日本史あまり知らないので、面白そうだと読んでみた。
マクロよりの章より、ミクロ、経営系のが断然面白く読める(理解度の違い)。
インセンティブを扱う2章では、現古河電工の鈴木恒三郎の改革が取り上げられる(模範工場)。で、当時温情主義というのがあって、彼はその代表格。工場経営に福利厚生。いわく、食堂や
...続きを読むら浴場やらを整備すると。いまのIT企業みたい。で、そういう温情主義には、経営者による一方的な仲間意識の押し付けだという拒絶反応や反発もあったとか。これも最近復活をみせた昭和な会社運動会にも似た現象か。
(温情主義とインセンティブ設計があいまって、工場生産性と品質は飛躍的に上昇。)
そして、次の話題は、律令制度へ。
監査的な(検査)機能が財源的に立ち行かなくなり、代理人である国司の歪んだ行動が発生。帳簿の虚偽記載なども。ああ、監査は大事。
取引コストの章では、「組織の記憶力」を高めるとよいと。分業化された現代の仕事環境においては、誰もが何もかも詳しくなることよりも、「誰が何に詳しいかをみんなが知っている」ことのほうが組織の記憶力を高めることができ、結果取引コストを削減できる。
この章の参考文献に、院生同期の論文があった!