作品一覧

  • 慄く 最恐の書き下ろしアンソロジー
    3.5
    1巻858円 (税込)
    角川ホラー文庫30周年を記念し、最大の恐怖を詰め込んだアンソロジー、待望の第3弾。有栖川有栖×霧に閉じ込められた学生たちの悲劇。北沢陶×大阪の商家で聞こえる、恨めし気な声とは? 背筋×集められた怪談から導かれる真相。櫛木理宇×あなたを追いかける謎の男。貴志祐介×姉の自死を怪しむ妹と叔父の心理戦。恩田陸×車窓から見える看板が描き出す恐怖。本書でしか読めない、夢の競演。ホラーの真髄がここにある! 有栖川有栖「アイソレーテッド・サークル」 北沢陶「お家さん」 背筋「窓から出すヮ」 櫛木理宇「追われる男」 貴志祐介「猫のいる風景」 恩田陸「車窓」
  • 骨を喰む真珠
    3.7
    1巻1,925円 (税込)
    「僕はこの家から逃げられへん身にさせられてしもうた」 大正十四年、大阪。病弱だが勝ち気な女性記者・苑子は、担当する身上相談欄への奇妙な投書を受け取る。 大手製薬会社・丹邨製薬の社長令息からの手紙であり、不審を覚えた苑子は、身分を偽り丹邨家に潜入することに。 調査を進めるうち、その異様さが明らかになっていく。苑子を苦しめていた咳をただちに止める、真珠のような丸薬。 一家の不可解な振る舞い。丸薬を怪しんだ苑子は、薬の成分分析を漢方医に頼む。 返ってきた結果には、漢方医も知らない「骨」が含まれていた――。 もう逃げられない。気付いてからが、本当の地獄の始まりだった。 「丹邨家に巣くう災厄をあなたが払えることを祈ります」
  • をんごく
    4.3
    1巻1,980円 (税込)
    嫁さんは、死んでもまだこの世にうろついているんだよ―― 大正時代末期、大阪船場。画家の壮一郎は、妻・倭子の死を受け入れられずにいた。 未練から巫女に降霊を頼んだがうまくいかず、「奥さんは普通の霊とは違う」と警告を受ける。 巫女の懸念は現実となり、壮一郎のもとに倭子が現われるが、その声や気配は歪なものであった。 倭子の霊について探る壮一郎は、顔のない存在「エリマキ」と出会う。 エリマキは死を自覚していない霊を喰って生きていると言い、 倭子の霊を狙うが、大勢の“何か”に阻まれてしまう。 壮一郎とエリマキは怪現象の謎を追ううち、忌まわしい事実に直面する――。 家に、死んだはずの妻がいる。 この世に留めるのは、未練か、呪いか。 選考委員満場一致、大絶賛! 第43回横溝正史ミステリ&ホラー大賞 史上初の三冠受賞作!

ユーザーレビュー

  • をんごく

    Posted by ブクログ

    北沢陶先生のホラーは最初に「お家さん」を読んだ時にあまりの完成度の高さに衝撃を受けた。それもありをんごくを読ませていただいたがやはり期待通りのホラー。
    まず文章が読みやすい。当時の日本人の口調を自然に書きつつも全く読みづらさがなくその場の情景まで浮かんでくる。これは「お家さん」でもそうだった。
    今作は想像とは違っておどろおどろしいよりかは幾分妖やもののけのファンタジー感があるホラーで最後まで楽しめて読めた。主人公に協力する妖かしである「エリマキ」もいいキャラで怖さの緩衝材になっている。
    力の強すぎる幽霊を出しても根源には人間の悍ましさや卑しさを描き、そこを霞ませない見事なストーリー。

    0
    2025年11月28日
  • をんごく

    Posted by ブクログ

    大正時代の大阪、船場の商家での話。巫女さん、エリマキ、登場人物が魅力的。文体も読みやすく、その時代・場所に馴染みのない私でも抵抗なく、展開もとても気になりするすると読み進められた。エリマキと主人公の深まる仲も良かった。エリマキが情と人間味があり可愛らしく感じる場面も多々。描写はぞっとするシーンもあり、しっかり怖かった。クライマックスシーンもラストもとても好きです。読んで良かった。本当に面白い。

    0
    2025年11月24日
  • 骨を喰む真珠

    Posted by ブクログ

    北沢陶先生の作品は「をんごく」「お家さん」を他に読みました。
    をんごくに比べると、今回は登場人物が多め。
    (文章量自体が多いのだし当然といえば当然ですが)
    でも全員属性がはっきりしてるので混乱することはないと思います。

    ストーリー展開もとっても面白いけれど、北沢先生の作品は登場人物がみんな信念を持って動いてるんだということを感じられるのが好きです。
    感情移入してお話しを読む人にはぜひ読んでもらいたい!

    0
    2025年11月22日
  • 骨を喰む真珠

    Posted by ブクログ

    面白かった
    微妙に先が読めるような展開なのがうまい
    それでも先が気になって読みすすめてしまう

    最後の手紙が気になる〜笑

    0
    2025年10月17日
  • をんごく

    Posted by ブクログ

    大正時代、妻の倭子を喪った壮一郎のもとに訪れた妻の気配。それは生前の彼女と比べると非常に歪なものだった。他でも死んだ者を目撃したという情報を探り、壮一郎は異形の存在エリマキと出会う。しかし霊を喰うというエリマキすら、倭子の霊には恐れをなすのだった。ひっそりとした雰囲気の、恐ろしくも物悲しいホラーです。
    充分な時間を共に過ごす前に妻を喪ってしまった壮一郎の悔恨がじわじわと心を蝕むようで、とにかく淋しい。そんな中で現れた倭子の気配が慰めになるのかと思いきや、不気味さが深く突き刺さってきます。あからさまに恐怖を煽ってくるような描写ではないのですが、だからこそ逆にこの何とも言えない歪さが印象的でした。

    0
    2025年10月14日

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