ユーカラおとめ

ユーカラおとめ

1,826円 (税込)

9pt

3.7

「ユーカラを書き記すことは、私が生まれてきた使命なのだ」

絶滅の危機に瀕した口承文芸を詩情あふれる日本語に訳し、今も読み継がれる名著『アイヌ神謡集』。著者は19歳の女性だった。
民族の誇り。差別との戦い。ユーカラに賭ける情熱。短くも鮮烈な知里幸恵の生を描く、著者の新たな代表作!

「いつまでも寝込んでいるわけにもいきません。私には時間がないんです」
分厚く腫れた喉から流れ出した自分の言葉に、幸恵ははっとした。
私には時間がない。
そうなのか?
思わず胸に掌を当てた。満身創痍の身体の中心で、心臓は未来へ駆け出す足音のように勢いよくリズムを刻んでいた。
(本文より)

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ユーカラおとめ のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ 2024年04月27日

    男たちの無邪気な情熱と善意に翻弄され傷つき続ける女達。その女達は反目し合いながらも支え合い繋がっていく。知里幸恵の評伝という形をとってはいるが、焦点はその一点に絞られている。読みごたえあり。

    0

    Posted by ブクログ 2024年03月20日

    知里幸恵は、言語学者・金田一京介の依頼により
    ユーカラの筆録・翻訳の手伝いをするため東京へ来た。
    北海道にいる時はアイヌということだけで差別を受ける。
    P123
    〈常に和人の下で、貧しく愚かに希望なく生き続けることを望まれているのだ〉

    東京見物も出来ないほど忙しく本の翻訳をする日々。
    体も弱く、無...続きを読む

    0
    ネタバレ

    Posted by ブクログ 2024年03月31日

    冒頭の養母マツの疑問「幸恵は、なぜお伽噺のような甘ったるいユーカラを残したのか」の答えは、書かれたのだろうか。

    0

ユーカラおとめ の詳細情報

  • カテゴリ
    小説・文芸
  • ジャンル
    小説 / 国内小説
  • 出版社
    講談社
  • ページ数
    272ページ
  • 電子版発売日
    2024年01月30日
  • コンテンツ形式
    EPUB
  • サイズ(目安)
    4MB

閲覧環境

  • 【閲覧できる環境】
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