【感想・ネタバレ】悪寒のレビュー

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2024年04月01日

いやー、面白かった。後半の怒涛の展開はすごかったな。お見事ですとしか言いようがない。

主人公は大手製薬会社に勤める冴えない中年男性。会社の不祥事の責任を取らされ、山形の子会社へ単身赴任で飛ばされて、どんよりした日々を送る毎日。いつからか妻とも疎遠になり、娘にも連絡を拒否される、そんな悲しい状況。こ...続きを読むれも、遠距離が原因だろう、早く家族のもとに戻りたいなぁ、と。ああ、もう見てられない。中年の悲哀を描いた物語か…と思っていたらとんでもない展開を迎える。

ある日妻から不可解な1通のメール。胸騒ぎがして、慌てて自宅に戻ると、野次馬にかこまれている。
ー妻が自宅で本社の常務を殺して逮捕されたー

え?なんだその展開は。正直ここまでは中年の悲哀ばかりで、読んでてつらくなってたが、一気に引き込まれた。中年の悲哀どころではない。殺人犯の夫になるというとんでもない状況。妻も犯行を自供しており、有罪は免れない。
なぜ、夜中のそんな時間に本社の常務が自宅にいた?妻との関係は?娘は大丈夫なのか?
認知症の母は?
いろいろなことがわかっていくたびに、少しずつ家族が壊れていく。果たして主人公はバラバラに壊れていく家族を守っていくことはできるのか。

本作の中で重要な要素となる「もらわれっ子症候群」。思春期の時の、自分が大切にされていないという感覚。最後の最後に明かされる真実。とても面白い。

登場人物はそんなに多くないし、現場の状況から殺害可能な人間は限られているのに、ここまで物語が転換していくものか、と感心せざるを得ない。

家族を本気で守るとはどういうことか。冴えない中年男性がもがいてもがいて、真実にたどりつくラストは清々しくあり、とてもいい読後感だった。良作。

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Posted by ブクログ 2024年03月12日

ここに出てくる登場人物は皆、私からして良くも悪くも気持ちがわかっちゃう人たちでした。
犯人の境遇、育った環境、考え方が自分に当てはまるところが多くて本当に『悪寒』。吐き気がした。
1歩間違えたら自分だと思った。『吐き気がした自分』に安堵した。
…感想になってない

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Posted by ブクログ 2024年01月27日

 考えや行動が単純で、分かりやすく表に出す賢一、思慮深く色々なことを考えていたであろう倫子。
 賢一には、なんでもうちょい気づかないのさ!と、倫子にも、もう少し分かりやすくしてあげればよかったじゃないの!と、言いたい。

 途中での倫子の不倫疑惑や、それに関する話しは男性なら耐え難い。そんな中でも、...続きを読む終盤になるにつれ気持ちを決め、倫子を信じ、真実へ向かう賢一の姿に涙がでました。
 また、真壁刑事がいい仕事してますね。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2023年05月09日

面白かった
まずそこが違ったのか、とびっくり
憎しみの力って怖い

真壁刑事と宮下刑事がコンビを組む『痣』もオススメです

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Posted by ブクログ 2024年03月30日

最初の始まりが不穏でどんどん悪いことに巻き込まれていく主人公に胸が苦しくなった。

真実は何か?推理しながら読み進めることができておもしろかった。
他の作品も読もうと思う。

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Posted by ブクログ 2024年03月17日

ひさひざにちゃんとしたミステリーを読みましたが、面白かったです。
色々あったけど、終わり方が良かった。
他の作品も読んでみたくなりました。

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Posted by ブクログ 2024年03月15日

話の途中でも主人公が辛抱強いと評価されていたが、本当にその通りだなーって思う。
自分ならいくら家族の為とはいえ違う道を模索するだろうし、もっともっと感情を表に出してしまうし信じるものを疑わざるをえなくなってしまう。
その点、主人公は真逆な生き方で自分と重ねて読んでいてとても面白かった。

そんなに大...続きを読むきなどんでん返しはなく、途中の伏線でなんとなく先が読めてしまうけどストーリーのリズムが良い為に気分良くサクサク読めた。

ただ、最後に意外なところで『えっ!?』となったけど読後感は非常に良かった。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2024年02月15日

妻が夫の会社の上役を不倫関係の末、殺人事件を起こしてしまった。
ストーリーは進んでいくが、全く予想していなかった結末で決着。
男女関係だけでないドロドロとした人間関係。

家族関係修復できて良かった。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2024年02月02日

感想
最後の最後まで誰がやったか分からず、ハラハラの展開。主人公の優柔不断なところが苛立ったが、最後はビシッと締めた。読者を苛立たせるくらい、筆者の書き振りがうまかったのだろう。

筆者の作品は、終盤あたりまでフラストレーションを溜められて、最後で一気に吐き出してスッキリするパターンが多いように感じ...続きを読むた。

あらすじ
藤井賢一は、収賄絡みで大手の製薬会社の関連先に飛ばされていた。出向が1年を過ぎた頃、夜に妻から突然、不可解なメールが届く。急いで家に帰ったところ、警察が殺人事件として家を調べていた。

妻は夫の会社の常務を殺害した容疑で逮捕されたのだ。認知症の母親、高校生の娘は、妻の妹の優子が見てくれていた。

妻の裁判が始まり、実は常務を殺したのは、私であると娘が告白、さらに認知症の母親が自分がやったと告白。一体誰が、常務を殺したのか?賢一は家族を守れるのか?

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Posted by ブクログ 2024年01月22日

主人公が頭悪すぎてイライラした。大企業あるあるなのかもだけどこんな扱いされてまで会社にしがみつくの、本当に意味がわからない。あと家族、特に娘に対する接し方もうざくてそりゃそうなるわなと思った。嫁はなんでこんな男が良かったんだろうw

内容としては序盤に事件発生してから状況が二転三転し続け、後半はそれ...続きを読むが加速し、最後まで面白く読めた。全然内容は違うけど、結論が見えた頃に羽田圭介さんの「黒冷水」をふと思い出した。

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Posted by ブクログ 2023年12月11日

最初はなぜ倫子がと、主人公と同じ目線で見ていたが、途中から、子のために庇っているのかと自分なりに考えてみた。
読み進めて行くうちにその証拠が出てくるのかと思いきや話が二転三転と転んでいくので、あれやこれやと考えてドツボにハマって行く。
最後の最後まで意外な真相が出て来て読むのが止まらなかった。

...続きを読む子から学んだことがあるとすれば、僻み嫉みの被害妄想をすればするほど、心が捻れて良いことも全て悪い方へ進んでしまうスパイラルになるということ。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2023年12月06日

主人公の言動にイライラすることもあったが、結果良ければという感じなのか。後半で3人が自分が殺したと告白した時はどういうことかわからなくなった。もやっとした感情が残るが読みやすかった。

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Posted by ブクログ 2023年12月04日

 伊岡瞬さん、初読みです。「悪寒」、2019.8発行、422頁。夫が単身赴任中に、妻から夫の会社の上司殺害のメールが。妻が本当に殺したのか、15歳の娘をかばっているのか、認知症の母親をかばっているのか。刑事の真壁がとてもいい役割をしています。第1部と第2部。第1部はとても面白かったです。真犯人が明ら...続きを読むかになる第2部は、なんだか無理やりな感じがしました。

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Posted by ブクログ 2023年08月24日


最初の方は何が起こるのか不明過ぎて尻込み気味でしたが、真実がなかなか見えないところが逆に面白く一気読み。不倫の世界は普通なのかと思ってしまう。。
中年男の鈍感さはそれだけで犯罪って言うフレーズがお見事です!

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2023年06月23日

伏線の散りばめ方が本当すごい。
違和感があると感じたところは、最後必ず返ってくると感じた作品だった。

愛の歪み方が印象的な話だった。
特に優子への浩正の教育における愛や、賢一の家庭に対する身勝手さや甘えとも言える愛、倫子や香純の「かばう」愛。
それが当たり前と感じ、状況がひどく一変して初めて気がつ...続きを読むく事ができ、その時にはもう全てが遅い。

愛が憎しみに変わる事があるというが、この作品においては受ける歪んだ愛によって1人の人間から憎しみが生まれるという今まででは考えたことのないベクトルで描かれている。
愛というのは、本当に1人であれ100人であれどこにでも作用する。

愛に「在り方」の正しさはないけれど、
独りよがりの愛はやはり、また結果が違ってくるものだと改めて感じた。

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Posted by ブクログ 2023年06月04日

最後ののこり数十ページの辺りまで、話が二転三転、四転⁉くらいして先の気になる展開だった!
自白によってあっさり片付けられてしまう所な事件だったはずのところを面白く書いていたと思う。
初めて読んだ作者だったので、他の作品も気になる。

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Posted by ブクログ 2023年06月03日

最初は陰鬱な雰囲気で、嫌な気持ちにもなったけれども、伏線が回収されていて、なるほどねと、楽しく読むことができた。

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Posted by ブクログ 2023年04月05日

単身赴任中に妻が殺人犯として逮捕される。会社では虐げられ、娘とは絶交状態、妻とは面会もできない。中盤までは主人公が可哀想すぎる。終盤は犯人が誰なのか、一転二転三転、、、。こんな結末にすれば、ハッピーエンドなのか、なるほどね。

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Posted by ブクログ 2023年03月13日

法廷ものはおもしろい作品が多い。この作品はそれだけではなく家族というものの良いところと悪いところの両方を極端に描いていて、それでいてリアリティがあるので考えさせられる。そして何よりこの作品の著者は感じの悪い人間を描かせたら一流である。

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Posted by ブクログ 2024年02月04日

代償に続き完読。
真壁刑事シリーズとネットで順番があったので、代償から読み始めたけど、結果的には弁護士さんが代償にもでてきた方、というくらい?
途中までは少しテンポが遅く感じるところもあったけど、最後の怒涛の展開はよかったです。

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Posted by ブクログ 2023年12月31日

夏の文庫フェアで紹介されていた記憶。
割と後半の後半まで展開が蠢く。色んな話題や問題、人も舞台も動き回るが、斜め読みで読破可能。どれかの話題を掘り下げるタイプの話でもないので問題なし。
途中で出てくる真壁刑事が中々に良いのだが、どうやら本作と同時期に、この刑事さんが主人公のお話も書かれているらしい(...続きを読む『痣』)。ちょっと気になる…!


解説の方も話しているけれど、主人公がまあ鈍い…!
え、男の方ってこんな人多いの?無自覚に人を苛立たせないでくれよ…偏見だとは思うが、こんな人たちばかりだったらそりゃあ女性も「これだから…」ってなるよ…。
良かったな主人公、周りの女子たちに恵まれてるぞ。それはあなたの人柄あってなのだろうけど。でもな。気付けよな。と、肩を叩きたくなる。いや、はたきたくなる。





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ネタバレ

Posted by ブクログ 2023年10月13日

冒頭が長い…途中中だるみしてしまったけど、後半100ページ分で犯人が2点、3点していてそこが面白かった!"中年男の鈍感さは、それだけで犯罪"←この部分が多くてちょっとイライラ(笑)家族の庇い愛はグッときた 

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Posted by ブクログ 2023年09月01日

冒頭の場面描写から引き込まれ、読み進めながらあの場面で立っていたのはこの人なのか?とページを捲る手が止まらなかった。
とはいえ第一部では不憫な賢一の状況説明や事件の発生、真実がなかなか見えてこなかったりとやきもきもする。加えて賢一の社内外でうまく立ち回っているつもり?でもそうでなかったりするところや...続きを読む、感情的に動き回りすぎるところ(当人の心情を考えれば当然そうなるのもわかるが)は読みながらイライラする部分も。笑
第二部では皆さんの言うとおり真実が二転三転して展開にスピード感がありサクサク読めた。結果や動機については、落とし所としてはこんなものかな、という印象。
「中年男の鈍感さはそれだけで犯罪」ももちろんだが、「愛することは信じること」も頭に残る。
真壁さんが気になるので「痣」も拝読しようと思う。

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Posted by ブクログ 2023年08月24日

冴えないサラリーマンが会社の潮流に飲み込まれ、家族もろとも押し流されそうになるお話。

視点は主人公に個体されており、
家族との見えない軋轢や起きた事件の謎が
読者にもわからないところが主人公の葛藤と合わせて感情移入できる人もいると思う。

個人的には、本ではあまり登場人物に対して
思い入れを持たな...続きを読むいので、観客として主人公と
一緒に謎解きに挑むことになりました。

勘のいい人は気がつく謎でしょうが、僕には犯人やその思惑を見破れませんでした笑

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2023年08月10日

悪寒というタイトルに惹かれて購入しました。
途中まで中年の駄目な夫が娘と妻に嫌われて、単身赴任をしたらこうなってしまうのってなんか切ないなぁ。と思って読んでいました。
ただ違和感はずっとある感じでした。
途中まで中年夫の駄目具合をずっと描いており、少しだらだらとしてタイトルの悪寒とはどういう事なのか...続きを読む…と考えてしまいました。
後半、裁判が始まったあたりから面白くなり、自分なりに『きっとこの人が真犯人だ』と思った人が犯人だったので嬉しくなりました。笑
真壁刑事の愛の定義がかっこよく好きでした。

ただ個人的にはここまで出来た夫婦であるなら、奥さんがもうちょっと旦那を信用して相談してあげて!と…
最終的には良好な関係になりましたが虫が良すぎるというかなんというか…という感想です!

終盤ではひねりもあり面白かったです。
痣も読んでみたいです。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2023年07月10日

第二部からがおもしろかった。
第一部は若干間伸びしている感じがして、途中読むのをやめてしまったけど、再開して読み切った。

それぞれの思いがあってかばい合った結果、めちゃくちゃになってしまったというオチは想像できていなくて、おもしろかった。
ラスト100ページくらいで隠されていた秘密が明らかになって...続きを読むいくので、やめられなくなり一気読みした。

冒頭の裁判の描写が実は倫子の発言ではなく、優子の発言だったという回収の仕方も好みの展開だった。

第一部はやっぱり長すぎた感じがするので、★3にした。

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Posted by ブクログ 2023年06月22日

最後の最後数十ページで2転3転というか、かばい合う。じゃ~それまではダラダラとなんだったんだ?って感じ……認知症の母親はどうやっても犯行は無理!そして途中からそんな感じはしてましたよ優子さんハッピーエンド?アンハッピー?

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Posted by ブクログ 2023年05月08日

展開のテンポが良く飽きることなく読めた。ミステリなのだが、それほど重い内容ではなかったので隙間時間に読むには丁度いい本でした。

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Posted by ブクログ 2023年03月22日

この作者さんの小説は嫌な奴、人間の負の部分を書くのが上手いと思う。
正直誰にも感情移入出来ずに読み進めていたが最後の展開には驚いた。
ハッピーエンド風に終わるが何処かモヤモヤが晴れない。

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Posted by ブクログ 2023年02月15日

汚職事件の責任の一旦をとらせて、東北の系列会社に出向となった藤井。東京本社に戻る事を信じて、置き薬の営業の日々を過ごす。
愛する妻と子の心の距離まで遠くなってしまったようだった。そんな時、東京の我が家で殺人事件が起こる。犯人は、妻か娘か母親か、それぞれが庇いあう。
“痣”の真壁刑事が、強かな感じで登...続きを読む場。“代償”の美人弁護士真琴先生登場。
なんというか、ストーリーは、よくできていると思うのですが、この主人公中年会社員さんの鈍さに悪寒。いくらなんでも、認知症状出ている高齢者の介護認定がおりないわけないじゃ無いですか。
それを義理妹に預けるとか、もはや殺人事件以上に不可解。奥さん娘さん部下の女性と、女性陣に振り回されてて。でも、その愚鈍さが今作の読みどころだとしたら、すっかり、手の内にハマってしまったのかも。

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