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かつてのセレブタウンに引っ越してきた山岸家。中学生の真佐也は、転校前に部活をやめ、以来、学校をサボり、部屋にこもるようになる。けれど、その部屋には小学校からの友人・純二がこっそりと遊びに来ている。心配する母親・裕実子と対照的に、父親・陽一は不在がちであまり関心を示さない。真佐也はある日、家の向かいの公園でうずくまっている少女・あかりを見かける。その少女には怪しげな噂がつきまとっていた。一方、陽一は急に在宅勤務だと言って会社に行かなくなり、裕実子は勤務先の税理士事務所の上司と密会を続けており・・・・・・。壊れゆく家庭を描く“危険”なサスペンス長編。
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Posted by ブクログ
不倫、不倫、不倫、不倫、
どいつもこいつも不倫ばかりで、呆れます。
なんのために夫婦になったのか。
一生添い遂げる相手を見つけたのではないのか。
独身の私には不倫する人の気持ちは計り知れませんが、家族だからこそ外部に刺激を求めてしまうのでしょうか。。
読んでいて不快な気分になります。
でも、そんな気持ちになるのは、やはり本作品の家族の仲にリアリティを感じるからでしょうか。
思春期の子供に悩まされる妻、に他人の子供の如く任せっきりにしてしまう夫、
誰も同じ方向を向いていない家族の在り方は想像に難くなく、実情としては多いのかもしれないと思うと、とてもつらい気持ちになります。
幸せな家庭を知らないから、幸せになるための手順がわからず、不幸が次の世代へと連鎖して抜け出せないものなのでしょうか。
いまにも崩れ落ちてしまいそうな崖のきわ、首の皮一枚で繋がっている状態というのでしょうか、
そんな家族の状態に、この後の展開はどうなってしまうのかというヒヤヒヤが半分、いやもうどうしようもないでしょという諦めが半分という気持ちでした。
「少年」という存在が本作品のミステリーさを際立たせていて、とてもおもしろかったです。
ミドルティーンの証言が信憑性に乏しいことや物証も得られないことから、真実がこのまま闇に葬られるてしまうのではと思ったり。
ナツイチのフェアの中に見つけた本作品。
伊岡瞬さんの別の作品を買い漁りたくなりました。
2026.8.7-2026.8.13
Posted by ブクログ
これまで読んだ伊岡瞬の作品の中で、本作がいちばん印象に残った。
物語は、ごく普通の日常から始まる。
しかし、その中にチクチクとした人間関係のズレや違和感が丁寧に描かれており、読み進めるうちにじわじわと不安が募っていく。そして、その違和感に気づいたときには、すでに物語に深く引き込まれていた。
本作では、妻・裕美子の心情が頻繁に描写される。
そのため私は、自然と裕美子に肩入れし、彼女を主人公のように感じながら読み進めていた。しかし、読み終えたときに残ったのは、「多くの問題の原因は裕美子にあったのではないか」という感覚だった。
中盤までは、彼女の行動に対して「状況を考えれば仕方がない」とどこかで納得し、共感しながら読んでいた。それだけに、読み終えたあと、自分が無意識に彼女を正当化していたことに気づき、少し怖さを覚えた。
これは、世界的なスポーツ大会で日本を応援してしまう感覚に似ている。特別な理由がなくても、「自分に近い存在」であるというだけで、自然と肩入れしてしまう。物語の登場人物に対しても、同じことが起きていたのだと思う。
では、現実の人間関係においてはどうだろうか。どれほど親しい相手であっても、その人が間違ったことをしているとき、自分は正しくそれを指摘できるのだろうか。あるいは、「友達だから」という理由で、甘く受け入れてしまうのではないか。
人は常に感情というフィルターを通して物事を判断してしまう。その不確かさと危うさに気づかされたという点で、本作は単なる物語以上の読後感を残した。
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