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「僕はこの家から逃げられへん身にさせられてしもうた」
大正十四年、大阪。病弱だが勝ち気な女性記者・苑子は、担当する身上相談欄への奇妙な投書を受け取る。
大手製薬会社・丹邨製薬の社長令息からの手紙であり、不審を覚えた苑子は、身分を偽り丹邨家に潜入することに。
調査を進めるうち、その異様さが明らかになっていく。苑子を苦しめていた咳をただちに止める、真珠のような丸薬。
一家の不可解な振る舞い。丸薬を怪しんだ苑子は、薬の成分分析を漢方医に頼む。
返ってきた結果には、漢方医も知らない「骨」が含まれていた――。
もう逃げられない。気付いてからが、本当の地獄の始まりだった。
「丹邨家に巣くう災厄をあなたが払えることを祈ります」
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Posted by ブクログ
大正時代の大阪が舞台ということで、読みにくそうだなぁという先入観がありました。この先入観から、本作のみならず、古い時代設定の作品をこれまで避けてきた者としては、読み始めるまでのハードルが高く感じていました。
しかし、朝宮運河氏の「ベストホラー2025」の国内部門第二位にランクインしていた本作、これがモチベーションとなり重い腰を上げて読みました。
結果、懸念は杞憂でした。
多少、大正時代特有の単語などがありますが、読めないほどではありませんでした。ただ、意味を理解できた方が良いことには変わりありませんので、知らない単語が出てくる都度調べながら読みました。
ストーリーはもちろん面白かったです。あらすじとか第1章とかを読んだ時点では見当も付かない方向に進みます。
ある真相が判明した時、「そうきたか」と感心し、俄然読書スピードが上がりました。
メインの題材も中盤の転換も好印象です。
終わり方も、好きでした。ちょっとだけですが、想像の余地を残されているのが良かったです。
ホラー小説としての恐怖度としては低い方だと思います。なので、ホラー小説苦手な人にもおすすめです。
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