山本素石のレビュー一覧

  • ヤマケイ文庫 山釣り

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    著者にとって山野秋邨先生との旅は本当にかけがえのないものだったんだな、ということがよく分かり、またその秋邨先生の生き方そのものがとても魅力的に描かれる"I 山中漂白"、黒本の「山怪」シリーズを引き合いに出すまでもなく、古来、山に付き物の怪異について、著者の得意とするツチノコを絡めて綴られた"II 異界草子"、そして猥談をギミックに描かれる山の夜を入口に、"みちのくの佳人"まで旅情たっぷりで滑らかに連なっていく"III 辺境異聞"。
    ここまででも既に名作揃いと言って差し支えない珠玉の紀行随筆集だが、真骨頂は最終章の&

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    2022年02月26日
  • ヤマケイ文庫 山釣り

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    20170824 民俗学者で釣り好きな人の本と思って読んでいた。本人の職業は何であっても、心にすっと入ってくる文章が書けることが作家なのだと思う。
    その意味で良い本と作者に会えたと思いました。
    何となく西丸震哉さんを思い出した。

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    2017年08月24日
  • ヤマケイ文庫 新編 溪流物語

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    渓流釣りにまつわるエピソードや、渓流に住まう魚の話が愛情たっぷりに記されたエッセー集。
    すてきな感性で描かれた情景は、静謐な渓流の音や匂いをも呼び覚ます。

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    2017年05月03日
  • 逃げろツチノコ

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    1973年刊の同書を底本としている。
    今や「ツチノコ」という言葉は、もはや懐かしいロマンとどこか滑稽さを感じさせるものとなっている気がするのだけど、むしろそれに惹かれて読んでみた。
    これは……ツチノコは、いるな。
    ツチノコ、槌ノ子、ヨコヅチ、バチヘビ、コロ、ゴハッスン…、様々な名称で呼ばれ、実際に遭遇した人びとが各地にいる。
    これはいるだろう。
    ただ最後に、大きくなりすぎたツチノコブームに嫌気がさし、『逃げろツチノコ』と書名をつけた著者からは、ツチノコはあくまでロマンである、という思いも感じられる。
    ううむ…と突然の夢落ちを告げられたような諦めきれない思いが残ったが、最後の月刊『ムー』編集長の

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    2017年01月11日
  • ヤマケイ文庫 山釣り

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    渓流釣りの話は2割か3割ぐらいで、あとはツチノコ、不思議体験、夜這い、過疎や廃村、自然災害など。
    「もっと釣りの話しろよ!」と思って読んでいたが、途中でこっちが折れた。

    くさしたような言い方になってしまいましたが、釣りじゃない話もたいへんおもしろいです。初めから「渓流釣りのエッセイ」の本ではなく、もっと漠然とした「山の話」の本だと思っていたら、もっと楽しめたと思います。
    要はこっちの心構えなので、次に読むときはそんな気持ちで臨みたいものです。

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    2017年03月29日