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Posted by ブクログ
惜しい。まことに惜しい。大傑作になる可能性を秘めた構想だったと思うのだけれど、きれいにまとめて終わってしまったために凡作になってしまった。
冒頭から格調のある華麗な文章で幕を開け、その後に続く何章かの不条理劇は快哉を叫びたくなるような出来映えだった。第三章の「炎の髪」が特に良い。なのに、第七章の「飢える男」のあたりから各章を無理やり関連させようとする意図が見え隠れし、第八章の「化金石」に至ってはもう謎解きに入ってしまう。これは興醒めだ。第九章「こともなし」ではすでに物語は混乱し、第十章「荒野より」では説明に終始する。惜しい。まことに惜しい。第十一章はもう蛇足以外の何者でもなく、せっかくの物語世界を自ら台無しにしてしまっている。
もうさ、ずっと不条理劇でよかったんじゃないのかな?第一章ですべてを予感させているのだから、その後は何を語っても夢物語で納得してもらえると思うんだが。この構想で著者の文体をもってすれば、中井英夫並みの幻想小説の傑作になったのではないかと想像すると、いや、本当に惜しい。
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小説・文芸
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