あらすじ
角川ホラー文庫30周年を記念し、最大の恐怖を詰め込んだアンソロジー、待望の第3弾。有栖川有栖×霧に閉じ込められた学生たちの悲劇。北沢陶×大阪の商家で聞こえる、恨めし気な声とは? 背筋×集められた怪談から導かれる真相。櫛木理宇×あなたを追いかける謎の男。貴志祐介×姉の自死を怪しむ妹と叔父の心理戦。恩田陸×車窓から見える看板が描き出す恐怖。本書でしか読めない、夢の競演。ホラーの真髄がここにある!
有栖川有栖「アイソレーテッド・サークル」
北沢陶「お家さん」
背筋「窓から出すヮ」
櫛木理宇「追われる男」
貴志祐介「猫のいる風景」
恩田陸「車窓」
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
こういうアンソロジーって玉石混交のイメージのところ、これはほぼハズレなしの一冊!!移動中とかにさくっと読みたくなる本だね。どんどん読めた。全部良かったけど、背筋が特に好みかな。他にも同じようなアンソロあるみたいだから来夏にでも読んで涼みたい。気づいたら今年はもうホラーの季節じゃなくなっちゃったし。
Posted by ブクログ
聞いたことある著名な作家さんがホラーの短編を書くアンソロジー。ホラー作家ではない人も描いてて新鮮。個人的には窓から出すワ、車窓が好み。背筋さんのは短編の中で怖い話が読めるのでワクワクしてよんだ、そして最後のオチ、ページを捲るのが怖かった…、これで私にも見えたらって。
車窓は短いながらもすっと引き込まれて上手いなと思った。オチはどういう意味なのか…、楕円の看板が見えちゃう呪い?に主人公も巻き込まれたってこと?かな。
Posted by ブクログ
「堕ちる」が面白かったので今作も期待して読みました。期待以上でした。
今作品もネコが出てきます。ネタバレ感想
アイソレーテッドサークル
異世界に大学生達が迷い込み殺戮に巻き込まれる。得体の知れないモノに殺される恐怖とリセットされたかと思いきや夢の続きは…。
お家さん
このお話一番怖かったし戦慄しました。
まじめな丁稚くんが主人公でお家さんに気に入れられるが数々の霊を目撃していき…。
お家さんの得体の知れなさに恐怖しました。ショート映画を見てるみたいで面白かったです。
窓から出すヮ
今話題の背筋さん作品。
途中意味わからなくなりましたが現実なのか非現実なのか混乱してしまう作品でした。どこから狂った?
追われる男
結局主人公の彼女は殺されてしまうのですが一体誰に?
上司と彼女を殺した人物の謎が残ります。草履履きの男ではないのは確か。じつは主人公が殺してたら面白い。
猫のいる風景
待望の貴志祐介さん作品。
悪の教典でのとある凶悪な人物を彷彿とさせるサイコパス人物視点ですが、後半から雲行きが怪しくなり…。
ネコちゃんにあそこ舐めさせるのは怖すぎて笑ってしまいました。ただのホラーだけでなく人間の怖さを存分に楽しめました。貴志祐介節がこれでもかときいています笑
車窓
恩田先生作品
見たことあるようなないようなこれは何だろう?
デジャブ
あなたは何を知っているの?
リアル系な怖さでした。
まさに“慄く”でした
Posted by ブクログ
まさに「戦慄」の如き作品の応酬。
特にやはり注目は、北沢陶さん。大阪舟場を舞台にさせたら、右に出る人はいません。御本人も昔の人の言い回しや、当時の表現にこだわって書いているだけあって、時代小説のような雰囲気ですが、説明や描写表現は現代語を極力使っているので、どっちらけになることはありません。
どれも短いながらも、天下一品でした。
Posted by ブクログ
角川ホラー文庫30周年記念アンソロジー第3弾『慄く』。有栖川有栖、恩田陸、貴志祐介ら豪華作家陣が集結し、異なる切り口で「最恐」を描き出す一冊。
北沢陶さんはしっとりとした時代物の趣がありながら、確実に恐怖を刻み込み、恩田陸さんは怪異も人外も出ないのに、言葉の積み重ねだけで背筋を冷やす。
櫛木理宇さんの一篇は真っ向から怖く、しかも霊的ではなく“フィジカルに強すぎる存在”で迫るのが鮮烈。物理的強さがここまで効果的に恐怖になるとは…。
多彩な恐怖の形を堪能できる、満足度の高いアンソロジーでした。
Posted by ブクログ
背筋さん以外は面白かった。
なんかもわーっとする怖さ。
1番好きなのが決めきれない。
背筋さんは前から色々読んでるけど、もやもやしていつも終わる。ホラーってそんなもんかなぁとも思うけど、すっきりはしない
Posted by ブクログ
トータル3.5くらい。
書き下ろしなので全部新作だったのが良かった。
この中で好きなのは貴志祐介の『猫のいる風景』かな。曖昧オチではなく、きっちりミステリーもしてホラーもやってる。お化け無しで楽しませてくれた。
有栖川有栖『アイソレーテッド・サークル』
クローズドサークルの定義について話をしていて、どこかミステリーな雰囲気はあるものの、結局何かは不明で、結局どこかの異界らしいということで終わる。でも面白かった。
ミステリー小説だったら犯人がいるのに、この話では何かを見つけてはいけない、見てはいけない。犯人を見つけることが禁じられる恐怖。
北沢陶『お家さん』
丁稚奉公目線なので時代がわかりにくかったけど、尋常小学校や電話などで結構最近なんだなと感じるが、最後にスペイン風邪でした、と知らせるのは面白かった。本当に怖いのは怨み節をぶつけてくる幽霊か、それを素通りして恨みを果たそうとする人間か。というか一家全滅して良いのか。
背筋『窓から出すヮ』
恐怖って理不尽で理由なんて無いんですよ、という話だが、まあまあ一貫してて、ちょっと中途半端な印象。
作中の一つ目小僧の一応のオチも怖かったけど、怪奇現象が起きてくれないと困ると切に願う主人公作家もまた恐怖というか。笑い話にもなりそうなあんばいだなあと思った。
櫛木理宇『追われる男』
人間怖いの話の類いだけど、現代においていつとばっちりを食らうかわからないという恐怖を味わえて面白かった。でも最後のサユミは誰に殺されたのか曖昧にしたのはちょっとつまんない。状況的に主人公が殺したというオチにもっていけそうなところもあるが、結局主人公目線でしか読めないので、そこら辺が不明瞭。
貴志祐介『猫のいる風景』
姪がめちゃ頭良い。理詰めで主人公を追い込んでいくところがホラーというよりミステリー。でも最後は猫に舐められ食われるホラーで終わって面白かった。この作品のみお化け要素無しでガチのミステリーと恐怖を味わえて面白かった。
言葉遊びの類いは貴志祐介の好きなやりとりすぎてもはやほほえましい。
恩田陸『車窓』
富士山を見ようとする最初の下りのゾッとした感じは良かったな。幽霊みたいだなと思わせる前フリでめちゃ良い。
でも結局見えたのは隣の男、Nなのか?満面の笑みなのは、ようこそこちら側へ、という意味なのか?
現代に寄せていろいろ見せてくれたが、結局は曖昧オチでそこは残念。
数字もきっと大地震とか、テロとかそういう戦争や災害の日にちなんだろうなと思わせるものだが、最近は陰謀論とかそういうのでよく目にするので、この作品自体ちょっとなあ、という感想持っちゃう。何かを見た気がして、勝手にあれはこのことだったんだという改竄の話にしてしまうのはなんかやだ。
Posted by ブクログ
豪華作家陣による多様なホラー短編集で、「最大級の恐怖」というテーマをミステリや心理、怪談、幻想など多彩なアプローチで表現している。
日常に潜む不気味さや人間の闇を掘り下げられていた。
特にミステリ好きに響く作品が多いような気がして、ホラーもミステリも好きな自分のような読者には、どんぴしゃで刺さる作品だった。
全体的に新鮮で読み応えのある一冊。
Posted by ブクログ
3冊の中で1番心踊るラインナップのアンソロジーだった。
様々なタイプのホラーがぎゅっと詰まっていて面白かった。
またこのシリーズが出て欲しい。
Posted by ブクログ
さすがクオリティが高い。背筋「窓から出すヮ」と櫛木理宇「追われる男」がホラーとして面白く、貴志祐介「猫のいる風景」がミステリとして面白かった。
Posted by ブクログ
各話短編のクオリティが高く、それぞれ作家の
色が出た作品で面白い。
アイソレーテッドサークルの不思議さ、
読み終えたあとのどうしようもないよう余韻が
とてもよい。
Posted by ブクログ
アンソロジーって
お初の作家さんも
お試し感覚で読めるので
ついつい手にとってしまう
この短さなのに
ちゃんと怖かった
長編ホラーって
好きだけど
読み終わるまでにゲッソりするから
短編集は体力ない時に
もってこいでした笑
Posted by ブクログ
角川ホラー文庫30周年を記念し、最大の恐怖を詰め込んだアンソロジー第3弾。
以下印象的だった作品。
北沢陶「お家さん」
唯一読んだことのなかった作家さん。大阪の商家を舞台にしたしんねりしたジャパニーズホラーという感じでとても好みでした。お家さんの執念が深すぎる。他の作品も読んでみたい。
恩田陸「車窓」
新幹線の車窓から外を眺めていたらふいに見かけた灰色の楕円形の看板に浮かんだぼんやりした模様や数字や人の顔。自分もふいに見てしまうのでは、という恐怖と、ラストシーンにぞわっと来た。看板って近くでみるとめちゃくちゃでっかくてそれだけでも結構怖いもんな。
背筋「窓から出すヮ」
ネットから寄せ集めた話を羅列して最終的によくわからないオチを付けましたみたいな話で好きじゃなかった。最近こういう作品多いなぁ。
Posted by ブクログ
未知のものへの恐怖を存分に感じさせられた。
『お家さん』長吉の前に現れる霊の痛々しい様、そして何より結末の後味の悪さが面白い。
『猫のいる風景』
語り手の悪趣味な復讐とシャブ漬けにされた猫が好き。
Posted by ブクログ
北沢陶さん目当てで読みました。
主人公は、家と関係ないのにあのような結末は気の毒だなと思いましたが、面白かったです。
でも、やっぱり長編の方が魅力的かもしれません。
全体的に、読んでいる最中は先が気になってドキドキするも、結末で「結局何なんだ」というのが多かったように感じます。それを楽しんで、ということなんでしょうけれど。
「猫のいる風景」は、胸糞サイコで、猫ちゃんも絡んでくるし、好き嫌いが分かれそうです。
が、私は賢い姪っ子が小気味よく追い詰めていくのが痛快でしたし、それ相応の報いを受けてスッキリしました。
Posted by ブクログ
基本短編買わないですが、好きな作家貴志祐介有栖川有栖櫛木理宇恩田陸が出てたので買ってしまいました。
まあやっぱり短編なので物足りなく感じます。
貴志祐介と櫛木理宇が良かったです。
いい意味で、櫛木さんはなんでこんなに気持ち悪い文章をかけるんだろうかと思います笑
まあまあ面白かったような…
Posted by ブクログ
うーむ。という短編もあったけど。
初めて読んだ 北沢陶が面白かったから、ほかも読んでみようかな!という発見が嬉しい。
北沢陶は船場を舞台にした話が多いのね。楽しみ。
Posted by ブクログ
ホラー短編集。もっと心が元気な日に読めばよかったな。精神的に疲れている時に読むと悪意や嫌悪感がグサリとくる。有栖川有栖『アイソレーテッド・サークル』が一番印象的。どうやら私はデスゲームのような話がとても怖いらしい。
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カラーの異なる作品群で、それぞれの慄きがあり面白かった!
めくるめくパニック映画のような『アイソレーテッド・サークル』。
ジメッとした薄暗い雰囲気が抜群な味をもつ『お家さん』。
実話怪談の入れ子構造が心地良い『窓から出すヮ』。
自分の身に起きたら一番厭な『追われる男』。
グロテスクな怖気がはしる『猫のいる風景』。
特に好きだったのは、最後にふさわしい静かな余韻がある恩田陸『車窓』。
新幹線内の短いやりとりだけどリアルに空気感を想像できる。私も車窓を眺めて、この町に生まれたらどんな人生だったかな?とか、窓一面の畑の持ち主の日々を想像したりするのが好きなので、これから新幹線乗るたびに思い出しそう。
Posted by ブクログ
ホラー。短編集。
有栖川有栖さん、貴志祐介さんのようなミステリ作品を書く作家の作品は、やはりミステリ的な雰囲気あって、ミステリ好きとしては読みやすい。
有栖川有栖「アイソレーテッド・サークル」が一番好み。ホラー版クローズド・サークル・ミステリ。
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ホラー小説はあまり読みませんが、好きな作者ばかりだったのでアンソロジーならと読んでみました。お化け屋敷とかは大嫌いなので、心配でしたがミステリー要素もあってさくさく読めました。
ミステリーとの違いが、原因がはっきりしないことかなと思いました。
個人的には有栖川先生の作品が王道ホラーって感じです。そして、「お家さん」が好みです。時代物のホラーなので不気味さが現代と違うなぁと思いました。「追われる男」では、ハラハラ感と謎が残り、「猫のいる風景」ではドキドキの心理戦や想像される残酷な結末が味わえて、刺激を味わえました。
Posted by ブクログ
※
得体が知れない、薄気味悪い、正体不明、
ぞわりと不快で不可解な残滓が漂よう物語集。
アイソレーテッド・サークル 有栖川有栖
お家さん 北沢陶
窓から出すヮ 背筋
追われる男 櫛木理宇
猫のいる風景 貴志祐介
車窓 恩田陸
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アイソレーデッド・サークル
シチュエーションを楽しむホラーって感じ 無力感がすごい 主人公もきっと戻ってこれないんだろうな つい最近スーファミのホラーノベルゲーム?の実況を見てて、それに近いものを感じた
お家さん
湿度を感じるホラー 幽霊よりも底しれない人の悪意が怖い 主人公がかわいそう…一番好きだったかも!
窓から出すヮ
特に理由はない、理屈の通じない天災的なホラーが好きだからわかる〜と思いながら読んだ 相変わらず出てくる小話全部不気味で怖いよ 背筋さんのお話はいつも体験型というか 結び方がこれは仕掛けとわかっていてもちょっと怖かった
追われる男
主人公とその恋人がかわいそうすぎる 上司が昭和すぎて逆に面白かった 「〇〇もしてもらったぞ」じゃないのよやめとけやめとけ!!
猫のいる風景
久々に貴志祐介さんの小説読んだ!やっぱり面白いです 絶妙にキモい主人公のこと若干ハスミンを連想しながら読んでたこともあって、ラストは「完全勝利や……」ってだいぶすっきりしました 翠が戻ってきたとき惨状を見てトラウマにならないといいけど…
車窓
恩田陸さんのホラーって初めて読んだ気がする 自分の日常にも潜んでそうな不気味さ 私も親の実家が中国地方にあって幼い頃よく新幹線に乗っていたのでそれもあって余計にリアリティを感じて楽しく読めました
潰えるも読んだからここまで来たら堕ちるも読んでみようかな??
Posted by ブクログ
角川ホラー文庫30周年記念の全編書き下ろしのアンソロジー。『堕ちる』が微妙だったから惰性で読んだのに、1冊目以降は面白かったなあ。笑
好みが分かれそうな有栖川有栖「アイソレーテッド・サークル」、私はめちゃくちゃ楽しかった。まさかの(展開的な「まさか」じゃなくて、有栖川有栖先生が…!?という「まさか」、)異世界もの。続きを下さい。男子大学生の会話が軽快でいいよねえ。
北沢陶「お家さん」、デビュー作でも感じたけどこの方は人の心の動きを丁寧に追うので好き。湿っぽい雰囲気を味わう。
恩田陸「車窓」は短いながらも新幹線の車窓から見える看板たちがハッキリと頭に浮かんだ。恩田陸が書くとなんかお洒落になる。これがホラーなのかは謎。意味も目的も主体も不明なもの、が現実の風景(看板)として見える怖さなのかな。新幹線っていうのがまた、職業にもよるけどギリ日常という感じ。自分は殆ど乗らないが。
櫛木理宇「追われる男」、理不尽な粘着客。主語が「あなた」で追体験を狙っているのかもしれないが、主人公と共通点がなさすぎて完全に他人事として読んだ。巻き込まれ主人公が可哀想すぎてちょっとおもろい。
貴志祐介「猫のいる風景」、痛みを想像させるのが上手いです…
背筋「窓から出すワ」、分かるような分からないような。
Posted by ブクログ
【収録作品】
有栖川有栖「アイソレーテッド・サークル」
北沢陶「お家さん」
背筋「窓から出すヮ」
櫛木理宇「追われる男」
貴志祐介「猫のいる風景」
恩田陸「車窓」
角川ホラー文庫30周年を記念したアンソロジーの第3弾。
「アイソレーテッド・サークル」霧に閉じ込められた学生たちの悲劇。神隠しの噂があり、地元の人さえ立ち入らない場所へ。
「お家さん」大阪の商家で新入りの長吉に聞こえる、恨めし気な声。店の者からは腫れ物に触るように扱われているお家さんが長吉を「ええ子」というのはなぜか。
「窓から出すヮ」筆が乗らず、怪談を集めるホラー作家。
「追われる男」昭和か。
「猫のいる風景」姉の自死の理由を探る妹と叔父の心理戦。自業自得とはいえ、ラストの先を想像するとグロい。
「車窓」著者得意の会話劇。車窓から見える看板は何を意味しているのか。