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私立雷辺(らいへん)女学園に入学した時夜翔(ときやしょう)には、学園の名探偵だった大伯母がいた。数々の難事件を解決し、警察からも助言を求められた存在だったが30年前、学園の悪を裏で操っていた理事長・Mと対決し、とともに雷辺の滝に落ちてなくなってしまった……。 悪意が去ったあとの学園に入学し、このままちやほやされて学園生活を送れると目論んでいた翔の元へ、事件の依頼が舞い込んだ。どうやってこのピンチを切り抜けるのか!?
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Posted by ブクログ
ミステリー書評 読書レベル 初級〜中級 ボリューム 270頁 ストーリー ★★★★★★! 読みやすさ ★★★★★ トリック ★★★★ 伏線・展開 ★★★★★★! 理解度 ★★★★ 読後の余韻 ★★★★★★! 一言書評: 文句なし!これは大当たり!メチャクチャ面白い! 名探偵コナンで例えるな...続きを読むら、日常生活の中で起きる事件を解決していく中で、黒の組織編(本編)が並行して進むような感じ!これはうまいなー 日常編は、そこまでハラハラドキドキしないけど、各章の冒頭で語られる謎の文章が気になって仕方ない(笑。そして誰やねんコイツは!と。 そしてラストで語られる衝撃的な真相で自分の中にできていたい主人公のイメージがぐるりと反転しました、はい。そして、私は主人公がより好きになりました!
学園の名探偵だった大叔母を持つ主人公、大叔母と黒幕・Mの関係性、私立雷辺女学園、30年の時を経て当時の事件を彷彿とさせる事件が連続して起こるなどそこかしこにホームズのパスティーシュ要素が散りばめられた学園ミステリーで、ちやほやされたいと目論む主人公の性格が面白く事件解決の方法も探偵らしからぬアナー...続きを読むキーなものでコメディタッチで進むなか、巧妙に仕掛けられた仕掛けは流石としか言いようがなかった。
著者の作品を読むのは二冊目。前に読んだものとは随分世界観が違うなと思っていたが、なるほど舞台とかトリックとかじゃなくこういう構造が得意な作家なのかな。違和感にちゃんと理由があるミステリは大好きです。
表紙のイラストが可愛くて店頭で一目惚れしました。 真相が明らかになったとき、なるほど、そういうことか…!と電流が走ったかのようでした。 漫画やアニメのような設定ですがミステリとしての野心に満ちた作品です。
鮮やかなどんでん返し! 決まったね、ニシシ(≧∇≦) 突然ですが、ちょと考えてみた 物語における犯人の動機について考えてみた 良い悪いの話じゃなくて、わいはそう思うってだけの話ね よくレビューとかでお見かけする「犯人の動機が理解できなかった」ってやつ でもってそのせいで、作品をつまらなく感じたり...続きを読む、評価が低くくなってしまうパターンがちょっと分からんのよ まぁ、わいが感情移入型の読者じゃないからってのもあるんだけど、「え?理解できなくて当たり前じゃない?」って思うのよ 特に殺人者の理由なんてさ 現実世界でも、「むしゃくしゃしてやった」とか「死刑になりたかった」とかあるやん うーん理解できん いやどんな理由でも理解できん むしろどんな理由なら、人を殺しても当然なの?あーそれなら納得っていう理由ってそもそもあるの?って思うんよ 唯一理解できるのは、「子どもを殺された」なんだけど、小説に出てくる殺人者がみんなそんな理由だったら、つまらないことこの上ない だいたいだよ 人を殺そうなんてするやつは基本どっか壊れているわけだよ 真っ当な理由なんてないのよ 逆に言うと、”どんな理由だろうと”人を殺す動機になりうるのよ なんてことを考えた今日なのだか、次のレビューで「犯人の動機に納得いかなかったので★2」とかやってる可能性はある 大いにある そん時は見逃して下さい
やられた。 見事なまでにこちらの先入観を弄ばれた。古典ミステリのオマージュ要素も、俗物極まりない主人公のキャラクター設定も、すべてトリックを成立させるピースになっていた。読者を誤導する腕前をぜひ堪能してほしい。 いやはや、参りました。
30年前に私立雷辺女学園で名探偵として名を馳せたが、宿敵のMとともに滝に落ちて亡くなった名探偵の時夜遊。その姪孫である時夜翔は同じく雷辺女学園に入学し、いまだに伝説として君臨する大叔母の威光を満喫していたが、難事件の解決を依頼され困惑する。ピンチを切り抜けるべく苦悩する彼女の前に現れたのは、30年前...続きを読むの亡霊だった。 ライトな読み心地の学園ミステリのようですが、謎解きはなかなかにライトじゃありません。時夜翔のキャラが曲者で良いなあ。決して馬鹿ではないけれど名探偵と言われるほどの知力がないのを自覚していて、しかし虚勢を張りたいし目的のためには手段を選ばないところもある。でもどうにもならない状態では腹を割って他人に頼ったりするところが、けっこう好感度高いです。 30年間滝に囚われ続ける名探偵の亡霊、という要素も面白いです。が、たしかにそのシチュエーションは地獄かもしれないなあ。そしてラストで明かされる真相……慌てて読み返して伏線に気づきました。うわーやられた!
いや〜やられた。そっちかぁ。 名探偵『時夜遊』の後継者として周りから注目を浴びている『時夜翔』は、滝の下で骨に触れた事で、ここで亡くなった幽霊と話せるようになった。幽霊に事件のピースを話す事で推理してもらい事件を解決してきた。最後の展開には、びっくりしたが伏線は確かにあった。新聞部の水間先輩のキャラ...続きを読むもいい感じ(笑)
設定がホームズとモリアーティ。ホームズを女子高生に、モリアーティを… 師匠の正体が分かったときは、ハッとした。 潮谷さんの小説は会話が面白い。 序盤の「ガッツのある変態」で、もう夢中。
設定とキャラと会話のギャグセンスが飛びぬけてる傑作!本格謎解きも楽しい学園ミステリー #名探偵再び ■あらすじ 女学園に入学した時夜翔、かつてこの学園では大叔母の時夜遊が名探偵として活躍していた。遊はいくつもの難事件を解決していたが、悪事を働いていた理事長Mと対決し、ともに滝に落ちて亡くなっていた...続きを読むのだ。 そんな有名人の親族である翔に、様々な事件の依頼がやってくる。探偵には興味がない翔だったが… ■きっと読みたくなるレビュー またもやってくれました潮谷先生。作品ごとに違う素材、舞台、アプローチで本格ミステリーを読ませてくれるんすよね。しかも捻り具合が独特で天才的発想なんすよ、毎度読み逃せない作家先生のひとりです。 さて本作は学園ものミステリー、宿敵Mとか滝に落ちるとか…もうアレじゃん。オマージュやパロディっていうか、単なるネタとしてつかってる感じがいいすよね~。そして登場人物のキャラづけや会話も爆笑ですよ、潔く振り切ってて最高。 特に翔の軽薄な性格が大好き。嘘だろうが人に頼ろうがうまく行けば何でもいいという考え方ですよ、これは惚れる。でもでも天才って、こんな風に変に拘りがなかったりするよね。なので実は優秀な人材だと思った。もうひとりのおすすめは、新聞部の水間静。いい根性しとる、将来は文春砲を放つ逸材になれそう。 といったかなりユーモアが飛び抜けた物語ではあるのですが、実は謎解き部分は本格的なのです。足跡モノや毒をつかった事件など、かなりオーセンティックな素材で問題を突きつけられる。ハッと驚かされる真相ばかりでして、やっぱり潮谷先生は天才と思いましたね。 ■各作品の簡単レビュー ○消えたポラロイド 翔は大浴場で撮影した写真が奪われ、脅迫を受けたという相談を受ける。 翔と遊の奇妙な関係が開始するのですが、会話の内容が低レベルか高レベルかよくわかんなくて爆笑。ゲスい翔の性格は愛せますね~。事件の推理検証フェーズが納得感が高かった! なるほどー、目から鱗でした。 ○悪王の死 美術室での傷害事件、現場では不思議なことにイーゼルが裏返しになっていて… またもロジカルな推理に感嘆の声をあげちゃいましたね、素晴らしい。新聞部の水間の節操のなさがとにかく好き。 ○無意味な足跡 新聞部の合宿で事件が起こった、現場に残された足跡が不可解で… タイトルとおり足跡がポイントになる本格ミステリー、議論パートが思った以上に深くて面白い。事件の真相、そして伯父との関係性にニヤリとさせられました。 ○密室毒薬遊戯 応接室で語らいの最中、紅茶を飲んだひとりが倒れしまう。どうやら毒を盛られたようだ。そして脅迫の連絡が届き… 冗談なのかマジなのか分からない密室毒薬ゲーム、緊迫感が張り詰める物語。本作も謎解きの考察が凝っていて、意外なところに着地する。 ■ぜっさん推しポイント 最終話が痺れましたね、まず推したいのは犯人の一連の動機ですよ。ここまで読んできた人であれば、こんな頭が痛くなるような理由でも許されちゃいますよね。 そしてラストはしっかりとまとめてくれましたね。こんな結論であっても、このストーリーやキャラであれば、もはや大団円ですね。優秀な作家が本気でふざけると傑作になる良い例、本作も面白かったです!
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