1973年刊の同書を底本としている。
今や「ツチノコ」という言葉は、もはや懐かしいロマンとどこか滑稽さを感じさせるものとなっている気がするのだけど、むしろそれに惹かれて読んでみた。
これは……ツチノコは、いるな。
ツチノコ、槌ノ子、ヨコヅチ、バチヘビ、コロ、ゴハッスン…、様々な名称で呼ばれ、実際に遭
...続きを読む遇した人びとが各地にいる。
これはいるだろう。
ただ最後に、大きくなりすぎたツチノコブームに嫌気がさし、『逃げろツチノコ』と書名をつけた著者からは、ツチノコはあくまでロマンである、という思いも感じられる。
ううむ…と突然の夢落ちを告げられたような諦めきれない思いが残ったが、最後の月刊『ムー』編集長の解説を読んでなにやら夢からさめたような興ざめの気持ちになった。
序文にも言葉を寄せている田辺聖子の『すべってころんで』を読んでみたい。