桑木野幸司のレビュー一覧

  • ルネサンス 情報革命の時代

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    面白かったです。これまで聞いたことのない話が多く、純粋に知的好奇心が満たされました。本書は「ありがちな」ルネサンス解説本とは一線を画しています。「ありがち」な本というのは、ルネサンスを芸術やヒューマニズムの視点から論じたり、ルネサンス時代の光と闇という切り口で分析するものです。そうではなく、本書ではルネサンスを「情報革命」という切り口で論じているのですが、例えば以下のようなトピックを含んでいます。
    ・地図
    ・百学連環(百科事典)
    ・活版印刷の発明
    ・情報編集論としての「コモンプレイス」(ラテン語の常套句、議論の型など)
    ・記憶術の発展
    ・世界の目録化(植物誌、動物誌、博物誌…等の登場)

    まさ

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    2023年10月14日
  • ルネサンス庭園の精神史:権力と知と美のメディア空間

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    ネタバレ

    見に行きたいと思ってすぐに行けるところばかりではないけれど。それに、行ったらみられるものばかりではないけれど。
    造園が、作庭が途方もなくお金のかかる趣味である限り、その時代の思想が反映される。花壇の幾何学的な形状は手入れのためだけではないと。
    庭園が、世界のミニチュアであるばかりか、錬金術が占星術が博物学こそが科学だった時代におけるありうるべき本質的世界のミニチュアとして作られていた。本質が庭に出てくるのは禅から枯山水にも近いか。
    現代の庭はどこにあるのだろう。足立美術館を見に行ってみようか。

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    2019年09月22日
  • ルネサンス 情報革命の時代

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    いまの日本だとゼネラリストよりスペシャリストに重きを置く方向になっているように思うがやはり学術に限らずビジネスも繋がりがあることを考えるとルネサンス期などのように満遍なく学んでいくことが大切だということを再認識した。スペシャリストでもその前提としてゼネラリストであること。

    そしてwebやSNSの普及で情報量が爆増している一方で読解力が弱くなっているいま、あらためてルネサンス期に習って情報を整理していくことが重要。
    その意味だとルネサンス期は情報の爆発n読解力は追いついていたのだろうか。(抜粋集があったということは程度の差はあれ似た問題はあったのか?)

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    2024年03月09日
  • ルネサンス 情報革命の時代

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    自分たちとは遠い時代遠い国の謎を軽妙な語り口で解き明かしてくれる。ときどきクスッとさせられる一文も。博物館の歴史を最近調べていたので、ブンダーカンマーの話はとても興味深かった。情報が膨大すぎるから体系づけの必要にせまられたというのは、現代にも十分通じる話

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    2022年10月09日
  • 記憶術全史 ムネモシュネの饗宴

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    面白かったです。
    記憶術の起源から、そのもっとも盛えたルネサンス、近代に近づくにつれ衰微していく文字通りの「全史」を辿った本。
    ここから、ルネサンス的な美術・建築にいくこともできるし、情動と記憶の関係を追っかけても良いし、エーコ的な記号論につなげることも可能です。

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    2019年05月06日
  • 記憶術全史 ムネモシュネの饗宴

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    中世からの記憶術についての本、
    前から気にはなっていましたが、
    思った以上に具体的な精神内のロクスに
    イメージを配置したり消去したりは
    イメージ力があればできそうな気がしてきます。
    催眠などで、トラウマを抱かされた相手を殺すような技法がありますが、
    忘却術に似ているかもしれません。
    本を閉じたら忘れてしまいそうな記憶力の私なので、いくら容量があったとしても、宮殿サイズはきびしく、
    6LDKくらいから試してみようかな…と思いました。

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    2019年02月23日
  • ルネサンス 情報革命の時代

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    活版印刷の発明によって蔵書の数が増えたり、書誌や選別書誌、禁書目録が登場したりする様子がおもしろい。

    グーテンベルクは1444-45年頃に活版印刷技術の実践に取り掛かったが、「42行聖書」を刷っている最中に金融業者から出資金の返還を要求する裁判を起こされ、工房を差し押さえられた。差し押さえられた工房は1462年に戦火によって破壊されたため、植字工や印刷工が新たな職場を求めて各地に赴き、印刷術が伝搬した。

    ルネサンスによってもたらされた例として、プトレマイオスの「地理学」がある。天文学的に算出した経度、緯度と幾何学の知識があれば、誰でも正確な地図を描ける方法を提示したもの。この方法論を洗練さ

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    2025年11月07日
  • ルネサンス 情報革命の時代

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    ルネサンス時代の研究で特に博物誌としての書籍を説明した本である。情報革命がルネサンスで起こったといわれるが、その情報革命の定義が書かれていないような気がする。ひとつひとつ見ていけば面白いものがあるのかもしれない。ルネサンス史として読んだ方がいいと思われる。

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    2022年09月21日
  • 記憶術全史 ムネモシュネの饗宴

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    紀元前からある記憶術の全史。記憶術のノウハウ本ではないし、ややオカルトっぽい内容もあったりする。今のように紙も筆記用具もパソコンも記憶媒体もcloudもない時代に、長編詩や神話や大王の物語を記憶だけで何百年も語り継いだ記憶術。著者の主張で膝を打ったのは「ルネッサンス期に人類史に残る美を生み出したのは、実は膨大な記憶に源泉があるのではないか」という点。確かに、現代でもイノベーションは何かと何かの組み合わせなので、それは記憶にあるものを引っ張り出してくることになる。面白い視点。

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    2019年05月29日
  • 記憶術全史 ムネモシュネの饗宴

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    記憶術というテーマに惹かれて読んだ。なるほどと思うが、学術なので面白くはない。哲学書を読むのが苦痛でないと、読むのは辛いかもしれない。

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    2019年03月04日