十の輪をくぐる

十の輪をくぐる

979円 (税込)

4pt

認知症の母が呟いた家族の「秘密」とは。

スミダスポーツで働く泰介は、認知症を患う八十歳の母・万津子を自宅で介護しながら、妻と、バレーボール部でエースとして活躍する高校二年生の娘とともに暮らしている。あるとき、万津子がテレビのオリンピック特集を見て「私は……東洋の魔女」「泰介には、秘密」と呟いた。泰介は、九州から東京へ出てきた母の過去を何も知らないことに気づく。五十一年前。紡績工場で女工として働いていた万津子は、十九歳で三井鉱山の職員と結婚。夫の暴力と子育ての難しさに悩んでいたが、幼い息子が起こしたある事件をきっかけに、家や近隣での居場所を失う。そんな彼女が、故郷を捨て、上京したのはなぜだったのか。泰介は万津子の部屋で見つけた新聞記事を頼りに、母の「秘密」を探り始める。それは同時に、泰介が日頃感じている「生きづらさ」にもつながっていて──。一九六四年と二〇二〇年、二つの東京五輪の時代を生きる親子の姿を三代にわたって描いた感動作。いま最も注目を集める若手作家・辻堂ゆめによる圧巻の大河小説!!

※この作品は単行本版『十の輪をくぐる』として配信されていた作品の文庫本版です。

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十の輪をくぐる のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ

    実家にも頼れず、結婚にも恵まれず、大変な思いをしつつ、それでも大きな愛で子供達を立派に育てた。
    亡くなった自分の母に重ねながら読みました。
    辛い部分もありますが、温かくなる読後感でした。
    間違いなく傑作です。

    0
    2025年03月20日

    Posted by ブクログ

    母の愛を強く感じれた!
    序盤の若き頃の未来にワクワクしている感じから徐々に現実に突き落とされるなか最後まで子供を信じ強く生きた母の愛情に感動した。

    本当に読めて良かった。おススメです。

    0
    2025年02月27日

    Posted by ブクログ

    読書備忘録889号。
    ★★★★★。

    いやぁ~良い物語だったです。
    作品紹介にもある通り、1964年と2020年(実際には2021年になりましたけど)の2つの東京オリンピックを通して親子三代の姿を描く感動小説です!

    物語の舞台は佐藤家。
    スミダスポーツで働く佐藤康介は58歳。
    妻の由佳子、高2の娘

    0
    2025年01月27日

    Posted by ブクログ

    戦後10年目の世界に降り立ったような臨場感を感じていたら、作者さんが20代だという驚き。
    最後の書評にて「作者は自分の劇団(作品)の中に子役から老人まで、優秀な役者が豊富に揃っている」が全くその通りで、とにかく器用で文章が上手。
    作者・辻堂ゆめさんの名前を覚えておかないと、と思いながら一気に読み切っ

    0
    2024年07月07日

    Posted by ブクログ

    辻堂さん2冊目。1冊目の「山ぎは少し明かりて」でファンになって、この本でさらにファンになりました。読み終えて深い余韻に浸ります。
     紡績工場で働く少女たちの会話のシーンはいきいきとしていてとても臨場感があります。それは「山ぎは…」の中であった少年たちの川遊びのシーンでも感じました。本当に画面を見てい

    0
    2024年06月08日

    Posted by ブクログ

    「私が鳥のときは」のとなりにあった「山ぎは少し明かりて」を辻堂ゆめさんの作品で初めて読んで「サクラサク、サクラチル」「答えは市役所3階に」と読みました。重症の中毒になりました。最初は、読みすすめるのがやや苦痛でしたが、辻堂ゆめさんの作品と思って読みすすめたら逆に夜更かしコースへ。止まらない。止まらな

    0
    2024年02月17日

    Posted by ブクログ

     1964年と2020年、二つの東京五輪の時代を鮮やかに描く、三世代の親子の物語です。
     2つの時間軸が交互に進み、親と子それぞれの視点で綴られ、心に響き、深く静かな余韻を残す作品でした! 執筆時20代だったという辻堂ゆめさん、あっぱれです! 素晴らしい話でした。

     妻や職場の人間関係も仕事も上手

    0
    2024年01月07日

    Posted by ブクログ

    1964年と2020年の東京オリンピックの話かな
    と思って読み進めたら、思わぬ展開に…!

    戦後の時代、ひたむきに強く生きてきた女性の強さを感じ、今という時代は本当に恵まれているのだなということを実感。

    物語の核となる泰介の真実に対する描写が、すごく温かく的確に書かれていた。こんなふうに一人ひとり

    0
    2024年01月06日

    Posted by ブクログ

    現代パート(2020東京オリンピック頃)を息子視点、過去パート(1964東京オリンピック頃)を母視点で語る構成。二回の五輪で十の輪と言うタイトルなんですね。
    前半は息子パートが不快でイライラさせられ、キラキラ青春の過去パートの方が読みやすかったのに途中から母パートが辛くなり、息子パートの方が明るく希

    0
    2025年03月24日

    Posted by ブクログ

    “輪”は五輪のこと。
    十の輪=1964年と2020年(予定)東京オリンピックを指す。

    現在Partの序盤、泰介の横柄さと家庭内モラハラがひどく、妻:由佳子に離婚を考えた方が良い、と助言したいほどだった。
    が、読み進めていく内に、泰介アナタもしかしたら⁈

    過去Partは母:万津子の半生でこれは辛

    0
    2025年01月17日

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