ユーカラおとめ

ユーカラおとめ

1,826円 (税込)

9pt

3.6

「ユーカラを書き記すことは、私が生まれてきた使命なのだ」

絶滅の危機に瀕した口承文芸を詩情あふれる日本語に訳し、今も読み継がれる名著『アイヌ神謡集』。著者は19歳の女性だった。
民族の誇り。差別との戦い。ユーカラに賭ける情熱。短くも鮮烈な知里幸恵の生を描く、著者の新たな代表作!

「いつまでも寝込んでいるわけにもいきません。私には時間がないんです」
分厚く腫れた喉から流れ出した自分の言葉に、幸恵ははっとした。
私には時間がない。
そうなのか?
思わず胸に掌を当てた。満身創痍の身体の中心で、心臓は未来へ駆け出す足音のように勢いよくリズムを刻んでいた。
(本文より)

...続きを読む

詳しい情報を見る

  • カテゴリ
    小説・文芸
  • ジャンル
    小説 / 国内小説
  • 出版社
    講談社
  • ページ数
    272ページ
  • 電子版発売日
    2024年01月30日
  • コンテンツ形式
    EPUB
  • サイズ(目安)
    4MB

閲覧環境

  • 【閲覧できる環境】
  • ・ブックライブ for Windows PC(アプリ)
  • ・ブックライブ for iOS(アプリ)
  • ・ブックライブ for Android(アプリ)
  • ・ブックライブ PLUS for Android(アプリ)
  • ・ブラウザビューア

※アプリの閲覧環境は最新バージョンのものです。

ユーカラおとめ のユーザーレビュー

\ レビュー投稿でポイントプレゼント / ※購入済みの作品が対象となります
レビューを書く

感情タグBEST3

    Posted by ブクログ

    男たちの無邪気な情熱と善意に翻弄され傷つき続ける女達。その女達は反目し合いながらも支え合い繋がっていく。知里幸恵の評伝という形をとってはいるが、焦点はその一点に絞られている。読みごたえあり。

    0
    2024年04月27日

    Posted by ブクログ

     アイヌの人達の過酷な生活の中にあって、明治政府の身勝手な進め方に憤りを感じます。

     知里幸恵の強靱な姿勢には感服します。私利私欲もなく、命をかけ、使命感で動く姿には、心打たれます。

    0
    2024年05月11日

    Posted by ブクログ

    知里幸恵は、言語学者・金田一京介の依頼により
    ユーカラの筆録・翻訳の手伝いをするため東京へ来た。
    北海道にいる時はアイヌということだけで差別を受ける。
    P123
    〈常に和人の下で、貧しく愚かに希望なく生き続けることを望まれているのだ〉

    東京見物も出来ないほど忙しく本の翻訳をする日々。
    体も弱く、無

    0
    2024年03月20日

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    アイヌの口承叙事詩ユーカラの研究をする金田一の依頼を受け、使命感に燃えて北海道から上京する幸恵の物語

    自分だからこそできること、すべきこと、したいこと
    そしてできないこと

    差別や抑圧に対する怒りと悲しみと諦めが滲む中、それでも使命を果たそうとする姿勢に胸を打たれた

    0
    2024年06月12日

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    冒頭の養母マツの疑問「幸恵は、なぜお伽噺のような甘ったるいユーカラを残したのか」の答えは、書かれたのだろうか。

    0
    2024年03月31日

ユーカラおとめ の詳細情報

  • カテゴリ
    小説・文芸
  • ジャンル
    小説 / 国内小説
  • 出版社
    講談社
  • ページ数
    272ページ
  • 電子版発売日
    2024年01月30日
  • コンテンツ形式
    EPUB
  • サイズ(目安)
    4MB

閲覧環境

  • 【閲覧できる環境】
  • ・ブックライブ for Windows PC(アプリ)
  • ・ブックライブ for iOS(アプリ)
  • ・ブックライブ for Android(アプリ)
  • ・ブックライブ PLUS for Android(アプリ)
  • ・ブラウザビューア

※アプリの閲覧環境は最新バージョンのものです。

この本をチェックした人は、こんな本もチェックしています

無料で読める 小説

小説 ランキング

泉ゆたか のこれもおすすめ

同じジャンルの本を探す