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Posted by ブクログ
大学の文芸研究会のメンバーで開かれた同窓会。参加者のひとりである沼田が建てたコテージに招待されたメンバーたちは、沼田から、自分の妹の遺体が発見されたこと、殺された可能性が高いということ、メンバーの中に犯人がいると疑っていること、犯人に名乗り出て欲しいこと、を聞かされる……。
という同窓会参加メンバーの意味ありげな『日記』や【罪人の独白】などが随所に挟まれる本作は、ミステリ、特に『作中作』的なものが作中に出てくるミステリが好きなひとにはたまらない一作になっています。真相が明らかにされたと思ったところでさらにもうひとつ意外な事実が浮かびとともに残る、いつまでも後を引くような余韻が素敵な一冊でした。
Posted by ブクログ
山上のコテージで開かれた文学サークルの同窓会で起こる殺人事件、そして、荒天の中下山してこない参加メンバー捜索のために派遣された山岳救助隊が人命救助をしながら事の真相を探り当てていく物語。
参加者の日記と犯人視点、山岳救助隊視点から綴られるストーリーには引き込まれた。
読んでいると雨と寒さが感じられる作品。話のテンポが良く、サクサク読み進められた。
山岳救助や植物についてもよく調べられており、そこも面白みがある。
あと、低体温症についても繰り返し語られる。
余談だが、トムラウシ山遭難事故が2009年の出来事と知って、時の流れを感じてしまった…。そんなに経つのか…。
ただ、帯の文句については誇大表現だと思う。
Posted by ブクログ
大学で同じサークルだった5人が、同窓会の名目で山の上のコテージに集められます。そこで、皆を招待した沼田という男が妹の白骨死体を頂上付近で発見したことと犯人はこのサークルメンバーの中にいると明かします。
前半はサークルメンバーの手記、後半は山岳救助隊視点の小説で、その合間に犯人の独白が挟まるという構造。
コテージに残された2人分の手記がそれぞれ違う犯人を指していたところで、一体どういうこと…?とググッと物語に引き込まれる。
後半の山岳救助隊員たちのパートもとても面白い。正直最初は、山岳救助隊員の心情とか興味ないから早く真相が知りたい…と思っていたのですが、気づけば山岳救助隊の活動や隊員たちの想いに共感して夢中で読んでいました。潮谷さんに山岳救助隊員を主人公とした純粋な山岳小説を書いてほしいくらい、この後半部分が前半に負けず劣らず面白い。
と、ここまではすごく面白かったのですが、犯人を推理する解決パートでちょっと失速かな…。
犯人を断定する根拠があまりにも単純すぎるんじゃ…。なんかもうちょっと捻った証拠があるのかと思っていたので、ちょっと拍子抜け感が。
とはいえ、読んでるときはドキドキハラハラして楽しめました。潮谷さんの小説ってとても読みやすいというか、話の論理がすごくしっかりしていて読んでいて心地良くて、ミステリ要素がなかったとしても小説として面白い。
Posted by ブクログ
山上のコテージで死体が見つかるも、他の参加者は行方不明に… 山岳救助と殺人事件の捜査をスピーディに描く本格ミステリー
■あらすじ
学生時代の同窓会のため、皐月山のコテージに集まったメンバーたち。主催者の沼田には、ある思惑があった。かつて妹が事故に見せかけて殺害された事実を知っており、その犯人を同窓会で捜そうとしていたのだ。しかしメンバーに問い詰めても、犯人からの告白はなかった…
その後コテージで沼田の死体が発見される、しかしコテージには誰もいない。山岳救助隊は彼らの捜索と共に、殺人事件の解決をしなければならず…
■きっと読みたくなるレビュー
こりゃまた凝ったミステリーですな~、さすが潮谷験先生。どんな題材でも謎解きミステリーと上手にブレンドしつつ、独特のプロット、変わった角度のアプローチで物語を綴ってくれる。
本作でも天才的な創作は健在で、山岳救助と殺人事件の捜査と解決を急いでやらなければならないという、スピード感のあるスリリングな展開。
さらには肝心の現場では何があったのか? という物語のメインどころは、二人の手記という形で語られるのです。合間合間に挟まれる「罪人の独白」も効果的で、先がどうなるのか、どんどん読まされてしまう。
しかも本作は250ページほどと短め、無駄を削ぎ落されている。切れ味が鋭い高速カーブのようなミステリーですね。
あと興味深かったのは低体温症についてですね。そもそも低体温症の恐ろしさなど知らなかったので勉強になったのと、これを謎解きのメインどころに仕掛けてくるのも面白い。もちろん他にも策略があるんだけど、ヤラレタ感があったなー
そして物語が終盤に近づくと、人命救助の行方と事件の解決、真相が一気に語られる。決して長くはないお話なんだけど、実はいろんな人間の思惑や策略が背後に渦巻いているということがわかる。やっぱりこの鋭さがこの作品の強みでしょうね、凄かった。
■ぜっさん推しポイント
これまで山間部の警察や山岳救助隊の大変さ、現実なんて知ることがありませんでした。時間との戦いだし、人員もなかなか確保もできない。そして命を救うことがいかに難しくて大変なことか…
山岳救助隊から吐き出される台詞に、生々しさを感じました。山に入るときは油断せず、決して軽装で登山をしないようにしなきゃと思いました。
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