しい入門書。 【「はじめに」より】 「文化人類学ってどんな学問ですか?」そう聞かれると、いつも言葉に詰まる。「昔は未開社会といわれた民族を研究していたんですが、いまは病院とか、企業とか、軍隊とか、現代的な場所も対象になっています」。そんな言い方をして顔色をうかがう。納得いかない様子なら、「ただフィールドワークという現場に深く入り込んで調査する手法は一貫しています」などと言葉をたす。 うまくストレートに説明できないのは、文化人類学が何度も大きなパラダイム・シフト(=転回)を経験してきたからだ。研究対象が変わるだけでなく、学問の前提となる理論的枠組みがたびたび入れ替わってきた。その変化は、かならずしも連続的な「発展」ではない。むしろ「断絶」や「亀裂」でもあった。そこには、人類学者たちが先人の築いた基盤やその時代の支配的概念を批判的に乗り越えようと格闘してきた足跡が刻まれている。 (中略) 私たちはいったいどんな世界をつくりだそうとし、現実にどう世界を変えてきてしまったのか。それは、人類学という一学問に限らず、いまの時代を生きるすべての人にとって切実な問いである。人類学の一筋縄ではいかない旋回の軌跡をたどりなおす過程は、その問いへの向き合い方がいくつもありうることを確認していく作業でもある。 【目次】 1章 人間の差異との格闘 1 「差異」を問う 2 構造のとらえ方 3 未開と近代 2章 他者理解はいかに可能か 1 他者理解の方法 2 揺らぐフィールドワーク 3 存在論へ 3章 人間の本性とは? 1 社会から個人へ 2 形式主義と実体主義 3 近代への問い 4章 秩序のつくり方 1 法と政治の起源 2 国家と政治 3 国家なき社会 5章 自然と神々の力 1 宗教とアニミズム 2 神の概念 3 自然と人間 6章 病むこと、癒やすこと 1 災いの原因 2 医療人類学の地平 3 ケアの視点 7章 現在地を見極める 1 二分法の問い直す 2 変革と実践の学問へ -
パレードのシステム
鮮明で美しく、静謐かつ余韻に満ちたレクイエム、芥川賞作家の新境地。 人生はパレード、荘厳な魂の旅路。台湾と日本、統治と戦争の歴史に及ぶ記録と記憶の軌跡――。 祖父の自死をきっかけに実家のある地元に帰った美術家の私。祖父が日本の植民地だった戦前の台湾に生まれ育った「湾生」と呼ばれる子どもだったことを知り、日本統治下の台湾について調べ、知人からも話を聞き、誘われるまま台湾を訪れることになる。祖父の自死の原因、理由を探り、自身のルーツ・アイデンティティを確かめるための台湾訪問だが、何かに導かれるように台湾先住民の系譜にある人物の葬儀に参加することになる。日本とは全く違う儀式や儀礼、風景に触れるうち、戦争や生と死・祖父の思い出・美大時代唯一の友人の死、様々なイメージが想起され喚起されていくのだった。 -
平成転向論 SEALDs 鷲田清一 谷川雁
選考委員からレベルが高いとの指摘があった第65回群像評論新人賞候補作、その中から優秀作に選ばれ、「群像」誌上に発表されると大反響と共に話題となった傑作批評に大幅加筆した増補改訂完全版。シールズの運動とその後を総括、我々と鷲田清一の平成における転向の軌跡、後続する臨床哲学の担い手たち。日本社会のひずみに鋭く切り込み、コロナ禍に顕在化したケアの問題にまで発展する極めてアクチュアルかつクリティカルな論考である。 目次 序 論駁するということ 射影の方法をめぐって 第一章 二〇一五年の鷲田清一 第二章 〈戦前〉から〈戦後〉へ 第三章 〈ふれる〉ケアと加害の反転 第四章 平成の転向者たち 第五章 〈戦中〉派としてのSEALs 第六章 鷲田清一から臨床哲学へ 第七章 軸と回転 谷川雁vs.鶴見俊輔 第八章 〈地方〉と〈中央〉 第九章 〈旗〉と〈声〉 臨床哲学再論 第十章 SEALsとその錯誤 終論 待兼山の麓から――エッセイストたちの実践 -
どこか或る家 高橋たか子自選エッセイ集
すべて素顔の私。私らしい文章40篇を厳選――小説の中に表われる作家の分身……。自身そのように小説を書いてきたけれど、それは、<私>という人間そのものでは、決してない。おさない頃の京都の記憶、日々の生活を楽しんだ鎌倉、親しい友との旅、出会い、そしてパリでの霊的体験……。書きつづってきた文章の中から、40篇を選び出してみた、ほんとうの<私>をわかっていただくために。 ◎高橋たか子「今、人生の最終段階にいる私は、私という者が大体どういう者であったかを、すくなくとも、すでに書いたエッセイをざっと並べる形において、わかっていただきたい、と思う。大体、と書いたが、全体は神のみぞ知る。<「著者から読者へ」より> -
視えない線を歩く
2011年3月11日。あの日から続く非常事態を人々はどう生きたか。何を考えたか。 論争の中で塗りつぶされていく多様性、忘却されていく過去を、ていねいに見つめ直す。 第1回PEPジャーナリズム大賞受賞のノンフィクションライターが綴る傑作。 第1章 先取りされた「緊急事態」の記録 第2章 人に会いに行く 第3章 理解、その先へ 第4章 トモヤの10年 第5章 何も知らない 終章 家族の時間 -
対談・文学と人生
独自の創作理論を打ち立てた、二大巨人による実践的文学論。文学の<現在>はここから始まる――独自の文学世界を打ち立てた二大巨人=小島信夫&森敦による長篇対談。昭和20年代半ばからの知己である二人が、これまでの交遊を振り返りつつ、創作理論の<現在>を縦横に語り合う。悲劇と喜劇、内部と外部、小説におけるモデル問題、夢と幻想、演劇論など、多岐にわたるテーマを通して、二人の文学の根柢に迫る、スリリングでアットホームな試み。幻の未刊長篇対談、待望の文庫化。 ◎小島信夫「この対話は色々の問題をもってきて、互いに論じるというようなものとは大分ちがう。問題も材料も互い自身である。これは息苦しいものであるし、空を切ることもあるので、ときどき散歩をすることもある。ときには、自分自身をダマす必要もある。(略)今月、悲劇、喜劇という言葉が出現して、私は刺戟をうけた。まどろみかけた目がひらいた思いがした。(略)今回のような談話の中での文脈の中でおどり出たのだから、これは生きた言葉である。生きた言葉であるだけに、今後何度も俎上にのぼり、たのしまなければならない。」<「第四回・追記」より> -
ケアの倫理とエンパワメント
自己と他者の関係性としての〈ケア〉とは何か。 強さと弱さ、理性と共感、自立する自己と依存する自己……、二項対立ではなく、そのあいだに見出しうるもの。ヴァージニア・ウルフ、ジョン・キーツ、トーマス・マン、オスカー・ワイルド、三島由紀夫、多和田葉子、温又柔、平野啓一郎などの作品をふまえ、〈ケアすること〉の意味を新たな文脈で探る画期的な論考。 本書は、キャロル・ギリガンが初めて提唱し、それを受け継いで、政治学、社会学、倫理学、臨床医学の研究者たちが数十年にわたって擁護してきた「ケアの倫理」について、文学研究者の立場から考察するという試みである。(中略)この倫理は、これまでも人文学、とりわけ文学の領域で論じられてきた自己や主体のイメージ、あるいは自己と他者の関係性をどう捉えるかという問題に結びついている。より具体的には、「ネガティブ・ケイパビリティ」「カイロス的時間」「多孔的自己」といった潜在的にケアを孕む諸概念と深いところで通じている。本書は、これらの概念を結束点としながら、海外文学、日本文学の分析を通して「ケアの倫理」をより多元的なものとして捉え返そうという試みである。(本書「あとがき」より) -
二人がいた食卓
良かれと思ったことが、押しつけがましさに。理想を追い求めるあまり、頑なになる。相手への気遣いが、裏目に出る。一番わかってほしい相手に限って自分の努力が伝わらない……。そんな夫婦関係の迷宮に迷いこんだ泉と旺介、きっかけはまさか、食の好みの違い……! ドリア、生姜焼き、ハンバーグ、キッシュ……出てくる料理は、「食の検定」1級を持つ著者だからこそ表現できる、読むだけで美味しそうなものばかり。だからこそ、夫婦のすれ違いのきっかけとして、鋭く鮮やかな物悲しさを湛えています。 おいしさは恋で栄養は愛? 家族として、好きを越えた関係を築いていく覚悟を持てるのか。泉と旺介、二人の選択とは。 -
坂口安吾と中上健次
闘う知性が読み解く、事件としての安吾と中上――日本の怠惰な知性の伝統の中で、「事件」として登場した坂口安吾と中上健次。二人は、近代文学の根源へ遡行しつつ、「自然主義」と「物語」の止揚を目指す。安吾は、自らを突き放すような他者性に文学の「ふるさと」を見出し、中上は、構造に還元することなく、歴史の現在性としての「路地」と格闘する。闘う知性としての安吾と中上を論じた、74年から95年までの批評を集成した、伊藤整文学賞受賞作。 ◎「文学」とは、どんな秩序にも属さず、たえず枠組を破ってしまう荒ぶる魂であった。文学をやっている人がすべてそうなのではない。むしろその反対である。文学という枠組を吹き飛ばすようなもの、それが「文学」だった。私と中上は文壇において暴風雨のような存在であった。そして、われわれがともに敬愛していたのが坂口安吾である。(中略)私は安吾を高く評価していた。しかし、小説家としてではない。私にとって、彼の作品は、哲学であり、歴史学であり、心理学あり……、それらすべてをふくむ何か、要するに、「文学」であった。<「著者から読者へ」より> -
無駄花
ある日、死刑囚・中村は、出版社の社員から、これまでの半生について手記を書くよう手紙で促される。そこで中村は自身の半生と、因縁の男・島田との関係を綴り始めることになった。困窮した家庭に育った中村と、地元でも有数の実業家一族の島田の二人は、一度は中学で同じ不良グループに属していたが、島田の度重なる裏切りに業を煮やした中村が殴り合いの喧嘩の末、島田と縁を切ることに。 その後、上京して会社員となり、結婚して幸福な生活を送っていた中村は、父の重篤の報を受け、看病のため久しぶりに帰郷する。そこに一族の経営会社を引き継いだ島田が現れ、二人は十数年越しに再会を果たす。直後に襲った株価暴落もあり、過去の蟠りを払拭して彼の会社に入社することを決意した中村だったが、そこにはなんと犯罪や不貞が横行する世界が待ち受けていたのだった。島田に妻を寝取られ、またしても裏切りにあった中村は、遂に怒りを爆発させ凶行へとひた走る。 29歳、戦慄のデビュー。第14回小説現代長編新人賞奨励賞受賞作。 -
プレカリアートの憂鬱
めくるめくプレカリアートの世界へようこそ! 活動家・雨宮処凛が、17人の「プレカリアート」な人々を徹底取材。彼らに希望は?? 社会は変わるか? 生きること、働くことの根源を問う、渾身のルポルタージュ! ――俺たちの魂の叫びを聞いてくれ! これは、明日の見えない「プレカリアート」たちの自由と生存のための闘争史だ。月収10万円のフリーター、ロスジェネ世代のニート、「派遣切り」におびえる非正規雇用者、「債務奴隷」さながらの新聞奨学生、高学歴ワーキングプア、「ネットカフェ難民」の日雇い派遣……「雇用崩壊社会」の現実に迫る懇親のルポルタージュ!! -
常識的文学論
歴史小説、推理小説は「文学」に値するのか? ――大衆文化の隆盛とともに、文学の世界においても、大衆小説や中間小説が文壇の主流へと登場しつつあった1960年代初頭。こうした流れを、純文学にとってかわるものとして擁護する批評家の言も含め、歴史小説や推理小説の実体を根底的に批判した、ポレミックな文学論。<『蒼き狼』論争>となった井上靖への批判、深沢七郎の『風流夢譚』批判、松本清張批判など、スリリングな文芸時評16篇。 「昨年中から大衆文学、中間小説の文壇主流進出を認容する論調があった。現象自体は現代の大衆文化進展の一環であり、別に不思議もないが、われわれの伝統や世界文学史に基いた文学の理念をこわしてまでこれを擁護しようとする批評家が一部にあった。(略)私はそれらに対して、文学の原理を争うのではなく、諸君の礼拝している淫祠邪教の実体はこれなのだ、と摘発する方法によった。」(「序」より) -
飆風
作家になることは悪人になることだ。生きることで他人を傷つけ、小説を書くことで自らをも痛めつけてゆく。すさまじい作家が、己の精神を追い込み、崩壊していく様を曝した、最後の私小説――「靴と下駄とスリッパが空中を飛んでいるんだ。ほら、そこに。」「くうちゃん、何言ってるの。何も飛んでいないじゃない。」「いや。飛んでいるんだ。階段も廊下も流れているし。」「変ねェ。何も流れていないじゃない。いつもの通りじゃない。」「ああ、俺は気が狂った。アロエの毒を呑まされた。」「誰に。」「誰だか分からない。俺の頭の中を風が吹いていくんだ。」「風?」(本文より) -
暗い絵・顔の中の赤い月
新人・野間宏、戦後日本に颯爽と登場――初期作品6篇収録のオリジナル作品集 1946年、すべてを失い混乱の極みにある敗戦後の日本に、野間宏が「暗い絵」を携え衝撃的に登場――第一次戦後派として、その第一歩を記す。戦場で戦争を体験し、根本的に存在を揺さぶられた人間が、戦後の時間をいかに生きられるかを問う「顔の中の赤い月」。ほかに「残像」「崩解感覚」「第三十六号」「哀れな歓楽」を収録する、実験精神に満ちた初期短篇集。 ――草もなく木もなく実りもなく吹きすさぶ雪風が荒涼として吹き過ぎる。はるか高い丘の辺りは雲にかくれた黒い日に焦げ、暗く輝く地平線をつけた大地のところどころに黒い漏斗形の穴がぽつりぽつりと開いている。その穴の口の辺りは生命の過度に充ちた唇のような光沢を放ち、堆い土饅頭の真中に開いているその穴が、繰り返される、鈍重で淫らな触感を待ち受けて、まるで軟体動物に属する生きもののように幾つも大地に口を開けている。
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