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猫にならって
ときには、猫のように生きてみる。 高校生、バーの店員、獣医師……のら猫との出会いと、生命をめぐる8つの物語。 ・病気で臥せっている小学生・芳子の部屋で子猫が4匹生まれた。芳子は小さな子猫チビのことが気がかりで……(「ミー子のおしえ」)。 ・高校を中退し新宿二丁目のゲイバーで働いているエーイチ。ごみ収集を生業にしながら、のら猫をバーの屋上に住まわせている伝説の「エルヴィスさん」と出会い……(「逃げればいい」)。 ・孤独な獣医の湯出。思いがけないトラブルから逮捕されてしまい……(「猫の恩返し」)。 『おれのおばさん』『大きくなる日』『駒音高く』ほか家族小説の名手が描く感動の連作短編集。 ◆目次◆ 第一話 ミー子のおしえ 第二話 やさしく透きとおる 第三話 それぞれのスイッチ 第四話 男の子たち 第五話 エイミー先生 第六話 気になるあのひと 第七話 逃げればいい 第八話 猫の恩返し 装画/とりごえまり -
罪の因果性
ストーカー殺人事件に巻き込まれ人生を狂わされた、市役所職員・佑美。 だが三年後、事件の“再検証”が、壮大な悲劇の連鎖を明らかにする――。 『ルパンの娘』の著者、デビュー10周年の最高到達点! 【あらすじ】 市役所職員・倉多佑美は、家出した恋人を捜しているという男の電話を受ける。粘着質な男の誘導に、佑美は意図せず個人情報を漏らしてしまうが、数日後、市内で起きた地下アイドル刺殺事件に戦慄する。その被害者こそ、男が捜していた相手だったのだ!自責の念と周囲の目から、佑美は辞職に追い込まれる。だが三年後、新生活を営む佑美のもとに、星谷と名乗る謎の男が現れる。星谷は、事件を再検証したいと切り出し……。 乱歩賞作家が辿り着いた、慟哭のクライム・ミステリー! -
もっと、わたしらしく(アリシア・キーズ自伝)
★グラミー賞15冠、CDセールス6500万枚、楽曲再生65億回ーー世界的歌姫が自らの半生を赤裸々に語り尽くした著者史上最高傑作! ★米国Amazon2,600件以上で「星4.8」の超人気ベストセラー、初の邦訳! ★「自分の本当の価値を見つけ出す」ためのパワフルなメッセージに勇気づけられる人が続出! 世界で最も称賛されるミュージシャンの一人であるアリシア・キーズは、 その魂のこもった歌詞、驚異的な音域、そして心揺さぶられるピアノによって世界を魅了してきた。 しかし、華やかな人生を歩む一方で、人知れず個人的な苦しみを抱えていた―― 厄介で複雑な父親との関係、人を喜ばせたいという性格が高じて自らを追い詰めてしまった葛藤、恋愛におけるプライバシーのなさ、そして「完璧な女性であるべきだ」という期待からの重圧。 有名になるにつれ、アリシアの「表向きの個性」が奥深くにある「本当の個性」を覆い隠してしまい、彼女は何年ものあいだ、自分の本当の価値に気づくことすらできなかった。 こうして長いあいだ自らを抑え込む日々を送った末に、 彼女はついに、ある「問い」への答えを求めはじめるーー 「わたしは、本当は誰なの?」 本書を通じて、アリシアは真実を求めようとする自分自身の姿を初めてさらけ出してみせた。 自分自身について、自分の過去について、 そして、自分の気持ちを犠牲にすることをやめ、自らを大切にしようとする確固たる思いについて。 彼女が内側から変化していく姿を通して、 ぜひ、読む人一人ひとりが「本当の自分らしさ」を見つけ出すヒントにしてほしい。 -
【合本版】ノロワレ 怪奇作家真木夢人と幽霊マンション
『もし深夜に子供がドアをノックしても、絶対に開けないで下さい』 ホラー小説レーベルの編集者・西任結は、子供の喘息を憂い地方への引っ越しを決めた。だが、そのマンションでは奇妙な出来事が多く起こる。川に浮かぶ幾つもの紅い流し雛、不自然に多い空き部屋、「よそ者は出て行け」と怒りを露わにする老人、そして掲示板に貼られた謎の掲示――。 結は「新居がいわくつきだったら教えて下さい」と告げた若きベストセラー作家・真木夢人に相談を持ちかけるのだが、事態は一向に変わらず。そして、ついに住人の子供が奇怪な死に巻き込まれ――。 ※本電子書籍は、『ノロワレ 怪奇作家真木夢人と幽霊マンション』全3巻を1冊にまとめた合本版です。 -
【合本版】招き猫神社のテンテコ舞いな日々 全3巻
起業した会社が倒産したため、着の身着のまま、東京の片隅にある神社に管理人として身を寄せることになった青年。都落ちを痛感しながらも、再起に向けて意気揚々と暮らし始めようとする。 ところが、この神社には3匹の猫が棲み着いていた。大きくてブサイクな虎猫と、灰色の毛玉のような仔猫2匹。実は彼らは“化け猫”だった。 傍若無人ぶりを発揮する化け猫たち。そして、それにひたすら翻弄される青年――。 どこか憎めない化け猫たちとの人間味豊かな同棲生活を愉快に描くストーリー。化け猫も、けっこう可愛いものですよ……たぶん! ※本電子書籍は、『招き猫神社のテンテコ舞いな日々』全3巻を1冊にまとめた合本版です。 -
九尾の猫〔新訳版〕
次から次へと殺人を犯し、ニューヨークを震撼させた連続絞殺魔〈猫〉事件。すでに五人の犠牲者が出ているにもかかわらず、その正体は依然としてつかめずにいた。指紋も動機もなく、目撃者も容疑者もまったくいない。〈猫〉が風のように町を通りすぎた後に残るものはただ二つ――死体とその首に巻きついたタッサーシルクの紐だけだった。過去の呪縛に苦しみながらも、エラリイと〈猫〉の頭脳戦が展開される! 待望の新訳版 -
かえるの騎士とみにくい背高女王
かえるはいかにして騎士となり、敬愛する女王のもとから去るに至ったのか。 名前もないかえるは、地下室の檻で寝起きする見世物暮らし。 ある夜、騒ぎに乗じて逃げだしたかえるは、行く先々でたくさんの人たちと出会う。 数奇な運命によって遠く離れた土地へと導かれたかえるは、やがて闇を支配する恐ろしき敵との戦いに身を投じてゆく。 「ぼくは何ものなのか」。長い旅の果てに、かえるは何を見つけるのか。 世にも苛酷で優しいダークファンタジー、ここに開幕! ●著者 十文字青(じゅうもんじあお) 2004年『第7回角川学園小説大賞』特別賞を受賞し『薔薇のマリア』(KADOKAWA)でデビュー。 著作に『灰と幻想のグリムガル』(オーバーラップ文庫)、『果てなき天のファタルシス』(星海社)などがある。 -
響け! ユーフォニアム 久美子2年生編
※本書は以下3タイトルを収録した電子書籍合本版です。 <収録タイトル> ・響け! ユーフォニアム 北宇治高校吹奏楽部、波乱の第二楽章 前編 ・響け! ユーフォニアム 北宇治高校吹奏楽部、波乱の第二楽章 後編 ・響け! ユーフォニアム 北宇治高校吹奏楽部のホントの話 マーチングバンドの演奏を見て以来憧れだった立華高校吹奏楽部に入部した佐々木梓は、さっそく強豪校ならではの洗礼を受ける。厳しい練習に、先輩たちからの叱責。努力家で完璧主義の梓は、早く先輩たちに追いつけるよう練習に打ち込むが、楽器を演奏しながら動くことの難しさを痛感する。そんななか、コンクールに向けてオーディションが行われることになり……。アニメ化話題作に新シリーズ登場! ※この物語はフィクションです。作中に同一の名称があった場合でも、実在する人物、団体とは一切関係ありません。 -
ドッグウォーカー探偵事務所
予期せぬ死体発見の40%は、犬の散歩中に起きている――。 愛犬の散歩中、元刑事の死体と遭遇したチャーリー。 イギリス郊外の町で繰り広げられる、愛犬家たちの名推理! 犬たちが大活躍のコージーミステリ イギリスの郊外の町で暮らすグラフィックデザイナーのチャーリーは、森で愛犬と散歩中、元刑事の死体を発見する。直後に警官が殴打される事件が発生、そしてさらなる悲劇が――。 続けざまに殺人事件の発見者になってしまったチャーリーは、行きつけの喫茶店のオーナーや、犬の散歩代行業コンビ、引退した弁護士など、犬の散歩仲間(ドッグウォーカー)たちと事件を追うが……。平和な町で起きた連続殺人の意外な結末とは? *ドッグウォーカー探偵事務所のメンバー チャーリー……運動不足なグラフィックデザイナー ◇ルビー……スタッフォードシャー・ブル・テリアの老貴婦人 テス……言葉遊びが大好きなコーヒーショップのオーナー ◇ラフとタンブル……元気なジャック・ラッセル・テリア マルコム……おしゃれにうるさい元弁護士 ◇テッド……俊足グレイハウンド 犬の散歩代行サービス〈ナッツ・アバウト・マッツ〉 ヴィヴ……きびきびした性格の元教員 スー……元図書館司書で編み物が趣味 ◇ハンフリー……お騒がせラブラドール ◇プロフェッサー……利口なテリア -
「贄の花嫁 優しい契約結婚」シリーズ合本版
私は今日、顔も知らぬ方へ嫁ぐ――。 雨月智世(うづき ともよ)、20歳。婚約者の玄永宵江(はるなが しょうえ)に結納をすっぽかされ、そのまま婚礼の日を迎えた。 しかし彼は、黒曜石のような瞳に喜びを湛えて言った。 「嫁に来てくれて、嬉しい」 意外な言葉に戸惑いつつ新婚生活が始まるが、宵江は多忙で、所属する警察部隊には何やら秘密もある様子。 帝都で横行する辻斬り相手に苦闘する彼に、智世は力になりたいと悩むが……。 これは、優しい旦那様と一生懸命な花嫁の、幸せな物語。 ※本電子書籍は「贄の花嫁」シリーズ全3冊を収録しています。 【収録作品】 『贄の花嫁 優しい契約結婚』 『贄の花嫁 新婚旅行と水神様』 『贄の花嫁 黒い夢と願いの子』 -
希望の子
人を想う気持ちが溢れる 切なくも温かい“反”希望の物語 大災害の日に生まれ、 希望の象徴となった子どもたち。 彼らの人生は交わり、 鮮烈な光を放つ―― 言葉にできない、でも確かに存在する 感情や関係を掬い上げて心を揺さぶり、 また思いもよらぬストーリーテリングで 読者を驚かせてくれる一穂ミチさん。 その魅力のすべてが詰まった 集大成ともいえる小説が誕生しました。 テーマ、登場人物、人間関係、物語、 いずれも一穂さんにしか書けない 何度も胸が締め付けられる珠玉の連作集です。 〔あらすじ〕 失声症により言葉を発することができない 雪花は、スクールカウンセラーの梢から "生まれた日によって希望を背負わされた人"が 集まる「反希望クラブ」に誘われる。 雪花が生まれたのは2011年3月11日。 その日を境に、父は故郷の福島から戻らなくなり、 雪花は母と大阪で暮らすことになった。 ずっと抱えてきたわだかまりを分かち合える 「反希望クラブ」は雪花の 大切な居場所となっていく。 そんな中、雪花は母のスマホを盗み見てしまい――。 〔目次〕 希望の子 カーマンライン ウィンドミルでキドニーパイを 羊の帰る家 歌うように生きて 汽水域 -
池袋ウエストゲートパーク
マコト、殺人犯を匿う! 無法世界で探すちいさな希望 石田衣良による大人気シリーズの最新刊『乙女道スカウト狩り 池袋ウエストゲートパーク22』。本作では、危険なドラッグ「ゾンビタバコ」、埼京線の集団痴漢、未成年を搾取する違法風俗店、そして地下アイドルを巡るスカウト狩りなど、現代の池袋に渦巻く新たな闇に、トラブルシューター・マコトが挑みます。 表題作「乙女道スカウト狩り」は、マコトのもとにアラタと名乗る青年が訪れるところから始まります。彼の依頼は、妹のハルヒが所属しようとしている地下アイドル事務所「FROLAプロジェクト」と、その代表である華村玲侍という人物を調べてほしいというものでした。 しかし、調査を続けるうちに、「女は金のなる木」と扱う事務所の裏の顔がちらつきます。妹を心配する兄の純粋な想いから始まったはずの調査は、やがてトクリュウへと繋がっていき…。 果たして、地下アイドルの世界に隠された真実、そして、マコトが背負うことになった罪とは。すべての答えは、物語本編で確かめてください。 -
合本 俺たちの箱根駅伝
『俺たちの箱根駅伝』上下巻を一冊に 【この電子書籍は、文春文庫『俺たちの箱根駅伝 上』『俺たちの箱根駅伝 下』を一冊にまとめた合本です】 『俺たちの箱根駅伝 上』 日テレ系ドラマ化決定!池井戸潤の感動長編 「箱根」に懸ける者たちの激闘を描く、池井戸潤の感動長編が遂に文庫化。2026年10月より日本テレビ系土曜ドラマ放送開始 『俺たちの箱根駅伝 下』 魂の、継走──池井戸潤の感動長編! 高みを目指す“寄せ集め”学生チーム、現場の熱気を伝えるテレビ局。プライドを賭けた白熱のレースを描く感動の完結編! 単行本 2024年4月 文藝春秋刊 文庫版 2026年9月 文春文庫刊 この電子書籍は文春文庫版を底本としています -
さとこはいつも【特別掌編付】
【電子書籍版は、特別掌編「さとしはいつも」収録!】 監督デビュー20周年!本格書き下ろし小説 「誰でも一冊なら、自分の本が書けるんだって」 中井聡子、中学2年生。じりじりと迫りくる高校受験を薄目で見ながら、昼休みには屋上で友人たちと恋バナに花を咲かせ、放課後になれば、渋々入ったソフトボール部で嫌々ライトを守る(※ボールが飛んでくると逃げる)日々だ。 西田沙都子、35歳。韓国カルチャーと姪っ子をこよなく愛し、映画配給会社でしゃにむに働く。隠れた名作を世に広めたい! という初心はどこへやら、山積みの仕事に忙殺され、現実を知るうち、無難でより広くウケそうなコピーばかりひねり出すようになってしまった。 飯島里子、55歳。毎朝3人の息子のお弁当作りに精を出し、あっという間に20年が経った。三男の最後のお弁当の日、家族は誰もそのことに気が付かない。ふと顔を上げれば、読書好きだった学生時代に抱いていた小説家の夢もはるか遠くに。 塩辛への愛に初恋、不倫、家族。 彼女たちには、書かずにはいられない物語があった――。 ☆ ☆ ☆ 『南極料理人』『横道世之介』『子供はわかってあげない』など数々の名作を生み出してきた沖田修一監督がデビュー20周年の節目に贈る、初の本格書き下ろし小説! 忘れてしまった瑞々しい日々や葛藤、切なさ……。 すべてがここに詰まっています。 ☆ ☆ ☆ 映画『さとこはいつも』2026年9月18日(金)TOHOシネマズ日比谷ほか全国公開 有村架純 石田ひかり 姫野花春 黒田大輔 青木柚 細田佳央太 吉田羊 オダギリジョー 筒井道隆 監督・脚本 沖田修一 音楽 柴田聡子 主題歌 折坂悠太 「シミレ(feat.柴田聡子)」 製作幹事 アミューズクリエイティブスタジオ 配給 ハピネットファントム・スタジオ 制作プロダクション オフィス・シロウズ (C)2026「さとこはいつも」製作委員会 -
刑事総務課は眠らない
【眠らないで働ける人間なんて、いるはずない!】 不眠症×ショートスリーパー 異色の男女バディが真相を探る 『或る集落の●』『夫の骨』『撮ってはいけない家』など、ミステリーやイヤミス、モキュメンタリーなど様々なジャンルで印象的な作品を残してきた矢樹純さん。今作は、矢樹さん初の警察小説です。 かつて神奈川県警捜査一課の刑事だった月代杏果(つきしろ・きょうか)。しかし、2年前、未解決に終わった誘拐事件がきっかけで不眠症を発症し、職務中に失態を演じたことで、刑事総務課犯罪統計係へ異動となってしまいます。 そこで彼女を待っていたのは、なんと「眠らない」部下、根津梗士郎(ねづ・きょうしろう)でした。 根津は元機動隊員で、9年前の災害が原因で脳に障害を負い、後遺症により1日に1時間未満しか眠れなくなっていました。 「自分は眠れないんです。帰っても休めないなら、仕事をしていた方が良くないですか」と、平然と30時間以上も連続勤務する彼に、杏果は戸惑うばかり。そして彼には、短い睡眠中に見る「とても長い夢」に、埋もれた事件の真相のヒントが現れるという不思議な能力があったのです。 不眠に悩む上司と、ショートスリーパーの部下。異色のバディが次々と事件の真相を解き明かしていきます。そんなとき、杏果が不眠症になったきっかけの事件で誘拐された女の子の実父が、新たな事件の被害者として発見され……。 警察小説の枠を超えたミステリーの新たな傑作の誕生です!二人がたどり着く驚きの真実とは?ぜひ、矢樹純さんの最新作『刑事総務課は眠らない』を手に取って、その目で確かめてみてください。 -
【電子特典付】『機動警察パトレイバー』 寿司屋の後藤
【電子特典 掌編付き!】 後藤隊長が寿司屋に――!? 「機動警察パトレイバー」正統(?)続編 あの日から30年、元・特車二課第二小隊隊長・後藤喜一は、寿司屋になっていた!? 後藤が、熱海で営む小さな寿司屋。 店にたむろする愛すべき常連たちと、そこを訪れる旧・特車二課の面々。 遊馬、野明、太田、進士、山崎、香貫花……そしてあの人も―― 彼らは何を語るのか――? ―――――― 熱海の路地の先にある小さな寿司屋。 日本有数の温泉地――熱海駅から徒歩3分ほどの路地裏の店だ。 ネットにも情報はほとんど載っていない。 駅近くの場所とはいえ、かなりわかりにくい。目印となる店の看板はない。 店の前に出された、さほど大きくもない黒板に店名が記されているだけで、 その情報からここが寿司屋である、とかろうじてわかるだけである。 ――店主は半眼に閉じたような眠たげな目を向けた。70を少しすぎたくらいだろうか。 ふんだんにある頭髪は見事に白く、やや猫背で威勢のよさは微塵もない。 「うちはマグロもサーモンもありません。どっちもこのあたりでは揚がらない魚なんで、地のものしか扱ってないんですよ。すみませんね」 言いながら、客を見ることもなくまな板を拭いている。 (第一話 「店の名は」 より ) 電子特典掌編「ウサミミさんの場合」収録 -
あなたが正しくいられたとき
その正義、正しい? 驚愕の反転ミステリー どんでん返し×驚愕の心理トリック そのときあなたの“正義“が揺さぶられる 『嘘と隣人』が直木賞候補、『夜の道標』で日本推理作家協会賞(長編および連作短編集部門)を受賞した芦沢央さんの最新短編集です。 日常に潜む人間の心の歪みや、「正しさ」が孕む危うさを鋭く描き出した6編を収録しています。どの物語も、登場人物が信じる「正しさ」が、思わぬ悲劇や皮肉な結末を呼び起こし、人間の心理を深くえぐる筆致に価値観が激しく揺さぶられます。 鮮烈な印象を残すのが、表題作の「あなたが正しくいられたとき」。 同窓会で再会した元カノ・黒川の娘が川に落ちるという、衝撃的な場面から物語は始まります。主人公の窪田はとっさに川へ飛び込み、少女を救助します。自らの行動を「正しい」と信じて疑わない窪田ですが、物語が進むにつれて意外な真相が明らかになり――。 「窪田くんは、正しい人だよね」「物語に出てくるヒーローみたい」と黒川に言われる窪田の「正しさ」とは何なのでしょうか。 現代社会の不安を巧みに掬い取った「立体パズル」もまた、忘れがたい一編です。 主人公の幼稚園児の息子と同い年の子どもが、「子どもは静かにするもんだろうが」と主張する犯人に殺されるという事件が起こります。 犯人はかつて神童と呼ばれたエリートでした。その犯人が、主人公が住む街をうろついているらしいという噂が流れます。子どもの安全を守りたいという親としての「正しさ」が行きついた先とは……。 本書に収められた6つの物語は読者の心に鋭い棘を残します。登場人物たちの行動は、決して他人事ではありません。損をしたくない、誰かを守りたい、過去の過ちを正したい――。誰もが抱く切実な思いが、「正しさ」という名のナイフに変わる瞬間を、芦沢さんは描きます。 あなたが信じる正義は、本当に正しいのか。読み終えた後、その問いが深く胸に突き刺さる、傑作短編集です。 -
#台所のあるところ
6つの台所をめぐる「わたし」の物語。 『三千円の使いかた』の著者が贈る、 ちょっぴりほろ苦く、じんわり心に沁みこむ「暮らし」をめぐる物語。 ◇◇◇ 2人の子供が巣立ち、定年を迎えた夫は長年望んでいた仕事のため海外へ。広い家にひとり残された主婦は、15年前、越してきた日に購入を諦めたステンレス製の両開き大型冷蔵庫を迎え入れるべく、家電量販店を目指す。今度こそ、自分が本当に欲しい冷蔵庫を手に入れるため……。(ままならないキッチン、ままならない人生) 昔から「内藤」と「鈴木」姓の人間しか住まず、たがいに反目し合い、口すら利かない風習の島に嫁いだ女性を待ち受けていた運命は?(冷凍庫冷蔵庫合わせて五台) 食べ盛りで生意気な4人の子供を育てるシングルマザーの台所には、常に油をなみなみ張った中華鍋が鎮座している。(毎日、揚げ物) ……世代も境遇もバラバラの5人の女性たちの前には、30分の深夜ドラマ「台所のあるところ」があった。 -
宙わたる教室
伝説の「定時制科学部」がよみがえる! NHKドラマ化で話題沸騰&大ヒット 『宙わたる教室』待望の続編! さまざまな背景を持つ生徒が集う、東新宿高校定時制。 理科教師の藤竹を中心に結成された「科学部」は、かつて「火星のクレーター再現実験」に取り組み、学会の高校生セッション優秀賞、JAXAとの共同研究と快挙を成し遂げた“伝説”になった。 その6年後、顧問の藤竹は去り、科学部は消滅していた。ある事情で私立の超進学校から定時制に転入してきた飯星佐那は、科学部を復興しようともくろみ、勧誘活動を開始する――。 岳人や佳純など、かつての科学部メンバーも再登場。彼らの思いも背負って、新生・科学部が走り出す! 「泣ける青春科学小説」として絶賛された前作を上回る感動がここに。 『藍を継ぐ海』で直木賞を受賞した伊与原新さんがおくる、科学に触れる喜びにあふれた傑作長編! -
アフター・ユー
遠い地で、見知らぬ男と海に消えた恋人―― ●一穂ミチ3年ぶりとなる待望の長編 『光のとこにいてね』(島清恋愛文学賞受賞)、 『ツミデミック』(直木賞受賞)、 『恋とか愛とかやさしさなら』(本屋大賞ノミネート)と、 次々と話題作を発表する一穂ミチさん。 3年ぶりの長編となる今作は、 一穂さんが「いつか書きたかった」という、 「不在」と「喪失」の物語となりました。 互いに秘密を抱えながら暮らす 男女に訪れた突然の別れ――。 喪失を通して愛を問う、大人の恋愛小説です。 〔あらすじ〕 タクシー運転手の青吾が仕事を終えて家に帰ると、帰宅しているはずの恋人・多実がいない。 翌日以降も戻る気配がなく焦りを募らせる青吾のもとに、 <多実が見知らぬ男性と五島列島の遠鹿島で海難事故に遭い、 行方不明になった>というしらせが届く。 謎の多い事故の真実を求めて、 男の妻だという沙都子と遠鹿島へ向かう青吾。 多実の人生のかけらを拾い集める旅は、 青吾自身の過去をも照らしながら、 思いも寄らぬ場所へとふたりを導く――。 -
たとえば孤独という名の噓
一話ごとに反転する真相に驚愕必至! 「……俺はいつからハメられてたんだ?」 〈姫川玲子シリーズ〉〈ジウシリーズ〉を手掛ける警察小説の名手の新境地は、1話ごとに真相が反転する、慟哭の【警察×スパイ】ミステリー。 ◇◇◇ 警視庁公安部の佐島はある日、被疑者取調べに駆り出された。大学時代の友人・稲澤が、勤務先の女性部下・矢代を殺害した容疑をかけられていたのだ。被害者はなぜか、二人が学生時代に共に恋焦がれた女性・綾と瓜二つだった。 容疑を否認しつつ稲澤は言う。 「矢代は中国のスパイだったんじゃないか」 取調べを終え部屋を出ると、そこには特捜幹部が顔を揃えていた。彼らは1枚の紙を佐島に突きつけた――いったい、何がどうなっているんだ? ◇◇◇ 1話ごとに視点人物が移り変わり、それによって明らかになってゆく事実。 事実が事実を揺るがし、真相は煙雨のなかに彷徨う。 ラストに辿り着いたとき、あなたの頬に流れるのは、涙か、雨粒か――。 ◇◇◇ ――私に残ったのは、あの人だけだった。 だからこそ、赦せなかった。 -
犯人と二人きり
7つのミステリを横断する、著者初の短編集 面白い小説をお探しのあなた、この本はいかがですか? 謎が謎を呼ぶ、7つの怪事件…… ミステリー界のグランドスラム(江戸川乱歩賞、日本推理作家協会賞、このミス1位、週刊文春ミステリー1位)を達成した著者が放つ、驚天動地の短編集! 当代随一のストーリーテラーが贈る、最高のスリルとサスペンス! 驚愕の展開と見事な謎解き、そしてドンデン返し! ミステリーをベースに、ホラー、サスペンス、SF、ファンタジーなど、エンタテインメント小説のあらゆる要素を盛り込んだ、傑作短編の豪華詰め合わせ! 短編って、こんなに面白いんだ。 -
家族
「家族って、なんだと思います?」 「現実の世界では、すんなり完全犯罪を 達成できてしまうこともあるんだって学んだんです」 2011年11月3日、裸の女性が交番に駆け込み、「事件」が発覚した。奥平美乃(おくだいら・みの)と名乗るその女性は、半年と少し前、「妹夫婦がおかしな女にお金をとられている」と交番に相談に来ていたが、「民事不介入」を理由に事件化を断られていた。 奥平美乃の保護を契機として、表に出た「死」「死」「死」…… 彼女を監禁していた「おかしな女」こと夜戸瑠璃子(やべ・るりこ)は、自らのまわりに疑似家族を作り出し、その中で「躾け」と称して監禁、暴行を主導。何十年も警察に尻尾をつかまれることなく、結果的に十三人もの変死に関わっていた。 出会ってはならない女と出会い、運命の糸に絡めとられて命を落としていく人々。 瑠璃子にとって「家族」とはなんだったのか。そして、「愛」とは。 「民事不介入」に潜む欠陥を日本中に突きつけた「尼崎連続変死事件」をモチーフとした、戦慄のクライムエンターテイメント! -
じゃないほうの歌いかた
こんな奇跡があるのなら、人生にNOは言えない 落合南長崎の独立系カラオケ店「BIG NECO」では、今日もドラマが巻き起こる。 「カラオケの再現映像に出ていそうな女」と過去2回言われたことのある池田。 音が鳴らないトランぺッター・加賀と、その恋敵・サナ。 反抗期の娘と暮らす、元俳優の佐藤待男。 74歳にしてカラオケでアルバイトをする謎の老人・石崎さんと、 石崎さんを心配する指導役アルバイター・小野。 「E.YAZAWA」のステッカーを集め続ける、売れない作家・染井暖。 うだつのあがらない凡人たちが起こす、ちょっとした人生の奇跡ときらめき。 -
天下の値段 享保のデリバティブ
江戸も令和も、国家の命運は米価で決す! 世界初の先物取引所で繰り広げられる、享保の知られざる米騒動――大坂商人vs.将軍吉宗。究極の頭脳戦の行方はいかに!? 時は江戸時代、天下の台所――大坂堂島には全国から米が集まり、日々、値が付けられ膨大な取引がされていた。特に盛んだったのが、先々の米価を扱う先物取引(デリバティブ)。商人たちは紙と筆と頭脳を用い、利鞘の多寡で泣いたり笑ったり。 一方の江戸では、将軍吉宗はじめ、幕閣たちは忸怩たる思いを抱いていた。米価の変動はすなわち武士の年貢収入の変動であり、あろうことか、それらを商人たちが汗もかかず、意のままに決めている。そんな不実の商いは許すまじ、と堂島を支配すべく動き出すのだが……。 市場の自治を守らんとする大坂商人たちと、武士の誇り(とお金)を懸けた江戸幕府との究極の頭脳戦! -
たえまない光の足し算
若者たちの生を鮮やかに描く、芥川賞候補作 第173回芥川賞候補作 若者たちの生を鮮烈な文章で描く、これが文学の未来! 「かいぶつ」と呼ばれる時計台が見下ろす公園で出会った二人の少女と一人の青年。 美容外科のポスターに啓示を受け、花を食べる“異食の道化師”薗(その)。 「みんなのひと」になりたくて、フリーハグを続ける“抱擁師”ハグ。 “プロの軟派師”としてデビューしたばかりの弘愛(ひろめぐ)。 「こんなふうだったら、かんぺきだと思う」 「なにが」 「人と人とのむすびつきがさ」 ここは帰るべき家を持たない少年少女たちの残酷な楽園 21歳の新鋭が爆発させる愛と幻想の世界! -
サイレントシンガー
著者6年ぶり、世界が待ち望んだ長篇小説400枚。 内気な人々が集まって暮らすその土地は、“アカシアの野辺”と名付けられていた。たったひとりの家族であるおばあさんが働いているあいだ、幼いリリカは野辺の老介護人に預けられて育った。野辺の人々は沈黙を愛し、十本の指を駆使した指言葉でつつましく会話した。リリカもまた、言葉を話す前に指言葉を覚えた。たった一つの舌よりも、二つの目と十本の指の方がずっと多くのことを語れるのだ。 やがてリリカは歌うことを覚える。野辺の重要な行事である“羊の毛刈り”で初めて披露された彼女の歌は、どこまでも素直で、これみよがしでなく、いつ始まったかもわからないくらいにもかかわらず、なぜか、鼓膜に深く染み込む生気をたたえていた。この不思議な歌声が、リリカの人生を動かし始める。歌声の力が、さまざまな人と引き合わせ、野辺の外へ連れ出し、そして恋にも巡り合わせる。果たして、リリカの歌はどこへと向かっていくのか? 名手の卓越した筆は、沈黙と歌声を互いに抱き留め合わせる。叙情あふるる静かな傑作。 -
ミナミの春
愛する娘を傷つけたくない。著者渾身の人情譚 痛みも後悔も乗り越えて、いつかみんなできっと笑える。 『銀花の蔵』で直木賞候補、 いま注目の作家が放つ“傑作家族小説”! 売れない芸人を続ける娘、夫の隠し子疑惑が発覚した妻、父と血のつながらない高校生…… 大阪・ミナミを舞台に、人の「あたたかさ」を照らす群像劇。 ◎松虫通のファミリア 「ピアニストになってほしい」亡妻の願いをかなえるために英才教育を施した娘のハルミは、漫才師になると言って出ていった。1995年、阪神淡路大震災で娘を亡くした吾郎は、5歳になる孫の存在を「元相方」から知らされる。 ◎ミナミの春、万国の春 元相方のハルミが憧れた漫才師はただ一組、「カサブランカ」。ハルミ亡き後も追い続けたが、後ろ姿は遠く、ヒデヨシは漫才師を辞めた。2025年、万博の春に結婚を決めたハルミの娘のため、ヒデヨシは「カサブランカ」に会いに行く。 (他、計6篇) -
マイ・ディア・キッチン
~『人生に詰んだ元アイドルは、赤の他人のおっさんと住む選択をした』の 大木亜希子が贈る最新作は、“人生が愛おしくなるお料理エンタメ”~ 「ずっと、人に振り回されてきた。私さ、心が空っぽなの。 これからはもっと、自分のために生きたい」 元料理人の主婦・白石葉は、夫のモラハラに耐える日々を送っていた。 財布の紐、交友関係、食事、体型まで徹底的に管理されてきたが、 ある日事件が起きる。家から逃げ出した葉が辿り着いたのは、 街の小さなレストランだった。 ☆大人気料理家・今井真実さんのレシピつき!☆ 自立とはなにか。その答えを葉とともに追う、旅のような物語――寺地はるな(作家) 食べることは、生きること。一つのお店を通して交差するいくつもの人生を追体験して、 何度も心が揺れました。――深川麻衣(女優) -
地球と書いて〈ほし〉って読むな
「痛くて切なくて、めちゃくちゃ笑える。 出し抜いたりうまく騙したりできなくても、人生はめちゃくちゃ面白くなる。 このクソみたいな世界に、上坂あゆ美は笑いと怒りと言葉で立ち向かう。 爆弾みたいな本だった。」――佐久間宣行(TVプロデューサー) 第一歌集『老人ホームで死ぬほどモテたい』が異例のヒット! 唯一無二の短歌を紡ぐ新世代歌人のパンチライン炸裂エッセイ集。 不倫にギャンブルにやりたい放題の末、家族を捨ててフィリピンに飛んだ“クズ”の父、女海賊のように豪快で腕っぷしの強い母、ギャルでヤンキーでトラブルメーカーな姉、そして真実を執拗に追求するあまり人間関係において大事故を起こしてきた私…… 数々の失敗を繰り返しながらようやく最近“人間”になってきた著者のこれまでを赤裸々かつユーモラスに物語る。 ■目次 ほんとうのことがこの世にあるとしてそれは蟻の巣的なかたちだ 人生でまだ主人公だと思う?って声がイートインコーナーからする 父がくれるお菓子はいつも騒音と玉の重みで少し凹んでた 栗南瓜の煮付けのような夕暮れに甘くしょっぱく照らされる家 めくるめく生クリームに母の声 いつかのメリー・クリスマスイヴ 人生はこんなもんだよ 眉毛すら自由に剃れない星でぼくらは ヒョウ柄とゼブラで車を埋め尽くす姉は何かを信仰している それっぽい土手とかないしサンクスの駐車場にていろいろを誓う 今日なにがあっても伸びる豆苗と必死で生きる僕たちのこと ロシア産鮭とアメリカ産イクラでも丼さえあれば親子になれる ルフィより強くてジャイアンよりでかい母は今年で六十になる ほか -
特命捜査対策室
27年前の轢き逃げ事案、あれは〈殺し〉だったのか? 電気街・秋葉原に眠る“ある一族の秘密”が、時を経ていま目覚める―― 警察小説の巨匠・佐々木譲が描く未解決事件【コールドケース】 ◆あらすじ 1997年10月、神田明神下の路地で起こった轢き逃げ事案。被害者は秋葉原【アキバ】に根を下ろす一族経営の電器店の常務だった。 未解決のままだったこの事案に、2024年11月、〈殺し〉の可能性が浮上する。 警視庁捜査一課特命捜査対策室の刑事・水戸部と、地元・万世橋署の“やる気のない年上部下”柿本のバディは、電気街の歴史をかき分け真実をつかめるのか!? 主演・松重豊でドラマ化も果たした〈特命捜査対策室〉シリーズ、待望の最新刊! ◆シリーズ既刊 『地層捜査』 『代官山コールドケース』 (ともに文春文庫刊) -
ゆびさきに魔法
育児中も、おじさんも、俳優も、ネイルのある毎日はいつだって幸せ クスリと笑えて胸温まる――。しをん節炸裂! ザ・王道“お仕事”小説 あらすじ 月島美佐はネイルサロン『月と星』を営むネイリストだ。爪を美しく輝かせることで、日々の暮らしに潤いと希望を宿らせる――ネイルの魔法を信じてコツコツ働く毎日である。そんな月島のもとには今日も様々なお客様がやって来る。 巻き爪に苦しむも、ネイルへの偏見からサロンの敷居を跨ごうとしない居酒屋の大将。子育てに忙しく、自分をメンテナンスする暇もなくストレスを抱えるママ。ネイルが大好きなのに、パブリック・イメージからネイル愛を大っぴらにはできない国民的大河男優……。 酒に飲まれがちながらも熱意に満ちた新米ネイリスト・大沢星絵を得て、今日も『月と星』はお客様の爪に魔法をかけていく。 登場人物 月島美佐 『月と星』を営むネイリスト。丁寧で正確な施術が得意。悩みは人手不足。仕事に忙しく、恋の仕方は忘れてしまった。 大沢星絵 求職中の新米ネイリスト。独創的なセンスの持ち主だが、基礎技術に少しだけ難アリ。すぐに人と打ち解ける高い能力を持つ一方、酒に飲まれると記憶を綺麗に失う。 松永 居酒屋「あと一杯」の大将。巻き爪に苦しむも、ネイルへの偏見からサロンの敷居をまたごうとしない。煮付けを大沢に溺愛されている。 上野琴子 子育てに忙殺される。ネイルをしたいが、「母親失格」と思われるのではと気に病んでいる。 村瀬成之 国民的人気を誇るイケメン俳優。ネイルを心から愛するも、パブリック・イメージからそれを明かせずにいる。 -
もう明日が待っている
放送作家・鈴木おさむが引退と同時に贈る、覚悟の一冊! これは「小説SMAP」である。 メンバーの脱退、トップアイドルのまさかの結婚、 誰にも言えなかった苦悩、戦い。 国民的スターとして沢山の夢を与えてきた彼らの全てが、 たった一夜の「放送」で壊れていった。そして日本中が悲しんだ解散。 彼らと20年間走ってきた放送作家にしか書けなかった奇跡の物語。 新たなテレビ文学、ここに誕生。 その先に明日はきっと、ある……。 目次より 第1章 素敵な夢をかなえておくれ 第2章 あれからぼくたちは 第3章 世界で二番目にスキだと話そう 第4章 1・2・3・4 FIVE RESPECT 第5章 WELCOME ようこそ日本へ 第6章 とってもとっても僕のBEST FRIEND 第7章 くじけずにがんばりましょう 第8章 20160118 第9章 もう明日が待っている -
アウトサイダー
スティーヴン・キングが描く、不可能な事象の裏に潜む圧倒的恐怖 完璧な証拠で逮捕された少年惨殺事件の犯人。しかし彼には鉄壁のアリバイがあって──。事件の裏に隠れた恐ろしい存在とは。 平穏な町で起きた、11歳の少年の惨殺事件。ラルフたち地元警察は、複数の目撃証言を得て、高校の教師で少年野球のコーチとしても慕われるテリーを逮捕した。しかし、彼には完璧なアリバイがあることが判明する。自身の潔白を主張するテリー。一方で、異常犯罪への憎悪を募らせる遺族と住民たち。そして、町を新たな悲劇が襲う。 ※この電子書籍は2021年3月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。 -
神と黒蟹県
架空の県を舞台にした連作小説集 「黒蟹とはまた、微妙ですね」 微妙、などと言われてしまう地味な県は全国にたくさんあって、黒蟹県もそのひとつだ。 県のシンボルのようにそびえたつのは黒蟹山、その肩に目立つ北斎が描いた波のようにギザギザの岩は、地元では「黒蟹の鋏」と呼ばれ親しまれている。県庁や裁判所を有し、新幹線も停まる県のビジネス拠点としての役割を担う紫苑市と、かつての中心地で歴史的町並みや重要文化財である黒蟹城を擁する灯籠寺市とは、案の定、昔からの遺恨で仲が悪い。空港と見まごうほどの巨大な敷地を持つショッピングモールの先には延々と荒れ地や牧草地が続き、廃業して解体されてしまって今はもう跡地すらどこだかわからない百貨店に由来する「デパート通り」はいつまで経っても改称されず、同じ姓を持つ住民ばかりの暮らす村がある。 つまり、わたしたち皆に馴染みのある、日本のどこにでもある「微妙」な県なのだ。 この土地に生まれ暮らす者、他県から赴任してきた者、地元テレビ出演のために訪れた者、いちどは故郷を捨てるもひっそり戻ってきた者、しばしば降臨する神(ただし、全知全能ならぬ半知半能の)。そういった様々な者たちのささやかでなんてことないが、ときに少しの神秘を帯びる営みを、土地を描くことに定評のある著者が巧みに浮かび上がらせる。 -
でぃすぺる
『屍人荘の殺人』の著者が仕掛ける ジュブナイル×オカルト×本格ミステリ 小学校最後の夏休みが終わった。小学校卒業まであと半年。 ユースケは、自分のオカルト趣味を壁新聞作りに注ぎ込むため、“掲示係”に立候補する。この地味で面倒だと思われている掲示係の人気は低い。これで思う存分怖い話を壁新聞に書ける!……はずだったが、なぜか学級委員長をやると思われたサツキも立候補する。 優等生のサツキが掲示係を選んだ理由は、去年亡くなった従姉のマリ姉にあった。 マリ姉は一年前の奥神祭りの前日、グラウンドの真ん中で死んでいた。現場に凶器はなく、うっすらと積もった雪には第一発見者以外の足跡は残されていなかった。犯人はまだ捕まっていない。 捜査が進展しない中、サツキはマリ姉の遺品のパソコンの中に『奥郷町の七不思議』のファイルを見つける。それは一見地元に伝わる怪談話を集めたもののようだったが、どれも微妙に変更が加えられている。しかも、『七不思議』のはずなのに六つしかない。 マリ姉がわざわざ『七不思議』を残したからには、そこに意味があるはず。 そう思ったサツキは掲示係になり『七不思議』の謎を解こうとする。ユースケはオカルト好きの観点から謎を推理するが、サツキはあくまで現実的にマリ姉の意図を察しようとする。その二人の推理を聞いて、三人目の掲示係であるミナが冷静にジャッジを下す……。 死の謎は『奥郷町の七不思議』に隠されているのか? 三人の“掲示係”が挑む小学校生活最後の謎。 こんな小学6年生でありたかった、という思いを掻き立てる傑作推理長編の誕生です。 -
君のために鐘は鳴る
島田荘司推理小説賞受賞! 21世紀の『十角館の殺人』がマレーシアから登場 最愛の妻を亡くし引退したベストセラー作家がある日、 ふと目を覚ますと、そこは見知らぬ孤島だった。 やがて桟橋に船が着き、老若男女が島に降り立つ。 一行はデジタル機器に囲まれた日常の疲れを癒し、 本来の人間性を取り戻す「デジタルデトックス」のために 島に渡って来たという。 メンバー相互の会話や、視線を合わせることさえ禁じられ、 読書やメモをとること、音楽を聴くことも不可。食事は菜食のみ、 そして殺生も厳禁という環境の中でデジタル・デトックスが始まるが、 やがて残酷な連続殺人事件が発生する。 作家はそのすべてを目撃するのだが、 なぜかメンバーたちの目には彼の姿が映らないらしい……。 華人系マレーシア人の女性作家が、 ミステリ界の巨匠・島田荘司氏が提唱する21世紀本格に応えて放った、 〈21世紀の『十角館の殺人』〉! -
運び屋円十郎
大型新人が放つ、幕末時代活劇 〈運びの掟〉 一つ、中身を見ぬこと。 二つ、相手を探らぬこと。 三つ、刻と所を違えぬこと。 約束の物は何があっても届け切る。それが〈運び屋〉。 母は病に倒れ、父も道場の経営に失敗して体を壊した。 自力で稼がなくてはならなくなった円十郎は〈運び屋〉を営む〈あけぼの〉に雇われることになった。 腕のいい〈運び屋〉として江戸の街を駆け回る円十郎だったが、 荷を運んでいたある夜、攘夷の志を口にする武士と手練れの忍び(?)に立て続けに襲われる。 一体何が起きているのか? 円十郎は知らず知らずのうちに時代の大きな渦に巻き込まれていく……。 オール讀物新人賞受賞の大型新人が放つ、幕末時代活劇。 -
残照
不眠、減量苦、レース中の死亡事故、謎の転落死…… どん底に落ちた男が復活を遂げた時――事件は起こった。 ベテラン騎手の元春は、6年ぶりにGIレースで優勝する。 馬主との喧嘩別れや減量苦を経ての復活だった。 しかしネットで誹謗中傷され、それを書き込んだと思われる亡き後輩の妻を訪ねると、その夜、彼女はマンションから転落死する。 ほぼ同時刻、元春は自宅で車の盗難未遂にあい、さらに数日後には空き巣に入られた。 自分はいったい何に巻き込まれているのか? そして彼女の死は事故か、自殺か、あるいは殺人なのか――。 元スポーツ紙記者の著者にしか書けない圧巻の書き下ろしサスペンス。 -
おもちゃ 河井案里との対話
すらっと伸びた脚と大きな目、最先端のセクシーなファッションに身を包んで政界に登場したときは、マスコミはこぞって「女性政治家の星」として好意的に取り上げた。しかし、史上最大級の選挙違反で逮捕されるや、手のひらを返したように、「稀代の悪女」としてここぞとばかりに叩いた。 河井案里。 参院議員として活動したのは19カ月に満たなかったが、世間に大きなインパクトを残した。 彼女はマスコミの寵児となったが、実のところ、彼女のプライベートをよく知る記者はいない。 筆者は、当選直後から逮捕されるまで、インタビューなどの取材だけでなく、ことあるごとに電話やメールでやり取りをしてきた稀少な存在である。筆者の手元には、膨大な量の録音、メールがある。 あらためてそれらを読み返すと、不思議なことに気が付く。 宮崎で成功した建築家の家に生まれ、慶応大学に進学し、代議士の妻、そして自身も県会議員から参院議員と、これだけ聞くと恵まれすぎた人生のように見えるが、彼女からは、いっこうに幸せそうなようすがうかがえないのだ。 生きづらい女。 筆者は彼女の生まれた宮崎を訪れることからはじめ、その人生をあらためて取材してみた。すると、そこには、マスコミで見せた鼻っ柱の強い美人政治家とは別の顔が見えてきた。 「私も黒川さんも、権力闘争のおもちゃにされたんです」 河井案里という一人の女性政治家の人生を通して、現代社会における女性の生きづらさに迫る。 -
嫌われた監督 落合博満は中日をどう変えたのか
なぜ 語らないのか。 なぜ 俯いて歩くのか。 なぜ いつも独りなのか。 そしてなぜ 嫌われるのか――。 中日ドラゴンズで監督を務めた8年間、ペナントレースですべてAクラスに入り、日本シリーズには5度進出、2007年には日本一にも輝いた。 それでもなぜ、落合博満はフロントや野球ファン、マスコミから厳しい目線を浴び続けたのか。秘密主義的な取材ルールを設け、 マスコミには黙して語らず、そして日本シリーズで完全試合達成目前の投手を替える非情な采配……。 そこに込められた深謀遠慮に影響を受け、真のプロフェッショナルへと変貌を遂げていった12人の男たちの証言から、 異端の名将の実像に迫る。 「週刊文春」連載時より大反響の 傑作ノンフィクション、遂に書籍化! -
武漢病毒襲来
妻子の待つ武漢へ、新型肺炎が蔓延し封鎖された中国をゆく男の決死行。 中国からの亡命を余儀なくされた作家が放つ渾身のコロナ文学。 本書は2通りの読み方ができます。まず、新型コロナ発生源となった中国で何が起きていたかを描くものとして―― 反骨の亡命文学者が、コロナ禍下の民衆の悲劇と、それを隠蔽する国家の罪を暴く告発の書として。そしてまた、 いち早くコロナ禍に正面から挑んだ現代小説として――封鎖された大地を旅する艾丁を通じて、現在の「中国」が、 スリリングに、ときに大らかに描かれてゆきます。病毒の街・武漢で、艾丁を待ちうける運命とは……。 -
シェフたちのコロナ禍 道なき道をゆく三十四人の記録
コロナ禍で苦境に置かれた飲食業界。 補償なき自主休業か、儲けの出ない営業か、 それとも他に道はあるのだろうか。 レストランやお店を続けることはできるのか。 料理人であり、スタッフを抱えるリーダーでもある シェフたちの心は揺れに揺れた。 2020年春の緊急事態宣言、そして冬の感染再拡大を前に シェフたちは何を思い、どう動いたのか。 そして「これから」のお店の舵取りは。 フランス料理のグランメゾン、 横丁の老舗にオフィス街の新店――。 刻々と変わりゆく状況下、 シェフたちへの取材をライフワークとする著者が、 願いを込めて書きとめた34人の言葉の記録。 -
チェリー
主演・トム・ホランド(『スパイダーマン』)&監督・ルッソ兄弟(『アベンジャーズ』)で映画化決定! ニューヨーク・タイムズが2018年の必読書に選出。ワシントンポストなど各紙絶賛! 「ニコ・ウォーカーは服役中の銀行強盗だ。そして必読の作家でもあることを本書で証明した」――ワシントン・ポスト 「会話は音楽的でリアルで、すぐそばから聞こえてくるようだ」――ニューヨーク・タイムズ 戦争から帰った青年はなぜ連続強盗犯になったのか。痛々しい青春小説と荒々しい犯罪小説を交錯させて獄中作家が綴ったベストセラー。 この小説では、人生の転落の軌跡が生々しい言葉で語られる。大学時代の恋人との日々、兵役についてイラクの戦地で目にした凄惨な体験。 PTSDを癒やすためのドラッグ――それが彼を追い詰めてゆく。この世界の底の底へ。 スタッカートする荒い文体と会話――戦争とドラッグと犯罪。破滅するしかなかった青年を痛ましく描き出す。 デニス・ジョンソン『ジーザス・サン』とクエンティン・タランティーノの融合と評され、 アメリカ文学界をワイルドに揺るがしたデビュー作。 著者紹介 ニコ・ウォーカー アメリカ・クリーヴランド生まれ。2005年から2006年にかけて衛生兵としてイラクに派遣され、7つの勲章を受ける。 しかし復員後にPTSDに苦しみ、やがて2011年に銀行強盗で逮捕され、複数の強盗罪で懲役刑に。デビュー作である本書は獄中で書かれた。2020年11月に出所する予定である。 -
Re:Visual
「後悔してる人、やり直したいけど勇気が出ない人に、贈りたい。この物語は、きっとあなたの背中を押してくれる」大矢博子(文芸評論家) 授かり婚を機に音楽から離れて約20年、夢と引き換えに手にした家族も離婚で失い、今や見た目も冴えない独身中年となった宏弥。しかしある朝、宏弥の身体は、かつて実力派ヴィジュアル系バンドのボーカルとして鳴らした頃のそれに若返っていて――。見た目一つで、世界は大きく態度を変える。それは、宏弥が家族と、そして人生と、向き合い直す日々の始まりだった。「中身まで、若返ったわけじゃない。なのに、どうして世界がこんなに鮮やかなんだろう?」「レゾンデートルの祈り」シリーズ著者入魂の一作! -
あの日のつづきを生きている
あの夏、私たちは甲子園にたどり着けなかった──。投打二刀流の東城真央を擁する徳志館高校野球部は、東東京代表として夏の甲子園に出場するものの、台風の影響で学校の応援団が甲子園に到着できぬまま、無念の一回戦敗退を余儀なくされた。 七年後、それぞれの道に進んだ彼らは、真央の甲子園でのプロ一軍初登板の情報を知る。真央の元恋人、いまもチアリーダーとして活動を続ける同級生、かつてのチームメイト、そして離れて暮らす妹と家族。それぞれの思いを乗せて、新幹線は大阪を目指す。試合は快調に進み、旧友たちが見守る中ゲーム終盤を迎えようとしたとき……。『あめつちのうた』『あの冬の流星』でスマッシュヒットを飛ばす著者による、“あの日のつづき”を描いた連作集。/【登場人物】遠藤七緒……徳志館高校吹奏楽部出身。東城真央の元恋人。偶然、真央のプロ一軍初登板の情報を知り、甲子園に向かう。/齋藤いづみ……徳志館高校チアリーディング部出身。現在は横浜DeNAベイスターズの公式チア「ディアーナ」で活躍。/御園尾啓輔……徳志館高校野球部出身。中学時代から真央とチームメイト。現在はスポーツ新聞の記者。/木谷美知……真央の実の妹。両親の離婚により母親に引き取られる。元徳志館高校野球部のマネージャー。/東城真央……高校3年生のとき夏の甲子園に出場し、大学野球を経て阪神タイガースに入団。プロ一軍初登板を迎える。 -
夜の喜劇 東川篤哉短編集
うっかり恋人を殺してしまった青年がみずからも被害者を演じるべく始める深夜の会話劇――「鳥越さんは立派な被害者」。容疑者は四人、あなたは真相を(完全に)見抜けるか? 著者初の正統派犯人当て小説――「アリバイのある容疑者たち」。密室、アリバイ崩し、倒叙、犯人当て――ミステリの醍醐味が堪能できる粒揃いの五編。脱力を誘うユーモアに騙されるうちに、意外なトリックと明解なロジックが冴え渡る、本屋大賞作家初のオリジナル短編集。/【目次】「鳥越さんは立派な被害者」うっかり恋人を殺してしまった青年が被害者を演じる、夜の会話劇/「アリバイのある容疑者たち」容疑者は四人、あなたは真相を見抜けるか? 正統派犯人当て(フーダニット)小説/「どうか僕を占ってください」冴えない青年の恋愛が、占い師の予言で思いがけぬ展開を辿る異色短編/「暮林紅子の誤算」雪積もる屋敷で計画された殺人、そのために密室をつくらなければ/「陽奇館(仮)の密室」天才奇術師の死を巡って、幾度も覆される推理の果てに待つ仕掛け/あとがき(仮) -
森島章子は人を撮らない
アマチュア写真家が集う社会人サークル〈札幌フォトジェニック〉に所属する大学生の森島章子。彼女の撮るものは、日常の何気ない景色ばかりなのに、どこか人を惹きつける不思議な魅力を具えていた。章子に撮ってもらいたいという人は多く、周囲もポートレイトを撮ることを勧めるのだが、 彼女はかたくなに誰にもレンズを向けようとせず……。元恋人、サークルの知人、小説家志望の歳上の女友だち、家庭教師として勉強を教えている中学生。周りの人々の目に映る章子の横顔と、章子がファインダー越しに覗く世界を描いた、心揺さぶる青春群像劇。/【目次】フォトジェニック/ファインダー越しの、/単焦点トランスレーション/ぼくのポートレイト/露光 -
京都辻占探偵六角
写真を撮る楽しみを教えてくれた、松原京介の不可解な死。離婚話で揉めていた彼の妻は、関与が疑われたものの、死亡時刻にはタクシーに乗っていた。どこをどう見ても、不運な事故としか考えられない状況だったが──恩人の死をその妻の仕業と確信した駆け出しカメラマンの安見直行は、祖母の助言によって六角法衣店を訪れる。店の主は代々京の辻や橋に立ち、道のさざめきから神託を受け、失せ物を見つけ出すことができるというのだ。直行は恩人の死亡事故を他殺と証明する証拠を探して欲しいと依頼するが、若くて無愛想な店主・六角聡明からは、けんもほろろに断られてしまう。だが、直行の撮った一枚の写真がきっかけで、六角は事件の証拠探しに協力を約束する。現代のガジェットによって構成された不可能犯罪を、緻密な論証で見事に解き明かす表題作ほか全五編を収録。第十六回ミステリーズ!新人賞受賞者による出色のデビュー連作集。/【目次】第一話 431秒後の殺人●これは計算尽くで偶然の可能性を限りなく必然に近くなるまで高めた――殺人事件だよ。/第二話 睨み目の穴蔵の殺人●最近、お客さんから「襖の武将の目が動いた、絵の中から睨まれた」なんて言われるんです。/第三話 眠れる映画館の殺人●幽霊でもない限り、無理やん? だって誰にも首を絞めたりする時間なんかなかったやんか。/第四話 照明されない白刃の殺人●オレ達がそいつの後を追って角を曲がるまでに、次の瞬間にはもう通りから姿が消えていたんだ。/第五話 立ち消える死者の殺人●この部屋に入院した人はな、夜中に攫われて二度と戻ってこられへんねんて。/著者あとがき -
狼少年ABC
「俺、昔、喋る狼に会ったことがあるんだよ」カナダの温帯雨林にやってきた三人の日本人大学生。狼の生態に関するフィールドワークのかたわら、ひとりが不思議なことを言い出して──(表題作)。大人になる前の特別な時間を鮮やかに切り出した、四つの中編を収録。『叫びと祈り』『リバーサイド・チルドレン』の著者が贈る、ミステリ仕立てのエモーショナルな青春小説。/【目次】美しい雪の物語/重力と飛翔/狼少年ABC/スプリング・ハズ・カム -
フルハウス
ラグビーにおける「フルハウス」とは、一試合で同じ選手が、トライ、コンバージョンゴール、ペナルティゴール、ドロップゴールをすべて決めることを言う。本書は、日本人として初めてニュージーランド代表チームのオールブラックス入りしたラガーマン、早見剛大の物語である。2027年ラグビー・ワールドカップ、プール戦でオールブラックスは日本代表とぶつかる。かつて日本で一緒にプレーしていた仲間との激突! ラガーマンの孤独、友情、絆、葛藤……。自らもラガーマンであった著者が、そのラグビー愛のすべてを込めて書き上げた究極のラグビー小説。堂場瞬一スポーツ小説の頂点とも言うべき傑作! -
神の光
一攫千金を夢見て忍び込んだ砂漠の街にある高レートカジノで、見事大金を得たジョージ。誰にも見咎められずにカジノを抜け出し、盗んだバイクで逃げだす。途中、バイクの調子が悪くなり、調整するために寄った小屋で休むが、翌朝外へ出ると、カジノがあった砂漠の街は一夜のうちに跡形もなく消えていた──第76回日本推理作家協会賞短編部門の候補に選ばれた表題作を始め、奇跡の如き消失劇を5編収録。稀代のトリックメーカー・北山猛邦の新たな代表作となる、傑作推理短編集。/【目次】一九四一年のモーゼル/神の光/未完成月光 Unfinished moonshine/藤色の鶴/シンクロニシティ・セレナーデ -
汚名
天然痘と闘い続けた医師・伊東玄朴。その「誤解」に満ちた生涯とは!? 江戸で初めての種痘所設立、蘭方医で初の奥医師登用……数々の功績は、彼のある覚悟ゆえに成し遂げられた。佐賀の貧しい農家に生まれた伊東玄朴は、シーボルトの弟子になり、江戸参府に随行する。シーボルト事件に巻き込まれ、玄朴はお咎めなしとなったものの、義兄源三郎は獄死してしまう。江戸で医者として開業した玄朴は、当時猛威を振るっていた天然痘に立ち向かうため、種痘所の設立を決意。権力者の横槍、漢方医たちの妨害、家族の冷たい目と逆境の中、出世と金にしか興味がない男との悪評を浴びつつも、彼が貫いた決意とは。「料理人季蔵捕物控」「産医お信なぞとき帖」で人気の著者が挑む、感動の歴史小説! -
松籟邸の隣人(一) 青夏の章
明治時代の湘南といえば、大磯だった! この地には、明治20年代後半から、伊藤博文、大隈重信、陸奥宗光などの大物政治家や、岩崎弥之助など経済人が別荘を建て、そこを目指して多くの人が集まるようになった。また大磯は、日本初の海水浴場として、老若男女が集う一大リゾート地だったのである。本書は、この地をこよなく愛し、後に宰相となる少年・吉田茂と、謎の隣人・天人(あまと)の二人が、別荘地で起きる様々な事件を解決していく連作活劇ミステリー。茂が少年時代を過ごした吉田家の別荘は、父・健三によって「松籟邸」と名付けられていた。一方、隣人・天人が住んでいたのは、瀟洒な洋館。アメリカ帰りとも思えるこの若者は、一体何者なのか。そんな天人によって人間性を育まれた茂は……。『天離(あまさか)り果つる国』で注目を集めたエンタメ作家が、虚と実を巧みに織り交ぜて紡ぎ出した「明治浪漫」。 -
朝からブルマンの男
一杯二千円もするコーヒーを週に三度注文しては、飲み残していく客「朝からブルマンの男」、途中下車して遅刻しそうだった友人が、先に行った自分となぜか同時に高校入試の会場に到着した「受験の朝のドッペルゲンガー」、単身赴任中の父親が帰宅する金曜日の夕食だけ味が落ちるという、郷土料理研究会の会員宅のご飯の秘密「ウミガメのごはん」など、桜戸大学ミステリ研究会の二人組が出合った謎を描く全五編を収録。謎の魅力、推理する楽しみを詰めこんだデビュー短編集。※本電子書籍は、『朝からブルマンの男』(ミステリ・フロンティア 2025年6月初版発行)を電子書籍化したものです。/【目次】朝からブルマンの男/学生寮の幽霊/ウミガメのごはん/受験の朝のドッペルゲンガー/きみはリービッヒ -
不等辺五角形
避暑地の別荘で、事件は起こった。三十歳を間近に控え、久しぶりに顔を揃えた五人の男女。インターナショナルスクールで出会って以来二十年以上の付き合いになる重成、聡也、梨愛、夏澄、雛乃は、海外赴任が決まった重成の送別も兼ねて、葉山にある聡也の別荘で旧交を温めていた。ところが深夜、雛乃が頭から血を流した状態で死体となって発見される。続けて梨愛が「私が殺したの」と告げ、警察に連行されてしまう。五人の関係は、一夜にしてひとりが被害者に、ひとりが被疑者になる悲劇へ転じた。幼馴染みの面会も拒否し、殺害の動機を語ろうとしない被疑者。弁護士は、残された関係者三人の証言をあつめる。しかし、同じ出来事を語っていても、当事者たちの思惑は三者三様に異なり、証言を重ねるごとに人物像と関係性はめまぐるしく変貌していく。果たして五人の間には何があったのか。あの夜、なぜ事件は起きたのか。関係者の証言から展開される、息を呑む心理劇の結末は――。 -
紅色の幻 おいち不思議がたり
飾り職人の夫・新吉が帰ってこない――。不安に駆られたおいちだったが、新吉は朝になって、何事もなかったかのように家に戻ってきた。しかし、新吉が言付けを頼んだ職人らしき人物が、菖蒲長屋近くで殺されていたことが判明する。しかもその懐には、きれいなビードロの風鈴がしのばせてあった。おいちは、身重であることも忘れ、岡っ引の仙五朗とともに、事件の解明に乗り出す。そんな折、おいちは石渡塾で共に学ぶ和江が、血飛沫を浴びたかのように紅く染まった幻を見てしまう。これは何かの予兆なのか。おいちは忍び寄る禍々しい気配に身をすくませる。シリーズ累計46万部突破! 仕事も家庭も大事にしたい娘の奮闘と成長を描いた青春「時代」ミステリー第七弾! -
嘘つきたちへ
過疎化が進んだ町で小学校時代を過ごした大地は、二十年以上前の卒業以来初めて東京で同級生二人と再会する。虫取りやスイカ割りなどのノスタルジックな思い出話は、自然と五年生の時に起こった事故の話に移っていく。リーダー格の少年・翔貴が沼に落ちて昏睡状態となり、目覚めぬまま最近亡くなった水難事故の真相とは? 第一回創元ミステリ短編賞受賞作「嘘つきたちへ」など、全五編の“嘘つきたちの競演”。注目新人のデビュー短編集。※本電子書籍は、『嘘つきたちへ』(ミステリ・フロンティア 2025年5月初版発行)を電子書籍化したものです。/【目次】このラジオは終わらせない/ミステリ好きな男/赤い糸を暴く/保健室のホームズ/嘘つきたちへ -
ゆうびんの父
何も持っていなかったから、走り続けることができた。誰もが心通わせられる世にどうしてもしたかった――。歴史小説界のトップランナーが郵便制度を創設した前島密を鮮やかに描き切る感動長編!郵便制度の祖と呼ばれ、現在では一円切手の肖像にもなっている前島密。だが彼は士農工商の身分制度の影響が色濃く残る時代にあって、代々の幕臣でも薩長土肥の藩士出身でもなく農家の生まれだった。生後すぐに父を亡くし、後ろ盾が何もない。勉強を誰よりしても、旅をしていくら見聞を広めても、なかなか世に出ることができなかった。そんな苦悩を乗り越え、前島は道をどう切り開いたのか。そして、誰もが想いを届けられる仕組みをいかにしてつくったのか。 -
真田の具足師
「武士を生かすも殺すも、わしらの腕一本や」――こう言い放つ気概ある具足師たちが、真田信繁を日の本一の兵(つわもの)にした! 本作の主人公・岩井与左衛門は、南都奈良の具足師(甲冑師)の家に生まれ、修業を積んでいたが、あるとき「ズクを打った」(不良品を作った)と言われ、勘当される。その才能を惜しみ、目をつけたのが徳川家康。徳川軍が信濃の国衆・真田との戦いに惨敗した理由は、真田兵が身に着けている「不死身(しなず)の具足」にあり、と考えた家康は、与左衛門に真田潜入を命じる。甲賀の忍びの女と夫婦を装い、真田の本拠地・上田に入った与左衛門だったが、そこで思いがけない光景を目にする。赤備えをつくった具足師たちの命がけの闘いを描いた、戦国エンタテインメント。真田vs徳川のもう一つの死闘に、手に汗握る傑作長編小説。 -
鏡の国
反転、反転、また反転――! 本気の「仕掛け」を堪能せよ! 『珈琲店タレーランの事件簿』の著者がおくる、2023年大本命ミステリー。 ●STORY 大御所ミステリー作家・室見響子の遺稿が見つかった。それは彼女が小説家になる前に書いた『鏡の国』という私小説を、死の直前に手直ししたものだった。「室見響子、最後の本」として出版の準備が進んでいたところ、担当編集者が著作権継承者である響子の姪を訪ね、突然こう告げる。「『鏡の国』には、削除されたエピソードがあると思います」――。削除されたパートは実在するのか、だとしたらなぜ響子はそのシーンを「削除」したのか、そもそも彼女は何のためにこの原稿を書いたのか……その答えが明かされた時、驚愕の真実が浮かび上がる。