あらすじ
「僕はこの家から逃げられへん身にさせられてしもうた」
大正十四年、大阪。病弱だが勝ち気な女性記者・苑子は、担当する身上相談欄への奇妙な投書を受け取る。
大手製薬会社・丹邨製薬の社長令息からの手紙であり、不審を覚えた苑子は、身分を偽り丹邨家に潜入することに。
調査を進めるうち、その異様さが明らかになっていく。苑子を苦しめていた咳をただちに止める、真珠のような丸薬。
一家の不可解な振る舞い。丸薬を怪しんだ苑子は、薬の成分分析を漢方医に頼む。
返ってきた結果には、漢方医も知らない「骨」が含まれていた――。
もう逃げられない。気付いてからが、本当の地獄の始まりだった。
「丹邨家に巣くう災厄をあなたが払えることを祈ります」
感情タグBEST3
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北沢陶先生の作品は「をんごく」「お家さん」を他に読みました。
をんごくに比べると、今回は登場人物が多め。
(文章量自体が多いのだし当然といえば当然ですが)
でも全員属性がはっきりしてるので混乱することはないと思います。
ストーリー展開もとっても面白いけれど、北沢先生の作品は登場人物がみんな信念を持って動いてるんだということを感じられるのが好きです。
感情移入してお話しを読む人にはぜひ読んでもらいたい!
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エンタメに振り切った感じでよかった!でもホラー小説とエンタメをどう考えたらいいのかよくわからない。
舞台、構成、キャラやストーリー設定どれをとっても映像映えしそうだしアニメになることも想像できる。そうなるとなんとなくまだわたしのなかでは「エンタメ感」が強いものに感じる。
じゃあ現代で現実的で堅実ならエンタメじゃないのかと言われると違う。
映画なら大味、ご都合無視のアクションや展開に喜ぶとか、そういう見方ができるんだけど
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表紙とあらすじに惹かれて購入。期待に応えてくれて満足の一冊。大正時代が舞台で読めるか不安になったけど全然気にならなくて安心。初めは飲まされてる薬が麻薬の類でそれを追う記者の話かと思えば、まさかの人魚の骨が材料だとは。一歩間違えば馬鹿らしい話になりかねないのに、そうならない所が素敵。
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「をんごく」がとても良かったので、こちらも楽しみに読みました。
ホラーというより、怪奇幻想小説とミステリーが合わさったような感じでした。
大正の大阪の話し言葉や表現ですが、読みやすく、どこか品があり「をんごく」もそうでしたが、幻想的な美しさを感じられます。
解明していく様子も怖さと不気味さに、ドキドキして後半は一気読みでした。
わたしとしては、もっと苑子と白旗のバディを読みたかった。。
手紙の内容も…少し消化不良ですが、もう北沢陶さんの書く物語の世界観の虜になりました。
早く次の作品が読みたいです。
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時代背景が昔で、女性の新聞記者が家に潜り込んで取材をする。
そんな感じかと思ったら、途中からやたらと危ない感じがしてきて、ついには主人公だと思ってた人が殺されちゃうなんてびっくりな展開。
さらに人魚とか出てきて、ファンタジーだったのかとまた驚き。
昔の関西風の話し方が良かったな
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展開は想像通りに進んでいくので意外性はないが、文章が面白く読みやすかった。
前半はぐんぐん引き込まれていったが主人公が死んでからは面白さが失速。
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デビュー作の「をんごく」がおもしろかったので2作目(のはず?)も読んでみた
「をんごく」のときも思ったんだけど作品のなかに満ちる幻想的というか耽美というか、そういう雰囲気がかなり好みである…。時代や舞台設定も好き
女性記者が怪しげな製薬会社の社長宅に潜り込むという展開がわくわくする。これは主人公が途中で変わるのか、そもそも定めていないということなのかな
いわゆる調査ものっぽい内容が私はとても好きなのでぐいぐい読みすすめて、そこから徐々に明らかになる社長宅の秘密やそれに向かっていく展開が楽しく読めた
なんかホラーというよりもミステリっぽい楽しみ方をした。ミステリが好きなのでOKです
途中から女性同士のバディっぽい描写が増えてうれしかった~~~。北沢さん、バディものお上手だよな…これからも読ませてください
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大正時代が舞台かつ関西ということで言葉遣いがややハードルが高いかと思いきやが話の展開が興味深く面白い読める。タイトルと表示のおかげで途中から展開が読めてしまうものの、最終盤はなかなかドラマチックなえぐみがあって良い。
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初めは少し古い言葉で読みづらいかなと感じながら読んでいましたが進めるうちに手が止まらなかったです。
まさか人魚が出てくるとは...ホラー作品とは知っていたので少し構えていましたがとても楽しめました。
タイトルの回収も読み進めていく内に納得し、表紙にゾッとしました。とても面白い作品でした!
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前半は不穏な心理ホラー、スリリングな展開を経て、終盤はグロくなった。最後まで飽きない展開で、一気読みした。途中でメインキャラクターが変わるのも新鮮。人間の欲望や残酷さが生々しく描かれているのが印象的。とても面白かったので、他の作品も読んでみたくなった。開発途中の薬は飲みたくないなー
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残酷で綺麗なお話。
個人的には操さんが好きかな。頭が良くてクール。
この時代に女性記者って、ほんと大変そう。
訪問記とか化け込みなんて初めて聞いた!
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未読の方には、ぜひネタバレに触れずに読むことをオススメします。
以下、ネタバレあります!
ミステリー・ホラー・サスペンスといった要素にファンタジーもあったとは。
先が気になって、サクサク読めました。
いわくがありそうなお金持ちの家庭……ということで、序盤は、横溝正史さん的な感じなのかなと思っていました。まさか、人外の生き物が存在する世界観とは思ってもいませんでした。
前半と後半で物語がガラッと変わります。
主人公だと思っていた苑子の行く末には、意表をつかれました。
白潟さんと苑子の男女バディで、解決に向かっていくのかと思っていました。
白潟さんの一族に関するアレコレも、救いがない……。彼は今後自責の念にとらわれて長い時間を生きていくのでは?
全てが良い方向に解決してめでたしめでたし、とはなりません。
かと言って仄暗いだけのお話ではなく、賢く逞しい女性陣の活躍や、操と栄衣の凸凹コンビのやり取りは気持ちの良いものでした。
白潟さんからのお手紙には何が書いてあったのでしょうか。
もう少し後日談が欲しいなと思うのは、キャラクターに愛着が湧いたからですね。
暑い夏に、このようなジャンルの本を読むのもいいなと思いました。
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人魚が出てきてビックリしたが、そこから切羽詰まった展開に、手に汗握った。
ある意味、麻薬と一緒で、この薬を飲んだら手離せなくなる…。
白潟の一族の扱いにはとても心が痛くなった…。
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大正の頃、新聞記者の新波苑子は女性だからと会社でまともに扱われずろくに記事も書けない状況を良しとせず抗っていた。投稿欄に返事を書く仕事をしていたときに気になる手紙を見つけ、化け込みと呼ばれる、女中などになってこっそり内情を取材する方法で手紙の出し主のところへ行くのだが、そこは予想を遥かに越えて怪しく、危険な家庭だった。
前半は苑子がどんどん危険の中心に迫っていき、あれ?なんだか、簡単に入り込めすぎじゃない?って思ったらちゃんと納得させられ、後半は…。ううっ、ネタバレになるから言えないけどちょっと久しぶりの衝撃展開なんですけど!っていう新事実からのスタートになります。最後は展開気になって一気に読みました。ダークホラーミステリーなのかな。グロいシーンもたくさんあるので、中学校以上向け。
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面白かった!!ホラー的怖さで惹きつけられるというよりミステリ的面白さで続きが気になってどんどん読んでしまった。職業婦人たちが女性の社会進出が始まったばかりの社会でどんな扱われ方をしていたかのわかるシーンもあり、しかも物語上も生き生きと活躍するのでその点もよかった。かなり陰惨なのでグロや痛そうなのが苦手な人には薦めない。
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大正という時代、関西という場所
それらが、この怪異な世界と
程よい距離感になっているのかもしれない。
以前、本当にあった奇譚のような。
中盤まではちらちらと
恐怖の尾鰭をちらつかせながら
焦ったさをつのらせ
そして、闇の正体をさらけ出すと一気に
血生臭さにむせかえるほどの
怒涛の展開となった。
最後はおぞましさより、何より
誰かを見放すことができない女性たちの
逞しさが残った。
をんごく、の作家さんなんですね。私は断然こちらのほうが好きでした。
一作目のほうはさほどハマらず頑張って読み進めたくらいですが、こちらは一気に読んでしまいました。
結構みんなキャラが立ってるので、あのひとも人魚?でも気持ち悪いとかほかの人魚に言ってるし、、なぜ人魚がそこまで人間社会に簡単に掌握できるような術をもてたのか、どんなバックボーンがあるのか、そこがすごく気になりました。説明はないんですけどね。
で、あの捕まってた人魚たちはなぜあのようになってたのか?なにか拷問でもされてああなった?それとも、人魚という元は魚だから野生に戻ってしまうのか、そこももう少しバックボーンが知りたいんですが。
村が襲われたとき男女数名いたというし、ほかに誰が?
れいさんと人魚について詳しく知りたかった。。
結構想像に任せますみたいな場面が多かったんですが、とにかく面白かったです。
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2025.11.30
んー…、期待して読んだけど結局大正ファンタジーであれば「をんごく」の方が面白く読めた。
後半はちょっと中弛みした感じと、工場の中に潜入してからの白潟の行動、そしてその後日談がちょっとご都合主義すぎる感じというか無理やりな感じがした。あんまり納得感がないまま読み終わってしまったなあと。
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骨か。
美味しいものを食べる。
またあのお店のアレ食べたいな…って思うし
実際にまたお店を訪れて食べる。
中毒性があるなぁ。って。
でもさ、まさに【中毒】になるような物質が
この料理に入ってるんじゃないでしょうね?!
って思う。(人を信用しないタイプ)
これは、薬だったけど…
症状が治まると思えば薬飲みたいよね。
薬の成分なんて知らないからなぁ
製薬会社に何飲まされてるかな私。
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レビューがよかったので挑んでみたが
私の好みではなかった…
耳慣れない大正の大阪弁を、最後には最高の裏切り方をされるだろうと
我慢して読んだけど
結構楽しみにしていた作品
あと、『をんごく』はめっちゃ怖そうだったのでとりあえず
こちらは読めるかも!!と
ちょっとハードル上げすぎたかな
表紙は綺麗ですね!!!
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序盤の不気味な雰囲気とヒヤヒヤする展開がとても良かったです。
最後の展開が少し残念でしたが、怪物的な恐怖と、支配の恐怖みたいなものが重なっていて、とても面白かったです。
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大正時代、婦人記者の苑子は大手製薬会社社長の自宅に潜入調査を行う、そこで見たものとは…
序盤の静かな展開、時代背景も相まってジワジワと不気味さを感じつつ、中盤以降は一気にギアを上げてラストまで怒涛の展開を見せる!
怖さはないが丁寧に描かれたホラー。
作者のデビュー作「をんごく」を読んでみたくなった。
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あらすじに惹かれて読んでみたものの、こういう展開とは!全ての元凶の狡猾さと残忍さに、ハラハラさせられっぱなし。最後まで徹底的に予想を上回ってくる非道さにゾッとしました。
苑子、操、栄衣…登場する女性達の力強さが印象的。読み終わって、ようやくホッとできました。
Posted by ブクログ
人魚、いるのいないの匂わせホラーで引っ張られたらもっと怖さマシマシだったかもしれないけど、あっさりいる前提で話が進むから、人外なら仕方ないよねと、スプラッタ残虐シーンも淡々と読めてしまう。
前半主人公の姉を置いて、円満ハッピーエンドはいただけない。
Posted by ブクログ
※
序盤から中盤にかけてと、中盤から後半に
向けて、どんどん景色が変わっていく話で
驚かされました。
途中で止めず、最後まで読み終えられて
よかった。
伝承、狂気、エゴ、そして正義。
Posted by ブクログ
前半まで面白かったが、後半からを考えるとをんごくには勝らず⋯
レイがどんな酷いことしたかを、「こうしてやったわ!ハイ!次はこれ!次はこうよ!」ってな感じでぜーんぶ自分で説明してくれるのがなんとも⋯これにより最後は超特急で物語が進行した。