哀を飲む

哀を飲む

1,925円 (税込)

9pt

大ヒット作『二人一組になってください』、『神に愛されていた』……
ベストセラー作家・木爾チレンのデビュー15周年記念作品!

愛を失くした女子たちの、性と生についての痛切な短編集。
苦しくも美しい、哀と狂気を召し上がれ。

水のように無味無臭で掴めない男との日々「水みたいな人」、
明けない夜、名前も知らない恋人との関係に耽る「ジンジャーエールに似ている」、
私の体に飽きてきた彼氏に感じる切なさ「ぬるいラムネ」、
死んだ夫の骨を飲む妻の物語「骨を飲む」……など、全7話収録。
デビュー当時から現在へと繋がる、小説家・木爾チレンの軌跡を感じる珠玉の作品たち。

愛を手に入れた時の高揚感、そして愛を手放した時の喪失感、哀しみを飲み込む辛さなど、本書には恋愛が持つ美しさと苦悩と痛みが、瑞々しく描かれている。
これは、木爾チレンが描く「究極の愛と狂気」。

人生のほんのひとときくらいは、
哀しみを味わうのも悪くない。
――飲み込んだ哀しみは、いつかあなたを生かす血肉になる。

【著者・木爾チレンさんからのメッセージ】
何かを失った哀しみというのは、飲み込んだところですぐに消えるわけじゃない。けれど、いつかは体のなかから出ていく。
だから、人生のほんのひとときくらいは、哀しみを味わうのも悪くないのかもしれない。
そんなことを考えながら、この短編集を編みました。この本が、誰かにとっての「生きる薬」になることを願っています。 ----木爾チレン

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哀を飲む のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ

    最近気になっている作家さん、木爾チレンさん。今回の短編集は、少し大人の恋愛小説。ときめいたりはしないのですが、文章一文一文から空虚な印象が伝わってきて、じんわりと胸に染み込みます。素敵な作品でした。

    0
    2025年12月08日

    Posted by ブクログ

    愛を失った時、自分は愛される存在ではないと知った時、色々な愛が自分の手からこぼれ落ちた時の哀しみ。
    それ私の舌を通って喉を通り私の中を巡る。私の中を通ってゆっくりと時間をかけて排出される。どんな哀も、私の中にとどまり続けることは無い。
    だから、今だけは哀しみを美味しく召し上がれ。

    0
    2025年11月23日

    Posted by ブクログ

    人を好きになったときの幸せの陰にある不安や辛さが、若い頃の記憶と結びつき、読み終えたあとに静かな余韻と切なさが残る。
    どの話も面白いが、性描写が多いので、人に勧めるのは躊躇してしまう。

    0
    2025年12月20日

    Posted by ブクログ

    木爾先生の文章は、滑らかで読みやすく、例えるならそれこそ飲み物なのでしょう。その方が書く、哀と性の短編集はまさにフルコースで、お腹いっぱいになりました。様々な毛色の女性が男性と出会い、哀を感じ、それでも飲み込んで前に向かっていく姿を、優しく丁寧に書き上げられた一冊でした。

    0
    2025年12月10日

    Posted by ブクログ

    哀をどう飲み込み生きていくのか
    恋愛のキラキラした部分だけでなく、その後の喪失や葛藤が繊細で美しい文章で綴られていました
    水みたいな人とコーラの泡が好き

    0
    2025年12月10日

    Posted by ブクログ

    リアルで生々しい描写にちょっとびっくりしつつも、誰かを本当に好きになった時ってこんな気持ちになるんだよなってこっちまで哀しくなるような話が多かった。最近の自分に重ねると尚更。
    この作家さんはまだ2冊しか読めてないけど、2冊とも後書き(これは前書きでもある)に、小説や作品に対する愛情が伝わってきて好き

    0
    2025年12月08日

    Posted by ブクログ

    愛を失くした女性達の哀しみを描いた7篇。タイトルに飲み物が登場することもあり、全体的に少し喉に引っかかる硬水を飲んでいるような感覚がしました。
    無味無臭の愛を描いた「水みたいな人」と、愛する人を失った「骨を飲む」の対比が凄い。静かな余韻が残る「梅酒と眠る」も好きです。

    0
    2025年11月30日

    Posted by ブクログ

    初の木爾チレン作品。数ある作品の中で、一番内容が惹かれた本書を、初めて読む作品として選びました❗️

    恋愛の付き合い始めてちょっと不安な気持ちとか、恋愛末期のお互いにどうにもならない気持ちとかを、とても素直に哀しく描写していて、大きな印象が残った訳ではないけれども、率直に読んで良かったと思える作品で

    0
    2025年11月27日

    Posted by ブクログ

    木爾チレンさんの描かれる物語、その登場人物と同じような経験をしたことは全くない。全くないのに不思議なのは、その痛みや苦しさや哀しみは私も知っている気がする。

    0
    2025年11月18日

    Posted by ブクログ

    あなたは、『悲しい』と『哀しい』の違いを説明できるでしょうか?

    どちらも”かなしい”と読む二つの言葉。”悲しい”は一般的な悲しみを表し、”哀しい”は”哀れ”や”しみじみとした情感”を伴う哀しみを表す際に使われることが多い、と使い分けが説明されるこれら二つの言葉ですが、『哀』という字にはそれだけでど

    0
    2025年11月18日

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