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お墓の怖い話
死者たちが眠る場所―― 足を踏み入れた者に、恐怖が待ち受ける。 ある晩、墓地のほうから男女の話し声が―― 「オレ、肝臓も腎臓も、もうないよ」 「すっかり空っぽになっちゃったね」 「心中の相談」蛙坂須美 より 死者を悼み供養する「墓」には怪談奇談が溢れている! ・大好きだった隣家の老婆が亡くなった後、娘がおもちゃで作ったものは…「ブロック墓」(つくね乱蔵) ・墓所で見た幽霊らしきもの…それはいったい? 「墓の幽霊」(黒木あるじ) ・斎場の受付から見える日本家屋、二階の窓にいる女が…「発露」(川奈まり子) ・沖縄の小学校での悲しい土地の記憶「墓地跡の学校」(真白圭) ・知り合った人の家に行った夜の怪異「ただの卒塔婆」(蛙坂須美) ・一族の合葬墓が完成した! ふと聞いた先祖の女性にまつわる奇妙な話「墓を呑む」(雨宮淳司) ――ほか、小原猛、黒史郎、吉田悠軌による書き下ろし含む選りすぐりの「墓」に纏わる怖い話40話収録。 -
もう二度と助けを求めないでください
リンネアは公爵令嬢でありながら、王太子の命でわがまま王女の尻拭いばかりの日々。そしてついには、婚約先の帝国から逃亡した王女の身代わりとして、嫁がされることに。 帝国は五つの国を従える強大な宗主国で、相手は「冷徹皇太子」と名高いマティアスだった。国の命運を背負い、処刑も覚悟で向かったリンネアだが、対面した彼は優しく迎え入れてくれて……。 そして始まった帝国での生活。新たな波乱も起こるなか、彼の本当の姿と、この婚約の真相を知ったリンネアは――。 -
婚約者の王子に毒を盛られたので愛が冷めました
婚約者の王子・グウィンを献身的に支えていたルエラは、浮気相手との自由を欲した王子に毒を盛られてしまう。絶望のなか毒の後遺症に蝕まれるルエラの前に現れたのは、美しい天才魔術師・ユリシーズだった。ルエラの治療のためにやってきた彼は、女嫌いで人と深く関わろうとしない変わり者。だけど次第に二人の間に特別な想いが芽生えはじめ――。 その一方、王子たちは次期王座を狙うべくルエラに再び近づいてきて……!? 壮大なるファンタジーロマンス開幕。 【登場人物】 ◆ルエラ・ネスビット 強い意志を持つ侯爵家令嬢。次期王妃候補として、王子を献身的に支えてきた。 ◆ユリシーズ ネスビット家と契約している天才魔術師。毒に侵されたルエラを救おうと奔走する。 -
恐怖箱 化野百物語
鳥居の上の置き石を落とすと神隠しに遭うという神社で… 「どや! 何も起きひんで!」 石をはたき落としガッツポーズを取った学生はその直後―― 「置き石」加藤 一 より 六人の怪談ハンターが全国で蒐集した最恐怪異百話! 「私、何か憑いてる?」「お祓いの方法教えて」。 時にそんな無理なお願いをされながらも、お馴染み6人の怪談作家が全国で蒐集した戦慄恐怖譚! 日常に続く怪異、彼女の行ったおまじないの効果は…「生兵法」。 墓参りの道中見かけたおばさんはいる場所がおかしくて…「満面の笑み」。 点滴を交換しながら同じことを訊ねてくる謎の看護師は…「入院中の出来事」。 取り壊された隣の屋敷の庭には冬なのに春の草花が芽吹いており…「春落つ庭」。 神棚の御札を引き裂いた祖母を襲う異変…「午年の午の月」。 参列者の視線が集中するのは花嫁の隣に立つ数日前に亡くなったはずの…「結婚式の幻」。 心に響く現代の百物語! -
下町曳舟 お直し処ぼたん
墨田区曳舟の一角にある、扉を閉ざした小さな洋服のお直し工房。亡き父から店を継いだ、少々気難しく滅多に依頼を受けない職人気質な店主・牡丹のもとにはワケありな洋服のお直しの依頼がやってくる。 亡くなった兄の一張羅のスーツ、認知症の祖母が初デートで着たスカート、入院した父が手編みしたセーター。愛する人の思い出が詰まった服を直したいと願う依頼人たちの想いを、牡丹は様々な方法で叶えていき――。涙なしでは読めない、感動の物語。 【主な登場人物】 ・織本牡丹(おりもと ぼたん) 縫製職人。やや気難しく人付き合いと片づけが苦手。甘党。 ・平野浅海(ひらの あさみ) 平凡な大学三年生。牡丹が借りる物件の大家の息子。趣味は菓子作り。 -
元戦闘用奴隷ですが、助けてくれた竜人は番だそうです。
何も持たない奴隷少女は、生まれて初めて愛を知る。 戦闘用奴隷として悲惨な毎日を過ごしていた少女・八番。ある日警備隊として闘技場の摘発に向かった美貌の竜人・セレストは、戦う八番の姿を一目見て、神が定めた運命の相手「番」だと気付く。 保護された八番は、セレストと共に暮らすか選択を迫られることに。本能で番に激しく焦がれながらも、八番の気持ちを誰より慮るセレストに、ただ甘えるだけでいいのか八番は逡巡し――。 種族も寿命も異なる2人がゆっくり愛を育む姿を描く、限りなくピュアで温かな溺愛ストーリー。 番外編「青いクマの理由」を書き下ろし収録。 -
雨、時々こんぺいとう
\第32回電撃小説大賞《メディアワークス文庫賞》受賞作!/ 雨を降らせる君に、はじめての恋をした。 高校生の梓が図書館で出会ったのは、雨を降らせることができる不思議な少年・旭だった。 二人で重ねる宝物のような穏やかな時間。しかしある日、梓は衝撃的な噂を耳にする。それは、旭が殺人犯の息子というもので――。旭は周囲の好奇の視線から梓を守るため、自ら距離を置こうとするが……。 「私は明日も旭が図書館に来るって信じてる」 そうして降りしきる流星の中、二人は一つの約束をし――旭は姿を消した。 雨、時々こんぺいとう。空から色星が降るとき、奇跡は起きる。 -
雑司ヶ谷の朝食屋 きつね ~ふっくらお揚げのきつねご飯~
祖母の死後、雑司ヶ谷の朝食屋を継いだ悠佑。だが、店には閑古鳥が鳴く日々だった。 「腕はいい。でも、君のそういう性格が、客を遠ざけてるんじゃないか」 元常連の小宮山にそう告げられ、悩みもがく悠佑。そんな店に、事情を抱える訳ありの客が少しずつ集まり始める。 彼らと甘辛いきつねご飯や、焼き魚とたっぷり野菜の味噌汁を囲むうち、悠佑は人が求める温かさに気づき――。 これは、傷ついた心が美味しい朝食とともにほどけていく、心の再生の物語。 -
朽ちゆく庭
かつてのセレブタウンに引っ越してきた山岸家。中学生の真佐也は、転校前に部活をやめ、以来、学校をサボり、部屋にこもるようになる。けれど、その部屋には小学校からの友人・純二がこっそりと遊びに来ている。心配する母親・裕実子と対照的に、父親・陽一は不在がちであまり関心を示さない。真佐也はある日、家の向かいの公園でうずくまっている少女・あかりを見かける。その少女には怪しげな噂がつきまとっていた。一方、陽一は急に在宅勤務だと言って会社に行かなくなり、裕実子は勤務先の税理士事務所の上司と密会を続けており・・・・・・。壊れゆく家庭を描く“危険”なサスペンス長編。 -
砂時計 警視庁強行犯係捜査日誌
切なさと救い溢れる3つのラスト。 読者を半泣きさせる警察小説。 心揺さぶる哀切のミステリーロマン誕生! マンションの一室で三十八歳の女性が死亡。 大量の睡眠薬をアルコールとともに服用したことで昏睡状態となり死に至ったようだ。 テーブルには「疲れました。ごめんなさい」と印字された遺書らしきプリントも。 自死と思われたが、所轄は警視庁捜査一課の大河内茂雄部長刑事に現場への臨場を依頼した。 不自然なことが多かったのだ。 部屋のパソコンからはここ数カ月のメールが消去されていたし、死の前日にスーパーの宅配サービスに注文を入れていることもわかった。 マンション住人からの聞き込みから、複数の男の出入りが確認され、事件当夜には男女の言い争う声も聞かれていた。 大河内刑事は、被害者が中学生のときに父親が殺人を犯していたことをつきとめる。 また被害者は二年前にも大量の睡眠薬を服用し病院に搬送されたこともわかった。 捜査を進めるうちに、被害者のまわりでうごめく黒い影の存在に気づく…… 事件の謎に挑む警視庁捜査一課強行犯係のベテラン刑事の活躍を描く3篇。 切なさと救い溢れる3つのラスト。 読者を半泣きさせる警察小説。 心揺さぶる哀切のミステリーロマン誕生! 砂時計 日和見係長の休日 夢去りし街角 -
アルツ村 閉ざされた楽園
DVから逃れた女性が迷い込んだのは、高齢者だけが身を寄せ合って生きる山奥の村だった──現役医師作家のメディカル・サスペンス! 夫のDVに耐えかねて札幌の自宅を飛び出した明日香は、道北の見知らぬ村にたどり着いた。7歳になる娘のリサといっしょに。村で匿ってくれたのは修造という高齢男性と、床に臥すハツの夫妻だった。修造は認知症なのか、明日香のことを孫娘と勘違いして「なっちゃん」と呼ぶ。近隣の住民からも温かく迎えられた明日香親子であったが、この村は何かがおかしい。住民は皆高齢で、しかもほぼ全員が認知症を患っているように思われるし、そもそも自立した生活が成り立っていないようなのだ。村まるごとが高齢者用施設ということなのか。老老介護、ヤングケアラー、介護破綻……日本における「認知症のいま」を問う問題作。そして衝撃のラスト! -
十の輪をくぐる
認知症の母が呟いた家族の「秘密」とは。 スミダスポーツで働く泰介は、認知症を患う八十歳の母・万津子を自宅で介護しながら、妻と、バレーボール部でエースとして活躍する高校二年生の娘とともに暮らしている。あるとき、万津子がテレビのオリンピック特集を見て「私は……東洋の魔女」「泰介には、秘密」と呟いた。泰介は、九州から東京へ出てきた母の過去を何も知らないことに気づく。五十一年前。紡績工場で女工として働いていた万津子は、十九歳で三井鉱山の職員と結婚。夫の暴力と子育ての難しさに悩んでいたが、幼い息子が起こしたある事件をきっかけに、家や近隣での居場所を失う。そんな彼女が、故郷を捨て、上京したのはなぜだったのか。泰介は万津子の部屋で見つけた新聞記事を頼りに、母の「秘密」を探り始める。それは同時に、泰介が日頃感じている「生きづらさ」にもつながっていて──。一九六四年と二〇二〇年、二つの東京五輪の時代を生きる親子の姿を三代にわたって描いた感動作。いま最も注目を集める若手作家・辻堂ゆめによる圧巻の大河小説!! ※この作品は単行本版『十の輪をくぐる』として配信されていた作品の文庫本版です。 -
セゾン・サンカンシオン
アルコール依存症の母親をもつ柳岡千明は、退院後の母親が入所する施設「セゾン・サンカンシオン」へ見学に行く。そこは、さまざまな過去を抱えた女性たちが共同生活を行いながら、回復に向けて歩んでいくための場所だった。迷惑をかけ続けられた母親に嫌悪感を抱く千明だが、入居者のひとり・パピコとの出会いから、母親との関係を見つめなおしていく――。人間の孤独と再生にやさしく寄り添う感動作! -
晶子曼陀羅
与謝野寛・晶子夫妻の生涯の詩と真実を、明星派の歌人山川登美子の哀しい死にからめて描く読売文学賞受賞作。若き日、晶子らに師事して文学の道に歩んだ佐藤春夫が、晶子・寛・登美子三者三様の秘めた愛の絶唱の心の裡を無限の共感をこめて語りつくす名篇。『晶子曼陀羅』完結後、あらためて三者の愛を寛の長詩をもとに深く洞察して執筆した「ふたなさけ」を併録。(※本書は1993/11/1に発売し、2022/5/17に電子化をいたしました) -
警視庁殺人犯捜査第五係 少女たちの戒律
少女たちは何を怖れ、何を隠したのか? 東京都武蔵野市、吉祥寺駅付近で、二十歳前後と見られる女性の殺人遺体が発見された。 警視庁殺人犯捜査第五係の辻岡朋泰警部補ら捜査員は身元調査に奔走するも、思うに任せず、焦燥に駆られる。 が、ついに大学二年生の小池聡美と判明。 娘と連絡が取れず、心配していた母親が偶然報道を見て、捜査本部に問い合わせてきたのだ。 色めき立つ捜査本部だったが、以後も捜査は難航し、辻岡らは苦悩する。 悪戦苦闘の末、ようやくフリージャーナリストの佐藤公章が容疑者として浮かび上がってきた。 被害者の故郷である岐阜県で六年前に起こった、有名な冤罪事件と、その発端となった女子中学生殺人事件に関係していたらしいのだ。 思いも寄らぬ方向に捜査の目を向けざるをえなくなった辻岡ら捜査陣に、新たな壁が立ち塞がる。 序盤から結末まで息詰まる、警察本格ミステリー。 -
ドラゴン・オプション
めくるめくクライマックスまで一気読み確実。 大英博物館東洋美術部の責任者(ゲートキーパー)である矢島剛は、オックスフォード大学の同級生ジミーから「龍」の像の鑑定を依頼される。像は清朝時代につくられた壮大な庭園「円明園」から失われた十二支像でのひとつではないかと見られていた。矢島は像のある貴族の邸宅に赴き、データを収集して帰るが、直後に像は屋敷から忽然と消え去る。 残されたデータを携え、矢島はかつての教え子で美術品を見抜く特別な才能を持つ段燕霞をパリに訪ねる。かねてから段に好意を寄せていた矢島だったが、二人の身に姿無き脅迫者の影が忍び寄る。一方、中国では政権内部の権力闘争に端を発する巨大な陰謀が進行していた。龍の像の真贋を確かめるべく香港に渡った矢島と段だったが……。 <クライマックスを迎えたあとも、気を抜いてはいけない。最後の最後にもうひとつ、意外な仕掛けが用意されている> -
消滅のリスト
「標的は日本のどこだ?」衝撃の諜報小説! 標的は、日本のどこだ? 「米中の戦争は破滅につながる。 それを回避するために我々は犠牲をさし出す。 最後まで、日本人は騙しとおせ!」 これが諜報だ! これが防諜だ! これが謀略だ! そしてこれが情報小説だ! 世界の破滅。その可能性が最も高まったキューバ危機以後、米ソ間で結ばれた密約があった。ソビエト解体後、密約の履行は米国と欧州の一部の先進国が主催する“会議”に引き継がれた。 会議の目的は、局地戦争が破滅的な事態に発展するのを防ぐこと。だが、その目的の履行のために信じがたい犠牲を、会議は求めていた。その会議が開かれた。 途端、内容が流出し、秘密を知る一部の人間と、関係国の情報機関が一斉に動き出した――。 インテリジェンスに無知なこの極東の島国が、大国に強いられる犠牲とは?衝撃の“本格情報小説”、電子で初登場!! -
ライト・スタッフ
「食堂のおばちゃん」「婚活食堂」が大人気の著者が 渾身の力で描く熱き人間ドラマ!! 昭和30年、映画監督を目指す主人公の五堂顕(ごどう・あきら)は 太平洋映画の助監督試験に落ちてしまう。 だが、諦めきれずアルバイトを探しに来た撮影所で小火(ぼや)を消し止めたことから、 照明部にスカウトされる。照明部のいちばん下の見習いからスタートした顕は、 失敗を繰り返しながら現場で経験を積むうちに照明の魅力に引き込まれていく。 まじめだが臨機応変で勉強熱心な顕は、徐々に監督や他のスタッフたちに好かれ、 照明技師としての腕を上げていった。 活気があり、エネルギーに満ち溢れていた映画の世界は、まさに娯楽の王様だった。 しかし、映画の栄光は長くは続かなかった。「電気紙芝居」とバカにされていた テレビがカラー放送を開始し、東京オリンピックで爆発的に売れたのだ。 映画会社の衰退は著しく、スタッフたちは事実上解雇されてしまう。 顕は、照明技師たちは、映画界はこの先どうなってしまうのか──。 もう一人の主役ともいえる女優の衣笠糸路(きぬがさ・いとじ)や 初の女性脚本家、監督や俳優など、誰がモデルになっているのかを 想像しながら読むのも楽しい。 ただならぬオーラを放つ俳優、そして名監督たちが綺羅星のごろく存在した時代。 そして、刻々を移りゆく時代のなかで、それでも変わらない心揺さぶるもの、 人が懸命に生きる姿を、松本清張賞受賞作家の著者が描く。 ──本作は誰にでも楽しめる極上の娯楽小説だと思います。 読めば元気が湧いてくる物語に仕上がっています。 本作が映画化・ドラマ化された暁には、衣笠糸路の役は、ぜひ私に演らせてください! 糸路に魂を吹き込んでみせますので。(高島礼子/女優) ──「娯楽の王様」を支えた光当たらぬ技師たちの日々の研鑽と苦楽を照らし出し、 映画スターが光り輝いていた時代の、明るく開放的な物語。 (東えりか/書評家/「週刊現代」より) -
『碧き聖断』~必ず原爆投下を防いで未来を変える…誠太は八十年前へ旅立った~
大学生の誠太は、国連の秘密機関から、原爆が投下される前に戦争を終わらせるという使命を受けて、80年前にタイムスリップする。 そこは、太平洋戦争末期の東京。誠太は、このまま戦争を続ければ日本がどうなるかを協力者である海軍大臣の米内に伝えれば、すぐにでも戦争は終わると思っていた。しかし、協力者の米内でさえ、現代を生きる誠太とは価値観が全く異なっていた。軍の多くの指導者や将校は、本土決戦を叫んでいた。誠太の前には、思いもよらない多くの壁が立ちはだかっていたのだ。 また、誠太自身の心も揺れ動く。食糧も物資も乏しい生活の中でひたむきに生きる人々の姿を目にし、背負った使命と、日本人、人としての想いの狭間で苦しむことになる。 様々な想いが交錯し、戦争終結の展望が開けない中、戦況は史実通り悪化してゆく。大規模な本土空襲の恐怖も忍び寄ってくる。果たして誠太は使命を果たせるのか? 日本の運命は、世界の未来は――。 80年前の東京やそこに生きる人々の描写はリアルで、当時の緊迫感が伝わってくる。読者自身がタイムスリップしたかのような感覚にとらわれることだろう。 戦争の愚かさや平和の尊さだけでなく、現代を生きる私達にも通じる、人と人との絆、広い視野の大切さについても考えさせられる物語。 -
生きてる意味、わかんねえ~院卒ニートが『存在と時間』を本気で読み解く~
ニートが『存在と時間』を読み解く。 20世紀を代表する哲学書であるハイデガーの『存在と時間』の哲学的解明と小説という形態を言わばミクスチャーした上で、『存在と時間』というものを徹底的に解き明かそうとする挑戦的な作品である。 東京郊外で一人暮らしをする独身の主人公飯田渉(32歳)は、大学院の後期博士課程まで哲学を学んでいたが、就職もせず、ずるずると生きているうちに、次第に生きる意味を見失い、いわゆるニートになってしまった。そんな彼が、或る時、己が生きている意味を求めて、ニート生活と決別するためにアクションを起こす。その時、彼が出会ったのが、神谷美恵子の『生きがいについて』という本である。そしてその本が、今度は『夜と霧』で有名なフランクルの著作へと彼を導く。 渉は、そうした本を読むなかで、元々彼の中にあった熱い哲学徒としての魂が躍動し始め、ついには、難解な哲学書として知られるハイデガーの『存在と時間』に本気で向き合い、それと格闘する日々を送ることで自分が本当に生きている意味を希求するようになる。生きる意味を求めて奮闘する院卒ニートの生の軌跡を描くことを通じて、ハイデガーの『存在と時間』を小手先ではなく、真正面から徹底的に解き明かそうとする作品である。 -
忘れられた少女
ゴミ置き場で見つかった全裸の少女。 学園一の優等生に、何が起きたのか!? 40年近く封印されてきた残酷な秘密が、新たな悲劇を呼ぶ。 新米連邦保安官補アンドレア・オリヴァー、最初の事件。 連邦保安局の新米保安官補アンドレア・オリヴァーは、最初の任務として、殺害を予告する脅迫状を受け取った判事の身辺警護を命じられる。その判事は、38年前に18歳の娘エミリーを殺害されていた。誰もが一目置く人気者で優等生だった少女は、プロムの翌朝、裸をさらした無惨な姿でゴミ置き場で発見されたのだ。そして迷宮入りした事件の真相を突き止めることが、アンドレアのもうひとつの任務だった――。 ドラマ化で話題の『彼女のかけら』関連作! ■カリン・スローターの好評発売中既刊 『彼女のかけら 上・下』 『忘れられた少女 上・下』 『偽りの眼 上・下』 『グッド・ドーター 上・下』 『プリティ・ガールズ 上・下』 〈グラント郡〉シリーズ 『開かれた瞳孔』 『ざわめく傷痕』 『凍てついた痣』 〈ウィル・トレント〉シリーズ 『ハンティング 上・下』 『サイレント 上・下』 『血のペナルティ』 『罪人のカルマ』 『ブラック&ホワイト』 『贖いのリミット』 『破滅のループ』 『スクリーム』 -
怪物のゲーム
小説の中の連続殺人犯を 模倣するのは誰だ――? 狙われたのは〈怪物〉の生みの親の売れない小説家。 スペインで話題沸騰の震撼スリラー! 連続誘拐殺人犯〈怪物〉が登場するミステリ小説が大ヒットし、一躍時の人となった作家ディエゴ。だがその後は何を書いても鳴かず飛ばずで、気づけば10年が経っていた。そんなある夜ディエゴが帰宅すると、7歳の娘の姿がどこにもなく書斎が血まみれに。呆然とするディエゴが目にしたのは一通の黒い封筒。それは小説の中で、少女を誘拐した〈怪物〉が現場に残していくものと同じで――。 -
偽りの眼
被告人から名指しされた、凄惨な連続レイプ事件の弁護。 それは葬った過去からの罠だった―― 世界的ベストセラー作家が放つ、震撼ノンストップ・スリラー。 2021年アトランタ。 大手法律事務所に勤める弁護士リーは、大企業の御曹司による陰惨なレイプ事件の担当を突如命じられる。 残忍な犯行を裏付ける複数の証拠が揃い、類似事件の犯行も疑われるなか、男は無罪を主張していた。 しかし大事な公判直前になって、なぜ自分を指名したのか? 依頼人に面会したリーは衝撃とともに悟る。 23年前、完璧に葬ったはずの過去が報復に訪れたのだ――。 ■カリン・スローターの好評発売中既刊 一話完結作品 『グッド・ドーター 上・下』 『彼女のかけら 上・下』 『プリティ・ガールズ 上・下』 〈グラント郡〉シリーズ 『開かれた瞳孔』 『ざわめく傷痕』 『凍てついた痣』 〈ウィル・トレント〉シリーズ 『ハンティング 上・下』 『サイレント 上・下』 『血のペナルティ』 『罪人のカルマ』 『ブラック&ホワイト』 『贖いのリミット』 『破滅のループ』 -
最後の花摘み
端整な日本語のセンテンスを集めた一冊。どこか滑稽で童話的な一行物語と、空想の上澄みを一滴一滴採集したアフォリズムを採録。加えて随想的な創作と詩的な思索による短文、断章を綴ったテキストで構成。一節は数行と短く内容も独立しているため、気が向いたときに開いたところをパラパラ読んでも楽しめます。カフカの断片・アフォリズムやペソアの断章がお好きな方にも。 --------------------------------------- 【一行物語】 毎月どこからともなく「絶対に開けないで下さい」と書かれた小包が届き、捨てることもできないので、倉庫に小包が山積みになっている。 雪の結晶が溶けるのを忘れて、夏に置き去りになっている。 行き先を告げてから、もう十五年間タクシーに乗りつづけているのだが、いまだに目的地に辿り着く気配がない。 【アフォリズム】 消去法が貴女を消してゆく。 伝えられない想いばかりが彼女を焦燥させ、疲れた彼女は自分のために紅茶を淹れた。カーテンの向こうから午後の光が射してくるとき、彼女を使い古したすべての文脈に彼女は服従しなかった。 【最後の花摘み】 ルビをふることのできない感情ばかりが、生まれては消える。 横殴りの優しさが君の感情をあやして、願いは昨日の果てまであまねく降り注いだ。僕は封をした幸福を君に届ける準備をしながら珈琲を飲み干すと、赤いリボンを丁寧にむすんで窓の外に広がる寒空を見上げた。 あなたが素敵であればあるほど、あなたの隣に居てはいけない。 残響 / ゆらぎ / ピアノ線 / 致死量 ──本文より抜粋 -
グッド・ドーター
28年前、弁護士一家を襲った残忍な殺人事件―― 生き残り、弁護士となった“良き娘”は再び悪夢を目撃する。 映像化決定! MWA賞受賞作家、渾身のサイコサスペンス。 アメリカ南部の小さな町で白人女性が殺され、容疑者の黒人青年を担当した弁護士の自宅が放火された。 家は全焼し、一家が引っ越した数日後、弁護士の留守中に二人組の男が家に押し入り妻を惨殺、十代の姉妹も襲われた――。 28年後、辛くも生き残り、父と同じ弁護士になった次女シャーロットは、後悔を抱えながらも前に進んでいた。 だが地元中学校で起きた銃乱射事件が、封印した過去を呼び戻し……。 解説:池上冬樹 ■好評発売中既刊 『開かれた瞳孔』 『彼女のかけら 上・下』 『プリティ・ガールズ 上・下』 〈ウィル・トレント〉シリーズ 『ハンティング 上・下』 『サイレント 上・下』 『血のペナルティ』 『罪人のカルマ』 『ブラック&ホワイト』 『贖いのリミット』 『破滅のループ』 -
龍宮の鍵
高校を卒業したばかりの小麦は、ホテルのパート従業員だった父・細川幹夫が放火し、自殺を図ったホテルで素性を隠しながら働くことになった。父の自殺がきっかけで“ワケありホテル”となってしまった『クラウンホテル』だが、戦前はまるで龍宮城のような、想像を絶するほど華やかなホテルだった。しかし、創業者で、世界一のホテルマンであった小宮幹二朗は、ホテル乗っ取りを企む塚原威一朗の卑劣な策略により自殺に追い込まれてしまった。無念の死を遂げた幹二郎が残したのは一つの鍵。ホテルのどこかに隠されている宝物が眠るという金庫の鍵だった。しかし、この鍵がいくつもの人生を狂わせていく。金庫に眠る宝物を巡って繰り広げられる騙し合い。外資系企業と旧オーナーによるホテルの買収合戦。最高のホテルマンを夢見る小麦を次々と襲う悪夢。なぜ小麦の父・細川幹夫は自殺しなければならなかったのか。そして、金庫に隠された宝物とは何なのか。時を超え大きな謎が解き明かされていく極上のミステリー小説。 -
獣たちの庭園
現代最高のミステリー作家が初めて歴史サスペンスに挑んだ! 1936年、オリンピック開催に沸き立つベルリン。アメリカ選手団にまぎれてニューヨークの殺し屋が潜入する。米国海軍情報部からナチス・ドイツ高官暗殺の使命を帯びたその男は、現地工作員との接触の際に誤って人を殺してしまい、刑事警察(クリポ)から追われる身となる……。リンカーン・ライムシリーズで人気の著者が初めて挑む歴史サスペンスは、懐旧的雰囲気のなか、タフな主人公(ヒーロー)が活躍するという新機軸。もちろんどんでん返しも盛りだくさんの上級エンタテインメントです。CWAイアン・フレミング・スティール・ダガー受賞作。 2005年週刊文春ミステリーベスト10第5位、このミステリーがすごい!第5位。 -
一途な若頭は孤独な蝶に愛を誓う
幼い頃に母を亡くし、引き取られた先でも理不尽な扱いを受ける天涯孤独の澪。ある日、会社帰りに美貌の男に声をかけられる。 「父親のことを知りたくないか?」 男は大和と名乗り、澪の亡き父は関東最大の極道組織を束ねる組長だったと明かす! さらに組長の座を得るため、隠し子である澪と結婚したいと言い出す始末。初めは断る澪だが、彼女の辛い状況を打ち破るために手を貸してくれる大和に徐々に心を許し始める。 一方、目的のために彼女を助けていただけだったはずの大和も、澪の芯の強さに惹かれていき……。 特典として、「意地悪な母と姉に売られた私。何故か若頭に溺愛されてます」×「一途な若頭は孤独な蝶に愛を誓う」書き下ろしコラボショートストーリー『紫と赤』を収録。 -
英国紳士と大和乙女
両親を早くに亡くした燈子は、手違いで引き取られた伯爵家で冷遇されて育った。家のためにと英国人の商人アランとの結婚を命じられるも、彼が求めたのは妻ではなく通訳兼社交のパートナーとしての役割であり、この結婚は仕事だと思ってほしいと告げられる。 英語が少し分かる燈子は、日本に馴染めないアランの心に寄り添いながら、様々な言葉や文化を教えるように。次第に心を通わせていく二人だが、アランは周囲の人々が英語を分からないのをいいことに、公衆の面前で堂々と甘い言葉を口にするようになってしまい!? 「How beautiful you are!」(君はなんて美しいんだ!) 「Would you stop joking around......」(冗談はおやめくださいませ……) ■□■□■□■□■□■□■□■□ 登場人物 上総燈子(かずさ・とうこ) 養家で不遇の扱いを受けていた伯爵令嬢。独学で英語の知識を身に着け、アランの妻として通訳もこなす。 アラン 英国出身の商人であり貴族の御曹司。伯爵家で虐げられていた燈子を目にし、契約結婚という形で救い出した。 -
音のない理髪店
日本初の聾学校理髪科を卒業した青年が店を開業するまでの苦難は並大抵ではなかった。若手作家が自分の祖父の足跡を辿る感動の物語! 大正時代に生まれ、幼少時にろう者になった五森(ごもり)正一は、日本で最初に創設された聾学校理髪科に希望を見出し、修学に励んだ。当時としては前例のない、障害者としての自立を目指して。やがて17歳で聾学校を卒業し、いくつもの困難を乗り越えて、徳島市近郊でついに自分の理髪店を開業するに至る。日中戦争がはじまった翌年のことだった。──そして現代。3年前に作家デビューした孫の五森つばめは、祖父・正一の半生を描く決意をする。ろうの祖父母と、コーダ(ろうの親を持つ子ども)の父と伯母、そしてコーダの娘である自分。3代にわたる想いをつなぐための取材がはじまった……。 -
ハケンアニメ!
すべては、大好きな仕事(アニメ)のため。 夢中で働くすべての人に贈る、心を揺さぶる究極のお仕事小説! 天才アニメ監督・王子千晴とタッグを組むプロデューサー・有科香屋子。制作中の作品が今期の覇権を獲る最有力候補として期待を集めるが、その裏で誰にも明かせない問題を抱えていた。一方、同じクールで覇権を狙う斎藤瞳監督もプロデューサー・行城理とアフレコに臨むが。果たして“覇権アニメ”の座を掴むのはーー? CLAMP氏の挿絵を本文カラー掲載! & 作中アニメ「運命戦線リデルライト」 著者が映画化に際して書き下ろしたアニメプロットを特別収録! -
あら皮
神秘な護符「あら皮」を所有する者はほとんど無制限な力を持ち、あらゆる欲望をとげることができる。その代り、欲望がとげられるたび、少しずつ生命はけずられて行くのである。これを手に入れたラファエルは十九世紀初頭の若者であり、権力を、快楽を、金を渇望した。そのための手段は護符を手に入れるということ以外になかった。自殺するほかないほどまでせっぱつまっていたラファエルは、悪魔に魂を売ったのだ。「これは最新式の秀作であり、その特長は、驚くべきことを手段として、最も奇妙な人間情意や事件などを徹底的に使用しつくしているところにある。そしてそれらの個々については、じつに高き評価が下されるであろう」とゲーテは書いた。 -
神々は渇く
フランス革命期の恐怖政治に巻き込まれた人々の運命を描く歴史小説。正義感あふれる青年画家エヴァリスト・ガムランは革命裁判所の陪審員となり、ジャコバン派の影響を受け、元貴族や亡命者、無神論者、娼婦などを次々と断頭台に送ってゆく。「自由、平等、博愛、しからずんば死」の標語がガムランの指針であり、反愛国主義者の疑いのある者は友人に至るまで、容赦しなかった。物語は、バスティーユ襲撃や、チュルリー宮殿の襲撃、国民公会の成立など、革命の主要な出来事を背景に進行する。パリは戦争と飢餓に苦しみ、民衆の熱狂は冷め、政治への関心も薄れていくなかで、ガムランは理想主義的な愛国心を抱きつつ「人民」の再生をあくまで夢想しつづけ、ついに破滅する。タイトルの「神々は渇く」とは、権力や理想を求める人間の欲望を象徴している。 -
彼方
中世のあらゆる雑学が妖艶で怪奇な渦をまいている本作の主要人物は、ジャンヌ・ダルクを助けて数々の武勲を立てた西フランスの王侯ジル・ド・レーである。彼は愛国の処女の火刑ののち、爛熟した豪奢な生活をおくる。そのうちに金に欠乏してきて錬金術に興味をおぼえ、その帰結として悪魔礼拝に走った。そして、残忍卑劣な罪悪の限りをつくし、ついに宗教裁判にかけられて焚刑に処される。『彼方』はこの物語を骨子として、中世のあらゆる学問、すなわち錬金術、悪魔宗、呪詛、占星術、黒ミサなど、いわゆる神秘学の伝統を次々と暴露する。その凄惨、その淫靡は、一読肌に粟を生ぜしめる。しかし、「狂人か兇賊か聖者でなければ興味がない。その他はすべて俗衆だ」と喝破した世紀末フランス耽美派の雄ユイスマンスとしては、これは当然の帰結であった。 -
貸し物屋お庸謎解き帖 なべてこの世は
知恵も力も貸すと評判の江戸のレンタルショップの暖簾を、 今日も秘密を抱えたお客がくぐる── 口は悪いが心根の優しい娘店主の人情たっぷり謎捌き! そしてついに明かされる娘店主お庸をめぐる秘密とは……? 人気シリーズ、感動の完結! 江戸庶民の暮らしを支える貸し物屋・湊屋両国出店の娘店主お庸は、物だけでなく知恵も貸してくれると評判の江戸娘。口は悪いが心優しいお庸のもとには、今日もわけありのお客がやってくる──。 老舗呉服屋の店の地下室に現れる幽霊の正体は? 祝言を控え婚礼衣装を借りに来た若旦那が抱く思いとは? そして、お庸をつけ狙い続けた藩主の真の目的とは……? お庸の謎捌きが痛快な大人気書き下ろし時代小説、待望の第8弾。いくつもの秘密が明かされる感動の完結巻! 【著者】平谷美樹(ひらや・よしき) 1960年、岩手県生まれ。大阪芸術大学卒。中学校の美術教師を務める傍ら創作活動に入る。 2000年『エンデュミオンエンデュミオン』で作家としてデビュー。同年『エリ・エリ』で小松左京賞を受賞。二〇一四年、「風の王国」シリーズで歴史作家クラブ賞・シリーズ賞を受賞。 著書に「草紙屋薬楽堂ふしぎ始末」「貸し物屋お庸謎解き帖」(だいわ文庫)シリーズのほか、「修法師百夜まじない帖」(小学館文庫)シリーズ、「貸し物屋お庸」(招き猫文庫)シリーズ、「採薬使佐平次」「よこやり清左衛門仕置帳」(角川文庫)シリーズ、『新装版百物語 実録怪談集』(ハルキ文庫)、『岩手怪談』(竹書房怪談文庫)、『安倍宗任伝 前九年・後三年合戦』『柳は萌ゆる』『国萌ゆる 小説 原敬』『虎と十字架』(実業之日本社)、『鍬ヶ崎心中 幕末宮古湾海戦異聞』『天酒頂戴』(小学館文庫)、『大一揆』(角川文庫)等、多数がある。
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