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これは、「僕」でなければ見つけられなかった景色、紡げなかった言葉。同級生男子への片思い、出会い系サイトでの冒険、そして人生初の大失恋に家族へのカミングアウト……。胸に湧き起る想いを短歌にしながら、御曹司として生まれた少年が数々の出会いと別れを経て歌人になるまでを描く、瑞々しく切ない自伝的青春小説。
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Posted by ブクログ
青春の悩み、不安、葛藤、苛立ち、いろいろ それから成長 性的指向や家庭環境は私自身とかさなるところは全然ないけど、この自伝的小説を読んで胸が苦しくなったりドキドキしたりとても共感できた。 若くてエネルギーに満ち溢れて、矛盾だらけで痛々しくて、愛おしいなあと思った。 短歌たちもとてもいいと思った...続きを読む。 小説と短歌が両方あるのおもしろい。
素敵な歌がたくさんあった。メモした。 生まれた境遇的には恵まれてるけど、本人にしかわからない悩みとか苦しみ、そういうののキツさって本人にしかわからないから、ただ環境だけ見て簡単に他人に「恵まれてるね」とか言うのはよくないってことに気付かされた。 “「理解」にいたる道のりは険しい。ひとを理解することは...続きを読む、ひとの痛みや苦しみを追体験しないかぎり困難だと思うから。”
P191〈歌は、僕にとってずっと、狂おしい思いやひとには言えない秘密を書き留めておくためのものだった〉 なるほど、苦しい胸の内を吐露するように書かれている。 友人のアイコちゃんとのエピソードは 切なくて、どうにもならない現実を突きつけられた気がした。 しかし、アイコちゃんとのこと以外は ダンと、読者...続きを読むの距離ができてしまったのではないか。 〈経済的に恵まれた〉ことが殊更強調され P256 〈ふつーの家で育ったふつーの人にはわかんねーような色々があって、〉 庶民の私にはわからないこともたくさんあり、そこが残念だった。
ゲイである著者のこれまでの恋愛や自分・家族の心情、状況、その頃の日本の現状などをつらつらと書いた物語だった。 著者は、その時その時思ったことなどを短歌に書いていて、それが所々載っていた。 83年生まれの大卒御曹司ヤンキーだった著者が過ごした時代(80〜00年代)の日本がどれほど無法地帯だったのかを...続きを読む知ることができた。当時は、未成年の酒・アルコール販売は当たり前に行われていて、大学生に対しては黙認状態だった。 また、未成年が出会い系サイトに登録してもいいし、ルーズソックスが流行っていた頃は、スカートは膝上30cm、ルーズソックスを伸ばすと2m超が当たり前で、それが王道と言われていたなど、現在と違うのがたくさんあった。そんな世の中だったら、相当治安が悪かっただろうなと思った。 著者がLGBTで色々なことに苦しんだこと、親の反応・心情などを知ることができ、自分が想像していたものよりも大変で苦しい思いをしていることを学んだ。
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