ノンフィクション・ドキュメンタリー - 文藝春秋作品一覧

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  • 高倉健、最後の季節。
    3.5
    「僕のこと、書き残してね」―― 2014年正月。いつも、出された食事を残さないことを心がけている「剛さま」(貴月は高倉健のことをそう呼んでいた)が、珍しく食事を残した。 2月、風邪のような症状を訴え、急速に体調が悪化していく。 病院に行きたがらない高倉を、泣き落としで無理やり連れていき、さまざまな検査を行う。 下された診断は「悪性リンパ腫」。 高倉は尋ねた。「何もしないとどうなるんでしょうか」。医師の答えは、「死にます」。 そこから、高倉と貴月、二人三脚での闘病が始まった――。 同年11月に死去するまで、何があったのか。二人の間で、どのようなやり取りが交わされていたのか。 そして、最後の一年を書ききるために、なぜ8年の歳月が必要だったのか。 人知れず、稀代の俳優に17年寄り添った女性が綴る手記。 ◇目次◇ コロナ禍をみつめて まえがき 第一章 冬うらら 第二章 花曇り 第三章 青時雨 第四章 夏の霜 第五章 山眠る あとがき 高倉健、最後の手記 スペシャル寄稿 編集部からの10の質問に高倉健自らが筆をとった高倉健一問一答 高倉健 没後の活動記録 2014~2023
  • タクシー王子、東京を往く。 日本交通・三代目若社長「新人ドライバー日誌」
    3.9
    桜にNのマークで知られるハイヤー・タクシー会社日本交通の三代目に就任した川鍋一朗氏だったが、MBAも取得した若社長を待っていたのは多額の負債を抱えた社の現実だった。改革を訴えリストラも断行した川鍋氏が次に考えたのだが、自らがタクシー運転手として勤務してみること。しかし、方向音痴を自認し、接客も不慣れな新人ドライバーに世間の風は甘くなく……。涙あり、笑いありの社長兼新人ドライバーの奮闘記。
  • 猛き艨艟 太平洋戦争日本軍艦戦史
    -
    二度と戻れないことを承知で、真珠湾の奥深く向った特殊潜航艇「甲標的」の搭乗員。敵潜水艦の危険を知りつつ、魔の海峡に突入した高雄型重巡戦隊。滅び去ることを目的に沖縄への特攻出撃を命じられた戦艦大和。幕末からわずか七十年足らずで世界三大海軍の一角を占めるようになりながら、3年8カ月の太平洋戦争によって消え去った日本の「いくさぶね」の姿が日米全調査で甦る。
  • 正しすぎた人 広岡達朗がスワローズで見た夢
    NEW
    -
    日本一に輝いた1978年スワローズの真実 弱小球団スワローズを日本一へと導いた広岡達朗。徹底的に「正しさ」を貫いた名将の栄光と落日をめぐる証言ノンフィクション! 広岡達朗は老害ではない 93歳の”炎上老人”は、本物の名将だった――。 1978年、ヤクルトスワローズが叶えた「奇跡の日本一」 ”冷酷な監督”は優勝未経験の弱小球団をどう変えたのか 一瞬の栄光と崩壊、そして広岡の今に迫る渾身の一冊
  • 田中清玄 二十世紀を駆け抜けた快男児
    -
    右も左もあるものか! 戦前は武装共産党の委員長として警官を襲撃し、逮捕。 獄中、母の諌死を契機に転向すると、戦後は学生やごろつきを集めて共産党を襲撃。 なんとも振れ幅の大きな前半生から、やがて国際的な資源外交を裏で操るフィクサーへ。 資本主義の真っただ中で暗躍しながらも、学生運動に援助を続けるなど、 普通では理解しがたい人生を送った男。 「俺は法螺は吹くが嘘はつかない!」。 その言葉は、出鱈目だけどどこか痛快。こんな男が昭和にはいたのである。 昭和天皇にも拝謁し、その藩屏となることを誓ったというが、どこまで本当なのか……。 筆者は、終戦直後から田中の死まで秘書を務めた人物に出会い、その素顔を知る。 また、英国外務省の機密文書から、田中の国際的な活動の実態、 そしてヨーロッパの貴族を巻き込んで情報を収集し、 それを昭和天皇に届けていたという事実を知る。 東京タイガー。海外の諜報機関では田中のことをそう呼んでいた。 田中清玄は自伝を残しているが、その内容は虚実入り乱れ、本当の姿を伝えていない。 筆者によって、昭和の怪物の姿が初めて明らかになる。 田中の葬儀には、時の総理大臣から右翼、左翼の大物、そして暴力団大幹部の姿もあった。 その人脈こそが、彼の起伏に富んだ人生を表していた。 令和の現代では絶対にお目にかかれない、昭和の快男児の生涯!
  • 旅する江戸前鮨 「すし匠」中澤圭二の挑戦
    5.0
    鮨職人たちが選ぶ最も尊敬する鮨職人のアンケート一位に選ばれ、多くの食通たちを心酔させてきた四ツ谷『すし匠』の中澤圭二氏。国内の評価を不動のものとしていたにもかかわらず、中澤氏は2016年、53歳でハワイのリッツ・カールトンに進出する。築地からネタを空輸するのではなく、地元ハワイやアメリカ大陸沿岸の魚をつかって、一流の鮨を握るという前途多難な試みに挑んだのだ。それを可能にしたのは、素材の魅力を極限まで引き出す、200年の歴史をもつ江戸前鮨の技法だった――。 中澤氏に出会って以来、その人柄と仕事に惚れ込んだノンフィクション作家の一志治夫氏が15年以上にわたる取材の蓄積から描き出す、熱き男の物語である。江戸時代に握り鮨を考案した華屋與兵衛の時代から、戦前戦後の鮨文化、ここ数十年の海外での展開まで、ダイナミックな変遷を浮き彫りにしつつ、江戸前鮨という食文化の奇跡を浮き彫りにした、鮨ファン垂涎の一冊。
  • 大丈夫。人は必ず生まれ変われる。
    -
    23歳、ヤクザの組長になる。24歳で覚醒剤を初体験。27歳、2度も指を落とすが、覚醒剤を止められない。33歳、ヤクザをクビになり、日本で有数の売人になる。妻子は去った。41歳、ついに覚醒剤所持で逮捕。それでも覚醒剤を止められなかった。──21年間、覚醒剤漬けだった男が薬物依存者のための社会復帰施設DARC(ダルク)に出会い、1700人以上の子を預かり、再生の道を歩むまでの血みどろの人生、そして薬物やシンナーについて、命がけのメッセージ。
  • 第二次世界大戦 アメリカの敗北 米国を操ったソビエトスパイ
    5.0
    二人のスパイを軸に描くアメリカ現代史の闇 第二次世界大戦の勝者アメリカ。しかしソ連によるスパイ戦争には完敗していた! ケインズを手玉に取った経済学者、国際連合設立を仕切った実力官僚――。ソビエトのスパイがアメリカの政権の中枢を蝕んでいた! 大戦後の体制を形作った重要な局面で、彼らはどのような役割を果たしたのか? そしてチャーチル、トルーマンが認めざるを得なかった「敗北」とはなんだったのか? 戦後史がいま覆る!
  • 大日本史
    4.3
    博学無双の黄金タッグが幕末から太平洋戦争までの「日本の最も熱い時代」を縦横無尽に徹底討論。「日本とは何か」「日本人とは何か」が見える! この『大日本史』は、日本史を軸に世界史を考え、日本史との関連で世界史を理解する人びとの参考になることを願っている書物である。(「まえがき」より)
  • 脱北、逃避行
    3.8
    捕まれば、死の送還が待っている――。かつて中国・瀋陽の日本総領事館の門前で、中国武装警察が捕えようとする中、必死に敷地内に逃げ込もうとした「脱北者」の姿をご記憶の方も多いでしょう。北朝鮮の金体制から逃げ出した「脱北者」は中国当局にとっても好ましからざる人々でした。2013年、ようやくその脱北問題で国連の人権調査が入りましたが、北朝鮮は一切を否定するなど、彼らの苦難に終わりの見える様子はありません。本書の著者、野口さんは脱北支援、すなわち中国内に潜伏する脱北者たちを国外の安全な場所まで逃がす活動に身を投じました。その距離、直線にして3000キロ。密告者の目を逃れつつ成功して命を助けられたケース、失敗して大きな犠牲を払ったケース。そして入獄した中国南部の「看守所」での、個性の際立った同房者たちとの奇妙な体験。その全部を克明に描きます。
  • 脱ニッポン富国論 「人材フライト」が日本を救う
    3.0
    現在、日本人の海外移住者は118万人に上る。特に増えている移住先がミャンマー、マレーシア、シンガポールといった新興アジア。富裕層はもちろん、中小企業経営者、金融専門家、IT起業家、学生など多くの日本人が移住している。著者がかつて描いた「資産フライト」は、すでに第二ステージ「人材フライト」を迎えているのだ。 彼らはなぜ日本を脱出したのか? 年収1億円の人がシンガポールに移ると日本との税金の差額は2540万円になるという。あるいは日本人の不動産投資が盛んなマレーシアには住民税・相続税がない。こういった節税、投資、起業の有利さだけを求めてではない。グローバル教育のレベルが高い現地校へ母子留学や、富裕層の暮らしやすい住環境をはじめとする生活のクォリティ等、「新移民」たちの目的は様々。 本書では、これらのカネ・モノ・ヒトの流出の実態を描きながら、彼らの稼いだ在外マネーを日本に還流する方法を提起する。
  • 誰も「戦後」を覚えていない
    4.0
    1億3000万人必読の“歴史教科書” 食糧難、闇市、交通地獄、間借り生活など、敗戦直後の混乱した世相・風俗をユニークな視点からうがち、常識と定説をひっくり返す
  • 誰も「戦後」を覚えていない [昭和20年代後半篇]
    4.0
    1950年から54年。現在の日本を決めた戦後の最重要期を日本人は忘れている 朝鮮戦争。進駐軍。暴力衝動。性の開放。歌舞伎、寄席、相撲の復活。ハードボイルド小説の上陸。凶悪犯罪。不可解な激動の時代
  • 地下旅(チカタビ)!
    3.1
    鉄道好きとして名高い著者が、今回取り上げたのは「地下鉄」! 張り巡らされた地下鉄路線を使って、東京中の名所を余すところなくまわってきました。上野の国際子ども図書館、護国寺の鳩山会館、大手町の逓信総合博物館、白山の小石川植物園など、訪れたスポットは50以上。なかには東京生まれ、東京育ちの著者をして、初めて行ったと言わしめる隠れ名所も……。駅近辺の美味しいもの情報も満載です。片手に携えて地下鉄に乗りたくなる、新・東京ガイドをお楽しみください。
  • 『父・金正日と私』では語りきれなかった金正男の素顔【文春e-Books】
    -
    2017年2月、金正男暗殺の衝撃――。 東京新聞の五味洋治氏は、生前の金正男と150通にわたるメールのやり取りをし、 3度のインタビューを行った。 その模様は著書『父・金正日と私 金正男独占告白』に収められ、世界的な話題となった。 本作品は、五味氏が金正男と交流を持つにいたるきっかけとなった 文藝春秋の記事「初公開 金正男 七通のメール」の他、 諸君、週刊文春に掲載された、五味氏の金正男関連の記事を再構成したオリジナルコンテンツ。 亡き今こそ知られるべき、金正男という男の素顔とは――。 【収録記事】 「初公開 金正男 七通のメール」(文藝春秋 2007年3月特別号) 「金正男氏との七年間」(文藝春秋 2012年2月臨時増刊号 諸君!北朝鮮を見よ!) 「初公開 金正男の衝撃メール」(文藝春秋 2012年3月特別号) 「「金正日の遺言」独占入手」(週刊文春 2012年4月19日号) 「金正男と私の13年」(週刊文春 2017年3月2日号)
  • チベットに舞う日本刀 モンゴル騎兵の現代史
    -
    日本の陸軍士官学校で学んだ最強の騎兵軍団、その悲劇の興亡。「日本刀」と「騎兵」が織りなすチベットとモンゴルの悲劇の歴史を、南モンゴル生まれの著者が、重厚で複眼的な歴史観に基づいて、現地取材も行ない見事に再現! (以下、著者「はじめに」より要約) 本書はモンゴル人とチベット人の歴史だけでなく、日本人の歴史でもある。 しかし、本書はモンゴル人の軍功史ではない。二十世紀を駆け抜けたモンゴル人と日本人の近代化の歴史である。近代化への脱皮の形はいろいろあるが、モンゴルと日本の場合は、それが「日本刀」と「騎兵」だったのである。本書は、モンゴルとチベットの悲劇にまつわるさまざまな側面を「日本刀」と「騎兵」を歴史のキーワードとして取り上げている。 本来騎兵といえばルーツはモンゴルであり、チンギス・ハーンを想起する日本人も多いだろう。その騎兵戦術をモンゴルの侵略を受けたヨーロッパが改良。それを、元寇も体験した日本が明治維新以降学び、日清日露戦争を勝利に導いていった。その日本の進んだ騎兵術や軍事戦略を、今度はモンゴルの青年が日本から学んだというのも、歴史の不可思議であるといえよう。 そうした「日本刀」と「騎兵」が、織りなすチベットとモンゴルの悲劇の歴史、現代史の空白を本書によって、少しでも埋めることができれば、著者として望外の喜びである。
  • チャットGPTvs.人類
    3.2
    「人間」と「機械」を区別できなくなる? 子供(教育)から大人(ビジネス)まで、我々の日常生活を根底から変えるテクノロジーの「すごさ」と「危険性」を知るための必読書。 はじめに──「人間」と「機械」が見分けられなくなる 1 愛を告白する 2 チャットGPTとは何か? 3 学校が戸惑う 4 「もっともらしいデタラメ」が広がる 5 メディアがAIに頼る 6 6割が見分けられない 7 AIがメディアを評価する 8 「犯罪者」を捏造する 9 備えるべき5大リスク 10 「悪の凡庸さ」と「知性」 11 「頭脳」をつくるデータの正体 12 AIは「意識」を持つのか 13 日本と世界、社会とAI 終章 100年後からの視線
  • チャーチルの亡霊 ──危機のEU
    4.5
    現在、危機に陥っているEU。その成立前史となる欧州統合運動に、じつはチャーチルが関わっていた。大英帝国の復権を野望する彼は、終戦後の米、露、欧州各国の覇権争いを見据えて、“欧州統合の父”と呼ばれた活動家クーデンホーフに目をつける。その清冽な志を利用すべく、老獪な政治家チャーチルは謀略を巡らせる。ふたりの奇妙な協力関係を物語る貴重な往復書簡を読み解きながら、欧州統合前夜の鼓動を描いた歴史ノンフィクション。
  • 中国共産党「天皇工作」秘録
    3.5
    初めて明かされる天皇極秘訪中計画の全貌 1984年中国政府は田中角栄を通じて昭和天皇の訪中を画策。その後も同様の工作は繰り返された。中国はなぜ天皇にこだわるのか
  • 中国人一億人電脳調査 共産党より日本が好き?
    4.0
    ジャニーズ、アニメ、AV女優……彼らの本音はネットにあり! 亀梨もワンピースも東野圭吾も大好きだけど、尖閣問題は許せない。中国共産党が極度に恐れるネット上の「自由な言論」を大公開!
  • 中国人民解放軍の内幕
    4.5
    謎のベールに包まれた中国人民解放軍。79年の中越戦争を最後に実戦経験を持たず、周辺諸国とは常に領土・領海紛争を抱えている。空母建造や宇宙開発など、未知の分野に乗り出した中国の狙いは何か? 最大の軍事大国アメリカとの衝突は不可避なのか? ディープな人民解放軍研究!
  • 「中国」という神話 習近平「偉大なる中華民族」のウソ
    3.0
    日本人の知らなかった中国がここにある! 一帯一路に邁進する習近平。しかし内陸アジアこそ中国最大の「アキレス腱」だ。 もともと「中国」に属さない内陸アジアを、あの手この手で自国の一部と主張することで、中国は自らを「偉大な強国」に仕立ててきた。 歴史の改変、暴力、洗脳――偽造された「民族神話」を剥ぐ! はじめに 内陸アジアから中国を見る 第一の手法 妻を送って、国を奪う 第二の手法 絵本で子どもを洗脳する 第三の手法 「英雄」の歴史を書き換える チンギス・ハーンは「中華民族」 第四の手法 地名と文字によるイメージ操作 第五の手法 抵抗する者は殺戮する 内陸アジアの文化大革命 第六の手法 人海戦術で植民地化する ウイグル「自爆テロ」の背景 おわりに 神話作りは続く
  • 直撃 本田圭佑
    3.8
    本田圭佑との真剣勝負の対話! 「本田くん、ある意味、それは勝ち逃げだよ」。気鋭のスポーツライターが投げかけた一言からすべては始まった。2010年南アW杯でベスト16の立役者になったサッカー日本代表・本田圭佑は突然口を閉ざした。すべてマスコミからの取材を断り、孤高の道をゆかんとする本田。そんなカリスマ・フットボーラーに筆者の木崎伸也氏はアポなしの独占直撃取材で本音を引き出し続けた。足かけ7年、28回の真剣勝負の対話から、本田圭佑の型破りの哲学が浮かび上がる。これは知られざる本田圭佑の人物像であり、アスリートに迫るジャーナリストの試行錯誤の物語でもある!
  • 知立国家 イスラエル
    3.8
    唯一の目的は「生存」、最強の武器は「頭脳」 軍事が生み出す驚異の最先端テクノロジー、超エリート選抜教育、「知」の最強国家イスラエルの真実に迫る! イスラエルと聞くと、一般的な日本人は「パレスチナ問題」「紛争」などを想起し、明るいイメージを持っていないかもしれない。 だが、じつは私たちの周囲には「イスラエル」が溢れている。あなたが使用しているパソコンのCPUがインテル製であれば、その8割以上はイスラエルで開発されたものである。スマホでグーグル検索をすると、文字をいくつか入力しただけで、候補がプルダウンのように表示される。これはイスラエルにあるグーグルの研究所で開発された「グーグル・サジェスト」という機能である。同じくグーグルの「ページ分析」、ユーチューブの「ライブリザルツ」なども、イスラエルで開発されたものである。そのパソコンを外部侵入者から守ってくれる「ファイアーウォール」を開発したのもイスラエルのハイテクベンチャーである。 このほかにも、ドローン、監視カメラが不審人物を自動的に検出する人工知能フィルター、小型胃カメラ、チョコレートの「マックスブレナー」、死海のミネラルを使用した化粧品やアンチエイジング技術、ダイヤモンドの研磨技術、砂漠の灌漑技術など、イスラエルから生まれたものは非常に多い。 イスラエルは国民1人あたりでみると、ノーベル賞受賞者数、博士号保有者数、教育費、特許数、ベンチャー起業数、研究開発費(対GDP比)などで、世界トップクラスである。 冷戦後の経済成長率(1991年~2015年までの実質成長率)では、イスラエル(174%)は日本(20・5%)を大きく凌駕している。しかも、イスラエルは第2次産業のGDP比が日本よりも高い。イスラエルは「ものつくり」を含めた実体経済で急成長を遂げているのだ。 なぜイスラエルはこれほどの急成長を遂げたのか? その背景には、ロシアや東欧から高学歴移民を受け入れたことや、イスラエル軍が数理系の才能をもつ若者を選抜する超エリートプログラム「タルピオット」「8200部隊」の存在がある。また、イスラエル社会には「失敗を恐れない精神」、ユダヤ人の伝統である「どんな権威にも遠慮せず、自由な議論を尽くす慣習」、そして世界各国からの移民がもたらす「パイオニア精神」がある。 著者は総合商社時代から、ビジネスを通じて多くのイスラエル人と親交を深めてきた。徹底的な現地リポートから、イスラエルの強さの秘密を探る。 【目次】 はじめに イスラエル急成長の秘密を探る 第1章 爆発するイノベーション 第2章 移民がもたらす「頭脳」と「多様性」 第3章 世界最強 イスラエル軍の超エリート教育 第4章 「失敗を恐れない」教育と知的執着 第5章 イスラエル・エコシステムと日本の協働 あとがき
  • 沈黙を破る 「男子の性被害」の告発者たち
    3.3
    ついに被害者は語り始めた ジャニー喜多川、実父、教師、街中での被害。被害者の心と体を蝕み、時には人生を変えられてしまう性被害の実態と、差し込む光とは。 なかったとは言わせない! 性被害者の実名告白。深層ノンフィクション。 日本では長年“なかったこと”にされてきた男性の性被害。加害者は、担任教師、実父、芸能事務所社長……。 たった一人の勇気ある闘いが、重い扉を開け、闇のなかにいた被害者たちに光が差し込んだ。立ち上がり、少しずつ歩きはじめた人々の姿を追う。
  • つなげる力 和田中の1000日
    3.8
    リクルートから杉並区立和田中学校へ――。東京都初の民間人校長として、著者が2003年より5年の在任期間中に行った教育改革。進学塾と学校をつなぐ「夜スペ」、世界と教室をつなぐ[よのなか]科などの画期的なプロジェクトから、情報編集力を身につける教育法まで、新しい学校のあり方を追求した和田中プロジェクトの全貌がこの一冊に凝縮されています。教育のみならず、あらゆる問題解決に役立つヒントが満載!
  • 「つなみ」の子どもたち 作文に書かれなかった物語
    4.7
    第43回大宅壮一ノンフィクション賞(2012年)受賞作。 ベストセラー『つなみ 被災地のこども80人の作文集』を企画取材したジャーナリストが描く、7つの家族の喪失と再生の物語。平成最大の災害を、子どもたちは「書くこと」でどう乗り越えたのか?「あれから八年間の日々に」を大幅増補。 解説・細谷亮太 「あの震災後、熊本地震や北海道胆振東部地震、北関東や西日本での豪雨災害など未曾有の災害が頻発し、日本中で自然災害で厳しい体験をする人が増えている。被害後をどのように生き、どのように克服していくかは、先人の声に耳を傾けるのがふさわしい。作文を書いてくれた子たちも、取材に応じてくれた家族たちも、おそらくは心のどこかでそんな思いをもっていたことだろうと思う」 (「あとがき」より)。
  • 「妻に捧げた1778話」が私を救った【文春e-Books】
    -
    作家・眉村卓氏は、1997年から2002年まで、がんで闘病中の夫人のために1日1本、400字詰め原稿用紙3枚以上の物語を書くことを日課としていた。 夫人が67歳で他界したとき、その物語は1778話に達していた。愛する人を喪って16年、稀代のストーリーテラーが、妻への思いと自らのいまを語る。 ※「文藝春秋4月号」掲載記事を再編集した電子書籍オリジナル。
  • 徹底取材総集編 週刊文春が報じた「佐村河内守事件」【文春e-Books】
    -
    前代未聞の騒動となった佐村河内守氏のゴーストライター問題。すべての発端は2014年2月、週刊文春に掲載された新垣隆氏の告白でした。以後、3月7日に開かれた佐村河内氏の記者会見への反論まで、週刊文春が6号にわたり連続展開したキャンペーン記事を1冊の電子書籍にまとめました。問題の本質はどこにあるのか? 信じるべきは誰の言葉なのか? この「事件」を理解する上で必須の1冊です。【初出 週刊文春2014年2月13日号~3月20日号】 ※本書には、先に電子書籍として刊行した『堕ちた“現代のベートーベン”「佐村河内守事件」全真相』、『徹底取材第2弾 佐村河内守の「正体」』、『徹底取材第3弾 佐村河内守の「嘘」に加えて、週刊文春の第4弾~第6弾記事(未電子書籍化)が収録されています。
  • 徹底取材第3弾 佐村河内守の「嘘」【文春e-Books】
    -
    3月7日の佐村河内守氏謝罪会見を考察するのに必要な1冊。 週刊文春のスクープ第3弾! ゴーストライターの存在が発覚した作曲家・佐村河内守氏は2014年2月12日、マスコミにお詫び文を発表した。「ある時期からは被爆者や震災の被災者の人たち、障害を持った人たちの助けになればという気持ちもまちがいなくありました」。しかし、義手でヴァイオリンを弾く少女、津波で母親を亡くした少女――これまで佐村河内氏を“主人公”としたストーリーに登場させられた子どもたちの肉親は、彼の言葉とは裏腹な証言を週刊文春に寄せた。「大人は嘘つき」「もうピアノはやらない」子どもたちの悲痛な叫びに、佐村河内氏はどう答えるつもりなのか? 一体、彼の懺悔はどこまで信じられるものなのか? 神山典士氏と週刊文春取材班による総力記事第3弾を収録。【初出・週刊文春2014年2月27日号】
  • 徹底取材第2弾 佐村河内守の「正体」【文春e-Books】
    5.0
    3月7日の佐村河内守氏謝罪会見を考察するに必要な1冊。 週刊文春のスクープ第2弾! すべての発端は、週刊文春2014年2月13日号に掲載された一本の記事だった。全聾の天才作曲家と称揚されてきた佐村河内守氏について、「私は18年間、彼のゴーストライターをしてきました」と告白する人物が現れたのだ。しかもその人物は、佐村河内氏とは「通常の健常者同士の会話」が成立していたという――。一体、佐村河内氏とは何者なのか? 彼は本当に聴力を失っているのか? 親戚、故郷の知人、俳優やロックシンガーを目指していた時期の彼を知る人たちの証言を丹念に辿ることで、“現代のベートーベン”の実像が浮かび上がってきた。寄せられた反響に応えるべく神山典士氏と週刊文春取材班が総力を挙げて結実させた記事第2弾を収録。【初出・週刊文春2014年2月20日号】
  • テロと陰謀の昭和史
    5.0
    満州事変、血盟団事件、五・一五事件、二・二六事件……昭和初年から日本を震撼させ、結果として軍部の台頭と日米開戦を招いたテロや陰謀の当事者たちが文藝春秋に寄せた肉声を集成。彼らは何を目指し、どう行動したのか。現代に通じる教訓は何か。日本を取り巻く国際情勢が緊迫するいま、知っておくべき昭和史の真実を集めた一冊。 (※本書は2015年4月に刊行された「文春ムック 太平洋戦争の肉声 第4巻 テロと陰謀の昭和史」を底本にし文庫化したものです)
  • 天才 勝新太郎
    4.3
    武勇伝に隠された天才ゆえの孤独 破天荒な伝説で語り継がれる天才の素顔は誰よりも繊細でナイーブだった。 貴重な資料で、芸術の神に挑んで散った生涯を炙り出す。 「座頭市」と豪快な勝新伝説で知られる勝新太郎。 本書は映画製作者としての勝とその凄まじい現場を スタッフの証言を元に再現し、繊細すぎる実像を浮き彫りにする。 純粋さが加速させる狂気のノンフィクション。 【目次】 序 第一章 神が天井から降りてくる――映像作家・勝新太郎 第二章 負けてたまるか 映画スター・勝新太郎の誕生 第三章 勝プロダクションの設立 第四章 オレは座頭市だ――『新・座頭市』 第五章 神が降りてこない…… あとがき
  • 天才を作る親たちのルール トップアスリート誕生秘話
    4.1
    日本を代表するトップアスリートは、家庭でどのような教育を受けたのか。 親がしたこと、しなかったこと。12家族から見えるそのルール。 世の中には「天才」と称されるスポーツ選手が何人もいる。天才って何? 大量の汗とともに磨かれる技、そして肉体と精神、その上に成り立っている競技スポーツに生きる選手に対して、「天才」という曖昧模糊とした言葉には違和感がある。その疑問から始まった、トップアスリートの親へのインタビュー集。多くの読者に好評を博した2003年刊の同テーマ書籍に続く第二弾。今回は、萩野公介(水泳)、白井健三(体操)、桐生祥秀(陸上)、永井花奈(ゴルフ)、石川佳純(卓球)、木村沙織(バレー)、井上尚弥(ボクシング)、竹内智香(スノーボード)、藤浪晋太郎(野球)、宇佐美貴史(サッカー)、宮原知子(フィギュアスケート)、大谷翔平(野球)の親へ取材。それぞれ育て方には個性がありながら、数え切れないほどの共通項もあった。筆者がそこで導き出す、天才の作り方とは。
  • 天皇陛下・美智子さま 祈りの三十年
    -
    天皇皇后両陛下のお言葉で、人生を救われた人々がいる。被災地へのご訪問を長く続けてきた両陛下。訪問先の人々が心打たれたお言葉やエピソードの数々を、現地で尋ね歩いた。雲仙・普賢岳噴火、東日本大震災、中越地震‥‥。「どうか、頑張ってください」「その後、村の様子はいかがですか?」。温かいお言葉の数々が人々を勇気づけ、新たな人生に向かわせる──。 「──天皇皇后両陛下のご訪問を受け、お言葉をかわした人たちは、「天皇陛下にお会いしたことは、一生の思い出。今も昨日のことのように鮮明に覚えている」「あんなに生きる勇気をもらったことはない」。そう話す人たちが多い。彼らは両陛下のどんなお言葉、振る舞いに心を打たれたのか。そしてご訪問を受けてどのような変化が生じたのか──」 お二人のご訪問で救われた人々、12の感動物語。
  • 東京五輪1964
    3.5
    2020年の東京五輪開催が決まった今、改めて思い起こしたい「日本が一番燃えた15日間」、1964年東京五輪のこと。わが国が敗戦から立ち直ったことを世界に示し、高度経済成長のきっかけをつかんだ大会といわれていますが、参加した選手やスタッフ、観客にとってはどんな大会だったのでしょうか。東京新聞で長年五輪を取材してきた著者が、15日間の会期を金メダリスト、選手村の理容師、NHKのアナウンサーなど15の視点で再現。こんなにもひたむきな思いが五輪を支えていたのか――と胸が熱くなるエピソードが満載。2020年、果たして私たちはどんな形で世界のアスリートたちを迎えることになるのでしょうか。
  • 東京ローズ
    -
    太平洋戦争中、セクシーで魅力的な語りでGIたちを幻惑させた日本軍対敵宣伝放送の女性アナウンサー<東京ローズ>。終戦後、従軍記者たちに、いちどはヒロインにまつりあげられながらも、日系二世であるがゆえにその伝説の魔女・東京ローズに仕立てられ、祖国アメリカから<反逆者>の烙印を押されたアイバ戸栗ダキノ夫人の真実を、徹底した日米両国の関係者取材と膨大な裁判記録の検証で明らかにした執念の労作。講談社出版文化賞(ノンフィクション部門)受賞作。
  • 東芝 原子力敗戦
    4.0
    身も心も会社にささげる「サラリーマン全体主義」が企業を滅ぼす。 「東芝原子力事業の暴走と、それを糊塗するためにほぼ全事業部で行われた粉飾には、何千人もの東芝社員が関わった。(中略)まさに「滅私奉公」「全社一丸」だ。 そのやり方では、もはやグローバル競争に勝てないことを、我々は知っている」(エピローグより) 社内で経営陣が交わした粉飾メールをはじめ、数々の内部資料をもとに東芝を追及してきたジャーナリストによる決定版。 ●目次● 第1章 原子力ルネサンス 「テレビやスマホの代わりに原発を輸出すればいい」という経産省の思惑。それに乗った東芝・西田厚聰社長には経団連会長への野心があった。 第2章 東日本大震災 次々と水素爆発を起こす福島第一原発。メーカーとして最大の危機を迎えてなお「原発輸出」にまい進する佐々木則夫社長を支えた一人の男。 第3章 粉飾決算(2013年~2014年) 買収した米原発機器大手・ウエスチングハウスの減損を隠すため、巨額の粉飾に走る幹部。社内を飛び交うメールからは粉飾指南役の陰も。 第4章 破滅への道程(2015年~2017年) 第二の減損発覚で追い詰められた東芝。優良事業の売却を繰り返し、残るのは原発事業のみ。倒産の危機に。 第5章 原発ビジネスの終焉(1956年~2017年) 「国策」への協力を決断したかつての東芝社長、土光敏夫と現経営陣の違いは何か。 第6章 東芝が消える日(2017年~) 原子力業界には東電を頂点とするヒエラルキーがあり、東電は「東電の正妻」と言われていた。東芝の命運を握る東京電力で、いま何が起こっているのか。
  • 東大野球部には「野球脳」がない。 最下位チームの新・戦略論!
    3.0
    野球エリ―ト軍団に、東大生は勝てるのか? 大越健介(東大野球部OB)、推薦。 東大生たちは、死ぬほど考えて戦っている。 鍵は、野球脳=一瞬の判断力。 予言しよう。 最高純度の哲学者たちが「東大は弱い」という固定観念を打ち破るはずだ。
  • 東大落城 安田講堂攻防七十二時間
    4.0
    その日、日本中がテレビに釘付けになった。催涙ガス弾と放水にけむる安田講堂の時計台、顔をタオルで覆い、ヘルメットを被った学生たちが屋上から投げ下ろす人頭大の石塊、火炎ビンに灼かれた機動隊員の苦痛に歪む顔……その時、作家・三島由紀夫から緊急電話が! 時は「あさま山荘」事件の起こる3年前、昭和44年1月だ。全国民が注視した東大安田講堂の攻防戦に、警視庁の警備第一課長として臨んだ著者が、当時のメモを元につづった迫真のドキュメント。文藝春秋読者賞受賞作品。
  • 東南アジア式 「まあいっか」で楽に生きる本
    3.9
    この本は、日本がなんだか辛いな、苦しいなと思っている方のための本です。 野本さんはマレーシアに家族で移住して10年。いまは海外教育や海外移住について書いたコラムやラジオ、講演会で大人気です。 一見不便で給与水準も低いのに、楽しそうな人が多いマレーシアという東南アジアの国。この国で学んだ人生を楽しく暮らす方法を紹介します。 ―ほとんどのことには正解がない ―他人に期待しないと怒らなくて済む ―他人はコントロールできない ―精神のコントロールは自分でする ―白黒つけるのをやめる ―80%くらいの完成度で世の中に出す ―スピードの方が大事 ―他人を助けると自分に返ってくる 日本人は圧倒的に「ちゃんとしなくては」で苦しんでる人が多すぎる。しかし世界を見ると、そこまで厳しく緻密さや正確さは求められていないのです。海外進出する企業や学校教育の現場において、感情をコントロールすることの大切さをユニークな視点で書いたエッセイ。
  • 糖尿病S氏の豊かな食卓
    -
    ある日、糖尿病の数値がガクッと悪くなった。血糖値を下げる努力の仕方が間違っていたらしい。「ああ、これからはご飯がまともに食べられなくなる」と思い悩み、そこから陶芸家S氏のおいしい一日1800キロカロリー料理生活が始まった。糖尿病ならずとも食べたくなるS氏の日常の食とは?その15年の変遷をレシピつきで公開。S氏こと坂本素行は1950年、東京都五日市町(現あきるの市)生まれ。自動車メーカーのデザイナーから、陶芸家に転じる。象嵌や灰釉の作品は、その緻密な技と造形で、現代陶芸家の中でも屈指の斬新さを持つひとり。フツーの「おいしさ」が詰まった一冊。
  • 洞爺丸はなぜ沈んだか
    4.7
    昭和二十九年の青函連絡船洞爺丸沈没事故。タイタニックに匹敵する多くの犠牲者を出したこの事故の全貌を、時間の経過を追って克明に再現し、事故の真因にせまる。
  • 朱鷺の遺言
    4.7
    ニッポニア・ニッポン──日本国を象徴する学名をもつ、哀しいまでに美しい鳥、トキ。かつては日本全土に生息したが、2003年に最後の1羽が死亡、純日本種は絶滅した。トキの保護に立ち上がった人々の軌跡を追った本書は、人間と自然の相克を問い、いのちをいとおしむ心の大切さを説いた不朽の名作であり、記録性の高い貴重なドキュメントである。第30回大宅壮一ノンフィクション賞受賞。
  • 特殊詐欺と連続強盗 変異する組織と手口
    3.7
    ワルとカネのクロニクル ネット上で実行部隊を集め、海外の拠点からITを使って 詐欺や強盗を行なわせる―― こうした犯罪グループは、突然、出現したわけではない。 地上げ、ヤミ金融から最新の匿名犯罪まで、 長年、アウトローと経済事件の取材を重ねてきた著者が、 変異し続けるワルとカネの実態を暴く! 【目次】 序章 「デフレ型犯罪」としての特殊詐欺と連続強盗 第1章 ルーツとしての五菱会事件 第2章 バブルと地上げ 第3章 総会屋から企業テロまで 第4章 ヤクザマネー包囲網とITバブル 第5章 関東連合の六本木進出と半グレの準暴力団化 終章  特殊詐欺はどこへ向かうのか
  • 督促OL 修行日記
    4.1
    「今度電話してきたら、ぶっ殺す!!」。1時間60本ノルマの電話をすれば、怒鳴られ、脅され、泣き落とされ・・・。人見知りで話しベタで気弱なOLが、年間2000億円の債権を回収するまで。日本一つらい職場で生き抜く技術。自分に向いてない仕事やストレスフルな仕事をする全ての方に読んでほしい本。
  • トヨタ・GM 巨人たちの握手
    3.0
    1980年代の初め、日米貿易摩擦の緊張が高まるなか、トヨタは決断を迫られていた。日本のローカルメーカーで終わるか? 米国に進出するか? 世界一の自動車メーカー、GMも、小型車の開発で頭を痛めていた。トヨタとGMが生き残る道は、合従連衡しかない。私心を捨て、極秘で動くひとりの男。トヨタは、GMをパートナーに選び、米国で小型車の共同生産を決断した。そして、それは「トヨタ一人勝ち」の始まりだった。ビジネス・ノンフィクションの傑作。
  • トヨタ生産方式の逆襲
    4.2
    不朽の「カンバン方式」、これが真髄だ! ジャスト・イン・タイムが鉄則のトヨタ生産方式を正しく運用すれば、儲かる会社に必ずなる! カンバン方式の生みの親・大野耐一氏の右腕だった父の薫陶を受け、親子2代でトヨタ生産方式の伝道者となった著者でしか書けなかった「秘中の秘」のメソッドを初公開する! 第1章 「常識」を疑い、パラダイムを変えよ 第2章 「タイミング」を売れ! 第3章 顧客ニーズと生産体制のマッチ 第4章 「サラダ理論」で需要予測とオサラバしよう! 第5章 ホワイトカラーという「魔物」 第6章 下請けを巻き込んで効率的なモノ造り 第7章 短納期こそ最大の顧客満足
  • 「ドイツ帝国」が世界を破滅させる 日本人への警告
    3.5
    冷戦終結と欧州統合が生み出した「ドイツ帝国」。EUとユーロは欧州諸国民を閉じ込め、ドイツが一人勝ちするシステムと化している。ウクライナ問題で緊張を高めているのもロシアではなくドイツだ。かつての悪夢が再び甦るのか?
  • ドキュメンタリーの舞台裏
    4.0
    『なぜ君は総理大臣になれないのか』『香川1区』『ぼけますから、よろしくお願いします。』…… 話題作の数々はこうして生まれた。 第一線監督の明かす実践的制作術。 作り手をめざす人、現役のテレビ・映画人、そしてドキュメンタリーを愛するすべての人たち必読! 是枝裕和監督推薦。 「大島新のこの等身大の自伝は、自身の制作過程を丹念に辿りながら、むしろそこには自らを鏡にした映像制作史が映し出されている。同じ時代を彼とは少しだけ違う場所で生きて来た私にとってはそのことが大変興味深かった。ファインダーの外側を捉える目を持つ彼は、きっと生来のドキュメンタリー作家なのだろう。」
  • 独裁の中国現代史 毛沢東から習近平まで
    4.3
    繰り返される粛清、密告、民族弾圧。世界最大の独裁国家はいかに築かれたか?  2019年は中華人民共和国の建国70周年。日中戦争、朝鮮戦争、文化大革命、改革開放、天安門事件、そして習近平体制まで、世界第二位の経済大国となりながら、いまだ一党独裁体制、少数民族弾圧、都市と農村の格差といった矛盾を抱える大国の病巣を、毛沢東以来の歴史に探る。中国システムの抱える致命的な欠点とは? 【目次】 序章 中国共産党という組織 ──徹底監視のシステム 第1章 国民党と共産党 コミンテルンが生んだ双生児 第2章 毛沢東の“国盗り”戦術 ──抗日神話のウソ 第3章 中華人民共和国の誕生 ──スターリンとの確執 第4章 大躍進 史上最大の災厄 第5章 世界史から見た文化大革命 ──粛清と民族破壊 第6章 新たな独裁者トウ小平 ──「先富論」のトリック 第7章 習近平 引き継がれる独裁の系譜
  • 「ドラマ鬼平犯科帳」ができるまで
    3.9
    鬼平犯科帳は永遠に!! 昨年、遂に幕を閉じたTV「鬼平犯科帳」シリーズ。 その長い歴史を振り返り、製作スタッフの貴重な証言を聞き取るファン必読の書。 28年間に渡り放送された「鬼平犯科帳」。 その人気の秘密を番組スタッフのプロデューサーから殺陣師や録音技師、美術監督などに直接インタビュー。 今の世で正統的時代劇を放送する上での、苦労話、ここだけの話、内緒の話がテンコ盛り。 さらに「オール讀物」に掲載された「鬼平」関連の記事も収録。 目次 序章 鬼平、京都へ行く 第一章 スタッフインタビュー 第二章 ドラマ『鬼平』の魅力を検証する 終章 鬼平、京都を去る
  • 仲代達矢が語る日本映画黄金時代 完全版
    4.4
    これがプロフェッショナルの凄味! 名監督との出会い、伝説の俳優との撮影秘話から現在の映画界や芸談、役者論まで! 80歳を超えてなお活躍する役者 仲代達矢。映画史の生き証人ともいえる氏に、 岡本喜八、黒澤明、成瀬巳喜男、小林正樹ら名監督との出会いから 高峰秀子、原節子、夏目雅子、勝新太郎ら伝説の俳優との仕事、 そして現在の映画界に至るまで、 稀代の時代劇・映画史研究家 春日太一がインタビューし尽くした濃密な一冊! 文庫化にあたり新章「仲代達矢の現在地」を追加し、大幅加筆。 主演時代劇『果し合い』の現場ルポも収録。 【目次】 はじめに/文庫化にあたって 序 役者・仲代達矢の誕生 第一章俳優デビューと『人間の条件』 第二章黒澤明との仕事――『用心棒』『椿三十郎』『天国と地獄』 第三章京都の撮影所と時代劇――『炎上』『鍵』『股旅 三人やくざ』『切腹』 第四章仏の喜八――『大菩薩峠』『殺人狂時代』『激動の昭和史 沖縄決戦』 第五章成瀬巳喜男と木下恵介と女優たち 第六章海外進出、前衛、左翼、俳優座 第七章五社英雄と名優たちの情念――『御用金』『人斬り』『闇の狩人』『鬼龍院花子の生涯』 第八章黒澤明と勝新太郎――『影武者』『乱』 第九章小林正樹と日本映画の落日――『上意討ち』『怪談』、幻の『敦煌』 文庫版特典(1)仲代達矢の現在地 第一部 映画出演と舞台出演/第二部 役者論・芸談 文庫版特典(2)現場ルポ 時代劇『果し合い』での激闘 おわりに――仲代達矢(書き下ろし) 仲代達矢出演映画一覧
  • 中森明菜 消えた歌姫
    3.5
    あの歌声が再び聴ける日 「何がみんなにとっての正義なんだろう?」 2022年12月、中森明菜は公式HPでファンに問いかけた。 そして、こう続けた。 「自分で答えを出すことに覚悟が必要でしたが、私はこの道を選びました」 表舞台から姿を消して5年あまり。彼女の歌手人生は、デビューした1980年代を第1幕とすれば、混迷の第2幕を経て、これから第3幕を迎えようとしている。 「お金をね、持っていかれるのはいいんです。でも一緒に心を持っていかれるのが耐えられないの」 1990年代に入り新事務所を立ち上げてレーベルも移籍した頃、雑誌のインタビューで打ち明けていた。 孤高にして寂しい――。 不朽の名曲「難破船」を提供した加藤登紀子は、明菜をそう表現した。 自らの道を進もうとするほどに孤独になっていく「歌姫」の肖像。
  • ナガサキ 消えたもう一つの「原爆ドーム」
    4.6
    長崎にも「原爆ドーム」があった――。それは爆心地の北東500メートルほどの位置に立つ、高さ25メートルの鐘楼を持った浦上天主堂。しかし1925年に完成し、東洋一と謳われたこの天主堂は原爆によって廃墟と化す。当初、被爆遺構として保存に積極的だったはずの長崎市長だが、訪米を経て「原爆の悲惨を物語る資料としては適切にあらず」と発言し、撤去路線に転換。結果として旧浦上天主堂は1958年に撤去されるに至る。世界遺産クラスの被爆遺構はなぜ失われたのか? 市長の翻心の裏には何があったのか? 丹念な取材によって昭和史のミステリーを解き明かした渾身のノンフィクション。
  • 長嶋茂雄 最後の日。1974.10.14
    4.4
    昭和49年10月14日、「我が巨人軍は永久に不滅です」の名セリフとともに現役引退したミスタープロ野球・長嶋茂雄。伝説となったあのフレーズはどのように生まれたのか、長嶋本人は何を考えていたのか。本人を含め、当時の関係者に徹底的に取材、「長嶋茂雄引退の日」の真実がいま明かされる。
  • なぜ日本は原発を止められないのか?
    4.8
    「安全神話」に加担した政・官・業・学 そしてマスコミの大罪! 原発を続けるということは、 事故が起きる可能性を抱え続けることを意味する。 福島第一原発では、その影響の大きさを私たちは思い知った。 事故をひとたび起こせば取り返しのない事態を招くにもかかわらず、 原発はなぜこうも優先されるのか。 その理由を解き明かすには、歴史を俯瞰し、考えてみなければならない。 原子力ムラの実態とエネルギー政策の構造的問題を衝く! 官・政・業・学・メディアはいかにして「原発安全神話」を作ってきたのか? 原発取材をライフワークとしてきた記者の集大成の一冊。
  • 懐しき文士たち 昭和篇
    -
    昭和の文壇史を、著者は昭和二年の芥川龍之介の自殺から書き始める。あたかも芥川の死が、昭和恐慌の前奏曲とでもいうかのように……。不況から戦争への道を歩んだ激動の時代「昭和」を、文士たちはいかに生きたか。緊迫感を増してゆく時勢にどう振舞ったか。そして日本の敗戦をどう受け止めたか。二・二六事件を経て開戦、空襲から終戦に至るその歩みを豊富なエピソードで描き出す。おかしな話、いい話、辛い話、驚くべき話……エピソード満載の贅沢な文壇史。
  • 700人の村がひとつのホテルに 「地方創生」ビジネス革命
    4.0
    「地方創生」のトップランナーが明かす、ローカルビジネスのつくり方! ミッションは少子高齢化で存続の危機に直面した崖っぷちの村を再生すること――。 『ガイアの夜明け』など、テレビ、雑誌で話題沸騰! SDGsの最新トレンド。 山梨県小菅村の分散型ホテル「NIPPONIA小菅 源流の村」、JR東日本と展開する「沿線まるごとホテル」、長野県信濃町の「癒しの森事業」……。日本全国の名もなき地域の活性化を担い、いま最も注目されるコンサルティング会社「さとゆめ」は、いかにして数々の斬新なプロジェクトを成功に導いたのか――。     目次 第一章 “ふるさと”を仕事にする 第二章 「さとゆめ」の創業 第三章 「伴走」で地域の未来を変える 第四章 700人の村がひとつのホテルに 第五章 700人の村がひとつのホテルに Walk in Kosuge 第六章 「さとゆめ」というプラットホームーー「地方創生」新時代の組織のかたち 第七章 十年後を見据えての地方創生――「沿線まるごとホテル」JR東日本との挑戦
  • 悩むことはない
    4.0
    御歳94歳。自由闊達な精神のもと、なお旺盛な句作を続けて現代俳句を牽引し、その魅力を全身で発信している俳人・金子兜太。若者にも年寄りにも生きにくい現代を、昨日よりはラクな気持ちで生きられるように、「かくあるべし」と「かくはあるべからず」を柔らかく語って聞かせる。あたかも散文詩集のような口調で語られる、小気味よい人生訓の、とっておきの書。
  • 「南京事件」を調査せよ
    4.4
    なぜ、この事件は強く否定され続けるのか? 戦後七十周年に下された指令は七十七年前の「事件」取材? 「知ろうとしないことは罪」と呟き、西へ東へ南京へ。 いつしか「戦中の日本」と、言論の自由が揺らぐ「現在」がリンクし始める……。 伝説の事件記者が挑む新境地。 解説・池上彰
  • Number 甲子園ベストセレクションI 9人の怪物を巡る物語
    3.8
    PL学園のKKコンビ・桑田真澄と清原和博、怪物・江川卓、平成の怪物・松坂大輔、ゴジラ・松井秀喜、孤高の天才・ダルビッシュ有、規格外の存在・大谷翔平、“ハンカチ王子”斎藤佑樹、若きスター・清宮幸太郎――甲子園を沸かした9人の球児。1年生コンビでの活躍と運命のドラフト、伝説の名勝負・横浜vs.PLの真実、真剣勝負ゆえに生まれた5敬遠など、怪物や天才たちが甲子園で何を考えていたのか、彼らに挑んでいった監督、選手の思いなど、甲子園を巡る26の物語。「Number」誌上で話題となった記事を収録した「甲子園ベストセレクション」!
  • Number PLUS オシム語録 人を導く126の教え (Sports Graphic Number PLUS(スポーツ・グラフィック ナンバー プラス))
    3.5
    「言葉には、人間を変える力がある。運命を切り開く力がある。元サッカー日本代表監督イビチャ・オシム。監督としての手腕もさることながらヨーロッパ、とりわけ出身地である旧ユーゴスラビアでは、その人間性と品格・知性から偉大な人物として尊敬されてる。オシムの言葉には、道に迷い行き先を見失った人々に、勇気と希望を与える力がる。」知将・オシムの含蓄に満ちた126の言葉に学ぶ! 第1章部下を動かす言葉/第2章リーダーシップに必要な言葉/第3章組織を構築する言葉/第4章人生に効く言葉/第5章日本人に告ぐ
  • 二・二六事件蹶起将校 最後の手記
    4.0
    昭和11年2月26日、青年将校たちに率いられた約1500名の兵士は、首相官邸、警視庁などを占拠し、高橋是清大蔵大臣ら三人の要人を暗殺した--これが日本近代史上、最大のクーデター、二・二六事件である。 青年将校たちは何を思い、決起したのか。事件から72年後、獄中手記「二・二六事件日本革命史」が発見された。決起将校の中心人物・安藤輝三から依頼され、みずからも決起に参加した当時42歳の予備将校が見た激動の四日間が、そこには詳細に記されていた。 昭和史研究家の第一人者、保阪正康氏の長文の解説つき。
  • 肉声 宮崎勤 30年目の取調室
    3.7
    日本中を震撼させた「東京・埼玉連続幼女誘拐殺人事件」の取り調べが録音されていた。 初めて明かされる取調室での息詰まる対決! 密室で語られた真実とは―― 昭和から平成、一九八八年八月から翌年六月にかけて埼玉・東京で四歳から七歳の幼女四人が次々と誘拐され殺害された東京・埼玉連続幼女誘拐殺人事件。 犯人の宮崎勤は「今田(いまだ)勇子(ゆうこ)」と名乗り、殺害した少女の遺骨と意味不明な自筆の紙片を遺族の自宅玄関前に自ら届けた上、犯行声明文、告白文を遺族や新聞社にまで送り付けていた。 事件発生から約30年――。 フジテレビ報道局は宮崎の取り調べの音声テープを独自に入手した。 逮捕直後、宮崎は取調室で警視庁捜査一課の名物刑事に何を語っていたのか? 入手した27本の音声テープを検証し、犯罪史上類を見ない“猟奇的な劇場型犯罪”の闇に迫る!
  • 21世紀への伝言 名言にみる「日本と世界」の100年
    -
    画期的! 生きた言葉から激動の世紀を編みなおす。 「渦中の人物の発言」が織りなす百年紀 与謝野晶子「君死にたまふことなかれ」、チャーチルの戦う「演説」から、日本初の禁煙「広告」、ワールドカップのドーハの悲劇の「嘆き」まで。その時、誰が、どんなことを言ったのか? 私たちの時代を次代へヴィヴィッドに伝えるための「20世紀」読本。 どこからでも読める! 一家に一冊! 3分間スピーチの虎の巻に! ※本書は2000年4月に刊行された単行本の電子書籍版です。時制等、すべて刊行当時のままです。また主要人名索引については人名リストとして収録しました。
  • 28年目のハーフタイム
    4.3
    本書を読まずして日本のサッカーを語ることなかれ! 1996年夏のアトランタ。28年ぶりに五輪出場を果たしたサッカー日本代表は、ブラジル戦での奇跡的な勝利で世界中を沸かせた。だが、躍進の陰で矛盾と亀裂を抱えたチームは、続くナイジェリア戦のハーフタイムで、ついに崩壊する。安易な喝采と批判を容赦なくあびせ、日々消費される報道からはけっして見えてこない監督、選手たちの葛藤を、深い愛情と洞察力によって肉迫した、スポーツ・ドキュメンタリーの新しい金字塔。
  • 2000年の桜庭和志
    3.5
    レジェンド桜庭の全貌を描く決定版! 「プロレスラーは本当は強いんです!」 グレイシー伝説を打ち破った日本総合格闘技界のレジェンドが歩んだ道。 タイガーマスクに憧れプロレスを志した少年・桜庭和志。アマレスを学び、プロレスラーになるとサブミッションレスリングに夢中になり、総合格闘技の世界へ。 そしてPRIDEの主役となり、UFCのレジェンドであるホイス・グレイシーを107分の死闘の末に下し、伝説となった。桜庭が“リアルファイトのタイガーマスク”になったのである。 2000年の桜庭の活躍を振り返りながら、グレイシー柔術とは何か、MMAとは何か、格闘技とは何か、UWFとは何か、プロレスとは何かに迫る。 桜庭への幾度にも及ぶインタビューだけでなく、石井和義やホイラー・グレイシー、ホイス・グレイシーにも直撃取材。著者自ら柔術教室にも通い、そのなんたるかを学んだ。まさに体当たりのこの作品は、著者の真骨頂であり『1984年のUWF』の続編であり、『1976年のアントニオ猪木』の最終章でもある。 ※この電子書籍は2020年2月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。
  • 日産vs.ゴーン 支配と暗闘の20年
    4.1
    「日産・ルノー提携」の特ダネを1999年にスクープして以来、カルロス・ゴーンを見つめてきたジャーナリストが、その栄光と墜落の軌跡、そして日産社内の権力闘争の実態をあますところなく描いた経済ノンフィクション。 倒産寸前まで追い込まれた日産にルノーから送り込まれたゴーンは、トップ就任からわずか1年半後、過去最高益を叩き出す。 だが、ゴーンには別の顔があった。寵愛する「チルドレン」で配下を固め、意見する者は容赦なく飛ばす。部下に責任を押しつけて更迭し、自分は地位にとどまった。 そして、私物化。ゴーンは私的に購入した金融商品がリーマンショックで18億円もの損失を出した際、一時的にそれを日産に付け替えた。約20億円もの報酬のうちの約半分を退任後に受け取ることにし、有価証券報告書には10億円分しか記載してこなかった。会社のカネで購入した豪華邸宅を私的に利用するなど、公私混同は枚挙に暇がない。 いったいなぜ、ゴーンは道を誤ってしまったのか? ヒントは「歴史」にある。 日産は創業以来、ほぼ20年周期で大きな内紛を起こしてきた。そのつど、「独裁者」と呼ばれる権力者があらわれ、制御不能のモンスターと化した。その独裁者を排除するために新たな権力者を必要とし、新たな権力者がまたモンスターと化していった。 そうした構図が繰り返される背景には、日産が抱えるガバナンスの問題点、そして独裁者をのさばらせた側にも大きな責任があることが浮かび上がってくる。 企業ドキュメントとしての魅力もさることながら、人物ドラマとしても抜群に面白い。 フィクションをしのぐ驚愕の展開!
  • 日中食品汚染
    3.5
    食料の6割を輸入に頼る日本。その14%が中国産です。PM2.5の降り注ぐ大地で基準値オーバーの農薬にまみれて育った野菜、抗生物質を投与された豚肉、規制をすり抜けて流通する遺伝子組み換え食品――。問題は、これらがエキスやスープの素となり、「原産国不明」の加工食品として輸入されていることです。現地では、ガンや先天性異常との関係も指摘されています。厳格といわれる日本の規制も実は穴だらけ。もはや「中国産」という表示を避けるだけでは安心できません。中国の農業研究に40年携わってきた著者が、日本の食にも汚染が浸透している実態に迫ります。
  • ニッポンAV最尖端 欲望が生むクールジャパン
    3.3
    世界を驚かせるニッポンのAV! アメリカやヨーロッパのハードコアポルノには日本発のジャンルがあるほどだ。 1981年の誕生以来、ニッポン人はポルノ製作にも精魂をかたむけてきた。ひたすら、斬新さ、過激さ、正直さ、そして洗練をめざす製作者と出演者たちの好奇心や情熱は、決して他の国ではまねできない。AVとは、まさに日本の文化なのだ。 製作者たちへの徹底取材で、その知られざる歴史を明らかにする。
  • 日本のすごい食材
    -
    日本にはまだあまり知られていないけれど日本が誇るべきすごい食材がたくさんあります。ライフワークで日本列島を北から南まで訪ね歩くフリーランスライター河崎貴一氏の食のルポルタージュです。 最新技術を用いた養殖、伝統的な発酵食品、町おこしの貴重な伝統食材、新しく生産されるようになった食材……、その食材がどうして生まれたのか、どのように食べられてきているのかを消費者の目線から生産者や開発者にじっくり話を聞きました。この本を読めば、一度は食べてみたくなる食材が満載です。 本書には、栃木県イチゴ研究所、熊本の皮がむきやすい新栗、宮崎県の国産キャビア、愛媛県のスマ養殖、新潟県・富山県のノドグロ養殖、三陸の牡蠣、岡山県・岩手県のハチミツ、高知県のショウガ、長野県の寒天、愛媛宇和島のブラッドオレンジ、福岡県の国産メンマ、北海道のマンゴー、種子島の安納いも、鹿児島県・埼玉県の和の紅茶、兵庫県の朝倉山椒、石川県のふぐ卵巣の糠漬け・粕漬け、東京都新島村のくさや、和歌山県のさんまの熟れずし、信州のすんき漬け、北海道函館市のがごめ昆布、奈良県の伝統野菜……日本全国の名品が溢れています。 【目次】 第1章 最新技術がすごい! とちおとめを超える新しいイチゴ(栃木県) 栗の革命児「ぽろたん」(熊本県) ピュアな味がする国産キャビア(宮崎県) 全身トロのスマ(愛媛県) 謎の高級魚ノドグロの人工繁殖に成功(新潟県・富山県) 第2章 自然がすごい! 奥深いハチミツの甘み(岡山県・岩手県) 抗菌・抗酸化・誤嚥防止にショウガ(高知県) 寒天は80%が食物繊維のスーパーフード(長野県) 4つの太陽に恵まれた地で最高級のブラッドオレンジ(愛媛県) 天然うまみ成分たっぷりの純国産メンマ(福岡県) エコ栽培で真冬に実るマンゴー(北海道) 第3章 ブランドがすごい! からっぽになった海から甦ったカキ(宮城県) 群を抜く糖度を誇る安納いも(鹿児島県) 手摘みにこだわった和の紅茶(鹿児島県・埼玉県) 朝倉山椒は日本のキング・オブ・ハーブ(兵庫県) 第4章 伝統がすごい! 毒抜きの技でふぐ卵巣のぬか漬け、かす漬け(石川県) くさやの臭さの謎に迫る(東京都) くさうま臭を放つさんまの熟れずし(和歌山県) 世界に誇る乳酸菌発酵食品すんき漬け(長野県) 最大級のねばねば食材がごめ昆布(北海道) 自家採種で受け継ぐ大和の伝統野菜(奈良県)
  • ニッポンの大問題 池上流・情報分析のヒント44
    3.3
    池上彰さんは二つの顔を持つ男です。こどもニュースのお父さん的な「白池上」と、生放送で政治家を震え上がらせる「黒池上」。本書では、「知ってるつもり」でいる大人たちの化けの皮を剥ぐ、黒池上の側面が味わえます。アベノミクスの副作用、小泉進次郎のプレゼン力、「従軍慰安婦」問題、チャイナリスク――時事問題の盲点をやさしく解説し、考えるヒントを鋭く提示します。週刊文春の人気連載を厳選した一冊!
  • ニッポン貧困最前線 ケースワーカーと呼ばれる人々
    4.2
    格差社会と言われる前から、低く深いところで「見えない貧困」は渦巻いていた。生活保護の第一線に立つのは、地方自治体のケースワーカーだ。政府からは予算を削られ、マスコミには不正受給/不適切な対応と叩かれる狭間で、彼らは貧困層とじかに向き合ってきた。都内のK福祉事務所、札幌の母親餓死事件の真相、炭坑閉山から親子代々の受給も目立つ福岡・田川のケース。矛盾を抱えながら、必死に制度を機能させてきたケースワーカーの生々しい現場を紹介する。
  • 日本史のツボ
    4.0
    日本史は暗記科目じゃない! 天皇、土地、宗教、軍事、地域、女性、経済。七つのツボを押さえれば、日本史の流れが一気につかめる。 最もコンパクトな日本通史、登場。 大事なのは疑問を出す力、仮説を立てる力、そして常識の力。 人気歴史学者が面白くかつ明快に日本史を解説する。 「天下分け目の関ヶ原」は三度あった 律令制は「絵に描いた餅」 応仁の乱、本当の勝者は? 銭が滅ぼした鎌倉幕府 皇位継承 ヨコとタテの違い 川中島の戦い、真の勝者は武田信玄 貴族と武士の年収は一桁違う? などなど、目からウロコのトピックも満載
  • 日本人のここがカッコイイ!
    3.0
    やっぱり日本ってヘンな国? ホームレスも荷物を整理、「しょうがない」と「がんばる」が共存、優しさと曖昧さ。31カ国36人の外国人が見た不思議な国・日本。
  • 日本人はどこから来たのか?
    4.0
    日本人の祖先は、どのようにこの列島に渡ってきたのか。この課題に徹底的な科学調査によって迫り、アフリカから日本までの「グレートジャーニー」の道筋を浮かび上がらせる。 従来の「人類の祖先は海岸沿いに移動した」という説によれば、日本人の祖先は太古、海面が低かった陸続きの時代に歩いて日本列島にやってきた、と考えられていた。この定説に疑問を抱いた、著者を中心とする「国立科学博物館人類史研究グループ」は、ユーラシア大陸全体より出土した遺跡のデータを集め、その年代と、そこより出土した人骨のDNAを、地図上に再現した。 その重層的な調査の結果見えてきたのが、日本人の祖先はユーラシア大陸の北と南、さまざまなルートをたどって日本にやってきた、という事実。そして最終的に「対馬ルート」「沖縄ルート」「北海道ルート」の三つの入り口から日本列島に到達したことが明らかになる。そのとき、対馬はすでに海峡であり、沖縄は列島であった。すなわち、最初の日本人は、歩いてではなく「航海」によってこの日本列島にやってきたのだ。 3万8000年前、われわれの祖先は、偶然の漂流によってではなく、強い意志を持った航海者として、日本列島に移住してきたのだ。 単行本が発行されたのち、著者を中心とする研究グループによってクラウドファウンディングが立ち上げられた。当時の船を手作りし、黒潮に乗って沖縄の島から島へと航海する挑戦の様子は、NHKスペシャル「人類誕生」で取り上げられ大きな話題を呼んだ。2019年夏、いよいよ台湾から与那国島への、日本人誕生を再現する航海に挑む。
  • 日本赤軍とのわが「七年戦争」 ザ・ハイジャック
    3.8
    東大安田講堂、あさま山荘、ひめゆりの塔事件で過激派集団と対峙してきた著者が、今まで記してこなかった「よど号&ドバイ・ハイジャック」「シンガポール・シー・ジャック」事件等での対決の日々を描く。「外事警察」はいかにして「70年代の危機」を乗り越えていったのか。「ミスター危機管理」最後の闘い。
  • 日本代表を、生きる。 「6月の軌跡」の20年後を追って
    4.5
    1998年フランスW杯を戦った「日本代表」の物語は終わっていなかった。 W杯初出場の扉をこじ開けた者たちの、それから。 日本代表がW杯初出場を果たした歴史的な1998年フランス大会から20年。当時の日本代表、スタッフはどうしているのか? 様々な人生を歩みながら、彼らは今もあの経験と向き合い続けていた――。 著者が選手スタッフ39人に取材して、初出場した日本のフランス大会を克明に描いた『6月の軌跡』(文藝春秋、のち文春文庫)から20年。W杯ロシア大会を前に、あらためて当時のメンバーにインタビューをし、W杯の扉を開いて以降、それからの人生を追った。 驚いたことにカズをはじめまだ現役である選手が6人もいる他、指導者になった者もいれば、変わらずサッカー界で働くスタッフもいた。彼らの目に今に浮かぶ光景とは。 かつての代表チームを追って、全国に取材行脚をした力作ノンフィクション。登場するのは、岡田武史、中山雅史、井原正巳、名波浩、城彰二、三浦知良、北澤豪、中田英寿、小野伸二、川口能活、楢崎正剛、相馬直樹、呂比須ワグナー、岡野雅行、森島寛晃、山口泰弘、市川大祐、秋田豊、奈良橋晃、中西永輔、小島信幸、平野孝ほか
  • 日本の黒い霧(上)
    4.3
    戦争に敗れ、アメリカ軍の占領下、日本国内では奇怪な事件が連発した。国鉄総裁が轢死体で発見された「下山事件」、民間飛行機「もく星」号の墜落後の隠蔽工作、昭電・造船汚職の二大疑獄事件、現職警部が札幌路上で射殺された「白鳥事件」、衝撃では「ゾルゲ事件」に劣らない「ラストヴォロフ事件」……こうした事件の捜査は、占領軍と日本側の権力筋の強権によって妨害された。多くの資料と小説家ならではの考察で真相解明しようとした金字塔的ノンフィクション。
  • 日本の常識は通用しない 慰安婦合意反故「法より正義の国 韓国」【文春e-Books】
    -
    長年、日本と韓国の間の懸案だった「慰安婦問題」。2015年12月28日の日韓外相会談で「最終かつ不可逆的な解決を示した」合意が結ばれたはずだった。しかし、政権が交代すると文在寅大統領は合意について「新方針」を発表、日本側に追加措置を促してきた。なぜ韓国は国家間の合意をひっくり返し、ゴールポストを動かすのか。そこには韓国の民主主義に対する独特の考え方があった。日韓関係の内情に通じる著者が、やっかいな隣国と、どう付き合うべきかを鋭く分析!※「月刊文藝春秋3月号」に掲載された記事を再編集した電子書籍オリジナル
  • 日本の路地を旅する
    3.9
    大宅壮一ノンフィクション賞受賞。中上健次はそこを「路地」と呼んだ。「路地」とは被差別部落のことである。自らの出身地である大阪・更池を出発点に、日本の「路地」を訪ね歩くその旅は、いつしか、少女に対して恥ずべき犯罪を犯して沖縄に流れていった実兄との幼き日の切ない思い出を確認する旅に。
  • 日本プラモデル六〇年史
    4.0
    日本でプラモデルが誕生してから、今年(2018年)でちょうど60年。プラモデルも還暦を迎えたことになります。 ということは、ほとんどすべての日本男子は、プラモデルの影響下で育ったことになるのです。 50代なら、喫水線のところまでしかない「ウォーターライン」シリーズを夢中で作ったでしょうし、少し下の世代なら、ガンプラ(ガンダムのプラモデル)にはまった人も多いでしょう。さらに下なら、ガレキ(ガレージキット)という言葉もご存知かもしれません。 この素晴しきプラモデルの誕生から現在までを、産業史、文化史の側面から編年体で丁寧に解説したのが本書です。 登場するプラモデルはすべて代表的な写真を掲載。「あ~! これ作ったことがある!」という叫びがあちこちであがること請け合い。 プラモデル界のレジェンド、タミヤの田宮俊作会長の特別ロング・インタビューも付いています。 ちなみに、「ウォーターライン」シリーズはどこのメーカーの商品か知っていますか? 周囲に聞くと、「タミヤでしょ?」「いや、アオシマでしょ?」と答えがまちまち。じつは、このシリーズは静岡に本社を置く、プラモデルメーカー4社が合同で発売したシリーズ。もともと、連合艦隊をプラモデルで再現して、並べて楽しむという目的で作られたのですが、数百隻ある連合艦隊を1社で金型から作るのは企業体力からして無理。そこで4社がそれぞれ人気艦艇を分け合って、同じ縮尺で作って発売したのです。この協業の精神が、今日まで続く息の長いシリーズを生みました。 プラモデルのすべてが詰まったおもちゃ箱をお楽しみください。
  • 日本よ、完全自立を
    -
    トランプ「白人至上主義」の復活に警鐘を鳴らし、ヨットマンとしても愛した地球の環境悪化を憂慮する。「日本は中国に負けない」と断じ、国家の主体性のために、日本は新憲法を作り直せと提言する。 三島由紀夫氏との最後の対談で語り合った「男にとって最高の美徳とは何か」、朴正煕と酒を酌み交わした一夜など、作家の眼でとらえた忘れがたい一瞬も。いま最も求められている警世の直言集。 「この新書に収録した書き物は、今の世の中の在り様に苛立ち、切歯扼腕している私の心情の吐露に他ならない」 (目次) はじめに 第1章 トランプの誕生と白人支配の終焉 白人ファースト再来の危うさ/日本は「白人の失敗」に学べ/「完全自立への道標」憲法論議の空しさ/尖閣諸島という国難/日本製の戦略ミサイルを/真の年男/地球はどうなる/角さんと飲んだビール 第2章 中国との闘いは終わらない 世界に堂々と理非を問え/総理は尖閣に行ってほしい/金より先のものがあるはずなのに/残酷な世界の原理/国家的喪失/真の大同とは何か/国を変え、日本人を変える/日中友好「欺瞞」と「幻想」の四十年は終わった 第3章 今こそ憲法を作れ 白人による支配と略奪の歴史/この国の将来/二人の朴さん/白人の世界支配は終わった/日本製の飛行機を/醜い日本語の憲法/横綱の張り手/尖閣をどうするのか/日本よ、そして東京よ!/日報問題には古く深い根がある/気の毒な日本の自衛隊/憲法に問われる国家の主体性/慰安婦、靖国、朴正煕
  • 乳酸菌、宇宙へ行く
    3.5
    一大ブームとなった腸内フローラ。今や人間の健康に腸内環境を整えることが欠かせないのは常識となった。その数100兆個以上といわれる腸内細菌のバランスに大きな影響を及ぼすのが乳酸菌・ビフィズス菌を始めとするプロバイオティクス。腸内フローラを整える働きをもつ微生物を指す。医師も病院もない宇宙空間で長期滞在する宇宙飛行士が乳酸菌を摂取すれば、免疫機能や腸内環境にどのような影響があるか。そんな実験も始まろうとしている。乳酸菌は、果たして究極の予防医学となりうるのだろうか。 科学に基づいた遺伝子レベルでの最新情報とともに、健康を保つために最適な乳酸菌とのつきあい方を紹介する、腸内フローラ研究の決定版。 【目次】 ◆ようやく見え始めた腸内細菌の「姿」 ◆赤ちゃんの腸内細菌はどこからやってくる? ◆腸内細菌は人間の“味方”なのか“敵”なのか ◆有能な乳酸菌の性質とは? ◆見えてきた日本人の腸内フローラ「標準値」 ◆フードファイターはなぜ太らない!? ◆乳酸菌は生きて届かないといけないの? ◆乳酸菌飲料はいつ飲むのがいい?ほか
  • 認知症は病気ではない
    -
    アルツハイマー型認知症になっても心は失われない 政府推計によると、2025年には認知症者の数は約700万人となり、65歳以上の人の約20%が認知症だという。 いまの時代、認知症と宣告されることほど避けたいものはない。 それは「認知症になれば、何も分からなくなる」という思いこみがあるからだ。 長年、認知症当事者を多く取材してきた著者は、そうした古い認知症観を捨てなくてはならないと説く。 認知症の人も私たちと同じように、楽しければ笑い、傷つけられたら悲しむし、怒る。 そして多くの当事者が、記憶が失われていくことにおびえている。 そもそも、認知症の約6割、80歳以上に限れば8~9割を占める「アルツハイマー型認知症」は病気なのか? 東京大学名誉教授の松下正明氏は「正常加齢者とアルツハイマー型認知症者の脳に質的な差異はなく、加齢と連続した状態とみなしたほうがいい」という。 つまり、一部の人だけが発症する「病気」ではなく、脳の老化現象なのだ。 そうした認識が広がれば、認知症になってもつらい思いをしなくなるだろう。 大事なのは、家族や地域が力を合わせて支え、認知症になっても生きていける社会を作ること。 認知症の人を介護する家族を悩まるのは、暴言・暴行や徘徊、妄想といった「周辺症状」だ。 本書では、専門家の助言を得て、家族が接し方、考え方を変えたことで、周辺症状が改善した例や、認知症対策の先進地域において、地域で認知症の人たちを支えている事例も紹介。 認知症に対する考え方を大きく変える一冊だ。 ※電子書籍版には付録として、本文内で引用した当事者の方々の手記を、画像としても収録しています。
  • 猫を棄てる 父親について語るとき
    3.8
    各紙誌で絶賛! 村上作品の原風景がここにある 村上春樹が自らのルーツを綴ったノンフィクション。中国で戦争を経験した父親の記憶を引き継いだ作家が父子の歴史と向き合う。 父の記憶、父の体験、そこから受け継いでいくもの。村上文学のルーツ。 ある夏の午後、僕は父と一緒に自転車に乗り、猫を海岸に棄てに行った。家の玄関で先回りした猫に迎えられたときは、二人で呆然とした……。 寺の次男に生まれた父は文学を愛し、家には本が溢れていた。 中国で戦争体験がある父は、毎朝小さな菩薩に向かってお経を唱えていた。 子供のころ、一緒に映画を観に行ったり、甲子園に阪神タイガースの試合を見に行ったりした。 いつからか、父との関係はすっかり疎遠になってしまった――。 村上春樹が、語られることのなかった父の経験を引き継ぎ、たどり、 自らのルーツを初めて綴った、話題の書。 イラストレーションは、台湾出身で『緑の歌―収集群風―』が話題の高妍(ガオ イェン)氏。 ※この電子書籍は2020年4月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。
  • 捏造の科学者 STAP細胞事件
    4.0
    iPS細胞を超える夢の万能細胞として、華々しく発表されたSTAP細胞。そのニュースに日本中が熱狂したのも束の間、論文には次々と疑義が浮上する。一流科学者が揃いながら、なぜ捏造が起きたのか。そしてSTAP細胞の正体とは。独自取材を重ねた記者が掴んだ全貌。大宅賞受賞作に新章を追加した完全版。解説・緑慎也
  • ねないこはわたし
    4.4
    誰もが子どもの頃に一度は読んだことがある名作『ねないこだれだ』の作者せなけいこさん。そんな名絵本作家が、フルカラーの貼り絵原画満載の大人の絵本で創作の源泉を綴った。「ためになると思って、描いたわけじゃない。しつけの本でもない。おばけになって飛んでいきたかったのは、わたしなの」。あのおばけはいかに生まれたか。子育てをした、子育てをするすべての人に贈る、せなけいこさん最初で最後の自叙伝的絵本。
  • 遺すことば 作家たちのがん闘病記
    -
    遺すことば 作家たちのがん闘病記 ●第一章 がんと告げられたとき ▼胆のうがん 九十二歳の大病で死生観が変わった 瀬戸内寂聴 ▼結腸がん ずっといる 井上荒野 ●第二章 病を受け入れて ▼乳がん 子宮体がん 対談 ガンを受け入れて 杉本章子×村田喜代子 松葉杖と命の選択 村田喜代子 ▼乳がん 私の乳癌リポート 宇江佐真理 ●第三章 最期のことば ▼肺がん がん残日録──告知から死まで五百日の闘い 筑紫哲也 ▼卵巣がん 癌治療本を我が身を以て検証 米原万里 ▼食道がん がん発症始末 藤原伊織 がん再発始末 一年後の手術 藤原伊織 ▼胃がん ガン日常 北重人 登場人物さながらの生き方 池上冬樹 ●第四章 伴侶たちの闘い ▼肺がん 井上ひさし「絶筆ノートと遺したことば」 井上ユリ ▼乳がん 亡き妻・河野裕子と詠んだ相聞歌千百首 永田和宏 ▼肺がん 山本兼一「思い出の断片」 山本英子 ●第五章 それぞれのがん体験 ▼肝臓がん 対談 がん告知にオロオロ、死を身近にドギマギ 東海林さだお×阿川佐和子 ▼腎臓がん 「昭和史の証言」を伝えずに死ねない 保阪正康 ▼乳がん 私のがん体験記 柴門ふみ ▼悪性リンパ腫 ガンと闘って一戦一勝 徳岡孝夫 ※ムックに掲載されている青山文平「それどころじゃない」は電子版には収録されていません。
  • 白鵬伝
    5.0
    今一番白鵬を知る著者の自信作! 白鵬が語る、土俵の真実。 「私は幸せだろうか」の真意とは。 一人の男が、9年(いずれも年間最多勝)もの長きに渡って、国技の頂点に君臨し続けたという事実――。 日馬富士の暴行事件に端を発し、以降マスコミのターゲットとなってしまった横綱・白鵬。2017年九州場所であげた優勝40回の偉業を誰が評してくれたか。本書を読めば、これまで白鵬が何を考え、何と向き合い、何を求めてきたのかがありありと分かる。それを知れば、必要以上に彼を責めるようなことは出来なくなるだろう。彼の言動や行動にある背景も理解できるはずだ。 8年をかけて100時間余りのインタビューを重ねてきた、元日経新聞社会部の記者、朝田武藏氏。その取材から、白鵬の人生を彩る3つの歴史的舞台を本書にまとめた。 I  不滅と言われた優勝記録32回を、白鵬が超えるに至る『大鵬越え伝説』。 II 相撲の神様、双葉山の69連勝に、白鵬が挑み、あと一歩という場面で、稀勢の里に敗北した『未完の伝説』。 III 30歳を過ぎた白鵬が、受難の2年間を乗り越え、通算勝利記録を更新した『1048勝伝説』。 【目次】 I 大鵬越え「心技体。8割は心である」2014年夏場所―2015年春場所 第1章 大局観その壱「自分に打ち勝つという事」 第2章 2015年春、最強の証明。「今が一番強い」 第3章 大局観その壱「こころを真ん中に置くという事」 第4章 大局観その壱「最前を図り、最悪に備えるという事」 第5章 大局観その壱「一番の敵は自分であるという事」 II 慟哭、稀勢の里戦「これが負けか」2010年初場所―2010年九州場所 第1章 大局観その壱「最強の夢、未完の夢、終わらぬ夢」 第2章 大局観その壱「柔らかさは力に勝り、柔らかさは速さに勝つ」 第3章 11・15、敗北。「平成の連勝記録が止まった日」 第4章 大局観その壱「忘れる努力、開き直る努力、運に勝つ努力」 III 「甦る野性」苦悩の果てに…… 第1章 大局観その壱「自分を追い込むという事」2015年夏場所―2017年夏場所 第2章 1048、復活。「灼熱の15日間」2017年名古屋場所
  • 箱根駅伝を伝える テレビ初の挑戦
    4.8
    “箱根”に魅せられたテレビマンたちが、前代未聞の生中継に挑む いまやお正月の風物詩となった、箱根駅伝。1987年、初めてテレビ中継に挑んだテレビマンたちの奮闘を描く傑作ノンフィクション。 正月の風物詩として人気を誇るテレビ番組「箱根駅伝」。しかし、1987年の初回生中継は挑戦の連続だった。全長200km超え、800m以上の高低差のある過酷なコース。電波の届かない箱根の山々と、降りかかる無理難題にどう立ち向かったのか。今なお語り継がれる初回放送の舞台裏。テレビスタッフの物語をドラマチックに描く。 単行本……『「箱根駅伝」不可能に挑んだ男たち』2007年12月ヴィレッジブックス刊 文庫版……単行本を改題し、加筆・修正 2024年5月文春文庫刊 この電子書籍は文春文庫版を底本としておりますが、文庫版収載の写真4点は収録されておりません。ご了承のほど、お願いいたします。
  • はなちゃんのみそ汁
    4.2
    小学3年生のはなちゃんは毎朝みそ汁をつくる。5歳の誕生日からの日課だ。「食べることは生きること。1人でも生きられる力を身につけて」。33歳で亡くなった母・千恵さんと約束したから──。20代で乳がん、結婚・出産をへて肺がんに転移という過酷な運命のなか、千恵さんがあかるい博多弁で綴った人気ブログと、夫の手記で綴る感動作。
  • 羽生結弦 王者のメソッド
    4.5
    2014年ソチ冬季五輪で、日本の男子フィギュア史上初の金メダルに輝いた羽生結弦。 史上最年少の12歳で全日本ジュニアの表彰台に上がり、14歳で初出場した世界ジュニア選手権では、すでに「僕が日本で2人目の金メダリストになる」と宣言していた。 15歳で世界ジュニア優勝、17歳で世界選手権銅メダル、19歳で五輪と世界選手権、GPファイナルの3冠達成。20歳で史上初の300点超えを果たした。 「悔しすぎて、嬉しくなってきました」「僕はレジェンドになりたい。羽生結弦の名前を歴史に刻みたい」「これからは自分のなかで戦いを創り上げていかないといけない」「絶対王者になってやる」 その柔和で端正な容姿からは想像できない強い意志を持った「羽生脳」と、そこから導き出される「絶対王者のメソッド」が浮かび上がる。 本文カラー写真を再構成し、2016年以降、平昌五輪に向けて更なる進化を遂げていく過程を、「文庫版あとがき 王者のメソッド、最後は挑戦心に戻る」として追加した文庫版を電子化。
  • 母・小川真由美との40年戦争 ポイズン・ママ
    3.0
    「小川真由美は素晴しい女優でしたが、“母親”としては失格でした。娘の私にしたこと、私の体験をすべてお話しします──」。 昭和を代表する大女優・小川真由美と、2011年に急逝した名優・細川俊之の一人娘として生を受けた著者だが、幼少時に両親が離婚してから、人生の歯車が狂い始めた。ドラマ『浮世絵 女ねずみ小僧』『アイフル大作戦』で人気を博し、映画『復讐するは我にあり』で日本アカデミー賞を受賞するなど大スターとして活躍した母・真由美は、私生活では奔放な男性遍歴を続け、育児には興味を示さず、娘に対して虐待やネグレクトを繰り返す。一週間も食事をさせず、放置されていたことさえあった。 著者は高校を中退し、母の仕事の手伝いをするようになる。しかし、真由美の奇行は止まらない。常軌を逸した浪費癖、さらには占いや風水、怪しげな宗教に凝り出し、付き人は次々と辞めいく。真由美の歪んだ愛情に翻弄される著者は、うつ病を患い、逃げるように母から遠ざかる。そして、真由美は「出家」し、芸能界から消えてしまう──。 「この本がきっかけになって、出来れば平穏無事なごく普通の親子関係を取り戻したい」  あまりに特異な環境で過ごした娘と母の40年の愛憎を、赤裸々な筆致で描いたドキュメント。
  • 羽生三冠ロングインタビュー「藤井聡太四段の弱点が見えない」【文春e-Books】
    3.0
    「すごい人が現れたな、と思います」。 詰め襟の学生服を着た14歳の少年を目の前に、棋界に君臨する羽生善治三冠はそう言った。将棋界に現れた、天才・藤井聡太四段。史上最年少でプロ棋士になると、デビューから29連勝という新記録を達成、一躍、時の人となった。その若き天才を、元祖天才・羽生三冠はどう見ているのか。非公式戦での対局などもふまえ、羽生三冠が、藤井四段について語った。 「月刊文藝春秋」2017年8月号掲載の記事を加筆、再編集してオリジナル電子書籍化!
  • 羽生善治 闘う頭脳
    4.1
    1996年2月、史上初の七タイトル独占を達成。通算タイトル獲得90期(史上1位)。 1991年以降24年にわたり、少なくとも一冠以上を保持。通算対局数500超、通算勝率7割超の双方を満たす唯一の棋士 ――将棋棋士、羽生善治さんが打ち立ててきた記録の一端です。いまなお勝ち続けている彼の発する言葉には、将棋の枠には収まりきらない深い含蓄に満ちています。 【主な内容】 1. 巻頭ロングインタビュー「勝つための6つのプロセス」 2. 羽生善治の思考力 〈覚える〉と〈発想する〉のスイッチを切り替える 【対談】「頭の使い方」にはコツがある ×池谷裕二(脳研究者) 【講演録】「長考に好手なし」決断力を磨くために 3. 羽生善治の「勝負力」――七冠プレイバック1995-1996 4. 羽生善治の「発想力」 眠っていた力が目覚めるとき ×小川洋子 サムライ魂と勝負の心 ×為末大 人間の理を越えて ×朝吹真理子 5. 羽生善治の「人間力」 「垂直」な人間関係、「水平」な人間関係 ×山折哲雄 「将棋はゲーム」と言い切る革命児  大崎善生 6. 羽生善治の「持続力」 調子の上がらぬ朝にこそ、すべきことがある 高川武将 若い世代に勝ち続ける思考法 聞き手・後藤正治 特別対談「考える力」と「捉える力」  ×沢木耕太郎 特別対談 「七冠制覇は自分の力で成し遂げた気がしませんでした」 × 阿川佐和子 ※2015年3月配信のムック電子版に巻末の阿川佐和子氏の対談を加えた、文庫の電子版です。※
  • 伴侶の死
    -
    あなたは自分にとって大切な人――たとえば夫や妻のことを、本当に知っていると言えますか? 著者は、38年間連れ添った夫を、癌告知からわずか12日で失います。突然の別れに混乱する中、著者の中で芽生えたのは、「夫はどんな人だったのか?」という、自責を含んだ問いでした。そうして、夫の真の姿を知るために旧知の人たちを訪ね歩き、「夫探し」の旅を始めた著者が見出した答えとは……。夫婦の在り方を問い、ベストセラーとなった名著、四半世紀の時を超えて待望の復刊です
  • バカになれ! カリスマ・エンジニア「ゼロからの発想術」
    4.0
    常識外れのグローバル仕事術! カルロス・ゴーンCEO直轄プロジェクトで、日産GT-Rを 「ヒト・カネ・時間は通常の半分」という非常識な方式で世界一に導いたカリスマ・エンジニア、水野和敏さん。 その発想法は、新しいアイデア、チーム運営、ブランド構築など、イノベーションの起こし方のヒントにあふれています。 ・宣伝費はゼロ。アラブの王族にクチコミさせる。 ・「漏れ聞こえる」オフィスにせよ。 ・リーダーは30分遅く出社しろ。早く帰れ。 ・失敗させてチームをつくる。 ・英語はできないほうが効く! ・ノートはとるな。 ・恋愛しろ。思考のプロテクトを外せ! そして最終章で明らかにされる、 日産を退社後の「アジア圏での新たな挑戦」とは――。 「誰もやってないことだから、やるんだよ!」の“水野節”で元気がでる一冊です!
  • バブル兄弟 ‶五輪を喰った兄〟高橋治之と〝長銀を潰した弟〟高橋治則
    4.1
    狂乱のバブルが生んだ最後のアンチヒーロー もう二度と日本にこんな兄弟が現れることはないだろう。 狂乱のバブルに踊り、栄光と挫折の物語を生きた2人は、時代が求めた最後のアンチヒーローだった! 質素なスポーツの祭典だったオリンピックを巨額の利益を生み出すイベントに変えた電通にあって、長年、スポーツ局に君臨した高橋治之が、2022年、ついに東京オリンピックでの収賄容疑で東京地検に逮捕された。東京拘置所へと引っ立てられる治之の姿を見て、30年近く前、同じような光景を見た気がした人も多いだろう。 1995年、東京協和信用組合破綻に関する背任容疑で東京地検特捜部に逮捕された、イ・アイ・イーインターナショナル社長の高橋治則。治之と治則は年子の兄弟なのだ。 天皇家にもつながるという名門で、花嫁修業中のお手伝いさんがいるような裕福な家庭に生まれ、慶応幼稚舎から慶応大学に進み、電通、日本航空という当時の超一流企業にコネで就職。誰もがうらやむエリートコースを進んだ2人が、なぜ、そろいもそろって塀の向こう側に落ちてしまったのか。 稀有な兄弟の人生を、抜群の取材力でたどった本書は、戦争ですべてを失った日本が、奇跡の復興によって立ち直ったものの、やがて傲慢になり、バブルの狂乱を生み出して破綻していった「昭和」という時代を見事に描き出した。 大きな話題を呼んだ「週刊文春」長期連載がついに単行本化された。 現在、裁判中の治之のインタビューに成功し、直接、疑問をぶつけ、肉声による反論を載せているのは、まさに王道ノンフィクションの醍醐味である。

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