ちくま新書作品一覧

  • レイシズムとは何か
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    「日本に人種差別は本当にあるのか」。そのように疑問に思う人も多くいるだろう。だが日本にも人種差別撤廃条約で禁止されている差別が現実に起きている。間違えていけないのだが、現在の人種差別は人種を表に出せないかわり、文化の差異などを理由に差別を扇動しているのだ。なぜそのような差別は起きるのか? 日本ではそれが見えにくい理由は? レイシズムの力学を解き明かす。
  • 香港と日本 ──記憶・表象・アイデンティティ
    5.0
    二〇一九年の「逃亡犯条例改正案」への反対デモは熾烈を極め、多くの負傷者を出し、その戦いの終わりは未だに見えない。香港がこのような事態になったのは、どうしてなのか? 中国大陸の同化政策は、人びとにどのような影響を与えたのか? 本書は、香港人としての実感と研究者としての分析で、現在に至る香港の変遷を考察する。また『ドラえもん』『進撃の巨人』と香港政治運動の意外なつながり、大日本帝国の記憶など、香港における「日本」の表象を詳細に分析する。香港出身の気鋭の若手研究者による、日本人のための香港入門。
  • はじめてのアメリカ音楽史
    4.0
    ブルーズ、ジャズ、ゴスペル、ソウル、カントリー、ロックンロール、ヒップホップ……アメリカの様々な音楽はいつどのように生まれたのか。どんな人たちにより演奏されてきたのか。200年以上の歴史を誇るアメリカ音楽について、その始まりから現在のアーティストまで、アメリカ南部からやってきた研究者とポップカルチャーに通じる評論家が徹底的に語りつくす。この一冊でアメリカン・ルーツ・ミュージックがバッチリわかる。全ジャンルのアルバム紹介つき。
  • コミュニティを問いなおす ――つながり・都市・日本社会の未来
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    戦後の日本社会で人々は、会社や家族という「共同体」を築き、生活の基盤としてきた。だが、そうした「関係性」のあり方を可能にした経済成長の時代が終わるとともに、個人の社会的孤立は深刻化している。都市、グローバル化、社会保障、地域再生、ケアなどの観点から、新たな「つながり」の形を掘り下げる試みである。
  • いちばんやさしい美術鑑賞
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    「何を見たらいいのかわかりません!」──そんな美術鑑賞にさようなら! これからはもう一歩作品に踏み込みましょう。しかも超簡単! 「上手さを知るには手を観る」「プレートは必ず読む」「誰かと一緒に観に行く」「評価のチェックリストを作る」……。1年に300以上の展覧会に足を運ぶカリスマ・アートブロガーが、美術の本質を見極めながら、広くて深くてしなやかな美術鑑賞法を教えます。
  • 英語と明治維新 ――語学はいかに近代日本を創ったか
    -
    江戸幕府を倒し、新しい「日本」の形を模索した明治維新。水面下では、言葉をめぐって「もう一つの闘い」が繰り広げられていた。迫りくる西洋列強と外国語で交渉できなければ植民地にされかねない。まともな教科書も辞書もない時代、サムライたちは必死に西洋語を学び、欧米に密航留学した。漢学、蘭学に加え、英語、独語、仏語が乱立する中、なぜ英語が新しい国家を創る原動力となりえたのか? 英語教育史の第一人者が、これまで語られてこなかった視点から幕末・明治に光を当てる。
  • 風俗嬢のその後
    3.0
    夜の仕事に就く理由は様々だ。失業のため、虐待から逃れて生き延びるため、大学の学費や病気の治療費のため、ホストやバーの売掛金の支払いのため。性風俗で働くことには、昼の世界よりも圧倒的に高額な報酬を手にすることができる可能性がある反面、ストーカー被害や性感染症、社会的な信用といった面での大きなリスクが伴う。彼女たちはなぜ性風俗産業で働きはじめ、どのようにして卒業したのか。実際の体験談から脱がずに生きる方法を模索する。
  • 沈黙の中世史 ――感情史から見るヨーロッパ
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    声と音が生活の大部分を占め、音のない言葉がごく例外的な人々の間に限定された時代があった。本書が光を当てる中世ヨーロッパ(西暦でおよそ500~1500年)とは、そういう時代である。騒々しい世界のなかで、沈黙とはいかなるかたちでありえたのか。修道院の静寂、服喪の嘆き、聖なる沈黙……。新進の中世史家による、感情史の魅力を伝える一冊。
  • 結婚の社会学
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    結婚をめぐる常識は、日々変化しています。事実婚、ステップファミリー、同性パートナーシップ、選択的シングルなど、一対の男女による結婚→出産というモデルではとらえきれない家族のかたちがたくさんあるのです。この本では、国際比較、歴史的比較、理論という三つの視点から、結婚というものを解き明かしていきます。当たり前を疑ってみることで、「ふつうの結婚」「ふつうの家族」という考え方を相対化できるはずです。
  • 大阪がすごい ――歩いて集めたなにわの底力
    -
    古代から要衝であり続ける大阪を調べまくりました。高低差の激しい地形、産業発展の歴史、ややこしい私鉄事情と沿線ごとの特徴、住民気質、キタやミナミなど街の成り立ちからディープサウスのスポットへ……。話のネタになるウンチクや雑学、古地図や錦絵、古写真も満載しました。「大阪って、こんなところだったんだ」「大阪には、そんな歴史もあるんだ」「大阪は、お笑いと粉もんだけじゃなかったんだ」と驚きもあるはず。歩き回って、あらためて見えた大阪の底力をご報告します。
  • キェルケゴール ――生の苦悩に向き合う哲学
    -
    キリスト教国家デンマークに生まれ、いまなお哲学史にその名を刻むセーレン・キェルケゴール。母や兄弟との死別、厳格な父との葛藤、放蕩、婚約者との破局――。不憫な日々を過ごした青年は、孤独と憂愁の淵で深くへりくだる。その愚直な信仰と思索のあいだに立ち上がった〈実存哲学〉とはいかなる企てだったのか。『死に至る病』『不安の概念』などの代表作のみならず、残された膨大な日記や手紙を読み解き、“神に仕えるスパイ”という使命を生きた人間キェルケゴールの実像にせまる。
  • 実践!クリティカル・シンキング
    -
    クリティカル・シンキングの目的は、与えられた推論が正しいか正しくないかを判断し、正しくないときにはどこがどのように間違っているのか見つけ出す能力を鍛えることだ。そのために自分の頭で論理的に考える「思考力」を身につけることは欠かせない。しかし、その「思考力」は生まれ持ったセンスで決まるものではない。推論の型を「構造図」としてとらえる訓練を積むことで身につく能力なのだ。新しく、実用的なクリティカル・シンキング入門。
  • 民間企業からの震災復興 ――関東大震災を経済視点で読みなおす
    -
    富国強兵と殖産興業が一段落、新興帝国日本が漂流し始めた大正時代に、大災害が首都を襲った。本書は、経済活動の担い手である実業家・企業・財界の視点と活動に注目し、大震災からの復興過程を考察する。彼らが大震災に対してどのような復興構想を持ち、どこまで実現したのか。それは近代化を目指した日本社会や日本を取り巻く国際社会にどのような影響を与えたのか。植民地を含む当時の日本帝国全体の経済地図を塗り替える、もう一つの近現代史を浮き彫りにする。
  • 思想史講義【明治篇II】
    -
    ひとつの時代が終わり、新たな時代が幕を開けつつあった明治20年頃の日本。その中心にあったのは立憲政治の開始。それはいまからは想像しづらいほどの大事件だった。大日本帝国憲法に始まる、超然主義、民力休養、教育勅語など立憲政治の役者から、平民主義、国民主義、国粋主義など様々な新時代の「主義」、世紀転換期に意味が大きく変わった批評や宗教、日清・日露戦争後の日韓合邦論、東西文明論、そして明治末年の「新しい女」まで、当時の言葉から思想史を豊かに紡ぎ出す。
  • 思想史講義【戦前昭和篇】
    -
    「大正デモクラシー」から「ファシズム」・戦争へと移行した戦前昭和期は「国体」の再構築と「文明化」の超克がめざされた時代だった。大正期の民主化運動は衰退し、アジア回帰、国家総動員、文化主義は戦前昭和期にアジア進出、総力戦体制、日本主義・国体論へと展開。大正期の「文明化」との差異化が「転向」の時代をへて「近代の超克」へ推し進められていった。様々な思想がせめぎ合い、複雑に絡み合いつつ日本がいかに戦争へと向かい、戦争を遂行したかを最新研究に基づき検証する。
  • 地形で見る江戸・東京発展史
    -
    等高線と赤色立体地図を通じて江戸・東京を見ると、地形を変える都市改造もあったが、基本は自然地形を活かしたまちづくりがなされてきたことがわかる。明治以降の東京は、その時々の経済や社会などの環境変化を反映しながら大きく姿を変え続けてきたが、東京の市街の主な骨格は、江戸時代から引き継がれ、現代に至っているのだ。古今の地図で確認できる土地利用の変化から、河川・水道・道路・鉄道などインフラ発展の歴史を叙述しつつ、江戸・東京の発展プロセスを図解する。
  • 思想史講義【明治篇Ⅰ】
    -
    四巻シリーズによる近代日本思想史の起点となる本書では、明治維新をめぐるさまざまな思想を考察する。文明開化は単なる「西洋化」だったのか。富国強兵は本当に維新当初からスローガンだったのか。最新の実証的研究に基づく16のテーマと8本のコラムにより、諸思想を掘り下げて検討。多彩な論点で歴史を行きつ戻りつたどることで、思想史の力を引き出し、従来の単線的な明治維新像を刷新する。過去を考える意味とおもしろさがわかる、これまでにない明治維新思想史入門。
  • 明治史講義【グローバル研究篇】
    -
    かつて西洋文明の圏外にあった日本は、西洋に由来する価値観や制度を受容し、定着させ、近代化を成し遂げた。明治維新が稀有な人類の歴史的経験であることに疑いの余地はない。それはいかなる思想と条件の下、可能となったのか。明治維新は世界史においていかに語られ、そこにどんな意味が見出されているのか。世界各地域の第一線で活躍する日本研究者の知を結集し、定説とされる歴史観に囚われず、国際的に大きなインパクトを与えた明治維新の世界史的意義を多面的に検証する。
  • ルネサンス 情報革命の時代
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    新大陸やアジア諸国から流入する大量の珍花奇葉、珍獣奇鳥、玄怪な工芸品……。西欧のルネサンスは、情報の大洪水に見舞われ、中世までの伝統的な知のフレームが大きく揺らいだ時代であった。さらに「古代」という過去の発見、 新たな救済の道の発見(宗教改革)、宇宙や身体内部の発見(天文学や解剖学) ……まさに発見につぐ発見の時代相だ。この未曾有の知の大爆発に、果敢に立ち向かった人々がいた。膨大な言葉と物を集め、分類を工夫し、印刷メディアと人工記憶を駆使しながら、独創的な知のソフトウェアの開発をめざす挑戦が幕を開ける! 情報革命がもたらしたルネサンス文化を読み解く。
  • ルポ 名門校 ──「進学校」との違いは何か?
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    「名門校」は単なる「進学校」と何が違うのか? 男女御三家、地方公立名門校など全国30校を丹念に取材。旧制中学、藩校、女学校、大学予科など系譜別に、名門校に棲みつく「家付き酵母」の正体に迫る。それぞれの名門校に受け継がれる文脈の壮大さ奥深さそして人間臭さを知ってしまうと、偏差値や進学実績といった瞬間的かつ一面的な基準で学校を論ずる無意味さや、場当たり的な教育改革議論に対する違和感あるいは嫌悪感から逃れられなくなってしまうだろう。
  • 日本金融百年史
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    はじまりは、株式市場でどの銘柄も軒並み暴落した1920年。その後、関東大震災、昭和恐慌に直面し、戦争へと突き進む中、日本の株式市場、金融システムは様々な政策のもと、揺れ動いていくことになる。戦後復興、高度成長、バブル、「失われた30年」といま続く流れはどのように導かれていったのか。経済・金融政策と人々の思惑はいかに影響を与え合うのか。歴史の教訓を見誤らないためにこの百年を振り返る。
  • 貿易の世界史 ――大航海時代から「一帯一路」まで
    -
    貿易は互いに利益をもたらすものと思われているが、その本質は奪い合いであり、近代以前の貿易は戦争そのものだった。現代でもTPPや米中摩擦に見られるように、貿易は各国の利害が対立する“戦場”となっている。加えて今日のグローバル経済下では、国家と多国籍企業が争う場ともなった。本書では国際貿易の始まった大航海時代までさかのぼり、貿易が資本主義経済を成り立たせ、覇権を握る手段として利用されてきた歴史を描いた。貿易は単なるビジネスなどではないのだ。
  • メディア論の名著30
    -
    「歴史学」は現在から過去を解明しようとするのに対し、「メディア論」は現在から未来を展望しようとする――。メディア史研究の第一人者である著者が、社会心理から政治学まで、文明論的な視座をもつメディア論の「名著」30冊を精選。「大衆宣伝=マス・コミュニケーションの研究」「情報統制とシンボル操作」「情報社会とデジタル文化」など六章にわたって解説を加えてゆく。ウェブ時代にあってメディア論を深く知りたい人にとり最良のブックガイドである。
  • 水都 東京 ──地形と歴史で読みとく下町・山の手・郊外
    4.0
    川、海、濠、湧水、池、用水。東京は下町から郊外まで、豊かな水辺をもっている。この都市の象徴=隅田川、文明開化のモダンな建築群が水辺を飾った日本橋川、世界にも類を見ない豊かな自然環境を保有する皇居・外濠、凸凹地形と湧水が目白押しの山の手、水辺をたどれば古代の記憶に触れることができる武蔵野……本書は東京各地をめぐりながら、この魅力的な水都の姿を描き出す。『東京の空間人類学』から35年、著者の東京研究の集大成がついに刊行!
  • 中東政治入門
    -
    シリア内戦、「イスラーム国」、「アラブの春」、石油依存経済、パレスチナ問題……中東では今も多くの問題が起こっている。しかし報道や時事解説を通してこうした事実を「知る」ことはできても、「なぜ」起こったのか、その原因を「理解する」ことはなかなか難しい。本書は、中東政治学のエッセンスを紹介しながら、国家、独裁、紛争、石油、宗教という五つのテーマをめぐり、その「なぜ」を読み解いていく。中東という大きな課題に向きあっていくために必読の一冊。
  • 平成政治史 ──政界再編とポスト冷戦型社会運動
    -
    冷戦の終焉とともに始まった平成政治。選挙制度改革による政権交代の実現と、自民党一党優位制打破が期待されたが、細川・村山政権や民主党政権に国民が失望する一方で、危機に立たされた自民党は自公連立、小泉改革、安倍政治によって政権の盤石化に成功した。なぜこのような結果になったのか。各政党の動きとその時々の内外の政治課題を巧みに織り交ぜて解説しつつ、SEALDsや脱原発運動、在特会など新しい社会運動の動向にも注目。激動の三〇年を俯瞰する政治史決定版。
  • 天皇と右翼・左翼 ──日本近現代史の隠された対立構造
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    近現代日本を動かしてきたのは、幕末以来の天皇家と伏見宮系皇族(旧宮家)の対立と裏社会の暗闘である。対米戦争へ主導したのは反英米的な軍・伏見宮系皇族・一部の長州閥有力者で、彼ら右派は昭和二十年八月十五日の宮城事件、三島事件など数多く事件を起こし、潜在的に反(昭和)天皇だった。昭和天皇・貞明皇后は左派勢力と個人的につながり、親天皇=保守=右翼ではなかったのだ。従来の右翼・左翼観を打ち破り、近現代日本の支配層における対立構造を天皇を軸に描き直す。
  • 歴史人口学事始め ──記録と記憶の九〇年
    -
    若き日のヨーロッパ留学で歴史人口学と不意に出会い、やがて宗門改帳を使った人口動態調査や「勤勉革命」の提唱で世界的に評価されるまでに至った著者が、幼少期からの体験と日本の歴史人口学成立事情を振り返る。戦中の勤労動員、敗戦後の混乱、中東旅行での歴史観の転換、ヨーロッパの先端研究の導入、網野善彦や梅原猛との出会い、時刻表をヒントにしたデータシートの考案など、九〇年間の学問人生を回顧し、人口減少社会の未来を考察する。急逝した碩学の最後のメッセージ。
  • 室町の覇者 足利義満 ──朝廷と幕府はいかに統一されたか
    5.0
    足利一門大名に丸投げして創立された室町幕府では、南北朝の分断などに後押しされて一門大名の自立心が強すぎ、将軍の権力が確立できなかった。この事態を打開するために、奇策に打って出たのが足利義満である。彼は朝廷儀礼の奥義を極め、恫喝とジョークを駆使して朝廷を支配し、さらには天皇までも翻弄する。朝廷と幕府両方の頂点に立つ「室町殿」という新たな地位を生み出し、中世最大の実権を握った。しかし、常軌を逸した彼の構想は本人の死により道半ばとなり、息子たちが違う形で完成させてゆく。室町幕府の誕生から義満没後の室町殿の完成形までを見通して、足利氏最盛期の核心を描き出す。
  • 武器としての世論調査 ──社会をとらえ、未来を変える
    -
    内閣支持率が高い地域では宗教信仰率が高い。野党支持は若年層で伸び悩み。世論調査の見方を知り、精緻に分析していけば、こんなことがわかります。この社会に窮屈さを感じている人も、あなた自身の考えが政治に反映されないことが不満で「世論調査は捏造だ」と考えている人も、この本を読んでみてください。世論調査は、社会をとらえ、未来を変えるための武器です。どの地域に住む、どんな人が、どの政党を支持しているのか、一緒に見ていきましょう。そして彼らに働きかけ、この社会を変える方法を考えてみませんか。
  • 不道徳的倫理学講義 ──人生にとって運とは何か
    -
    我々がこの世界で何をなし、何を受け取るかは、「運」というものに大きく左右されている。しかし、あるべき行為や人生をめぐって議論が交わされるとき、なぜかこの「運」という要素は無視されがちだ。特にその傾向は、道徳や倫理について学問的な探究を行う倫理学に顕著である。それはいったいなぜだろうか。本書では、運が主に倫理学の歴史のなかでどう扱われ、どのように肯定や否定をされてきたのか、古代ギリシアから現代に至る人々の思索の軌跡を追う。そしてその先に、人間のあるがままの生をとらえる道筋を探る。
  • ヨーロッパ近代史
    5.0
    ルネサンスとともに幕を開け、第一次世界大戦によって終焉を迎えるヨーロッパの近代。アジアやイスラームに後れをとり、その形成期にはさほどの経済力・軍事力を備えていなかったヨーロッパが、20世紀初めには人類の半分以上を支配するに至った。なぜ、この時代に世界を席巻することができたのか? それを可能にした力の根底には「宗教と科学(の相剋)」がある。本書はこうした視座から、近代ヨーロッパが世界史を一変させた秘密をよみとく試みだ。時々の時代精神を体現した8名の歩みを糸口に、激動の500年を一望のもと描き出す。
  • 情報生産者になる
    -
    情報があふれかえる時代、しかし、それを消費するだけではタダの情報グルメや情報ディレッタント。価値のある情報を生産し、発信する側にまわる方がずっとおもしろい。オリジナルな問いを立て、過去の研究に学び、一次データを収集し、それに分析を加え、アウトプットするまでの一連の過程を、具体例を交えながら解説。あまたの人材を育ててきた教育者として、新たな知を生み出す技法を惜しみなく公開する。この一冊で、あなたも情報生産者になれる!
  • 立憲的改憲 ──憲法をリベラルに考える7つの対論
    5.0
    2018年3月、安倍晋三総裁率いる自民党は「九条二項を維持した上での自衛隊明記」という改憲案を発表した。戦後初の改憲発議が目前であるのに、中身はあまりにも短絡的でお粗末な構想と言わざるをえない。民意をないがしろに横暴を続ける政権への対案として、国民の意思で真に権力を縛るための憲法改正、2015年安保法制時に議論された立憲主義を取り戻す「立憲的改憲」を今リベラルの側から提起し、気鋭の論客とともに自衛権、安全保障、統治機構、違憲審査、改憲そのものの作法など多方面から吟味する。
  • 社会保障入門 【シリーズ】ケアを考える
    -
    本当に自分が老後に年金をもらえるのか。親に介護が必要になったら、行政は何をしてくれるのか。重い病気にかかったとき、どのくらい医療費がかかるのか。超高齢化時代のいま、将来の先行きがみえないため、誰もが社会保障に不安を感じている。さらに、その仕組みは複雑でわかりにくく、知らないことだらけ。そうした不安を解消すべく、年金、介護、医療だけでなく、労災や失業、もしものときの生活保護、子育て世代を支える仕組みなど、広範囲な社会保障を一冊まとめて解説する。
  • 明治史講義【テーマ篇】
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    幕末・維新期を例外として、明治史について、一般向けに専門研究が紹介されることは多くない。だが、学界においては、明治時代全般にわたる研究が近年も着実に進められている。そこで、信頼できる研究を積み重ねる若手・中堅の実証史家の知を結集。20のテーマで明治史研究の論点を提示し、旧態依然とした過去の歴史観に縛られず、また実証性のない偏った見方にも左右されない、歴史研究の確かな最前線を提示する。続刊『明治史講義【人物篇】』とあわせての明治150年記念出版。
  • ロマン派の音楽家たち ──恋と友情と革命の青春譜
    -
    メンデルスゾーン(一八〇九年)、ショパン(一八一〇年)、シューマン(一八一〇年)、リスト(一八一一年)、ワーグナー(一八一三年)。国は別々だが、一八一〇年前後に生まれた彼らは、友人として緩やかなサークルをつくり刺激しあいながら、“新しい音楽”を創作した。溢れる才能と情熱を生み出したそのネットワークとはどのようなものだったか。恋愛や交流、時代の波は、大作曲家たちの作品にどのような影響を与えたか。同時代を生きた巨人たちの人生から、十九世紀に花開いたロマン派音楽の深奥に迫る!
  • カトリック入門 ──日本文化からのアプローチ
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    なぜカトリックは日本では受け入れられてこなかったか。それは日本文化の中核にある宗教性・霊性ゆえである。鈴木大拙や西田幾多郎は、神は世界ないし自己に内在することを徹底的に肯定するのが日本的霊性だとする。だが、こうした立場からも実はカトリシズム理解は可能だし、日本的知性が超越的なものに新たな見方を加え、より豊かにする可能性もある。超自然、創造、信仰と理性の問題などを日本的文脈から説明。中世哲学・カトリシズムの碩学による、待望のキリスト教入門。
  • ホスピスからの贈り物 ──イタリア発、アートとケアの物語
    -
    もてなしのアートに満ちあふれているイタリアのホスピス。「死はスイートなもの」という彼らの感覚、人生をまるごと味わおうとするイタリア人の感性とはどのようなものだろうか。アートで終末期医療を彩るという美学やケアの思想を掘り下げて紹介するとともに、それを支える市民や地域共同体のあり方もいきいきと描き出す。人生の最期に寄り添う終末期ケアとアートはいかにあるべきかを問い続け、イタリアの人々と交流を重ねてきた美大教師による、まったく新しいホスピス案内。
  • 迷走する民主主義
    -
    戦後政治の根本的欠陥を清算するべく、民主党への政権交代はなされた。だが、政策の迷走や権力恣意的な運用により支持を失い、「改革の改治」は無残な結末へといたる。あとに残されたのは、自民党政権の圧倒的独走と、代表民主制への失望感だけだった──。政権交代とその後の政治はなぜ失敗したのか。その背景には、現代の世界的大変動のなかでデモクラシーが直面する困難がある。民主主義の意義と限界を思想的に問いなおし、日本政治の閉塞状況を打破するための条件を示す。
  • 昭和史
    -
    日本はなぜ戦争に突き進んだのか。私たちは、何を失い、何を手にしたのか。戦時体制へと向かう戦前から、国家総動員体制となった戦中、敗戦を経て飢えと貧困にあえいだ戦後前半、そして高度成長期の戦後後半へと至る激動の六四年間。それはいわば日本が国家として自立を目指し、挫折し、再起する過程であり、そのなかで培われた土壌は現代もなお息づいている。未完の過去を、第一人者が一望にする昭和史の決定版。
  • 哲学入門
    -
    神は死んだ(ニーチェもね)。いまや世界のありようを解明するのは科学である。万物は詰まるところ素粒子のダンスにすぎないのだ。こうした世界観のもとでは、哲学が得意げに語ってきたものたちが、そもそも本当に存在するのかさえ疑わしい。「ことばの意味とは何か」「私たちは自由意志をもつのか」「道徳は可能か」、そして「人生に意味はあるのか」…すべての哲学問題は、根底から問い直される必要がある!科学が明らかにした世界像のただなかで人間とは何かを探究する、最もラディカルにして普遍的な入門書。他に類を見ない傑作です。
  • 幕末史
    5.0
    日本が大きく揺らいだ激動の幕末。江戸の末期、国際社会へ漕ぎだしていった時代に、いったい何が起きたのか。吉田松陰、坂本龍馬、大久保利通といった若者たちは、どのような志を抱いて生きたのか。本書は、日本を立ち直らせるために「挙国一致」で立ち向かった人々の姿を、最新の史料からダイナミックに見通していく。黒船来航から明治国家の建設まで、日本が根底から生まれ変わる軌跡を、第一人者が一望に収める。
  • オーラル・ヒストリー入門
    -
    オーラル・ヒストリーと一言でいっても、実際の現場で行われている行為はさまざまだ。本書は、「話し手の口述によること」「共有可能にしようとしていること」「話し手が歴史的事実を語り残そうとしていること」の三点を実現するための具体的な手順を示したうえで、それぞれの実践における困難と実践を紹介する。聞き取りの初心者にも、経験者にもおすすめのガイドブックである。
  • 中華とは何か ――遊牧民からみた古代中国史
    -
    中華思想は文明の優劣で人々を区別する発想である。文明のある世界を中華とし、その周辺には野蛮な夷狄がいる。そして夷狄は中華に何も残さなかったものだと長らく考えられてきた。しかし注意深く歴史をみていくと、夷狄であるはずの遊牧民はむしろ中華文明の形成に積極的に関わり、新たに持ち込み、主体的に選別し、継承してきたことがわかる。中華文明拡大の要因は、あらゆるものを内部に取り込んで膨張していく性質にある。逆に言えば、気づけば夷狄も中華になっているのだ。本書は、中国史を遊牧民の視点から捉えなおすことにより、中華の本質に迫る一冊である。
  • 安楽死が合法の国で起こっていること
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    日本にも、終末期の人や重度障害者への思いやりとして安楽死を合法化しようという声がある一方、医療費削減という目的を公言してはばからない政治家やインフルエンサーがいる。「死の自己決定権」が認められるとどうなるのか。「安楽死先進国」の実状をみれば、シミュレートできる。各国で安楽死者は増加の一途、拡大していく対象者像、合法化後に緩和される手続き要件、安楽死を「日常化」していく医療現場、安楽死を「偽装」する医師、「無益」として一方的に中止される生命維持……などに加え、世界的なコロナ禍で医師と家族が抱えた葛藤や日本の実状を紹介する。
  • B‐29の昭和史 ――爆撃機と空襲をめぐる日本の近現代
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    B‐29――太平洋戦争を描いた作品には必ずと言っていいほど登場する戦略爆撃機である。1940年代初頭に開発され、当時としては破格の5000キロメートル以上の航続距離を誇ったこのアメリカ軍の長距離重爆撃機は、1944年以降本土空襲を繰り返し、広島と長崎に原子爆弾を落とした。模型や爆音レコードが販売される戦時下の“人気コンテンツ”となったB‐29は、今も『火垂るの墓』などを通して知られている。B‐29はいかにして、太平洋戦争そのものを象徴する存在になったのか。豊富な資料から読み解く、B‐29と日本人の歴史。
  • 日本型開発協力 ――途上国支援はなぜ必要なのか
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    日本の途上国支援は、現地との意思疎通を重んじるアプローチや効果的な協力モデルにより、世界的に高く評価されてきた。だが、近年では平和構築や気候変動といった国際課題を意識したものなど国際協力のあり方自体も多様化しており、とりわけ緊迫する国際情勢のなかで安全保障にも配慮した支援が求められている。はたして欧米や中国の手法とは異なる開発協力の姿とはいかなるものか。そもそもなぜ途上国支援は重要なのか。本書では、その現状を幅広く紹介しつつ、これからの日本がめざすべき持続可能な支援のあり方を提示する。
  • つながりの哲学的思考 ──自分の頭で考えるためのレッスン
    -
    古典を読み味わうことは哲学を学ぶうえで欠かせない。だが、過去に書かれたものを読むという一見受動的にもみえる行為から、どのようにして新たな思想が生み出されるのか。そもそも「自分の頭で考える」とはどういうことだろうか。〈つながり〉という言葉を手がかりに、読書という営みから、本と本のつながり、過去・現在・未来のつながり、さらには学問どうしのつながりや文化を超えたつながりにまで思考を広げることで、哲学的に考えることがなぜ大切なのかを説き明かす。
  • アスリート盗撮
    4.0
    2020年10月12日、アスリートの性的画像問題についての第一報が配信された。共同通信運動部の女性部員ふたりからはじまった一連の調査報道は、JOCや警察を動かし、社会的なうねりを巻き起こしていく。調査報道の舞台裏から、盗撮罪をめぐる法制度整備の動きや盗撮加害者の実態解明まで、これからのスポーツと盗撮の問題を考えるための一冊。
  • 建築家の解体
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    『建築の解体』の刊行から五〇年弱、後期近代の時代にあって、安藤忠雄や隈研吾に代表される従来の建築家のイメージは、見直しを迫られている。ブルデューの理論を用いて、建築家という職業がつくられていくプロセスを描写するとともに、解体していく建築家像の軌跡をたどる。フィールドワークの知見を盛り込み、「街場の建築家」という今後の可能性を最後に示す。
  • まんが訳 稲生物怪録
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    時は江戸、寛延2年。備後国三次の武家の子息で、16歳の稲生平太郎は、肝試しのため比熊山に入った。その山にある「天狗杉」に触れると、物怪の祟りがあるという。果たして山を下りた平太郎の住む屋敷を、一カ月にわたって様々な怪異が襲う──。じわりと怖い、でもどこかユーモラス。江戸時代に実話として流布し、泉鏡花や水木しげるも愛した怪談「稲生物怪録(いのうもののけろく)」を、まんがで楽しむ。
  • 新宗教を問う ──近代日本人と救いの信仰
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    創価学会、霊友会、大本、立正佼成会、PL教団、天理教――。日本ほど新宗教が大きな力をもつ国は世界に類例がないといわれるが、どうして日本で新宗教はこれほどの影響力をもつのか。近代に大発展した新宗教はなぜ現代において衰退しつつあるのか。救いの信仰に向けられた人々の心はどこへ向かっているのか。この三つの問いはそのまま日本の近代とは何かを問うことでもある。「宗教からスピリチュアリティへ」の転換期にある現代において、人間を救済できるのか。「新宗教」が明らかにする、時代の相貌と日本人の精神の根源に迫る。
  • ロマネスクとは何か ──石とぶどうの精神史
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    教会堂を飾る奇怪な彫刻の群れ、異様な幻視に取り憑かれた修道士、黒いマリア像、戦いで浴びた血を浄め天を望む祈りの声……厳粛なキリスト教を笑うかのような大らかで過剰な表象に満ちたロマネスク。10世紀から12世紀半ばにかけて、豊かな自然を背景に新たな信仰を模索した人々は、天上に神を仰ぐ一神教を維持しつつ、自然界に神々の現れを見る異教を受け入れて、垂直と水平の両方の視界の「つながり」を求めた。近年の西洋中世研究の成果をふんだんに織り込み、ロマネスクの時代精神に光を当てる待望の書。
  • まんが訳 酒呑童子絵巻
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    平安時代は一条天皇の治世のこと。都の貴族の娘が次々と姿を消し、占いの名人・安倍晴明が、伊吹山千丈ヶ岳に棲む鬼の仕業とつきとめた。さっそく源頼光らに退治の勅命がくだる――。武家源氏の始祖・源頼光の活躍を描く表題作『酒天童子絵巻』の他、「安珍清姫伝説」として知られる『道成寺縁起』、頼光と渡辺綱の妖怪退治譚『土蜘蛛草子』を収録。室町時代から日本人に愛されてきた物語が、まんがでよみがえる!
  • ゴッホとゴーギャン ──近代絵画の軌跡
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    ゴッホとゴーギャン。美術史のなかで燦然と輝く二つの巨星。ともに印象派絵画とジャポニスムから大きな影響を受け、西洋美術を超克した。なぜ、彼らの作品は後世の美術家を魅了しつづけるのか? 二人の数奇な人生をたどり、美術史的な観点から二十世紀の近代絵画へ架橋した芸術運動として「後期印象派」を総覧。狂気と理性がもたらした創作の秘密を解き明かす画期的な一冊。図版資料多数収載。
  • 感情天皇論
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    1959年、皇太子明仁のご成婚パレードの日、一人の少年が皇太子とその妻に石を投げた。三島由紀夫はその行為に「天皇と国民が個人として対話をする」というテロルを見て戦慄し、石原慎太郎はそれを隠蔽しようとした。そして即位した明仁天皇が行ってきたのは、かつて庵野秀明が描いた人類補完計画が成ったかの如き、統合の実践としての感情労働だった。『少女たちの「かわいい」天皇』から一時代を経て書かれた、「終わり」の平成天皇論。
  • 英米哲学入門 ──「である」と「べき」の交差する世界
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    私が生まれる前にも世界は本当に存在していたのか? ものごとには原因と結果があるという確信は、実は思い込みにすぎないのではないか? この世界の当たり前のありようを疑い、立ち止まって問うてみること。それこそが哲学の入口であり核心である。ロック、バークリ、ヒューム、ラッセル、ウィトゲンシュタイン……「経験」や「言語」を足場に考え抜いた哲学者たちの議論を糸口に、素朴にして深遠な哲学の根本問題へといざなう。事実(である)と規範(べき)が織りなす世界の謎を読者とともに思考する、笑いあり涙あり(?)の入門講義。
  • 誰も知らない熊野の遺産
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    世界遺産に登録後、注目を集め、往来の増え続ける熊野。熊野古道や熊野三山を観光する人は多いが、熊野の魅力はそれだけにとどまらない。聖なるもの・俗なるものが混じりあう不思議な伝説があり、古来から続く風習が残るなど、そこには失われた日本の原風景がいまも息づいている。観光では訪れることのない奥地へ自ら足を踏み入れ、語り部たちの言葉を丹念に聞き取り、これまで知られなかった歴史を探り出す。美しい写真とともに、誰も知らなかった熊野の姿をここに開陳。
  • 日本文法体系
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    日本語文法を理解するには、日本語の起源から問いなおさねばならない。日本語の発展史に即した文法理論が必要であり、西洋語の文法を日本語に当てはめた現在の学校文法に代えて、新たな文法体系を打ち立てねばならないのだ。現在を示す「あり」(r)、過去の「き」(k)、推量の「む」(m)、形容の「あし」(s)の組み合わせで成り立つ時の助動辞をはじめ、日本語の隠れた構造を明らかにし、豊富な古文の実例をもとに、日本語文法の本質に迫る。まったく新しい理論体系。
  • 日本震災史 ──復旧から復興への歩み
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    度重なる震災は、日本社会をどのようにつくり替えてきたのだろうか。災害の歴史から、救済と支援、復旧・復興の技術的進展に焦点を当て、古代・中世から近代までの象徴的な事例を取り上げて具体的に分析。社会が持つ災害への対応力の歴史的変遷をたどる。東日本大震災の衝撃から立ち直りかけようとする現在の被災地の現実を見据えつつ、災害の社会史研究に長く従事してきた著者ならではの視点から、歴史災害の復旧・復興の歩みと、時代を超えて人々が抱えてきた問題を読み解く。
  • 神話で読みとく古代日本 ──古事記・日本書紀・風土記
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    『古事記』『日本書紀』は、ただの神話ではない。新しい国家の実現を目指し、大和王権が各地で口承されていた神話の力を利用して創作した、極めて政治的な〈神話〉である。本書では、この二つの〈建国神話〉をどのように読めばよいのかを説き、また「風土記」を読みとくことで、国家・地方間のダイナミックなテキストの攻防を明らかにする。地方が〈建国神話〉を受け入れたとき、「日本人」の自覚と、精神史上の「日本」が誕生した。その過程を目撃せよ。
  • やりなおし高校化学
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    範囲が広く、覚えることが多い。化学式や法則がややこしく、よく分からない……。そのような印象で「化学」に対して苦手意識を持っている人は多いだろう。しかし、化学は、この世界を考える上で土台となる学問であり、私たちの暮らしに深く関係している。その面白さを知らないままでいるのは、非常にもったいない! 本書は、高校化学をわかりやすく、簡潔に解説した、復習に最適の一冊である。この本で、物質のふるまいを知り、世界の不思議さに目を開こう。
  • プラグマティズム入門
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    十九世紀後半にパースが提唱し、ジェイムズが定義づけたプラグマティズムは、従来の西洋哲学の流れを大きく変えた。二〇世紀半ばにはクワインによって再生されたことで、今やアメリカ哲学の中心的存在となったその思想運動は、いかなる意味で革命的だったのか。プラグマティズム研究の日本における第一人者が、その本当の狙いと可能性を明らかにし、アメリカでの最新研究動向と「これからのプラグマティズム」を日本で初めて紹介。いま最も注目される哲学の全貌を明らかにする。
  • 駅をデザインする
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    駅の出口の案内は黄色。東京の地下鉄の案内表示は各ラインカラーの「○」――こうした日本の駅のデザインを決めてきたサイン設計の第一人者が、駅のデザインを、自身の手がけた豊富な実例をもとに語り尽くす。案内表示に求められるものとは何か、そのデザイン思想とはいかなるものか、1970年代に始まった日本の空間・サイン整備の歴史をたどりつつ論じ、現在の日本と海外の駅とを比較。混迷を深める日本の公共空間を批判的に検討し、利用者本位の、交通システムのあるべき姿を展望する。
  • 宗教学の名著30
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    宗教学は経験科学の発達を背景としてヨーロッパで誕生した歴史の短い学問である。近代人は宗教に距離を取りながらも人類が宗教を必要としてきた理由を理解し、時に知的反省を加えてきた。本書は古今東西の知から宗教理解、理論の諸成果を取り上げ、現代人にとっての「宗教」の意味を考える決定版ブックガイドである。
  • 日本美術の核心 ――周辺文化が生んだオリジナリティ
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    西欧や中国の美術はいわゆるファインアート、権力者による威圧的な造形を主流としているが、日本美術は違う。例えば鳥獣戯画や伊藤若冲の作品のように、遊び心にあふれ見る者を楽しませる造形によって鮮烈に彩られ、「真実」よりも「美しさ」を追求し発展してきた。「わび」「素朴さ」「デザイン性」「文字との融合」「多様性の競演」……世界に類のないそのオリジナリティを、本書では縦横無尽に読み解いていく。世界の周辺文化のトップランナーとしての日本美術の唯一無二性を解析する一冊。
  • パレスチナ占領
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    2023年10月7日、イスラム組織ハマスによるイスラエル奇襲で始まったパレスチナ自治区ガザの戦闘は、パレスチナ側の死者が6万人を超える未曽有の大惨事に至った。これは反ユダヤ主義による蛮行ではなく、長きにわたるイスラエルによるパレスチナ占領が招いた悲劇ではないか。2024年までエルサレム特派員を務めた著者は、パレスチナの人々が抱き続ける故郷喪失と抵抗の記憶を聞きとり、イスラエル国内で被害者意識が強化される構造を読みとく。その歴史から現在まで、パレスチナ問題を一望する必読の書。
  • 弁護士不足 ――日本を支える法的インフラの危機
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    リーガル・リテラシーを用いてあらゆる課題や実務に対応する弁護士は、社会インフラの要である。ときにこの国の形を整え、またビジネスの現場で攻守にわたり力を発揮する。しかしこの人材が質・量ともに危機的な状況である。本書では、ロースクール・司法試験という人材の供給過程を徹底的に検証する。彼らが支えるべき経済や社会のあらゆる活動――経営、企業法務、国際取引、AI、テクノロジー、地方など、主に法廷外での活躍の必要性と可能性を洗い出し、アップデートする。
  • 日本人の思考 ――ニッポンの大学教育から習性を読みとく
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    私たちは知らない間にある思考の型に嵌ってしまってはいないだろうか。多くのものが大学進学する現状において、そこでの教育は日本人の思考に多大な影響を与えている。しかし、大学教育では翻訳学問に依拠したため、言葉のズレが放置され、概念がゆらぎ、適切に考えることを教えられていない。そのため蔓延したエセ演繹型思考、キャッチアップ思考、カタカナ語の氾濫、とはどういったものか。その背景を探っていく。
  • ファラオ ――古代エジプト王権の形成
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    紀元前3100年ごろに成立し、幾度かの混乱期を経つつも、約三千年にもわたり存続したエジプト文明。そのなかでファラオは王権と神性を兼ね備えた最高権力者であり、政治、社会、経済、軍事はもとより、さまざまな象徴物も神話も、すべてファラオを中心とするかたちで展開した。本書では、最新の考古学的知見に基づき、その起源から王権・神性の背景、ファラオの果たすべき使命、さらにはミイラの作り方やピラミッドの目的までを幅広く紹介。謎に満ちたその実像に迫る。
  • リサーチ・クエスチョンとは何か?
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    問いを立て、調査・分析して報告する。その営みにおいて最初の関門である「問いを立てる」ことはそう簡単なものではない。それは立てれば終わりというわけではないからである。研究を進めていくなかで、当初の問いとは異なる形に問いを磨き「育てる」必要がある。そうした過程を経て、研究としてのセレンディピティが生まれるのだ。これまで語られてこなかった新しいリサーチ・クエスチョンとの向きあい方がわかる。
  • エスノグラフィ入門
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    生活を書く、それがエスノグラフィの特徴です。そして、もっとも良質なエスノグラフィの成果は、苦しみとともに生きる人びとが直面している世界を表し出すところに宿るものです。もともと人類学で発展したこの手法は、シカゴ学派を拠点に、社会学の分野でも広がっていきました。本書では、5つのキーワードに沿って、そのおもしろさを解説していきます。予備知識はいりません。ぜひ、その魅力を体感してください。
  • 日本のPKO政策 ――葛藤と苦悩の60年
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    戦後、日本が国連に加盟し、冷戦終結後ついに国連平和維持活動(PKO)への自衛隊派遣が実現して以降も、派遣の是非をめぐる論争は絶えなかった。国際社会からの要請、政治家たちの思惑、自衛隊員の安全確保――その水面下ではいかなる政治的議論がめぐらされてきたのか。歴代首相、外務省担当者などのやり取りに焦点を当て、特に現在のPKO政策の根幹となった自民党政権時代の論争を紐解き、国連加盟から約六〇年に及ぶ葛藤と苦悩の歴史を複眼的に浮かび上がらせる。
  • 古代中国王朝史の誕生 ――歴史はどう記述されてきたか
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    現代にも通じる歴史書と評価される司馬遷『史記』だが、執筆には、それより前に記録され、 伝えられたものの蓄積がある。 当然のことながら、 文字がなくてはならないし、 竹簡などの記録メディアが必要。さらに、それがいつの出来事かを記述するためには、 国王の治世や暦等を根拠にした年号もあるほうがいい。 正史は権力者の歴史認識と思想を汲むため編者は命懸けだが、すでに古代中国においても過去の事象からいまの問題を見出す態度の萌芽が見られる。 出土史料を繙きながら、『史記』に結実する記録への執念や歴史観の興りをたどる。
  • 台湾流通革命 ──流通の父・徐重仁に学ぶビジネスのヒント
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    「流通」の概念すらない台湾で物流センターを建設し、IT、金融システムを整備するなどの近代化は、文字通り「革命」だった。台湾セブン‐イレブンを離島にまで広げ、約5000店展開。台湾の人々の暮らしを便利で豊かなものにした。さらに、多くの企業と提携し、小売・飲食・流通サービスの一大コングロマリットを築き上げた徐重仁のビジネスとは。
  • 裏横浜 ──グレーな世界とその痕跡
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    みなとみらい、赤レンガ倉庫、山下公園……。横浜からはオシャレで、洗練されていて、都会的なイメージが想起されるが、それはほんの一面にしか過ぎない。悪臭で誰が泊まるともしれない船の宿、最後の居場所のストリップ劇場、革命家の隠れ家など、その裏側には猥雑で混沌したものが隠されている。生まれ育った街の歴史を掘り起こし、実体験を織り交ぜながら、横浜の真の姿をさらけ出す。
  • バイアスとは何か
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    物事を現実とは異なるゆがんだかたちで認識してしまう現象、バイアス。それはなぜ起こるのか、どうすれば避けられるのか。本書では、現実の認知、他者や自己の認知など日常のさまざまな場面で生じるバイアスを取り上げ、その仕組みを解明していく。探求の先に見えてくるのは、バイアスは単なる認識エラーではなく、人間が世界を意味づけ理解しようとする際に必然的に生じる副産物だということだ。致命的な影響を回避しつつ、それとうまく付き合う方法を紹介する画期的入門書。
  • ウィリアム・アダムス ――家康に愛された男・三浦按針
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    徳川家康の外交顧問、三浦按針とは何者か。関ヶ原合戦の半年前、英国人ウィリアム・アダムスが日本に辿り着いた背景には、大航海時代の激動する欧州事情があった。彼が見た戦国時代末期の日本では、カトリックのイエズス会がキリスト教の信仰を広げ、英蘭の東インド会社が貿易の機会をうかがうなど、スペイン、ポルトガル、イギリス、オランダ各国の思惑が交錯していた。家康の側近としてその渦中にあったアダムスは何をなしたのか。二代将軍・秀忠のもとで禁教と鎖国が進むなか、どんな晩年を送ったか。アダムスの生涯から世界史の中の日本史をとらえ直す。
  • 失われたアートの謎を解く
    -
    名画の悲劇は美術史の知られざる裏の顔だ。修復不可能になったムンク《叫び》、2012年にアパートの一室から発見されたナチス御用画商の隠し絵画1万6000点、8万8000個の破片から再現されたマンテーニャのフレスコ画、フェルメール《合奏》を含む被害総額5億ドルの盗難事件……欲望と不運が綾なす黒歴史に詳細なビジュアルで迫る!
  • 社会契約論 ──ホッブズ、ヒューム、ルソー、ロールズ
    5.0
    私たちが暮らすこの社会は、そもそもどんなふうに生まれたのか。社会の形成・維持に不可欠なルールが、現にこうして守られているのはなぜか。政治秩序の正しさは、誰がどう判断すべきなのか。社会契約論とは、そんな素朴な問いを根源まで掘り下げて考える試みである。本書では、ホッブズ、ヒューム、ルソー、ロールズの議論を精密かつ大胆に読み解きながら、この近代の中心的思想に新たな息吹をふき込む。今までにない視点から世界の成り立ちが一望できる、清冽な政治思想入門!
  • アナキズム入門
    -
    国家なんて要らない。資本主義も、社会主義や共産主義だって要らない。いまある社会を、ひたすら自由に生きよう──そうしたアナキズムの思考は誰が考え、発展させてきたのか。生みの親プルードンに始まり、奇人バクーニン、聖人クロポトキンといった思想家、そして歩く人ルクリュ、暴れん坊マフノといった活動家の姿を、生き生きとしたアナーキーな文体で、しかし確かな知性で描き出す。気鋭の思想史家が、流動する瞬間の思考と、自由と協働の思想をとらえる異色の入門書。
  • 銅像歴史散歩
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    明治期に欧米から入ってきた「銅像」文化は日本人に合っていたらしく、日本風にアレンジされて各地に次々に建てられていった。明治期後半には偉人の像、昭和初期には全国の小学校に二宮金次郎像、近年はアニメのキャラクターなども立ち、第3次ブームと呼べるほど増え続けている。それぞれの銅像の背負っているものを掘り下げていくと、日本の近現代史が見えてくる。
  • 分析哲学講義
    -
    フレーゲとラッセルの論理学研究に始まり、クワイン、ウィトゲンシュタインらの活躍を経て、現在では哲学の全領域に浸透した分析哲学。言語や概念の分析を通じて世界を捉えるその手法は幅広い。哲学史上の優れた議論を素材に、その先を自ら考えるための一冊。「道具」としての分析哲学を伝える、珠玉の入門講義。
  • ミシェル・フーコー ――近代を裏から読む
    -
    フーコーは、私たちが自明視する世界のありようを、全く違ったしかたで見せる。最高傑作『監獄の誕生』を糸口にフーコーの思考の強靱さと魅力を描き出す。正常と異常の区分を生み出す「知」の体系と結びつき、巧妙に作用する「権力」。そうした秩序が社会の隅々にまで浸透する近現代の先に何を見定めたのか。革命的入門書。
  • 絶滅危惧の地味な虫たち ──失われる自然を求めて
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    日本には名前がついているものだけで3万種近く、推定上は10万種の昆虫がいるとされている。しかし、そのなかで、すでに滅んだもの、滅びの道を歩み始めているものがいる。その状況に対して、保護活動が行われているが、綺麗なチョウやトンボ、ホタルや大型の甲虫ばかりが重要視されており、小さくてとにかく地味な虫は、おざなりに扱われている。そこで、日本各地にそれらの虫を探しまわり、発見するまでの格闘、発見した時の喜び、そして虫への溢れる思いを綴っていく。電子書籍版では、写真をカラーで収録。
  • グレートジャーニー ――地球を這う〈2〉ユーラシアアフリカ篇
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    今からおよそ五〇〇万年前、アフリカに誕生したといわれる人類は、大陸を飛び出しユーラシアを横断、ベーリング海峡を渡って極北の地を越え、北米大陸、南米大陸を縦断して南米最南端に到達した。この人類拡散の壮大な旅路を、探検家は自らの脚力と腕力だけで遡行した。本書では、苛酷な自然との折り合い、調和しながら、豊かな生活文化や宗教を産み出してきた人びとの姿を活写しながら、足掛け一〇年の旅のクライマックス、タンザニア・ラエトリにゴールするまでの過程を、カラー写真一三〇点とともに辿る。
  • グレートジャーニー ――地球を這う〈1〉南米アラスカ篇
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    およそ五〇〇万年前、タンザニア・ラエトリに誕生したといわれる人類は、アフリカを飛び出しユーラシア大陸を横断、ベーリング海峡を渡って極北の地を越え、北米大陸、南米大陸を縦断して南米最南端に到達した。この人類拡散の壮大な旅を、探検家は自らの脚力と腕力だけで遡行した。本書では、旅の途上で出会った、我われと同じ祖先をもつ人びとが、苛酷な自然とどのように折り合い、どのような生活文化を生み出し、どのように人と関わって生きているのか、一二〇点のカラー写真とともに紹介する。
  • 昆虫の世界へようこそ
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    ヒトと昆虫は全く異なる進化の道を歩んできた。ヒトを含めた脊椎動物は背骨で体を支える構造を発達させてきたのに対し、昆虫は外骨格で体を支える構造を進化させてきた。これにより昆虫たちは、小さな空間で生息することが可能になり、種分化を繰り返すことで地球を生命で満ち溢れた世界にできた…。昆虫の視点で撮影した大迫力のカラー写真で、小さな昆虫たちにまつわるドラマを再現する。めくるめく昆虫ワールドをご堪能あれ。
  • フッサール入門
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    現象学は、世界とかかわる私の経験の仕組みを解明し、日常の事柄に新しい視点を与え、身近な他者ともう一度出会いなおす試みだ。一生をかけて愚直に著述を重ね、認識をめぐる哲学の根本問題と対峙し、現代哲学を切り拓いたフッサール。超越論的還元、エポケー、直観、志向性、ノエシス/ノエマ、知覚、生活世界、エンパシーといったエッセンスを平易に解きほぐしながら、誰も踏み入れたことのない場所で孤独に探究しつづけたフッサールの哲学的思考を追いかける、決定版入門書。
  • 日本経済の死角 ――収奪的システムを解き明かす
    -
    「失われた30年」で日本の生産性は上がっているのに、実質賃金が上がらないのはなぜなのか? 労働法制、雇用慣行、企業統治、イノベーション……日本経済の長期停滞をよみとく際の「死角」や誤算を白日のもとに晒し、社会が陥りかけている「収奪的システム」から抜け出す方途を明示する。予測的中率に定評のある最注目のエコノミストによる、まったく新しい経済分析の渾身の快著。経済構造に関わるあらゆる謎が氷解する。
  • 組織論の名著30
    -
    私たち人間は、組織をつくることで繁栄を遂げてきた。20世紀に興隆する組織論は、企業組織のあり方の探究などわめて実務的な面をもちつつも、他方で集団を形成し協働するという人間本性に根ざした学際的な学問だ。本書では、バーナード『経営者の役割』やウェーバー『支配について』といった近代組織の基底をなす議論から、リーダーシップ論、組織文化論、組織学習論、意思決定理論、さらにはオライリー&タッシュマン『両利きの経営』といった近年の著作まで国内外の名著30冊を精選。組織に生きるすべての人に向けられた最良のガイド。
  • 金利を考える
    -
    住宅ローンや消費者金融、銀行預金に個人向け国債。私たちの身の回りには「金利」があふれている。「低金利だから円安になる」「金利を上げると不景気になる」といったニュースも、毎日のように聞こえてくる。これらの「金利」はお互いにどんな関係があって、それぞれの金利はなぜ/どうやって決まるのか。金利が動くと私たちの生活に何が起きるのか。金融政策の第一人者が、身近な事例をもとに根本から解き明かす。お金と社会を見る目が変わる、実践的経済学の書。
  • マンガ認知症【施設介護編】
    -
    大好きな祖母が認知症になってしまい、母と二人で介護に取り組むマンガ家、ニコ。在宅介護が限界を迎えて施設に入居してもらったものの、祖母の認知症の症状がみるみる悪化していきました。ふたりはしょっちゅう呼び出され、かかる費用は月40万円……!? じつは、認知症の人には「向かない施設」があるんです。「施設介護の始めどきって?」「この行動は本人からのSOS?」「職員さんとどう話せばいいの!?」「施設で最期を迎えるのはかわいそう……」介護事業を立ち上げて30年のコジマさんと認知症の心理学の専門家・サトー先生が、認知症の施設介護の不安を解きほぐします。
  • 歴史学はこう考える
    -
    史料の山に埋もれ、ひたすら解読している? 過去の出来事の是非を論争する? このようなイメージがある歴史学では実際に何が営まれているのか。明らかにしたいものは様々でも、歴史学には共通のプロセスがある。史料とはなにか。それをどう読んでいるのか。そこからオリジナルな議論をいかに組み立てるのか。歴史について語る前に、最低限知っておきたい考え方を解説する。
  • 「性格が悪い」とはどういうことか ――ダークサイドの心理学
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    ダークな性格として、典型的なものは「マキャベリアニズム」「サイコパシー」「ナルシシズム」「サディズム」の四つである。それぞれの特性、測定方法を紹介、また仕事の相性、職場での行動、人間関係、異性との付き合い方等を分析し、どんな問題に結びつきやすいか、さらにその気質は遺伝なのか、環境なのかにも迫る。「悪い」性格が社会に残っていることには理由があり、どんな人にもダークな面はあることも明らかにする。
  • バトラー入門
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    現代のジェンダーとセクシュアリティ研究の方向性を決定づけたとされるジュディス・バトラーの主著『ジェンダー・トラブル』は、その難解さでも名高い。実は、バトラーの理論を理解する鍵は、当時のフェミニストやセクシュアル・マイノリティが置かれていた現場――社会と歴史と思想の文脈にある。クィア理論って何? ブッチ/フェムやドラァグ論はどこから来たの? パフォーマティブってつまりどういうこと? バトラーの主著『ジェンダー・トラブル』を時代ごと理解する。
  • 倫理学原論 ――直感的善悪と学問の憂鬱なすれちがい
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    本書は、倫理学を学びたい人、社会の多様な出来事に倫理的問題を見出だそうとする人に向けて、倫理的諸問題と倫理学の関係を斜めに解き明かし、倫理学の全体像を描き出す。まず倫理・倫理学とは何かを整理し、倫理学という学問の日本における受容史を解説。さらに、倫理学のもつ根本問題――倫理の実践はどうあるべきか、真の善を目的とした行動に人々を駆り立ててよいのか――を根源から考察。学問としての倫理学が真に目指すべきものと、倫理学的観点の面白さとを伝える。
  • 日本の物流問題 ――流通の危機と進化を読みとく
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    生産と消費の間にあって、企業努力と労働者の犠牲の上に成り立っていた「安くて早くて確実な、安心の物流」は終わりつつある。3K職種といわれる業界で始まった働き方改革「物流の2024年問題」は、低賃金を残業でまかなってきたドライバーや人手不足に悩む企業など流通業界ばかりか消費者にも衝撃をもたらした。しかしAIによる効率化、危険な作業やきつい重労働を軽減するロボット化なども飛躍的に進歩している。戦後の発展史からボトルネックの正体、そしてこれから起こるブレークスルーまで、物流の来し方行く末を見通す一冊。
  • はじめて行く公営ギャンブル ――地方競馬、競輪、競艇、オートレース入門
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    インターネット時代、多チャンネル時代の現代は、自宅のテレビでも公営ギャンブルを観戦できるが、ぜひ競技場へ足を運んでいただきたい。たった100円から、感動と興奮の体験を得られるのだ。美しく疾走する姿、アスリートの卓越した技術、レース後の荒い息遣い、観客たちの歓声と怒号を感じるはず。昭和レトロな食堂でB級グルメに舌鼓を打ちながら、ツキの波に思いを馳せると、次のレースの予想が、むくむくと湧き上がってくる。全国の公営競技場を、旅行の目的地のひとつにするもよし、推しの選手を応援するもよし。お小遣いが増えたなら、なおのことよし。大人の遊びの嗜み方を伝授します。インターネット時代、多チャンネル時代の現代は、自宅のテレビでも公営ギャンブルを観戦できるが、ぜひ競技場へ足を運んでいただきたい。たった100円から、感動と興奮の体験を得られるのだ。美しく疾走する姿、アスリートの卓越した技術、レース後の荒い息遣い、観客たちの歓声と怒号を感じるはず。昭和レトロな食堂でB級グルメに舌鼓を打ちながら、ツキの波に思いを馳せると、次のレースの予想が、むくむくと湧き上がってくる。全国の公営競技場を、旅行の目的地のひとつにするもよし、推しの選手を応援するもよし。お小遣いが増えたなら、なおのことよし。大人の遊びの嗜み方を伝授します。

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