国内ミステリー作品一覧

  • 百鬼一歌 月下の死美女
    3.3
    歌人の家に生まれ、和歌のことにしか興味が持てない貴公子・希家は、武士が台頭してきた動乱の世でもお構いなし。詩作のためなら、と物騒な平安京でも怯まず吟行していた夜、花に囲まれた月下の死美女を発見する。そして連続する不可解な事件――。御所での変死、京の都を揺るがす「ぬえ」の呪。怪異譚を探し集める宮仕えの少女・陽羽と出会った希家は、凸凹コンビで幽玄な謎を解く。
  • 奈落の偶像 警視庁殺人分析班
    3.3
    銀座のショーウィンドーに吊るされた奇妙な遺体。謎の遺留品に悩む警察をよそに、第二の被害者が拉致される。殺人分析班の見立ては。
  • 時喰監獄
    3.3
    第六十二番監獄。明治の初めに北海道の奥地に建てられたその監獄は、収監されれば二度と出られないという噂から、〈黒氷室〉の異名で恐れられていた。〈黒氷室〉行きとなった青年・北浦は、奇妙な囚人たちに出会う。三度目の脱獄を目論む不死身の男・赤柿、帝都の私立探偵だという浮世離れした美青年・御鷹、そして閉ざされたはずの監獄に、ある日突然現れた記憶喪失の男。こいつは誰で、どこからやってきたのか? 謎を探るうち、北浦は監獄の〈本当の目的〉を知る!
  • 緋(あか)い川
    3.3
    1巻1,540円 (税込)
    明治時代の山間集落で起きた猟奇的殺人事件。鉱山で働く囚人たちの不穏な動き。若き医師が辿り着いた哀しい真実。生きるとは、幸せとは、医学とは――。時代が引き起こした謎と、人間の業を描く長編ミステリ!
  • 楽譜と旅する男
    3.3
    依頼があれば、どんな譜面でも、必ず見つけ出す――楽譜探索人。彼は欧州から中国、果ては日本まで……古今東西に散った音楽に秘められる人々の過去まで解き明かす。忘れ去られた旋律が響かせるのは、いつかの罪の記憶か、はたまた美しき愛の残像か。第14回酒飲み書店員大賞受賞『奇譚を売る店』の魂を受け継ぐ、摩訶不思議の連作幻想短編集。
  • 綾峰音楽堂殺人事件
    3.3
    音楽評論家として著名な英文学教授・討木穣太郎は、綾峰県立音楽堂を活動拠点とする綾峰フィルの顧問としてたびたび綾峰県を訪れていたが、ある日この音楽堂の取り壊しと綾峰フィルの解散を告げられる。釈然としない思いのまま迎えた音楽堂の最終公演の日、音楽堂で殺人事件が起きた。殺されたのは、音楽堂の取り壊しを引導した男だった―。
  • スズメの事ム所 駆け出し探偵と下町の怪人たち
    3.3
    夜行の鉄仮面、瞬間移動する引ったくり、謎のチンドン屋―― なりゆきで探偵になったスズムが下町で起きた6つの怪事件に挑む! 不動産販売の営業マンだった黒葛原涼(つづらはら・すずむ)は、会社の倒産後、ひょんなことから東京の下町・町良(まちら)で、探偵事務所を開業する。 ハーバード大卒の美女ネジ子さんを相棒に、下町で起こる6つの怪事件の謎を解く。 第1話「都電の町と鉄仮面」 東京の下町・町良に移り住んだスズムはピカピカ光る鉄仮面が夜な夜な徘徊すると聞き……。 第2話「ネジ子さんが来た」 神出鬼没の連続引ったくり犯“カマイタチ”を捕まえてほしいという依頼を受ける。 第3話「セカイは知らんぷり」 公園で虐待されたノラ猫を助けたスズムが調べを進めると、意外にも犯人は……。 第4話「守り神は失踪中」 “信号揚げ”が名物、タツ子が営むてんぷら屋から大事な守り神が消えた。 第5話「スキマ男のレモン」 町のあちこちで空き缶と一緒に置かれたレモンが見つかった。それは怪しい暗号なのか? 第6話「まぼろし楽隊(ジンタ)」 正式につづはら探偵事務所を立ち上げたスズムは、いきなり謎の“怪人”から挑戦を受ける。
  • 国語、数学、理科、漂流
    3.3
    楽しい勉強合宿のはずが、謎の言葉を残して先生が姿を消し、生徒二人も行方不明に! 『国語、数学、理科、誘拐』に続く大好評の塾ミステリー第二弾! 中学三年生の夏期強化合宿のため、三泊四日の予定で離島にやってきたJSS進学塾の先生方と中学生たち。 ナイトハイクなどを楽しみながらも勉強漬けの毎日になるかと思いきや、生徒二人と先生一人が突如姿を消した。 英語を直訳したような文章で話す国語・英語担当の月谷優子先生と、しっかり者の近衛美郷、やんちゃな今野毅彦が行方不明に。 三人は一体どこに消えてしまったのか? 加賀見塾長の思わぬ過去も明らかになりながら、いなくなった生徒たちが戻ってくるその裏には、やはり勉強の面白さと人の優しさがありました。 各講師が作ったオリジナル問題「科目クエスチョン」を、生徒たちと共に考えて、頭の体操にもなります(巻末に詳細な解き方つき)。 ますます勉強がしたくなる、好きになる。 「勉強をすると人に優しくできる」塾ミステリー第2弾。 ※この電子書籍は2017年3月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。
  • 聖なる死の塔
    3.3
    神戸の名門校・マリア女子学園で、高さ25メ-トルの塔から一人の若い修道女が転落し、不審な死をとげた。高梨洋子は、親友の不可解な死の謎を探るため、学園に駆けつけた。そして、いっけん平和そうな女の園の奥深くに、邪悪な意志と策謀を知る。学園のペットの無惨な死、女学生たちの不可解な行動、さらに続く修道女の不気味な死……。サントリーミステリー大賞読者賞の気鋭女流による、傑作推理長編。修道女を殺そうとする者がいるのか? 名門女子学園に起きた、奇怪な連続殺人事件。闇に葬られた過去の謎は? 愛と憎しみがよみがえる。
  • 裁く眼
    3.3
    法廷画家が描いたその絵は危険すぎる――。 美人被告人は残忍な殺人鬼か、それとも聖女なのか? 漫画家になりそこね、路上で似顔絵を描いて生計をたてていた袴田鉄雄。 ある日、テレビ局からの急な依頼を受け、連続殺人事件裁判の「法廷画」を描くことに。 注文通り仕上げた絵が無事に放送に使われた直後、何者かに襲われて怪我を負う。 鉄雄の絵には一体なにが描かれていたのだろうか? 容疑者の美人被告人は残忍な殺人鬼なのか、それとも聖女なのか? 頭の回転の速い姪っ子、警察官、テレビ局、それぞれの思惑と発言が絡み合い、裁判の展開は意外な方向へ。 予測不能、驚愕の法廷サスペンス。 解説・北尾トロ ※この電子書籍は2016年8月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。
  • 110番のホームズ 119番のワトソン 夕暮市火災事件簿
    3.3
    第一回「バディ小説大賞」受賞作! 刑事と消防士の最熱イケメンバディ降臨。 夕暮市消防署の消防士の棉苗上亮は、刑事の穂村彗星と火災現場で出会う。 どんな難事件も解決する彗星は「火事場の奇人(シャーロック)」と呼ばれていた――。 彗星の信条は「焦げ付いた空間から、真実というダイヤモンドを拾い上げること」。 二人の出会いと、反発しあいながらも、互いに成長していく姿を描く。 文春文庫とエブリスタがタッグを組んだ、バディ小説大賞の第1回受賞作。 *第1回バディ小説大賞受賞作「BURN OUT ROOM」が「ROOM1 ジャワ・ハイツ203号室」と改題され、新たに「ROOM2 スィート・ウィリアム・ガーデン 熱帯館」と「ROOM3 HBカレー工場」が加筆されています。
  • 蟻の木の下で
    3.3
    井之頭公園内にある羆(ひぐま)の檻の前で、羆の爪痕を遺す男の死体が発見された。死体の傍には、新興宗教・正聖会のバッジが落ちていた。死者の戦友だった町工場の社長・池見は、週刊誌記者・鹿子の協力を得て、事件の核心に迫る。が、事件は第二、第三の殺人事件へと発展、謎は深まる。本格謎解きに、戦争犯罪を絡ませた異色ミステリー。江戸川乱歩賞受賞作。
  • 予告状ブラック・オア・ホワイト
    3.3
    真面目さが取り柄の会社員・渡会透子は、ひょんなことから名探偵・九条清春の秘書になる。かつて九条は全国を股にかけ、多くの難事件を解決した素人探偵だったが、今は地元・川崎市内というご近所でのささやかな謎にしか興味を持たない、自称“ご当地探偵”になっていた。そんなモットーを掲げ、極めてマイペースで普段はぐうたらに過ごす九条の尻を叩きつつ、透子は奇妙な謎と向き合う。ご当地アイドルに届いた予告状、川崎市出身のオリンピック選手の行方不明事件など全5編。ものぐさ探偵と生真面目秘書が依頼人の悩みを晴らす、連作ミステリ。
  • うつせみ屋奇譚 妖しのお宿と消えた浮世絵
    3.3
    調布は深大寺の近く――武蔵野の自然が残るその地には、子どもにしか視えない宿屋がある。幽霊や妖怪など<人でないモノ>が泊まる宿屋、「うつせみ屋」。人間は、〈特別な用〉がなければ、入ることができない。怖がりな小学六年生の鈴は、ある夜、浮世絵師だった亡き祖父の霊に「浮世絵から出ていった絵を――〈あの子〉を探してほしい」と頼まれ、祖父のヒントを頼りに、うつせみ屋にたどり着く。鈴がそこで出会ったのは、どこか寂しげな面持ちの青年店主・晴彦と、気まぐれに自分を助けてくれる白い狐だった。晴彦から、祖父が浮世絵師を志すきっかけとなった浮世絵コレクションを見せられた鈴は、うつせみ屋に通うことを決意し、時に晴彦からヒントを与えられながら、絵の正体へと近づいていく。人でないモノの宿は、怖い。しかし、妖の宴に巻きこまれ、妖と言葉を交わすうちに、鈴は怖がりながらも、うつせみ屋に惹かれるようになる。やっとできた学校の友達の京子にせがまれてうつせみ屋を訪れた鈴だったが、そこで京子が行方不明となり…。果たして京子を救出できるのか。あの白い狐は何者だったのか。ハラハラドキドキでラストまで一気読みの本作。
  • 青い風景画
    3.3
    美しい津永和佳子に身辺警護の依頼を受けた私立探偵・三影潤は、伊豆の海辺にある彼女の別荘を訪れた。そこには盲目の従姉と病身の祖父が同居していたが、三影は一瞬の油断をつかれて、依頼主・和佳子が殺害されてしまう……富豪の別荘で展開される大胆なトリック殺人を描く表題作のほか、4編の傑作を収録。優しいミステリーの魅力! 本格推理短編集。
  • 赤と白の賭け
    3.3
    ある日、見知らぬ老人から受けた招待、それは思いがけなくも復讐劇の始まりだった……。出世のため、ひたむきに愛してくれた娘を捨て、死に追いやった男への――。死を招く二者択一の恐怖を描く、サスペンスドラマ「赤と白の賭け」。ほかに「ひなの首」「悪漢追跡せよ」など、素人探偵活躍の6編を加えた、本格推理短編集。平々凡々の日常のなかに、ふと忍び寄ってくる7つの事件!
  • 雪山の檻―ノアの方舟調査隊の殺人―(新潮文庫)
    3.3
    これは、怒れる神の鉄槌(てっつい)なのか。伝説の地、アララト山で、ノアの方舟調査隊隊員が次々と壮絶な最期を遂げる。背筋も凍る事態に直面したのは、あらゆる知識をその頭蓋に収めた天才学者、一石(いちいし)豊。一石はカメラマン・森園アリスと共にこの連続死の謎に挑み、同時に方舟の真実を解き明かしてゆく。気鋭の推理小説作家が構築した、美しくも壮大なミステリ大伽藍(だいがらん)。『アールダーの方舟』改題。(解説・村上貴史)
  • 死仮面
    3.3
    亡くなった夫はいったい何者だったのか? 奇妙な小説の世界と現実の事件が共鳴する、折原ワールド全開の長篇ミステリー! かつてDVによる離婚を経験した秋月雅代。 週末だけ同棲していた内縁の夫・十津根麻里夫が突然病死した。 葬式を出すために夫の身元を調べるが免許証も保険証もなく、勤務先をあたるが、そんな人物は存在しないと否定されてしまう。 数少ない遺品の中に大学ノートがあり、そこに記されていたのは『マリオネット』という奇妙な小説だった。 そこには、埼玉県北部のある町で連続少年失踪事件が起こり、死体を発見した中学三年の「僕」が犯人を追って謎の館を訪ねる冒険を描かれていた。 この小説に手掛かりがあると直感した彼女は、夫が何者なのかを探る旅を始める。 だが、彼女自身もストーカー化した前夫につきまとわれ、命の危険にさらされるのだった。 彼女と「僕」の並行する二つの物語が重なった時、事件は意外な展開を見せる! 解説・末國善己
  • キリングクラブ
    3.3
    真相が二転三転する様は、まさに圧巻! 驚異のミステリー長編! 人口の1%は存在すると言われるサイコパス。そのサイコパスの中でもトップの1%が在籍する秘密の社交クラブがあった。そのクラブ「キリングクラブ」に集まるサイコパスは、一言で言うと社会的成功者。医者、ジャーナリスト、弁護士、起業家。きらびやかな社会的実績とは裏腹に、刺激と自己利益のためなら人を人とも思わぬ内面の持ち主だった。 ある日、キリングクラブでウェイターのアルバイトをすることになった藍子。はじめは時給の高さに目が眩んでの腰掛けバイトだったが、そこに集まる人達が社会的に成功したサイコパスであることを知り、俄然興味を抱く。そして、事件は起きる。「キリングクラブ」の客であるジャーナリストの青柳が何者かに惨殺された。しかも、その死体は開頭され、扁桃体が抜き出されていたという。サイコパスは扁桃体に特徴があると言われており、犯人は「キリングクラブ」を狙った可能性も考えられる。「キリングクラブ」を守る番人・辻町と共に事件を調べ始めた藍子だが……。
  • 赤い雪
    3.3
    30年前の誘拐事件を追う木立省吾は、容疑者の娘・江藤早百合を見つけたことから、被害者の兄・白川一希に接触を図る。一希の曖昧な記憶と葛藤の奥に潜む、衝撃の結末とは――静かに迫りくるヒューマンサスペンス!
  • キッドナッパーズ
    3.3
    オール讀物推理小説新人賞を受賞した幻のデビュー作「キッドナッパーズ」と書籍未収録作品で編んだオリジナル短篇集! 「大声をだすな」 宅配便を装って侵入してきた男は、健次郎の腹にナイフを突きつけてきた。 平凡な日常に突如押し入ってきた犯罪者は声が甲高く、背が低く、野球帽をかぶった……小学生と見まがわんばかりの中学生!? 少年は「これは誘拐だ」と断じた。だが被害者は健次郎ではなく犯人であるはずの少年自身だという。 摩訶不思議な誘拐事件は二転三転し、ラストで意外な結末が待っていた! オール讀物推理小説新人賞受賞の表題作ほかを6篇収録。 解説・宇田川拓也 【オール讀物推理小説新人賞「選評」から】 「これこそ逆転に次ぐ逆転の連続で、着地がどうなるのかまったく予想できなかった。」(高橋克彦委員) 「何とか読者を面白がらせ、驚かせようとする創意工夫が、今回の作品に結実した」(宮部みゆき委員) 【収録作品】 キッドナッパーズ 目刺し 架空の風景 十字架ジュース ごとんがたん べつばら おなじ本でも
  • [会社を休みましょう]殺人事件
    3.3
    森川晶は、営業部の若きエリート社員。仕事を他人に任せず、何でも一人で抱え込み、残業と休日出勤をしながら、いつもパニック状態。ある日、彼を高く評価している猛烈部長が会社で殺される。死に至る断末魔の表情がコピーされ、社内にばらまかれていた。この全社騒然の異常犯罪で、森川が疑われるが……。会社人間たちの心理をリアルに描きながら、最後に号泣のどんでん返し! 感動のミステリー。
  • 黄金餅殺人事件 昭和稲荷町らくご探偵
    3.3
    時は昭和五十年代、八代目林家正蔵(のちの彦六)の住む長屋には、密かに難事件の相談が持ち込まれていた……。「やかん」「中村仲蔵」「伽羅の下駄」など、正蔵十八番の名作落語の数々が現実の事件と複雑に絡み合う。落語界の大看板にして名探偵・正蔵が謎に挑む、痛快無比の異色落語ミステリー第二弾! 〈目次〉より エピローグ 第一話 黄金餅「殺人」事件 幕間 第二話 広い世間に プロローグ 特別鼎談 父・林家正蔵の流儀(藤澤多加子・林家正雀・愛川晶)
  • 雨の鎮魂歌
    3.3
    北の小さな田舎町。中学校の生徒会長・一村が遺体で見つかった。警察の捜査が難航する中、同級生の徹也は友人の古館の様子がおかしいことに気づく。やがて異常な事件が続発。徹也と仲間たちは隠された真実を探す。喪失と絶望、疑心と対立、目眩と希望――。激しい雨に降られた十五歳の夏。少年少女はただ一度の季節を走り抜ける。 重松清氏、松浦理英子氏、栗澤順一氏(さわや書店)の各氏大絶賛! 累計18万部突破の「クラン」シリーズ著者が放つ傑作青春ミステリー。
  • つれづれ、北野坂探偵舎 物語に祝福された怪物
    3.3
    天才作家・雨坂続が再び眠りについて2年。佐々波は徒然珈琲を手放し、フリー編集者として活動していた。そんな中、雨坂の最高傑作『トロンプルイユの指先』の映画化の話が持ち上がるが……。
  • 僕はいつも巻きこまれる
    値引きあり
    3.3
    買い物中の「僕」がいるコンビニで暴走車両の追突事故が発生。けれど巻きこまれて死亡した買い物客は、ナイフを持った強盗だった!?
  • 崖の上で踊る
    3.3
    1巻1,699円 (税込)
    計画は完璧なはずだった。仲間が仲間を殺すまでは――。那須高原にある保養所に集まった、絵麻をはじめとする10人の男女。彼らの目的は、自分たちを不幸に陥れた企業「フウジンブレード」の幹部3人を、復讐のために殺害することだった。計画通り一人目を殺した絵麻たち。次なる殺人に向けて、しばしの休息をとった彼らが目にしたのは、仲間の一人の変わり果てた姿だった――。裏切り者は誰なのか? そしてその目的は? 史上最悪の復讐劇が今始まる! クローズドサークルの名手が挑む、予測不能の本格ミステリー!
  • 砂の街路図
    3.3
    父が隠していた、嘘より哀しい死の真相とは。  なぜ父は幼い自分を捨てて失踪し、死んでしまったのか――。母の四十九日を終えた岩崎俊也は、父の死の真相を求めて、両親が青春時代を過ごした北海道の運河町へと旅立つ。二十年前、父が溺死する直前まで飲んでいた酒場の店主によれば、同じ法科大学漕艇部員だった女性の密葬に参加するために滞在していたらしい。さらに、昭和44年に漕艇部で起きたある事件を機に、陽気だった父の人柄が激変したことを知る。  この街には、僕の知らない父がいた。  父が隠し続けた、ぬぐいきれない恥辱と罪悪感。  知られたくない、でも忘れられない過去がある。  果たして、父は事件に関係していたのか? 家族にさえ隠し続けていた苦悩と死の真相とは?  会心の野心作にして、まったく新しい「家族ミステリー」が誕生!! ※この作品は過去に単行本版として配信されていた同名タイトル の文庫版となります。
  • クリーピー クリミナルズ
    3.3
    犯罪心理学教授である高倉孝一が対峙する奇妙な「隣人」たち。大型客船での旅路で出会った夫妻、大学講師や学生、音楽家……。日常に紛れ込んだ底知れぬ悪意が生み出す犯罪を、高倉は解き明かすことができるか!? 彼が遭遇した過去の事件も収録。身の毛もよだつ5つの恐怖と衝撃があなたを襲うミステリー短編集。映画も大反響を呼んだ「クリーピー」の世界が深化する!
  • おいしいお店の作り方 飲食店舗デザイナー羽田器子
    3.3
    新人飲食店舗デザイナー・羽田器子の毎日は波乱万丈、容姿端麗で仕事もできる憧れの上司・向崎志央のもとで経験を積んでいる真っ最中。新婚夫婦、脱サラリーマン、定年男子、ワケあり姉弟……一筋縄ではいかないクライアントの夢を叶えるために奔走する二人だけれど――!? 美味しい時間をプロデュース! あったかくて笑顔になれる、とっておきのお仕事キャラミス!
  • 京都左京区がらくた日和 謎眠る古道具屋の凸凹探偵譚
    3.3
    「へんなおっちゃんがきてん」新しいご近所さんの郷さんは、外見同様に風変わりな『古道具屋石川原』の店主だ。五人兄弟の長女で、しっかり者、女子高生の雛子は、ガラクタだらけの店内で古びた名なしの女学生日記を見つけて……? 京都を舞台に郷さんと雛子、凸凹な二人の持ち主探しが始まる! やがて、郷さん自身が秘めていた過去を知った雛子は――? 【目次】プロローグ/一章 名なしの日記/二章 持ち主が多いテディベア/三章 ときが止まった時計/四章 幽霊の落とし物/エピローグ
  • 帝都一の下宿屋
    3.3
    1巻1,731円 (税込)
    銀座は南紺屋町にある下宿屋「静修館」。若き大家の梨木桃介は無類の世話好きだ。家事万端を見事にこなし美味しい食事を作ってくれる桃介の元を追い出されるわけにはいかぬと、小説家の仙道湧水は我儘を封印して生活している。ある日、湧水は馴染みの記者から粗悪品の醤油を打っている店があるという噂を聞きつける。それは桃介とも縁の深い店だった。桃介の曇った顔は見たくない。湧水は探偵のごとく真相解明に乗り出すのだが――。明治の下宿屋を舞台に贈る、心あたたまるミステリ。
  • お節介な放課後 御出学園帰宅部の献身
    3.3
    佐々木幸弘を始め帰宅部員の高校生活は順調(というか乱調)で、何かと相談の声がかかる。校舎に隣接する家から通う相川タツヤの課外奉仕活動目標を話し合い、価値があるとは思えない三点セットが高値を呼ぶネットオークションの不可思議に遭遇、バレンタインデーの甘くないチョコレートに振り回され、自称“かもしれない名探偵”が明かす学園七夕伝説の真相を知って唖然とする。それぞれお人好しの意味合いは違っても、結束を強めていく御出線B班の七名。笑いのち友情ときどき謎、帰宅部の活躍第二集。/解説=津田裕城
  • 京都三無常殺人事件
    3.3
    1巻605円 (税込)
    船岡山で女の死体が発見された。京都府警の若き刑事・田村は捜査の最中、口は悪いが美しい土産物屋の未亡人・月寺松葉と出会う。古き時代に風葬地だった蓮台野、化野、鳥辺野の「三無常の地」で起きる殺人事件。松葉の助けを借りながら真相を追う田村が、事件の果てに見出した慟哭の真実とは!? 京都の名所も満載。多様な魅力に彩られた連作ミステリー!
  • 沖縄オバァの小さな偽証~さえこ照ラス~
    3.3
    1巻1,430円 (税込)
    鋭い直感とすぐれた決断力に定評がある美人弁護士・阿礼沙英子。でも、沖縄独特の方言と因習、ささやかな嘘や隠し事に、今日もやや苦戦中。彼女を尊敬してやまない、天然気質の方言通訳担当事務員・大城が、オジィオバアとすぐ仲良くなる特技を活かした人脈と行動力で、縺れたトラブルを解く手がかりを見つけ出す! 法テラスを舞台に繰り広げられる、沖縄の料理と酒と照りつける太陽に彩られた、庶民感覚のリーガルミステリー。
  • ハイエナの微睡 刑事部特別捜査係
    3.3
    刑事部捜査一課特捜係の佐築勝道が駆け付けた殺人現場は凄惨なものだった。五体バラバラで頭部は電子レンジで加熱されていたのだ。被害者は現役警察官。事件の陰には街を支配する超巨大企業の存在が……!?
  • 別れ、のち晴れ
    3.3
    最近、父親の様子がおかしいと高校生の宏枝(ひろえ)はあやしんでいた。別れた母と年に一度「離婚記念日」と称して会っているのだが、その日が近いからなのか? それとも仕事のトラブル? 宏枝は顔色を読むことにかけては天才なのだ。一方、弟の朋哉(ともや)も母親が落ち込んでいると連絡してきた。調べてみる必要がある? 子たちは親を想い、親は子を想う。家族の再生を描く珠玉のホームドラマ!
  • ため息に溺れる
    3.3
    「ため息に溺れてしまいました。ご迷惑をおかけします」立川市の蔵元医院で、蔵元家の婿養子・指月の遺体が発見された。本人筆跡の遺書が残っていることから警察は自殺と判断。だが患者や同僚からも慕われていた彼がなぜ? 女刑事・羽木薫の捜査で見えてきたのは、権力を巡る開業医一族の闇。そして指月が胸に秘めた、悲しき過去の記憶だった――。優しき医師は自殺か、他殺か。見えていた世界が一変する、衝撃のクライマックス!
  • 限界捜査
    3.3
    東京・赤羽の巨大団地葵ヶ丘に住む北原美紗子の娘・奈月が失踪した。赤羽中央署生活安全課の疋田務は部下の小宮真子らとともに懸命な捜査を続けるが、一向に消息は掴めなかった。奈月はいったいどこへ。やがて誘拐犯を名乗る人物から身代金要求の電話がかかったとき、事件は予想もしない方向に暴走を始めた――。正統派、かつ、斬新。心を鷲掴みにする新警察小説、誕生!
  • 目黒の狂女
    3.3
    日常の謎ミステリの元祖ともよばれる、老歌舞伎俳優・中村雅楽探偵譚。歌舞伎界で起こった様々な事件や謎が持ち込まれると、雅楽は経験に裏打ちされた鋭い洞察力で鮮やかに絵解きをしてみせる。竹野記者の手記によって、雅楽が遭遇したあまたの事件の顛末が明かされていくシリーズ第3巻は、昭和50年代を中心とした作品群。竹野記者が目黒のバス停でつづけざまに出会った狂女にまつわる表題作「目黒の狂女」。なぜ淀君は逃げ延びなかったのかという、歴史に埋もれた謎を雅楽なりの解釈で解明していく「淀君の謎」など粒ぞろいの全23編を収録。【収録作】「かんざしの紋」/「淀君の謎」/「目黒の狂女」/「女友達」/「女形の災難」/「先代の鏡台」/「楽屋の蟹」/「お初さんの逮夜」/「むかしの写真」/「砂浜と少年」/「大使夫人の指輪」/「俳優祭」/「玄関の菊」/「梅の小枝」/「女形と香水」/「子役の病気」/「二枚目の虫歯」/「コロンボという犬」/「神かくし」/「芸養子」/「四番目の箱」/「窓際の支配人」/「木戸御免」/講談社版『目黒の狂女』 あとがき=戸板康二/講談社版『淀君の謎』 後記=戸板康二/創元推理文庫版編者解題=日下三蔵
  • 死角形の遺産
    3.3
    ベストセラー作家の原点となる傑作ハードボイルド! 誤配された一通の封筒が若き総会屋・井田を事件に巻き込んだ。配達人は殺され、本来の受取人は謎の自殺を遂げていた。友人と共に封筒を開くと、凶弾に倒れた世界的ミュージシャンの歌が録音されたたテープが。そして綾乃と名乗る女が現れ……。
  • 星宿る虫
    3.3
    1巻770円 (税込)
    大学生の天崎悟は、家出した妹の帰りを待っている。ある日、家に見知らぬ老婆がやってきた。何を聞いても判然としなかった。その後、妹が見つかる。虫に食い殺され、血が黄色くなった異様な遺体となっていた。宗教団体の施設で見つかった遺体と同じだ。この虫はなんなのだ? どうやって感染したのか。治療法は? 第19回日本ミステリー文学大賞新人賞受賞作。
  • 労働Gメン草薙満
    3.3
    1~2巻726~748円 (税込)
    大手化学メーカーに勤務する村瀬一雄が帰宅途中に服毒自殺した。村瀬の妻から相談を受けた労働基準監督官の草薙満は、村瀬が退社後にアルバイトをしていたことを突き止める。アルバイト先を張り込み中、草薙を不審者と勘違いして職務質問してきたのが、ひばりが丘警察署の安城沙也加だった。村瀬の自殺の真相を探るうち、草薙と沙也加はある謎に直面する。“熱血労働Gメン”大活躍!
  • ボス・イズ・バック
    3.3
    1巻605円 (税込)
    しがない私立探偵の“おれ”にとって最重要の顧客「山藤組」組長の山虎が、いきなり引退して堅気になると言い出した。本当なら事務所が潰れかねない大事だ。だが、案の定その裏には、とんでもない魂胆があるようで――。(表題作) ゴリラまがいの悪徳刑事に、金と女に目がない生臭坊主……個性的な面々とのやり取りも楽しい、ユーモラスで痛快な連作ミステリー!
  • 困った作家たち 編集者桜木由子の事件簿
    3.3
    とある出版社の文芸編集者・桜木の担当する作家は問題児ばかり!? ミステリー作家のもとに一通の手紙が届く。「あなたの作品は盗用したものだ、トリックは――」。告発文を読んで真っ青になる作家。なんとか作家を信じたい桜木だったが……。作家たちが引き起こし、あるいは巻き込まれる事件を、見た目は優男だが腕は確かな探偵の鶴巻と担当編集者の桜木が解決していく! 6編の短編と5編のショートショートを収録した連作短編集。
  • 柩の中に生者はいらない
    3.3
    『悪魔』の透明標本を作り学会から追放されたと噂される根室正志。その根室の最後の作品が完成し、披露されることになった。人伝に聞きつけ集まったのは、一見結びつきのない8人の参加者。猟奇事件を追うフリーライター、遺産で生活する美人写真家、推理作家など――彼らは福島県の沖合の孤島に向かうも、予想外の事件が待ち受けていた。島での一夜を余儀なくされた9人に様々な思惑が渦巻く。そして第1の殺人事件が―― ※本書は、二〇一四年八月、小社より刊行された単行本『柩の中の狂騒』を改題し文庫化したものが底本です。
  • XY

    XY

    3.3
    専門商社に勤める宗谷聡子は、仕方なく受けた健診で卵巣に腫瘍が見つかり自暴自棄に陥っていた。そんな中、弁理士の堂島との出会いが彼女を変えていく。付き合いを重ねるごとに想いが募るが、聡子は堂島の隠していた過去を知ってしまう。湧き上がる嫉妬と焦り。この人の子供を産みたい。やがて彼から突然の別れを告げられ、絶望に沈んだ聡子は禁断の行為に出る――。一途に追い求める女性の執念を描いた、偏愛サスペンス長編。
  • 日暮れてこそ
    3.3
    1巻770円 (税込)
    上司との軋轢から銀行を辞めた池澤に、かつて後輩だったという女性から届いたメール。しかし、池澤には香川佐和子と名乗るその女性の記憶はなかった。美しい娘とともに現れた佐和子との背徳的なセックス。人生の日暮れに待っていた「肉体の罠」が、池澤の人生を少しずつ狂わせていく。人間の弱さとは何か。ページをめくる手が止まらない、官能サスペンスの傑作!
  • 狂い壁 狂い窓
    3.3
    東京・大田区の高台に樹影荘と名づけられた古びた洋館があった。かつて産婦人科病院として建てられたもので、かたわらには鬱蒼とした樫の大木が生えていた。ここには六組の入居者が住んでいた。この樹景荘で怪事件があいつぐ。トイレの血文字、廊下の血痕、中庭の白骨…血塗られた洋館と住人たちの過去が、今あばかれる。
  • 樹海
    3.3
    苦しむことなく、この世とおさらばしたい――。 死を渇望して樹海に溶け込む人間たちと、彼らとともに運命という名の濁流に巻き込まれていく人びとを描いた6つの連作短篇集。 「それぞれの短編に、長編一本分の着想が詰まっています」――鈴木光司 富士の裾野に広がる樹海で自殺を遂げた原田正吾。 自殺をしようと入った樹海で原田の死体を見つけた井口輝子。 原田も井口も幼児期からの親からの虐待によって性格を歪められて、大人になってから虐待の連鎖に苦しんでいた。 ヤクザからの暴行により、瀕死の重傷を負ったまま車のトランクに入れられ樹海へ運ばれていく細田剛。 不倫スキャンダルから転落人生に陥り、難病に冒された元女優の篠沢遠子。 失業し、家族には見放され、引きこもりの長男の突然死から失踪したホームレスの矢掛弘。 樹海に入る人間も、入らない人間も、生まれ落ちたその瞬間から不幸の連鎖に巻き込まれ、因果応報の報いを受けていく。 虐待、借金、失業、薬物中毒……。 救いようのない人生を生きなければならなかった人間たちの生と死を描いた6つの連作短篇集。 解説・朝宮運河
  • スナッチ
    3.3
    1巻770円 (税込)
    昭和52年、婚約者に会いに高知を訪れていた22歳の奈路充生は、銀色に輝く奇妙な雨にうたれ意識を失う。再び目覚めたとき、彼は53歳になり、体は別の人格に乗っ取られていた。雨の正体は異種生命体だったのだ。人生の最も輝く時代を奪われた喪失感に苦しむ充生を、今度は連続殺人事件が襲う。記憶のない31年間にいったい何が!?
  • ヴィヴィアンの読書会
    3.3
    「私は殺されました。犯人はこの中にいます」1年前に死んだ作家からの挑戦状。タイムリミットは3時間の謎解きバトル! 「皆さんの生命にタイムリミットを設けさせていただきました」――人気作家ヴィヴィアンすみれの死から1年、染谷公太郎は彼女を偲ぶ読書会に招待される。しかし開始早々、読書会参加者が飲んだ紅茶には毒が入っており、死にたくなければ、ヴィヴィアンを殺した真犯人を突き止めるよう告げられた。参加者は自称人気俳優や女装した人物など、怪しい人物ばかり。はたして誰が、どうやって彼女を殺したのか。『ドS刑事』『死亡フラグが立ちました!』『バリ3探偵 圏内ちゃん』『山手線探偵』などの人気シリーズを抱える著者が贈る、書き下ろしミステリー長編。
  • 内通と破滅と僕の恋人 珈琲店ブラックスノウのサイバー事件簿
    3.3
    大学生の凪は、同級生の不思議な美少女・霧香と付き合い始めたばかり。ある日ふたりは路地裏の珈琲店ブラックスノウを訪れる。店のマスターは、実はサイバーセキュリティに精通した人物だった。店を手伝うことになった凪は霧香とともに様々なサイバー犯罪に触れてゆく。一方、マスターを恨む美青年・凌が大規模な犯罪を企てていて……。過去の小さな因縁が世界を揺るがすサイバーサスペンス。
  • 分かったで済むなら、名探偵はいらない
    3.3
    1巻1,320円 (税込)
    居酒屋『ロミオとジュリエット』では皆、かの名作になぞらえながら、嘆き、怒り、酔っ払っている。そこで、いつもひとりで飲んでいる、「名探偵」の俺。今夜も謎を抱えた酔っぱらいが俺の前で、勝手に事件を語り出す――。デビュー長編『The unseen 見えない精霊』から15年、やっとカッパ・ワンの奇才が帰ってきた! “みえていたこと”の“真実”に気づいた時、心が癒やされている……不思議な魅力のミステリー。
  • 魔家族
    3.3
    1巻715円 (税込)
    OA機器を扱う会社で働く西原早季。彼女には憧れの上司がいた。佐藤恭平――イケメンで気さく、営業成績トップの社のスター的存在だ。妻を亡くし、幼い娘と暮らす彼の魅力にのめりこんでゆく早季。だが、彼の家には、もう一人の女性がいた。信じられぬほど若く美しい亡き妻の母・温子。いつしか女たちの中で殺意が膨れあがってゆく……。戦慄のサスペンス長編!
  • 猫が足りない
    3.3
    スポーツクラブに入会した知章は、近隣で起きた猫虐待について調べてほしいと会員たちから頼まれる。探ってみると、思いもよらぬ事実が。真相究明に一役買ったのは、四元さんという女性だった。その後、猫がらみで騒動を引き起こす彼女に振り回されてばかりの知章。巻き込まれ型ミステリーに、新たな味わいの傑作誕生!
  • 喪失
    3.3
    京都市内のビルの非常階段で、有力不動産会社社長、真鍋征矢の妻、文香の遺体が見つかる。文香の手には夫・征矢の金属製のブレスレットが握られていた。妻は夫からの暴力被害を訴え離婚調停中だった。事件後、文香の担当弁護士の和光は、彼女は嘘をついていた、DVはなかったとして、征矢の無実を証明したいと名乗り出る。果たして嘘をついているのは誰か。京都府警の準キャリア刑事、大橋砂生が不可解事件に執念で挑むが……。
  • 架空論文投稿計画
    3.3
    1巻1,100円 (税込)
    蛸足大学の助教・ユーリー小松崎は、ある事件がきっかけで学問世界の危機を痛感。それを実証しようと、駆け出し作家の松崎有理と、内容でたらめ、嘘八百の論文をでっちあげ、学術誌に投稿する実験を計画! しかし、正義を振りかざし、不埒な研究者を取り締まる、と自称する謎の機関「論文警察」の魔手が彼らに迫る!? 抱腹絶倒の架空論文満載でおくる、著者ならではのサイエンス・ユーモア・サスペンス!
  • 白い久遠
    3.3
    1巻1,731円 (税込)
    香芝涼子は今日も、閑古鳥の鳴く店でひとり店番をしている。二年前、店主の祖父が病で倒れた際、美術館の学芸員という職と恋人を捨て、実家の『藤屋質店』に戻ってきた。将来に漠然とした不安を感じつつ、看板猫を撫でていると、外国製の陶製人形を男子大学生が持ち込んでくる。男性二人組という質屋には珍しい客に当惑しつつも、品物を預かって貸し付けしたところ、後にそれが盗品だったと分かり……。人間国宝作の萩焼の写し、いわくありげな櫛とかんざし、未発表の藤田嗣治の絵画など、不思議な縁で質屋に持ち込まれた品々を巡る謎、揺れ動く涼子の思いを優美に描く連作ミステリ。
  • 三匹の猿 私立探偵飛鳥井の事件簿
    3.3
    依頼人は可憐な17歳の少女、有美。退屈な日々をやりすごしていた探偵飛鳥井史郎は父親探しをうけおったが、その有美が失踪、高原で起きた猟奇的な連続少女殺人事件にまきこまれていた。少女たちの両親には共通の過去があり、因縁と確執がかくされていたが――。ミステリ界の論客が挑む本格長編探偵小説!電子特典掌編「御輿と黄金のパイン」収録!
  • 1999年の王
    3.3
    東京で殺人未遂事件が発生。実行犯の供述から、飲食店経営・北條和美と内縁の夫・安西俊貴が逮捕される。捜査が進むにつれ、安西が主犯として保険金目当ての連続殺人を過去に仕掛けていたことが明らかになる。共犯者、崇拝者、事件記者……それぞれの視点から「安西」という稀代の犯罪者の過去が語られていく――。 人の命を金に換える最低最悪の<錬金術師>、安西俊貴。幾人もの人生を狂わせた男の凄絶な人生とは――。震撼のクライムサスペンス!
  • かくも水深き不在(新潮文庫)
    3.3
    森に包まれた廃墟の洋館で次々と鬼に変化(へんげ)していく仲間たち。何故か見るだけで激しい恐怖に襲われるCM。想い人のストーカーを追及する男の狂気。大御所芸人の娘を狙った不可解な誘拐事件。浮かび現われては消える4つの物語は、異能の精神科医・天野の出現により誰も見たことのない局面へと変容していく。全ての謎を看破する超越的論理(ロジック)と幻想の融合で煌めく、めくるめく万華鏡(カレイドスコープ)を体感せよ!
  • 怪盗グリフィン、絶体絶命
    3.3
    「あるべきものを、あるべき場所に」が信条の怪盗グリフィンに、ニューヨークのメトロポリタン美術館にある贋作のゴッホを、本物とすり替えてほしいという奇妙な依頼が。しかし、それは巧妙な罠だった。グリフィンは次に、国家の威信をかけた「盗み」を引き受ける羽目に。どんでん返しが連続する、痛快冒険活劇!
  • 吸血鬼は世紀末に翔ぶ(吸血鬼はお年ごろシリーズ)
    3.3
    昔、ヨーロッパの古い城に、ある目的のために作られていたという恐ろしい部屋〈バラの間〉。ある日、純粋なる吸血鬼フォン・クロロックとその娘で人間とのハーフであるエリカは、美女に館に招待される。何も知らない二人が通された部屋には、恐ろしい仕掛けが施されており……!? 表題作のほか『吸血鬼七変化』『吸血鬼と死の接吻』の二編を収録した「吸血鬼はお年ごろ」シリーズ第17作!
  • 倒錯の庭
    3.3
    電灯を消した仄暗い部屋の中で、私は今、竹彦と一緒にキノコを食べている。ヌメリイグチという名の、黄色い湿ったキノコだ。(「倒錯の庭」) 恋という病に憑かれた男と、溺れゆく女の、頽廃と官能に満ちた恐怖世界を描く表題作の他、人の心に巣くう危うく妖しい欲望に取材した3つの中編を収録。精密な筆致で描きだす人間心理の襞。サイコ・サスペンス集。
  • おしい刑事
    3.3
    推理力抜群で華麗に犯人を追い詰めるのに、いつも最後の最後で詰めが甘く、イケメンの後輩・横手に手柄をとられてしまう押井敬史巡査長。 そんな彼を周囲は愛ある上から目線で“惜しい刑事”と呼ぶ。 完璧に事件を解決し、不本意な呼び名を返上すべく奮闘する押井。 でも、やっぱり今日もまた……。 日本一残念な刑事が挑む6つの難事件。 腹筋崩壊の連作ミステリ。
  • タイムスリップ信長vs三国志
    3.3
    炎燃え盛る本能寺。織田信長の前に現れたのは、21世紀の女子高生・うららだった! 劉備玄徳に成り代わった未来人・竜毘の陰謀で歴史が崩壊するのを防ぐため、三国志の時代にタイムスリップした二人。待ち受けるのは、呉蜀同盟は決裂し南東風も吹かない、何もかも変わってしまった"赤壁の戦い"だった。日本の織田信長は中国・三国志でも最強なのか!? その答えがここにある!
  • 幻肢
    3.3
    島田荘司作品中、初めて映画化された青春ミステリーの傑作! 病院で目覚めた医大生・糸永遥は自分の名前さえ思い出せず、思い出せたのは恋人の雅人の名前だけ。交通事故を起こして大怪我をし、ERに運び込まれた遥は、一過性全健忘によりほとんどの記憶を失ったのだった。 治療の結果、徐々に記憶は回復していくが、事故当時の状況だけがどうしても思い出せない。車に同乗していたはずの雅人の安否もわからず、不安と焦燥で遥はうつ病を発症し自殺未遂を起こす。うつ病の治療のためTMS(経頭蓋磁気刺激法)を受けるが、治療直後から雅人の幻を見るようになる。幻の恋人とデートを重ねる遥は、やがてTMSなしではいられなくなっていく……。 男女のナイーヴな恋愛感情が織りなすミステリー。小説版は映画版とは男女の役どころが入れ替わっている。
  • 二年半待て
    3.3
    婚姻届を出すのは待ってほしい──彼が結婚を決断しない理由は、思いもよらぬものだった(「二年半待て」)。このお味噌汁、変な味。忘れ物も多いし……まさか。手遅れになる前に私がなんとかしないと(「ダブルケア」)。死の目前、なぜか旧姓に戻していた祖母。“エンディングノート”からあぶりだされる驚きの真実とは(「お片づけ」)。人生の分かれ道を舞台にした、大人のどんでん返しミステリー。
  • 夏からの長い旅 新装版
    3.3
    日常を脅かす過去からの刺客。「銃声響くあの夏」はまだ終わっていない。 名作ハードボイルドがいま蘇る! 充実した仕事と、出来たばかりの恋人・久邇子との逢瀬……。 工業デザイナー・木島の平穏な日々は、自宅に放火されたことをきっかけに一転した。 不審な出来事は続き、木島は誰かに命を狙われていると感じるが、心当たりはない。 だが、久邇子の車に悪戯書きされた一文を見た時、忘れようとしていた遠い夏の記憶が蘇る。 鍵は一枚の写真にある――木島は調査を開始するが……。 ハードボイルド・サスペンスの名作! 解説・北方謙三
  • あなたは嘘を見抜けない
    3.3
    この真相、絶対予想不可能――。僕の彼女は「嘘つき」たちに殺された。廃墟探索ツアーで訪れた無人島で死んだ最愛の人・美紀。好奇心旺盛で優しい彼女は事故に遭ったのだ。僕は生きる意味を喪い、自堕落な生活を送っていたが、美紀と一緒に島にいた女と偶然出会いある疑いを抱く。美紀は誰かに殺されてしまったのではないか。誰かが嘘をついている――。嘘と欺瞞に満ちた血染めの騙し合いの幕が開く。
  • 現世怪談 招かざる客
    3.3
    1~2巻1,254~1,353円 (税込)
    六甲山の無限ループに現れた大鳥居!?死者から叩き付けられたダイヤの指輪!?雑木林に突然現れた「どこでもドア」!?この世で起きた奇妙で恐ろしき怪異の数々。著者が現地へ足を運び、蒐集した21の実話怪談。
  • 共犯~幼女誘拐事件の行方~
    3.3
    1巻660円 (税込)
    東京の郊外で、3歳の女児・海老沢美菜が誘拐された。犯行に使われたと見られる赤いセダンを乗り回している男が、捜査線上に浮上。男は、18年前に起こった連続幼女誘拐殺人事件でも容疑者として名前が挙がっていた。その忌まわしい過去には、美菜の母親も関わっていた――。2つの事件が絡み合い、真実が浮かび上がる! “有罪宣告”への怒りを描く逆転のミステリー。
  • 屍鬼祓師 夢見る卵
    3.3
    1巻712円 (税込)
    桑の花咲く新月の晩、神が乙女を攫いにやってくる… 悪霊や黄泉の鬼を祓うことを生業としている一宮晶良とその助手・諏訪陽仁は、鎮魂祭の依頼を受け、熊本県矢沢町を訪れる。 そこでは十代の少女たちが次々と昏睡状態に陥り、そのまま肉体が琥珀色に硬化してしまう奇病に侵され変死していた。 矢沢町には古より、桑の花咲く新月の夜、神が人間の乙女を娶りにやってくるという、オカイコ様の嫁取り伝説があった。 折しも町は、二百年に一度の大祭であるオカイコ祭りの季節――オカイコ様を祀る扶桑寺では本尊の即身仏が二百年ぶりに開帳されたが、その即身仏と少女たちの変死体は酷似していて……。 美麗の拝み屋が怪奇事件の謎に迫る伝奇ホラーミステリ!
  • 蟇屋敷の殺人
    3.3
    車から首なしの遺体が発見されるや、次々に殺人事件が。謎の美女、怪人物、化け物が配される中、探偵作家と警部が犯人を追う。秀逸なプロットが連続する傑作。
  • 凍土の狩人
    3.3
    漆原院長夫妻は、浪人中の息子の性欲処理のため、女性を誘拐する。だが、誘拐した松葉尚子を誤って殺害。スキャンダルを恐れて隠蔽をはかるが、なぜか死体が消えてしまう。一方、尚子の兄・潤一の妻が、多摩川で殺害される。刑事たちは、小さな糸口から二つの事件の繋がりを見つけ真相に迫っていくが……。性、金銭、名誉で心を満たすエリート。大都会の人間たちの激しい欲望と滑稽さを描くミステリー。
  • 新装版 平城山を越えた女
    3.3
    大和と京を結ぶ「奈良坂」で消息を絶った女を探す浅見光彦は、文人縁の宿「日吉館」を訪れる。その矢先、ホトケ谷で変死体が発見され、仏像ファンの編集者・美果共々、警察に嫌疑を掛けられる羽目に……。三度盗難に遭った「香薬師仏」が招く悲劇を、歴史ロマンに彩られた筆致で描く著者屈指のミステリー。
  • それは経費で落とそう
    3.3
    年上の部下と年下の上司、単身赴任先での浮気、領収書のごまかし、人事異動の内示、お偉いさんとの気づまりな会話――。サラリーマンにとって決して避けて通れない身近なテーマ。喜劇と悲劇がつねに紙一重という、綱渡り的会社員生活の日常に潜む、思いもかけない恐怖をリアルに描く。身につまされる笑いのあとに、背筋も凍る戦慄、読みだしたら止まらない興奮の5編。ブラックな会社ミステリー。
  • シャドウゲーム
    3.3
    シンガーソングライター堀河優美の恋人だった国夫は、深夜の高速道路で大型トレーラーに衝突されて亡くなった。事故現場には「シャドウゲーム」と題する楽譜が残されていた。 なぜ、楽器なんてひとつも弾けないはずの国夫が楽譜を? 手がかりを探るため、優美は国夫が事故の2日前に来ていた名古屋を訪れた。 偶然知り合った小説家の胡山の助けを借り、国夫の足取りを辿り始めるが、優美を背後からつけ狙う謎の男が迫る――!
  • CRISIS 公安機動捜査隊特捜班
    3.3
    公安機動捜査隊特捜班――通称“特捜班”。それは、凶悪事件の初動捜査を担当する、警視庁公安部に所属する特別チーム。特捜班の稲見は、横浜の39階建てホテルが武装集団に占拠されたとの報せを受ける。宿泊客550名が人質に取られるという非常事態。事件を秘密裏に解決せよという任務に挑むが――。金城一紀原案の設定をもとに気鋭の作家が紡ぐ完全オリジナルストーリー。一気読み必至の警察エンターテインメント!!
  • 桜疎水
    3.3
    1巻1,320円 (税込)
    第69回日本推理作家協会賞短編部門受賞作「おばあちゃんといっしょ」収録! 曼殊院、真如堂、寺町通、松ヶ崎疎水、上賀茂神社、太秦……。京都を舞台にした6つの極上の短編作品。コンゲーム、ホラーテイスト、純愛をテーマに、思いもよらぬ驚きの仕掛けが周到に仕掛けられている。物語の最後に出会うのは、驚愕の恐怖、切なさ、そして人の優しさ。名手が放つ、欺される愉悦に満ち満ちた短編集!
  • へたれ探偵 観察日記
    3.3
    対人恐怖症の探偵・柔井公太郎と、ドS美人心理士の不知火彩音が、奈良を舞台に珍事件を解決する!「鹿に食べられた息子を探して」「制服が盗まれたのはなんで?」「国宝級の鉄剣を見つけて」など、知性も推理も手が届かぬ真相に柔井はどう辿り着くのか? 人が苦手という武器を最大限生かしたへたれ裁きが炸裂する新シリーズ、オドオドと開幕。
  • 京都西陣シェアハウス 憎まれ天使・有村志穂
    3.3
    京都西陣にあるシェアハウスに住むのは、悩み多き、トラウマを抱えた住人たち。死亡事故を起こした元自動車販売会社の営業マン、不倫相手のために犯罪寸前のOL、過去の恋愛を隠し続ける老人……。そんな"ワケあり"住人たちの心に、ズケズケと踏み込む、就活連敗中女子大生の有村志穂。このお節介は吉と出るか凶と出るか。超ド級のキャラクター・志穂の振る舞いから、もう目が離せない
  • 壁と孔雀
    3.3
    警視庁警護課の土壁英朗は35歳になるベテランSPだ。仕事の負傷で休暇を取り、幼い頃両親の離婚で別れたまま2年前に事故死した母の墓参りに赴く。北海道にある母の実家は町を支配する名家で、今は祖父母と小5の異父弟が住んでいた。初めて会う弟は、自ら座敷牢に入り、英朗に「僕がお母さんを殺した」と告げる。その言葉の真意は? さらに町では不審な事故が相次ぐ。英朗は忍び寄る危険から弟達を護ろうとするが……因習にとらわれた町で痛い真実と優しい嘘が交錯する、小路版クイーン・ライツヴィルの本格ミステリ
  • エデンの命題
    3.3
    1巻605円 (税込)
    アスペルガー症候群の子供たちを集めた学園から、少女が消えた。残されたザッカリ・カハネの元に届いた文書に記されていたのは、世界支配に取り憑かれた民族の歪んだ野望と、学園の恐怖の実態だった。生きるため、学園を脱出したザッカリを待ち受ける驚愕の真実――。ほかに、「21世紀本格」の嚆矢となった「へルター・スケルター」を収録した歴史的傑作中編集!
  • 黒龍荘の惨劇
    3.3
    明治26年、杉山潤之助は、旧知の月輪龍太郎が始めた探偵事務所を訪れる。現れた魚住という依頼人は、山縣有朋の影の側近と噂される大物・漆原安之丞が、首のない死体で発見されたことを語った。事件現場の大邸宅・黒龍荘に赴いた二人を待ち受けていたのは、不気味なわらべ唄になぞらえられた陰惨な連続殺人だった――。ミステリ界の話題を攫った傑作推理小説。
  • TATSUMAKI 特命捜査対策室7係
    3.3
    未解決事件を専門に扱う警視庁特命対策室7係に配属になった新人刑事・鬼切壮一郎。さっそくドS女刑事・辰巳麻紀警部補らメンバーとともに5年前に未解決となった失踪事件捜査にあたる。男が突然姿を消し、刑事だった兄が容疑者となった事件。壮一郎は麻紀にイビられながらも真相を突き止めるべく奔走するが……。
  • 浜中刑事の迷走と幸運
    3.3
    1巻1,650円 (税込)
    駐在所勤務を夢見、妄想を爆発させるミスター刑事・浜中康平とクールな相棒・夏木大介のコンビが迷走!? 「僕の妄想癖、どんどん進んでいるみたいです。どうしましょう、先輩」 「いずれ駐在所勤務になれば、治まるだろうさ」 鉄柵で囲まれたフリースクールで教師が殺害された。鉄格子の嵌まった狭い居室で学園を賛美する生徒たちに犯行は不可能。凶器は学園のはるか外にある街路樹の上方にささっていた。 群馬県警捜査一課の浜中と夏木は、事件のウラに学園の闇があると考えて捜査を開始する。

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  • 死の天使はドミノを倒す
    3.3
    世間を敵にまわす人権派弁護士、自殺志願者を唆す「死の天使」、翼をもがれた球体関節人形…… 目くるめく謎の連鎖! 社会派&サプライズ・ミステリーの傑作が誕生! 売れない作家の兄・鈴島陽一と、人権派弁護士の弟・薫。 家族と絶縁し父親の葬儀にも顔を出さない弟に、陽一は腹立たしさを抑えられないが、 やがて薫が失踪したことを知る。 薫は自殺志願者に自死を唆す「死の天使」嶌崎律子の弁護を引き受けていた――。 待ち受けるサプライズを、あなたは見抜けますか? 解説・巽昌章
  • 花魁さんと書道ガール
    3.3
    書道一筋の内気な大学生・多摩子は、祖母の部屋で古びた簪を見つけた夜、春風と名乗る花魁の幽霊に取り憑かれてしまう。「本物の恋を見ることができれば成仏するかもしれないよ」という幽霊の言葉を信じた多摩子は、春風に体を貸して恋に悩む人の相談にのり、花魁の巧みな手練手管で恋愛を成就させることに。かくして妖艶な花魁と地味な書道ガールによる「最強の恋愛アドバイザー」が誕生した。
  • 奇偶(上)
    3.3
    1~2巻628~827円 (税込)
    「神は骰子を振らない」ならば全ては必然だというのか。奇妙な偶然の連鎖の果てに起こった原発事故を皮切りに「偶然」に翻弄される推理作家・火渡雅。太極柄ネクタイの男の事故死と現場での怪しい人影を目撃した後、片方の視力を失うが。思想と思索に満ちた知の書であり、不安と不穏を描き出した傑作。『黒死館殺人事件』『ドグラ・マグラ』『虚無への供物』『匣の中の失楽』日本推理小説界の4大奇書に連なる第5の奇書!
  • まひるの月を追いかけて
    3.3
    奇妙な旅のはじまり、はじまり 異母兄の恋人から、兄の失踪を告げられた私は彼を探す旅へ――。 奈良を舞台に夢と現実のあわいで真実は姿を隠す。恩田ワールド全開のミステリーロードノベル。 異母兄が奈良で消息を絶った。 たった二度しか会ったことがない兄の彼女に誘われて、私は研吾を捜す旅に出る。 早春の橿原神宮、藤原京跡、今井、明日香……。 旅が進むにつれ、次々と明らかになる事実。それは真実なのか嘘なのか。 旅と物語の行き着く先は――。 「恩田作品には映像に携わる人間を刺激する何かがある。 撮りたい衝動にかられる。その言葉を発語してみたくなる。 登場人物を設定された場所に解き放してみたくなる。 そして、その場所を、実際に訪れてみたくなる」 (解説・佐野史郎)
  • 埋れた牙
    3.3
    捜査一課から地元の武蔵野中央署へと転出した刑事・瀧靖春は、旧友の長崎から姪の恵が行方不明になっていると相談を受ける。市議会議員の選挙運動を手伝っていたという恵の足取りを追う中、瀧は過去に起きていた類似の事件に気づく。この街に巣くう闇とは!?
  • 呪症骨董屋石川鷹人
    3.3
    呪われた骨董品が引き起こす災害現象を総称して『呪症』と呼ぶ。殺人にさえ至るそれは、警察だけでは手に余るため、専門家の呪症管理者が共同で捜査に当たることになっていた。骨董屋、石川鷹人(いしかわたかひと)もまた、そんな呪症管理者の一人である。ただ、容姿端麗で頭が切れる彼なのだが、傲慢で皮肉屋で、おまけに人命よりも呪われた骨董品を大切にするような変人だった――。シリーズ累計40万部「蛟堂報復録」の鈴木麻純が贈る新シリーズ、アンティーク伝奇ミステリ、始動!
  • 砂漠を走る船の道 ミステリーズ!新人賞受賞作品集
    3.3
    「ミステリーズ!新人賞」から、これまで数多くの才能が登場してきた。ここに収められた五編のミステリは、それぞれ新鋭たちの輝かしい出発点となった作品である。居酒屋の片隅で、駆け出しのシナリオライターと映画監督が交わす歴史推理談義。無実の罪で父を囚われた少女と不思議な力を持つ老人が、毒死事件の真相を追う中華探偵行。のどかな田舎で起きた本ワサビ盗難事件と、それを捜査する刑事の趣味が迎える顛末。道に迷い無人駅で一泊をすることになった大学生ふたりを待つ、奇妙な一夜の出来事。そして、砂漠を行くキャラバンを襲った異様な連続殺人――。期待を集める五人の作家の、記念すべき“はじまりの物語”。/解説=福井健太*本電子書籍には、配信中の作品に収録されている次の短編が含まれます。『漂流巌流島』(創元推理文庫版 2010年8月初版発行)収録の表題作・『もろこし銀侠伝』(創元推理文庫版 2010年9月初版発行)収録の「殺三狼」・『田舎の刑事の趣味とお仕事』(創元推理文庫版 2009年9月初版発行)収録の表題作・『夜の床屋』(創元推理文庫版 2014年6月初版発行)収録の表題作・『叫びと祈り』(創元推理文庫版 2013年11月初版発行)収録の「砂漠を走る船の道」
  • 処刑までの十章
    3.3
    平凡なサラリーマンであった西村靖彦が突然消息を絶った。弟の直行は、真相を探るうちに兄が殺されたという疑念をもつ。義姉の純子を疑いながらも翻弄されるなか、高知の放火殺人事件の知らせが入る。高知と東京を結ぶ事件の迷路を彷徨いながら辿りついた衝撃の真相とは――。これぞ、まさに連城マジックの極み! 耽美ミステリーの名手が遺した渾身の傑作。
  • アパリション
    3.3
    予備校講師にしてミステリー作家の矢崎には、同じく作家を志す兄がいたが、ある日忽然と姿を消してしまう。折しも世間では2組の夫婦の失踪事件が注目を集めていた。犯人の手がかりとして不審人物が残した声が公開されたが、それは矢崎の兄のものだった! 事件の裏で蠢く偽刑事の影。すべての謎が一つに収束するとき人間の歪んだ本性が明らかとなる、サスペンス長編!
  • 週末探偵
    3.3
    探偵稼業、始めました。ただし、週末限定 瀧川一紀は、大学時代の友人・湯野原海に誘われて、 男ふたりで探偵事務所を開業することに。 「あれって、なんだったんだろう?」と不思議に思いつつも、 そのままになってしまうような「ささやかな謎」の真相を解き明かしていく。 「最初の事件」、「桜水の謎」、「月と帽子とひったくり」、 「探偵たちの雪遊び」、「夏の蝉」、「ちょっと変わった依頼人」の6つの事件簿。 10万部突破『夜の床屋』の著者による最新長編!
  • 好きなひとができました
    3.3
    1巻1,500円 (税込)
    「好きなひとができたから」。これほど人を傷つける残酷な言葉があるだろうか……。人から「好き」と言われるたびに次から次へと女性とつきあい、すぐに「好きなひとができた」と言って、別れを告げる男、神崎登吾。彼はなぜそのような行動を取るのか。彼になぜ女たちは魅かれるのか。そして彼に捨てられた女たちの心情は? 神崎登吾に運命を捻じ曲げられた男たち女たち、かつての友人、親戚たちの証言から、徐々に彼の正体が浮き彫りになっていく。そして、諦めきれず執拗に彼を追い続けるある女、影のようになぜか彼につきまとうある男が引き起こす決定的な事態とは!? 第4回小説現代長編新人賞を受賞してデビューし、『泣きながら、呼んだ人』が盛岡のさわや書店が主催する〈さわベス〉文芸部門第1位を獲得するなど話題の著者が贈る、衝撃と慟哭のミステリー。

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  • レアケース
    3.3
    2014年、石塚英彦主演で、「水曜ミステリー9」(テレビ東京系)ドラマ化! 今、何かと話題の「生活保護制度」の矛盾を突く問題作! 生活保護者を担当するケースワーカーとして、大津市役所に勤める石坂壮馬。彼は、生活保護をもらうだけでいっこうに自立しようとしない者や、仮病などで保護費を詐取しようとする者、そして被保護者を食い物にする「貧困ビジネス」の存在に、生活保護制度の矛盾を強く感じていた。そんな中、大津市内では、あくどく稼いでいると評判の者から盗みを働き、貧しい人々に金を配る「現代のねずみ小僧」が話題になっていた。――ねずみ小僧に複雑な思いを抱く壮馬だったが、ある日、彼の担当する被保護者が殺される事件が起こり……。殺人事件の意外な真相とは? そしてねずみ小僧の意外な正体とは? 「横溝正史ミステリ大賞」受賞でデビューした社会派の気鋭が格差社会の闇に迫る、二転三転する衝撃のミステリ。

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