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生活を書く、それがエスノグラフィの特徴です。そして、もっとも良質なエスノグラフィの成果は、苦しみとともに生きる人びとが直面している世界を表し出すところに宿るものです。もともと人類学で発展したこの手法は、シカゴ学派を拠点に、社会学の分野でも広がっていきました。本書では、5つのキーワードに沿って、そのおもしろさを解説していきます。予備知識はいりません。ぜひ、その魅力を体感してください。
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Posted by ブクログ
フィールドワークを通して、今まで見えていた世界とフィールドで見えた世界が二重写しで見える その人々にはどのように見えているのか 人々に近づく、そして見えるもの感じたものを細かく描く 早くフィールドワークをしてみたい。私の見える世界はこれからどのように変わるんだろう
エスノグラフィー入門とのタイトル通り、エスノグラフィーとは何か、どのような価値があるのか、どのように書くのかが順序立てて記載されていた。
挿入される研究者たちのエスノグラフィによる記録は、ありふれた内容にも関わらず、小説の一編のように魅力的だ。 暮らし、書くという考える行為、 わからなくなっていくにも関わらず、その深みの奥にあるものをもっと知りたくて沼ってしまう。でもおそらく楽しいのは、その行動自体。調べた先にあるものじゃなくて、...続きを読む何も結果が出ていないの経過の中で体験したり、感じたりすること。そこに生きることの芯の部分があるのを本能的に感じている。だからやめられない。だから私はずっと暗い方から明るい方を見たいのかもしれない。
基本的にはエスグラフィーを書くことになる学徒を読者対象に想定はしているものの、そうでない門外漢の自分にも興味深く読み進めることができました。 スタンスをとって、バイアスがあることを併記しつつその視点を描くという書き方はエスノグラフィーに限らず普遍的なスキルとして認知されても良い気がしました。 個人...続きを読む的には、 水の中で彼はとても速かった という部分になんだかハッとさせられて暫く心奪われました。主題の部分ではないのですが。 あと挿絵がとても良いです。
エスノグラフィとは何か。 まったく知らない状態でも、この新書一冊読めば、概要をつかむことができる。 エスノグラフィの本を紹介しながら、説明がなされているが、その本の内容も興味深い。ふつうの読み物としても充分楽しめる。マクロの視点ではなく、ミクロの視点で書かれた文章には、一般的な読み物からは知りえな...続きを読むいことが書かれているからだ。 たとえば、『ストリート・コーナー・ソサイエティ』 (ウィリアム・ホワイト/著)(原著1943年)という本には、ボストンのギャング団が、優等生気取りの若者集団「カレッジ・ボーイズ」とボウリングという形式を借りた戦いを頻繁に行っていたという記述があるという。その事実だけでも興味をひかれるが、注目すべきは、ボウリングと社会的地位が密接につながっていること。それに、ヤジの応酬が鍵になっているところである。本書では詳細までは書かれていないが、面白いというのはわかり、こういうのがエスノグラフィだとわかるようになっている。 文章や構成は、親切・丁寧に書かれている。その一例を挙げよう。各章の初めに、ポイントが説明されている。そして章の終わりには、まとめがある。 ビジネス書も同じ構成になっていることは少なくない。 ビジネス書との違いは、まとめだけ読んでもわからないという点にある。本文を読んだ人だけが、わかるまとめ方なのである。このほうが、学習効果を実感することができる。 著者がはじめにで掲げた以下のポイントが、最終的には理解できるように作られている。 エスノグラフィは、経験科学の中でもフィールド科学に収まるものであり、なかでも(1)不可量のものに注目し記述するアプローチである。不可量のものの記述とは、具体的には(2)生活を書くことによって進められる。そして生活を書くために調査者は、フィールドで流れている(3)時間に参与することが必要になる。こうしておこなわれたフィールド調査は、関連文献を(4)対比的に読むことで着眼点が定まっていく。そうしてできあがった(5)事例の記述を通して、特定の主題(「貧困」「身体」など)についての洗練された説明へと結実させる。(p25、p265) このまとめが理解できる人は、エスノグラフィの入門者ではないので読まなくても良さそうだ。
既知の知識が多くはあったが、改めてエスノグラフィーの基礎がわかりやすく解説されていてよかった。 「質的社会調査の方法」では、文献の活用の仕方の部分の記述が物足りなかったように思うので、具体的にどのように文献と往復するのかが示されていたのは参考になった。 やはり、私が人生で一番したいことは、中国でエ...続きを読むスノグラフィを書くこと、中国でどっぷり参与観察をして「政府こわい」「貧富の差がすごい」「ハイテク発展もすごい」じゃないもっとリアリティのある中国人民の生活を活写することなのだなと、改めて思った。 読みながら考えてたけど、中国社会を描いた優れたエスノグラフィはあんまりないんじゃないか。 「チョンキンマンション〜」は香港だしタンザニア商人だし、田原さんの中国農村の話は面白いけどがっつり生活を描いたエスノグラフィというのとは少し異なる気がするし(直感でそう思うけどどう違うのかな?生活じゃなく選挙、政治参加というところを切り取ってるからかな?)、「最後の猿回し」は大変大変面白いのだけど、私的には猿回しの一行という中国社会の極端に外側にいる人たちより、もう少しだけ「ふつう」の人の内実を捉えてみたいという気がする。 改めてそれに気づき、言語化できた点においても本書の功は大きい。今私の人生はそれとは全く関係ないことをしているけど、長い人生でいつかやり遂げたく、文献をこつこつ読み続けようと思う。 「優れたエスノグラフィを書くには、優れたエスノグラフィを読むこと」というのはシンプルだけどいいアドバイスだ。
石岡丈昇「エスノグラフィ入門」(ちくま新書) 著者はフィリピンのスラム街のボクシングジムで10年以上関与観察をしている。エスノグラフィ(ethnography:民族誌)はもともと文化人類学の用語だが、社会学者がシカゴのスラム社会を描くのに使って以来、社会学領域でも使われるようになったとのこと。統計を...続きを読む駆使する定量的な社会分析に対して、対象とする社会に深く入り込んで長期に観察・調査することで人々の生活のありようを描き出すことが目標。 著者は、自らもボクシングジムに入門し、練習を共にすることで、はじめてボクサーたちの行動の意味が理解できたという。
本書の冒頭に近い部分に、「エスノグラフィとは何か」についてが書かれている。 【引用】 エスノグラフィは、経験科学の中でもフィールド科学に収まるものであり、なかでも①不可量のものに注目し記述するアプローチである。不可量のものの記述とは、具体的には②生活を書くことによって進められる。そして生活を書くため...続きを読むに調査者は、フィールドで流れている③時間に参与することが必要になる。こうしておこなわれたフィールド調査は、関連文献を④対比的に読むことで着眼点が定まっていく。そうしてできあがった⑤事例の記述を通して、特定の主題(「貧困」「身体」など)についての洗練させた説明へと結実させる。 【引用終わり】 これだけを読んでも、なかなか分かりにくいと思うが、本書は、上記の中身を順番に説明していく構成で成立していて、最後まで読むと、上記で説明されている内容が、それなりに理解できるような仕掛けとなっている。 私は修士1年生で、修了までに修士論文を書く必要がある。修士論文を書くための、自分なりのテーマアイデアにまつわる勉強も大事なのであるが、それをどうやって書くのか(広い概念として。テーマをどうやって決めるか、どうやって関連事項を調べていくのか、それを論文の形にどうやって落としていくのか、等)についても、色々な本を読んでいる。その方法論の一つとして、この「エスノグラフィ」というものが紹介されていて興味を持ち、読んでみたもの。 エスノグラフィというものが、上記のように、順を追って説明されており分かりやすいし、読み物としても面白い。また、エスノグラフィの代表的な作品も本書中に紹介されており、それらを含め、もう少しエスノグラフィというものについて、追いかけてみようと思わせてくれた本であった。
2025.02.26 エスノグラフィはやはり面白い。入り込んでしまう。もし、若い時に出会っていればハマってしまったかもしれない。暴走族の本は読んだことがあるが、紹介されているその他の本を読んでみたい。
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