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Posted by ブクログ
主人公の藤井賢一は42歳の会社員。第1部の冒頭に描かれるいくつかの場面だけで、彼が満足のいく生活を送っていないことが分かると思う。東京の本社から、系列会社の営業職として飛ばされたのだ。賢一がこの状況を耐えているのは、本社在籍時の不祥事のため。出向は単身赴任で、妻からはあまり帰ってこなくてもいいと言われ、娘の香純にすら電話もしたくないから用がある時はメールにしろ、と言われる。そんな四面楚歌の賢一に、現在の会社の部下である若い女性に優しくされ、食事にも行ってしまう。そこに、妻から混乱しているようなメールが届く。ここから、本当の物語が始まる。
第二部に入るにつれてどんどん状況が変わっていき、ころころと転がされる読者。私もそのひとりだった。ネタバレになるのであまり詳しくは書けないが、なぜ妻が、、、?という動機を探っていたはずなのに、、、まさかの、、。という感じだ。
興味深いのは、『痣』などに出てくる真壁刑事が出てくるところ。真壁は妻を亡くしたと賢一にこぼしており、それが『痣』なのである。積読してあるので、すぐに読もうと思う。また、伊岡瞬の家庭崩壊三部作、四部作の一部目がこの『悪寒』らしい。そして、その次が『不審者』、『朽ちゆく庭』『陰りゆく午後』で、後半二作はこれから文庫化の予定があるそう。『不審者』も持っているので、次は『不審者』、そのあとは『痣』を読んで、伊岡瞬の手のひらで転がされてこようと思います。
この作品、集英社文庫のナツイチの作品ですが、たしかに名前の通り悪寒がして、少し寒気を感じる気もしなくはないですね。
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