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昭和52年、婚約者に会いに高知を訪れていた22歳の奈路充生は、銀色に輝く奇妙な雨にうたれ意識を失う。再び目覚めたとき、彼は53歳になり、体は別の人格に乗っ取られていた。雨の正体は異種生命体だったのだ。人生の最も輝く時代を奪われた喪失感に苦しむ充生を、今度は連続殺人事件が襲う。記憶のない31年間にいったい何が!?
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Posted by ブクログ
いきなり降ってきた銀色の雨を浴びた者は宇宙の生命体に人格を乗っ取られてしまう。恋人との結婚を控えた22歳の奈路允生は自分の体の中で目覚めたのは31年後であった。31年間の自分の人生はどうなったのか。奇しくも連続殺人事件が起こり巻き込まれていくことになる。失われた31年の人生に殺人事件の鍵があるのか。...続きを読む 一回きりの人生というものの意味を考えさせられる。食品添加物などの問題、がん治療の是非、免疫力を無視した解熱剤の使用の問題など、現代が直面する問題を直截に提示もしている。作者が示したのが正解かどうかはこれからの課題ではあるだろう。
西澤作品らしい、かなり特殊なSF的状況設定+ロジックを意識したミステリ的要素。私は好きです。 主人公は30年の時空を超えてしまうわけなのですが、この意識しない30年というか、15-20年くらいの社会やテクノロジの変化を上手くエピソードに取り入れていて、この変化を見てきた私にはそういうディテールもナカ...続きを読むナカいいエッセンスになっていると思います。 最後はうまく纏まってるし、ストレス無く読めてよかったです。
微妙にSFなミステリー。 西澤さんっぽい作品かな。 なんとなくスッキリしない感じはするけど、じわじわ面白い。
突如宇宙からの未確認生命体に自我ごと体を乗っ取られた男が、31年後に自我を取り戻す。SFであるものの生きるとは何ぞやを考えさせられる。ちなみに、乗っ取られても記憶や人格はそっくりそのまま、という設定が粋。全く変わらなかろうが、身近な人間がある日を境にベツジンになる、というのはどのような感覚なのだろう...続きを読むか。
22歳だった。次の日、ぼくは53歳になっていた。空白の31年。ぼくは、きみは、ぼくたちは、少しは幸せだったのだろうか。彼を襲ったのは、不条理でやりきれない、人生の黄金期の収奪。あらかじめ失われた、愛しい妻との日々。おぼえのない過去を振り返る彼に、さらなる危険が迫る。
ビールシリーズをほぼ読んだの西澤保彦のSFを初めて読む。SF的な部分はわずかで、実はその影響で変化する人間模様。高知の情景も目に浮かぶ様で速読でした。
SFかと思ったら、意外とミステリーよりだった… どっちにしてもなんか消化不良気味だな、悪くはないのだがイマイチ物足りなさが残るって感じ
地球外生命体に意外な形で乗っ取られた人たちの物語。 でも、なぜ?何のために? 全く目的が分からず、だからこそもしかして 余計にコワイのかも・・・とちょっと思ってしまいました。
SF設定のミステリ。 婚約者の両親に挨拶する為に来た高知で銀色の雨に打たれて,意識が戻ったときは,31年も過ぎた後だった。 主人公がエイリアン?に乗っ取られた意識だけの存在という点は異質だけれど,物語の本質は普通にミステリとして楽しめる。
初期の西澤保彦得意の、ありえない超常現象でも合理的な謎の帰結、というパターンだと思っていたのだけど、叶えられたのは前者だけだった。 もっと謎に深みがほしかったし、トリックに緻密さがほしかった。以前の作品は、動機なんてどうでもいいほど設定とトリックと理論が素晴らしかったけど、このくらいの話しになると、...続きを読む動機の浅さが気になって仕方ない。以前の作品のような、圧倒的にロジカルな超常現象ミステリを、もう一度読んでみたい。
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