エンドロール

エンドロール

小説・文芸
748円 (税込)

3pt

映画監督になる夢破れ、故郷を飛び出した青年・門川は、アパート管理のバイトをしていた。ある日、住人の独居老人・帯屋が亡くなっているのを見つけ、遺品の8ミリフィルムを発見する。映っていたのは重いリヤカーを引きながらも、笑顔をたやさない行商の女性だった。門川は、映像を撮った帯屋に惹かれ彼の人生を辿り、孤独にみえた老人の波瀾の人生を知る。偶然の縁がもたらした温かな奇跡。(『しらない町』改題文庫化)。2011年さわべス受賞作。

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エンドロール のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ

    映画監督になる夢が挫折して、アパート管理人のバイトでただ日々を過ごす青年・門川。孤独死の老人の遺品の中に8ミリフィルムを発見し、その映像に惹かれた彼は老人の人生を辿る。
    現代社会の孤独死問題と、日本国家が犯した最大の過ちである戦争。一人の男性の人生を、全く縁のない青年が執念で追うという設定が見事だ。未来の自分自身を重ねた『孤独』という状況を徐々に打ち破る展開が巧みである。自分の人生は自分が主役だ。エンドロールには多くのキャストの名前が連なるが、最初は主役である自分の名前である。

    0
    2016年10月23日

    Posted by ブクログ

    私のレビューはいつも語数が多く冗漫だ。
    しかし。今回は特別。

    これは凄い小説だ。

    人の死は
    それだけでとらえられてはいけないのだ。
    生きていることが そのまま死にゆくこと。

    主人公が、自分でも言葉にできない
    自分を行動に駆り立てる衝動の源泉を
    少しずつ少しずつ見つけてゆく。

    人の成長や成熟の過程を
    この作品で目の当たりにした。

    0
    2015年11月04日

    Posted by ブクログ

    久しぶりに「当たり」でした。
    人生の終末を映画のエンドロールに見立て、人生の価値を問い、孤独死と呼ばれる状況がその人の人生を反映している物では無いことを訴える。
    初めての著者の作品を読むというのはちょっとした冒険だけれど、これだけスッキリと自分の胸に入り込む作品を探り当てた時は祝杯をあげたい気分です。

    *本作品は「しらない町」を改題した物だそうです。

    0
    2014年06月17日

    Posted by ブクログ

    『しらない町』の改題。映画監督を夢見る門川が、バイトで管理していたアパートの一室で老人の孤独死に遭遇する。亡くなった老人・帯屋の遺品の8ミリフィルムを見た門川は帯屋の人生に惹かれ、帯屋の人生を調べていく…

    門川がほんの僅かな手掛かりから帯屋の人生を辿る中で、少しづつ見えてくる人と人との繋がり、普通の孤独な老人と思われた帯屋の激動の人生に物語にのめり込んだ。予想もしなかった帯屋の人生…そして結末…感涙…

    人生のエンドロールを迎えた時、何を思うのだろうか。殺伐とした現代社会で人と人との繋がりの機微、人の心の暖かさを教えてくれる作品。

    蛇足。鏑木蓮さんの作品には岩手県が多く登場するのだが、この作品でも大船渡、一ノ関が登場する。

    解説は、盛岡のさわや書店の田口幹人さん。

    0
    2014年01月25日

    Posted by ブクログ

     死(孤独死)に対する考えが少し変わったような気がします。  奥の深い物語でした。
     人は生前いろんな人と出会い、語り、泣いて、笑って、生きてきたんです。誰ひとり孤独で亡くなる人なんていません。
     私もここで一人のまま逝くことになるでしょう。でも、私のことを少しでも、覚えてくれる方がいらっしゃるはず。それが縁というものでしょう。私はそれでいいと思っています。一人であっても、心の中に会いたい人を思い描いて、豊かな気持ちでこの世から去りたいんです。

    0
    2017年04月25日

    Posted by ブクログ

    孤独死の男性のそれまでの人生をたどる。テーマは重いけれど、文体の軽さからかさくさくと読むことができた。遺品の中から、それまでの人生に関わってきた人の名前が浮かぶ。しかし、その中で一様に語らないある人のこと。ミステリーの要素もありつつ、人生そのものはどんなものかを考えさせられた。
    最後の投稿文がとてもいい。

    0
    2015年09月29日

    Posted by ブクログ

    孤独死によって明らかになる特攻隊員達の戦後を描いたミステリー作品。
    地方の過疎化を鋭い観点で著述されており、都市市民が忘れてはいけない知識も重要な要素でありノンストップで読ませる。
    そして、私が観たことがない名作映画を是非とも観なくては、マズいと思わせるぐらいに絶妙なエッセンスとしている。コアな映画ファンにも読んでいただき、作中の映画の評価を聞いてみたいです。
    「永遠の0」に感動した人にはオススメと行きつけの本屋さんの宣伝メッセージが購読のキッカケでしたが、「永遠の0」は越えないかな。

    0
    2014年11月21日

    Posted by ブクログ

    遺品の8ミリフィルムを見て惹かれたことから門川くんの道行きが始まる。孤独に亡くなった老人にもそこに至るまでの道がある。エンドロールに流れる関係者の方々に恥ずかしくない生き方をしているだろうか……

    0
    2014年11月03日

    Posted by ブクログ

    本屋で何も考えずに手に取った本。

    人生のエンドロールを迎えた際に、人は何を思い何を残すのか!

    老人の孤独死に遭遇した映画監督を目指す青年・門川が、老人の遺品である8ミリフィルムを見て、老人の人生に興味を持ち調べていく。

    映像の場所に行き、関係のある人から話を聞くにつれて…。

    とても地味な話だが、人と人との繋がり…老人の人生…そして最後のエンドロールに涙しました。。。

    登場人物の心の温かい部分を感じ、心地よい気分になりました!

    0
    2014年09月19日

    Posted by ブクログ

    老人の孤独死をテーマに描かれた本。

    映画監督を夢見るビル管理のアルバイト青年がある日、孤独死した老人に出会う。そのまま終わるはずだったが、その老人がかつて映写師であり、また自分で撮った作品を遺品として残していた。それを見た青年の中に「この老人はどんな人だったのか撮りたい」という熱い情熱が燃え始める。

    本書の骨子は、現在孤独死問題に挙げられている人々は戦争を経験した最後の世代であること。
    その人生の極限状態を生き抜き、その後も生きてきた人々で、その間には数多くの縁、つながりがあってきたはず。
    それを現在のつながりだけを見て孤独死はかわいそうだ単純に判断するのはおかしいと思う。
    むしろ上から目線で、失礼にあたるかもしれない。

    だから孤独死したからと言って同情するのではなく、その人の歩んできた人生、培ってきた縁があったことを意識してほしい。

    という提言には思わせることがある。
    どこにいても人の縁は生き続けるというのは元気がもらえる。

    0
    2014年09月14日

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