北沢陶の作品一覧
「北沢陶」の「骨を喰む真珠」「慄く 最恐の書き下ろしアンソロジー」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
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「北沢陶」の「骨を喰む真珠」「慄く 最恐の書き下ろしアンソロジー」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
Posted by ブクログ
北沢陶先生のホラーは最初に「お家さん」を読んだ時にあまりの完成度の高さに衝撃を受けた。それもありをんごくを読ませていただいたがやはり期待通りのホラー。
まず文章が読みやすい。当時の日本人の口調を自然に書きつつも全く読みづらさがなくその場の情景まで浮かんでくる。これは「お家さん」でもそうだった。
今作は想像とは違っておどろおどろしいよりかは幾分妖やもののけのファンタジー感があるホラーで最後まで楽しめて読めた。主人公に協力する妖かしである「エリマキ」もいいキャラで怖さの緩衝材になっている。
力の強すぎる幽霊を出しても根源には人間の悍ましさや卑しさを描き、そこを霞ませない見事なストーリー。
Posted by ブクログ
大正時代、妻の倭子を喪った壮一郎のもとに訪れた妻の気配。それは生前の彼女と比べると非常に歪なものだった。他でも死んだ者を目撃したという情報を探り、壮一郎は異形の存在エリマキと出会う。しかし霊を喰うというエリマキすら、倭子の霊には恐れをなすのだった。ひっそりとした雰囲気の、恐ろしくも物悲しいホラーです。
充分な時間を共に過ごす前に妻を喪ってしまった壮一郎の悔恨がじわじわと心を蝕むようで、とにかく淋しい。そんな中で現れた倭子の気配が慰めになるのかと思いきや、不気味さが深く突き刺さってきます。あからさまに恐怖を煽ってくるような描写ではないのですが、だからこそ逆にこの何とも言えない歪さが印象的でした。