作品一覧 2022/05/20更新 記憶術全史 ムネモシュネの饗宴 試し読み フォロー ルネサンス 情報革命の時代 試し読み フォロー ルネサンス庭園の精神史:権力と知と美のメディア空間 試し読み フォロー ルネサンスの演出家 ヴァザーリ 試し読み フォロー 1~4件目 / 4件<<<1・・・・・・・・・>>> 桑木野幸司の作品をすべて見る
ユーザーレビュー ルネサンス 情報革命の時代 桑木野幸司 面白かったです。これまで聞いたことのない話が多く、純粋に知的好奇心が満たされました。本書は「ありがちな」ルネサンス解説本とは一線を画しています。「ありがち」な本というのは、ルネサンスを芸術やヒューマニズムの視点から論じたり、ルネサンス時代の光と闇という切り口で分析するものです。そうではなく、本書では...続きを読むルネサンスを「情報革命」という切り口で論じているのですが、例えば以下のようなトピックを含んでいます。 ・地図 ・百学連環(百科事典) ・活版印刷の発明 ・情報編集論としての「コモンプレイス」(ラテン語の常套句、議論の型など) ・記憶術の発展 ・世界の目録化(植物誌、動物誌、博物誌…等の登場) まさに「知の大爆発」が起こっていたわけで、その中で人々は「万能人」たるべく飽くなき知的好奇心を発揮していったことが読み取れました。 現代に目を向けるとインターネットの登場で、アクセスできる情報量は爆発的に増え、生成AIの登場によってコンテンツの生成が容易になりました。これからは画像だけでなくゲームや動画、メタバースなどが爆発的に増えていくでしょう。その意味では、現代人もルネサンスと似たような状況に置かれているのかもしれない、という気がしてきました。ただし違う点としては、人間が「万能人」を目指すのではなく、人工知能という、百学連環を備えた「万能人」をつくりあげようとしている、ということかとは思います。 Posted by ブクログ ルネサンス庭園の精神史:権力と知と美のメディア空間 桑木野幸司 見に行きたいと思ってすぐに行けるところばかりではないけれど。それに、行ったらみられるものばかりではないけれど。 造園が、作庭が途方もなくお金のかかる趣味である限り、その時代の思想が反映される。花壇の幾何学的な形状は手入れのためだけではないと。 庭園が、世界のミニチュアであるばかりか、錬金術が占星術が...続きを読む博物学こそが科学だった時代におけるありうるべき本質的世界のミニチュアとして作られていた。本質が庭に出てくるのは禅から枯山水にも近いか。 現代の庭はどこにあるのだろう。足立美術館を見に行ってみようか。 Posted by ブクログ ルネサンス 情報革命の時代 桑木野幸司 いまの日本だとゼネラリストよりスペシャリストに重きを置く方向になっているように思うがやはり学術に限らずビジネスも繋がりがあることを考えるとルネサンス期などのように満遍なく学んでいくことが大切だということを再認識した。スペシャリストでもその前提としてゼネラリストであること。 そしてwebやSNSの普...続きを読む及で情報量が爆増している一方で読解力が弱くなっているいま、あらためてルネサンス期に習って情報を整理していくことが重要。 その意味だとルネサンス期は情報の爆発n読解力は追いついていたのだろうか。(抜粋集があったということは程度の差はあれ似た問題はあったのか?) Posted by ブクログ ルネサンス 情報革命の時代 桑木野幸司 自分たちとは遠い時代遠い国の謎を軽妙な語り口で解き明かしてくれる。ときどきクスッとさせられる一文も。博物館の歴史を最近調べていたので、ブンダーカンマーの話はとても興味深かった。情報が膨大すぎるから体系づけの必要にせまられたというのは、現代にも十分通じる話 Posted by ブクログ 記憶術全史 ムネモシュネの饗宴 桑木野幸司 面白かったです。 記憶術の起源から、そのもっとも盛えたルネサンス、近代に近づくにつれ衰微していく文字通りの「全史」を辿った本。 ここから、ルネサンス的な美術・建築にいくこともできるし、情動と記憶の関係を追っかけても良いし、エーコ的な記号論につなげることも可能です。 Posted by ブクログ 桑木野幸司のレビューをもっと見る