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Posted by ブクログ
鏑木蓮の長篇ミステリ作品『喪失』を読みました。
『見えない轍 心療内科医・本宮慶太郎の事件カルテ』に続き、鏑木蓮の作品です。
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キャリア女性刑事が挑む、感涙ミステリ!
京都市内のビルの非常階段で、有力不動産会社社長、真鍋征矢の妻、文香の遺体が見つかる。
文香の手には夫・征矢の金属製のブレスレットが握られていた。
妻は夫からの暴力被害を訴え離婚調停中だった。
事件後、文香の担当弁護士の和光は、彼女は嘘をついていた、DVはなかったとして、征矢の無実を証明したいと名乗り出る。
果たして嘘をついているのは誰か。
京都府警の準キャリア刑事、大橋砂生が不可解事件に執念で挑むが……。
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2017年(平成29年)に書き下ろしで刊行された作品です。
京都市内のビルで女性の不審死体が見つかる……京都府警・捜査一課の大橋砂生は、被害者の真鍋文香が夫・征矢のブレスレットを握りしめていたことから夫を疑う、、、
文香はDV被害を訴え、征矢と離婚調停中だったが……。
ミステリ、警察小説としても充分愉しめるのですが、単なる推理小説に留まらず人間の心理を深く探る視点が秀逸で、社会問題を織り交ぜて描かれていることも特徴で社会派ミステリ、ヒューマンドラマとしての要素も織り込まれた読み応えのある作品でした……妻に認められたいと思いつつ安らぎを愛人に求める夫、夫から愛されたいと願いつつ夫から得られない愛を娘に求める母、不安定な母を愛する一方で子どもとしての自由を生きられない娘、社会的地位や体裁を守るために生きる弁護士、、、
夫婦、親子、友人、愛人の間で揺れ動く思い、その裏に隠された関係者の心理が物語を思いがけない方向へと導く展開が印象的でしたね……そして、自殺なのか? 事故なのか? 殺人事件なのか? 殺人事件であれば、その動機や手段は? 面白かったです!
京都府警・捜査一課課長補佐の大橋砂生と下鴨署刑事課の望月駿のコンビもイイ感じだったし、事件を通して関係者たちが新しい一歩を踏み出すという希望の持てる結末や心地よい読後感が良かったですね……大橋砂生が登場する作品は他にもあるようなので、ぜひ読んでみたいです。
Posted by ブクログ
知らずに読み始めたけど、どうやら「見えない鎖」の続編
らしい。文庫化した時にタイトルが変更になっており、モヤモヤしたまま、最後まで読んでしまった。
前作の内容は全く覚えてなく、いきなり主人公の大橋砂生の流産シーンから始まり、意味不明だったけど、話が進むに連れ、事件の真相、冒頭の流産シーンがタイトルに繋がっていくことが分かり、納得。
不動産会社の社長の妻が自宅の階段から転落死し、その真相に迫ると言う派手さのない事件の中にいろんなメッセージが詰まっていて、奥深さを感じていただけに、ラストの落とし所が残念。
最後の最後に「見えない鎖」の内容を思い出した…
文庫買ってしまったよ〜
Posted by ブクログ
鏑木連氏の刑事ものは久々な気がします。率直な感想としては……悪くはなかったのですが、過去の刑事ものに比べるとやや物足りなさを感じてしまいました。
主人公は流産を経験した女刑事という設定ですが、この設定が本作の展開に効果的に作用しているという印象が薄かったのがその要因でしょうか。母親を失った瑠美と、お互い喪失したものを補い合う関係を強めるための要素だったのかもですが、流産という設定がなくても成り立ったのではないかと思ってしまったので……
過去作と比較するなら、被害者やその他登場人物にさほど感情移入できなかったことが、物足りなさの要因に挙げられるかもしれません。「白砂」「時限」などは被害者に強く同情したのですが、本作の真鍋父娘には同情できる部分もありますが自分勝手さの方を強く感じました。
とはいえ、大橋刑事の出来る女感溢れる振る舞いや無駄に声の大きい望月くん、そして娘との関係や会社の状況に悩む真鍋社長など、キャラクターは生き生きとしていて「物語を紡ぐためのただの駒」という感がないのは流石に思います。次回の刑事ものに期待したいです。
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