感情タグBEST3
Posted by ブクログ
面白かったです。これまで聞いたことのない話が多く、純粋に知的好奇心が満たされました。本書は「ありがちな」ルネサンス解説本とは一線を画しています。「ありがち」な本というのは、ルネサンスを芸術やヒューマニズムの視点から論じたり、ルネサンス時代の光と闇という切り口で分析するものです。そうではなく、本書ではルネサンスを「情報革命」という切り口で論じているのですが、例えば以下のようなトピックを含んでいます。
・地図
・百学連環(百科事典)
・活版印刷の発明
・情報編集論としての「コモンプレイス」(ラテン語の常套句、議論の型など)
・記憶術の発展
・世界の目録化(植物誌、動物誌、博物誌…等の登場)
まさに「知の大爆発」が起こっていたわけで、その中で人々は「万能人」たるべく飽くなき知的好奇心を発揮していったことが読み取れました。
現代に目を向けるとインターネットの登場で、アクセスできる情報量は爆発的に増え、生成AIの登場によってコンテンツの生成が容易になりました。これからは画像だけでなくゲームや動画、メタバースなどが爆発的に増えていくでしょう。その意味では、現代人もルネサンスと似たような状況に置かれているのかもしれない、という気がしてきました。ただし違う点としては、人間が「万能人」を目指すのではなく、人工知能という、百学連環を備えた「万能人」をつくりあげようとしている、ということかとは思います。
Posted by ブクログ
いまの日本だとゼネラリストよりスペシャリストに重きを置く方向になっているように思うがやはり学術に限らずビジネスも繋がりがあることを考えるとルネサンス期などのように満遍なく学んでいくことが大切だということを再認識した。スペシャリストでもその前提としてゼネラリストであること。
そしてwebやSNSの普及で情報量が爆増している一方で読解力が弱くなっているいま、あらためてルネサンス期に習って情報を整理していくことが重要。
その意味だとルネサンス期は情報の爆発n読解力は追いついていたのだろうか。(抜粋集があったということは程度の差はあれ似た問題はあったのか?)
Posted by ブクログ
自分たちとは遠い時代遠い国の謎を軽妙な語り口で解き明かしてくれる。ときどきクスッとさせられる一文も。博物館の歴史を最近調べていたので、ブンダーカンマーの話はとても興味深かった。情報が膨大すぎるから体系づけの必要にせまられたというのは、現代にも十分通じる話