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Posted by ブクログ
1番オススメ出来る、ホラーミステリ作家のデビュー作。氏はホラー寄りにも、ミステリ寄りのも自由自在に書き分けますが今作は前者。デビュー作から読んでもらいたいという気持ちと、安定して楽しめるミステリ寄りの刀城言耶シリーズからを勧めるべきか迷います。
今作は結構心に重いです。主人公は出版社でバリバリ働きながら自分でも小説を書いています。当然毎日数多くの人と接するでしょうし、知り合いも多くなります。しかし特に今作では同僚とのやり取りとか仕事で他人と話すシーンは最低限。友人にしても同様で、続編では友人との時間にホッとすることも多いのですが、今作は電話で軽く話す程度です。
では決して少なくないページ数が何に割かれているかというと、自分が体験する怪異とかそれを元に執筆をしている作品の内容。それから趣味の散歩(と言っても昼間から暗い坂道などの描写が多い)とホラー小説やホラー映画のうんちくなどです。
この作品の特長の1つに、主人公にとっての現実と、主人公が書く小説との境界が曖昧になることで何とも言えない不安を感じるという点があるのですが、ここに慌ただしく騒がしく過ごす時間が多いはずの主人公の孤独な時間がクローズアップされるというギャップが加わる事で「賑やかな日常はまやかしなのでは」という不安が加わります。それが文章として直接示されるわけではないのですが、だからこそ染み込んできます。
もちろんそこまで引き込まれてしまうのは、文章の上手さがあってこそです。読んでいて違和感や引っ掛かりがないので、すっと主人公に入り込んでしまいます。
Posted by ブクログ
三津田氏の作品は何冊か読んでいたけれど、そのなかでもわりと緩めのものを読んでいたのかもなと思った。
あまり読んでいてゾッとするという感覚はなかなか(のぞきめでさえ)なかったのだけど、今回はかなり気味が悪くゾッとしつつも楽しめました。
やっぱり本当にあったような現実と非現実の境のぼかし方がとても上手い。
地方出身者には土地的なことはわからないので、本当にそんな場所があるのか……なんて思わせられることもありそう。
後半は入り乱れに入り乱れ、ちゃんとミステリ要素もあり、何より後日談が君の悪さを醸し出している。
にちゃり、という語感、字形の気持ちの悪さにただたただ脱帽です。
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