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Posted by ブクログ
-皆を喜ばせる存在。
皆に奉仕する存在。
愛され、
すべてを剝ぎ取られ、
美しさだけを纏い、
見世物となる者。
大正時代を舞台に、同性からも持て囃されるほどの美しい少年のその『美』と抗い、向き合う、痛くも幻想的なお話でした。
『見世物』というとこの話とは逆に『フリークショー』というのが先に浮かぶのですが、行き着く先は同じように思いますね。
ルッキズムとも言える。
姉のことで悩み本音を出そうとしない朔哉の苦悩は時代もあるだろう。
彼の優しさが青路と友情で垣間見えた最後が嬉しい。
花が生える恐怖も同級生が花を奪う気持ち悪さも、私にとって初めて味わうホラーでした。
Posted by ブクログ
昨日、泉鏡花をレビューしましたが、その当時、鏡花の作品は「深刻小説」と呼ばれていたものもあるそうです。
人生や社会の暗みを描いた小説、ということなのでしょう。
こちらもまた、北沢陶さんらしい、幻想的で妖艶で、そして深刻な小説でした。
もちろん、こういう世界観は 好みです。
舞台は、大正十四年三月半ば。
大正という時代も、終焉を迎えようとしている頃です。
主人公の少年たちは中学三年生。15歳前後でしょうか。
現実の少年たちの「花盛り」も、きっとこのあたりなのでしょうね。
もちろん、幻想的に咲き乱れる花々の残虐性も魅力的なのですが、私が惹かれたのは、主人公を見る少年たちの愛玩するような視線でした。
川端康成や折口信夫が残した、少年愛を描いた作品なども思い出されます。やはり時代の共通性があるのかなと思いました。
そして、身体を蝕む花と それを求める少年たちを眺めながら、ふと思います。
私ならば、少年を、花を切り与える美神にしちゃうけど。
Posted by ブクログ
北沢さんの新刊(と言ってもちょい前だけども)おもしろかった~
耽美な世界観とミステリー調のホラーは大好きなので、嫌いなはずではなかった。主人公が大変オムファタル的な存在として描かれているのだが、てらいない描写で大変好みであった
「をんごく」と共通するバディもの、しかも片割れが怪異に飲み込まれて様子がおかしくなっちゃうやつ。こんなのもう大好きに決まっているんだから。一番おいしい部分なんだから。
もうこれにどう立ち向かえばいいんだよ…の絶望からのそういう方向!?への展開がわくわくしててよかった
時代物×耽美×ホラーに隠されたヤングケアラーとか加害が横たわっていた。花をちぎられるシーンは性加害のメタファーっぽい気がするんですけどどうなんだろう
北沢さんの作品、本になっているものは基本すべて目を通しているがいまのところどれも好きなおもしろさなので今後も楽しみ
Posted by ブクログ
この雰囲気、世界観は唯一無二ではないでしょうか
北沢陶さんといえば、大正ゴシックホラーの書き手というイメージが定着しつつあります
いや、もう定着したと言ってもいいでしょ
デビュー作の『をんごく』、2作目の『骨を喰む真珠』、それに続く3作目の『花檻の園』もその雰囲気、世界観を十分に魅せてくれます
北沢さんが目指しているのは美しさとおぞましさが同居した作品とのこと
今後も恐怖と幻想に満ちた、北沢さんならではの大正ゴシックホラーから目が離せません!
ちなみに毎度のことながら内容には一切触れていません
なので、ひとつだけ
表紙を見てください
美少年と花が描かれています
これが本作の内容です
で、私にはこの表紙の美少年がyukimisakeさんに思えてならないのですw
そして、本作では「カイボーッ」と叫んで行われる悪ふざけがあります
yukimisakeさんならきっとこの「カイボウ」は大好物だと思います
Posted by ブクログ
痛みを伴うホラー小説。大正13年新世界、ルナパークの跡地を訪れた学生は異形と出会って… #花檻の園
■あらすじ
大正十三年の大阪新世界。容姿端麗な男子中学生の朔哉は、カフェを経営する母と暮らしていた。彼には美人で最愛の姉、早葉子がいたのだ少し前に死に別れていた。ある日朔哉が新世界の遊園地ルナパークの跡地を訪れると、世にも奇妙な体験をすることになる…
■きっと読みたくなるレビュー
痛い、なんか痛い…
デビュー作「をんごく」以来、新時代のホラー小説界を切り開く北沢陶先生の最新作。いやー、先生の作品は読んでると、いつも体に支障をきたしちゃうくらい影響を及ぼすんすよ。
いつもの通り世界観が華やかで美しい、読んでてうっとりしちゃう。今回は舞台はハイカラな大阪新世界。大正ロマン…からの終焉の風を感じるような、そんな雰囲気が作品全体から漂ってきます。こんなにも可憐なのに、縮みあがっちゃうほどゾワゾワするお話なんです。
本作はイケメン中学生が異形な者に出会い、とある惨劇に見舞われてしまう怪奇譚。亡くした姉との関係性と異形との因果が絡み合う、姉弟愛のドラマでもあります。
まず主人公の朔哉ですよ。男前で多くを語らない謎めいたたたずまい、こりゃモテそうですね。今の時代ならアイドルとしても生きていけそう。でも彼は亡くなってしまった早葉子への未練で支配されてしまっている。なんとも可哀想なんすよ。
そんな折、彼のもとに登場する異形、水坂透楼ですよ。姿かたちの怖さよりも「何が起こるか」ってのが怖すぎなんよ。なんか痛々しいし… つい自分の身体を見ちゃうのよね。さらに逃げられずに追い詰められていく感じがこえーのよ。
こやつはいったい何者なのか? なぜこんなことをするのか? なぜ名前が付けられているのか? 終盤のサスペンス展開には目が釘付け、あっという間に読み切ってしまいましたね。
200頁ほどの短めの小説ですが、気品あふれる高品質なエンタメでありながら強烈な不安感に包まれるホラー。そして気がついたら、涙が頬を伝う物語でもあるのです。
■ぜっさん推しポイント
人間なんて大それたことなんてできないよなーって思わされましたね。そして人ひとりを愛することで精いっぱいなのが普通なんですよ。
誰かを愛することは信じることであり、受け止めることであり、自分を犠牲にすること。執着するのではなく、思いやることが本当の愛情なんすよね。
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