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廉太郎の頭のなかには、いつも鳴り響いている音があった――
最愛の姉の死、厳格な父との対立、東京音楽学校での厳しい競争、孤高の天才少女との出会い、旋律を奏でることをためらう右手の秘密。
若き音楽家・瀧廉太郎は、恩師や友人に支えられながら、数々の試練を乗り越え、作曲家としての才能を開花させていく。そして、新しい時代の音楽を夢みてドイツ・ライプツィヒへと旅立つが……。「西洋音楽不毛の地」に種を植えるべく短い命を燃やした一人の天才の軌跡を描き出す。
時代小説家最注目の俊英が、ついに新境地・明治へ!
Posted by ブクログ 2022年01月17日
瀧廉太郎、この作品を読むまで、こんなに若くして亡くなった人とは知らなかった。
(教科書のモノクロ写真は、私には何故か皆年配者に見えていた。)
廉太郎の、音楽と共に生きる日々が読みながら胸にすっと入ってくる。
同じ道を行く同志や師との関わりも描かれ、芸術の道を進む熱さ、厳しさ、美しさに引き込まれてい...続きを読む
Posted by ブクログ 2019年10月05日
瀧廉太郎というと真っ先に浮かぶのが『荒城の月』と『花』。他には?と言われたら、この作品を読むまで分からなかった。こんなに身近な歌を世に送り出した人だったのかと再認識。
他の方の感想で青春小説と書かれていたんだけど、それもその筈、享年23歳では生涯のほとんどが青春だ。
序盤で亡くなったお姉さんの影響で...続きを読む
Posted by ブクログ 2024年04月18日
東京音楽学校で知り合った姉妹に幸田延と幸がいてこの二人は幸田露伴の妹たちだったとか。日本の西洋音楽の先駆けになったそうで、「鳩ぽっぽ」「お正月」を作詞した東くめと幸は親友で滝廉太郎とも親しかったとか。勿論作曲は滝廉太郎ですね。
優秀な人材が東京に集められ各方面で活躍が期待されていた時代。ビッグネーム...続きを読む
Posted by ブクログ 2023年11月11日
瀧廉太郎の作曲『荒城の月』がとても好きだ。
哀調の調べが美しいし、今は石垣だけとなっている城が当時の姿を取り戻し、楼閣で酒を酌み交わす武将たちの姿が月光の中に浮かび上がるようだ。
傾ける盃に、夜桜の花びらがはらりと落ちる。
まさに日本の叙情の世界。
「クラシックTV」のメンデルスゾーンの回を観てい...続きを読む
Posted by ブクログ 2021年06月19日
絵師を描くことが多い谷津さんにしては珍しい類の作品かも。『廉太郎』とは滝廉太郎、『ノオト』はノート(楽譜?)と「の音」を掛けているのかと勝手に想像。
滝廉太郎と言えば「花」「荒城の月」などの教科書に載るような有名曲の作曲家、そして若くして亡くなったことくらいしか知らなかった。この作品では作曲家とい...続きを読む
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