小説・文芸 - 集英社作品一覧

  • 翼はいつまでも
    4.4
    【第17回坪田譲治文学賞受賞作】青森県の中学三年生、神山は補欠の野球部員、平凡な生徒だ。ある日、米軍放送で聴いたビートルズの「プリーズ・プリーズ・ミー」が彼を変えた。聞き覚えてクラスで歌い、彼はクラスで認められた。多恵からも声をかけられ初恋の思いを抱く。夏休み、さまざまなトラブルが彼を襲う。でも彼には仲間がいるし、ビートルズがくれた勇気もある。「本の雑誌が選ぶ2001年度ベスト1」「第17回坪田譲治文学賞」受賞。
  • つばめ館ポットラック ~謎か料理をご持参ください~
    3.3
    文京区小日向にある学生専用アパート「つばめ館」では、大家の福子が入居者たちにご馳走をふるまうべく、手料理持ち寄りの「ポットラックパーティー」が開催されていた。ある日、同級生から「幽霊の出る坂」の話を聞いた沙央は、この謎を解くべく、次のポットラックに「謎枠」で参加することに。つばめ館ポットラックのルールは、手料理か、魅力的な「謎」を提供すること。果たして幽霊騒動の真相は……!?
  • 妻と最期の十日間
    4.3
    世界各国の紛争地域を取材してきた著者が、最愛の妻をくも膜下出血で亡くすまでの看取りの十日間を記録したノンフィクション。世界中で多くの生と死を見続けてきた著者だったが、迫りくる妻の「死」には、ただひたすら戸惑い、動揺し、取り乱すばかりだった。回復の兆しはなく、意識も戻らぬまま、脳死に陥る妻。著者は、妻の「その瞬間」までを詳細に記録することで、過酷な現実と向き合うことを選ぶ。【目次】プロローグ/第一章 突然の知らせ/第二章 延命/第三章 家族旅行/第四章 日記/第五章 病床の聖餐式/第六章 目の前の事実/第七章 不安/第八章 鳴り始めたアラーム/第九章 二人だけの時間/第十章 桜舞う夜に/エピローグ
  • 妻の女友達
    3.9
    市役所の戸籍係をしている夫と美人ではないが清楚で控えめな妻。平和で波風の立たない人生をこよなく愛する夫婦の前に、突然現れた妻の学生時代の女友達。女流評論家として活躍するスキャンダラスな女の登場が平穏な家庭をいつのまにか破滅的状況に追い込んでいく…。推理作家協会賞受賞の表題作。ありふれた日常に潜む愛憎が殺意を纏ってあなたの背後に忍び寄る恐怖の瞬間。傑作サスペンス6編。
  • 罪深き海辺 上
    4.0
    東京からほど遠くない場所に位置する山岬市、母が捨てた故郷にアメリカ育ちの干場功一(ほしば・こういち)は帰ってきた。お殿さまと呼ばれた大地主の伯父、干場伝衛門は全財産を市に寄付して六年前に亡くなっており、お陰で財政破綻寸前の港町は立ち直ったという。そこへ突如、遺産相続人が現れたことで、かつて利権に群がった政治家や企業は色めき立ち――。閉塞感漂う田舎町で疑心暗鬼の人間ドラマが幕を開ける。
  • 強く生きるために読む古典
    3.9
    高校三年で肉体労働の現場に転がり込んだ著者は、一冊の古典を読む。ヘーゲルの『小論理学』だ。その哲学書は、日々の土木作業で疲れ切った若者に「未知の地平へジャンプするための勇気」を教えてくれた。正しい理解を目ざすのではなく、自分が生き延びる助けになるように本を読む。そのとき、難解・重厚と思われた古典は、人生を戦うための武器となり、仲間となる。いわば、生きるための読書だ。その実践記録である本書は、「未読の古典にチャレンジするための勇気」を私たちに与えてくれる。【目次】はじめに 「できそこない」のためのブックガイド/1 『失われた時を求めて』(プルースト)かけがえのない時間/2 『野生の思考』(レヴィ=ストロース)ゴミ捨て場からの敗者復活戦/3 『悪霊』(ドストエフスキー)もしも世界が一編の美しい文章なら/4 『園遊会(ガーデンパーティー)』(マンスフィールド)今日、リアルな死に触れて/5 『小論理学』(ヘーゲル)気がつくと見知らぬ土地に立っていた/6 『異邦人』(カミュ)夕暮れ、場違いな人/7 『選択本願念仏集』(法然)最低の人間に贈られた最高の方法/8 『城』(カフカ)成し遂げられていない物語/9 『自省録』(マルクス・アウレーリウス)春の季節に生まれいづ/あとがき
  • 吊橋のある駅
    -
    毎週一回、海峡を渡ってくるセールスの男が、一晩を女の部屋で過ごすようになって、三年の歳月が過ぎた。愛を誓うことも、過去を明かしあうこともなく続いた情事に不意に訪れる終わり。いつしかはかなくなってゆく男女を、こまやかに描いた表題作ほか、さまざまに揺れうごく愛のかたちを浮彫りにする香り高い作品集。
  • つるかめ助産院
    3.6
    夫が姿を消して傷心のまりあは、一人訪れた南の島で助産院長の鶴田亀子と出会い、予想外の妊娠を告げられる。家族の愛を知らずに育った彼女は新しい命を身ごもったことに戸惑うが、助産院で働くベトナム人のパクチー嬢や産婆のエミリー、旅人のサミーや妊婦の艶子さんなど、島の個性豊かな仲間と美しい海に囲まれ、少しずつ孤独だった過去と向き合うようになり――。命の誕生と再生の物語。
  • 連舞
    4.1
    昭和初期の東京・上根岸。日本舞踊の名門梶川流の師匠を母とする異父姉妹。家元の血を享け、踊りに天賦の才を見せる妹の千春の陰で、姉の秋子は身を慎んで生きてきた。しかし戦後の混乱期、梶川流の存亡を賭け、秋子が進駐軍の前で挑んだ驚くべき舞台が彼女の人生を予想もつかぬ方向へ導いていく――。伝統と因襲の世界で生きる女たちの苦悩と希望を描く、波瀾万丈の人間ドラマ。傑作大河長編。
  • 抵抗都市
    3.7
    「今の日本への問題意識を示すために、この舞台を選んだ」日露戦争に<負けた>日本。終戦から11年たった大正5年、ロシア統治下の東京で、身元不明の変死体が発見された。警視庁刑事課の特務巡査・新堂は、西神田署の巡査部長・多和田と組んで捜査を開始する。だがその矢先、警視総監直属の高等警察と、ロシア統監府保安課の介入を受ける。どちらも、日本国内における反ロシア活動の情報収集と摘発を任務とする組織だった。やがて二人は知る。ひとつの死体の背後に、国を揺るがすほどの陰謀が潜んでいることを。警察官の矜持を懸けて、男たちが真相を追う! 警察小説の旗手として不動の人気を誇る著者が、魂を込めて描いた、圧巻の歴史改変警察小説。
  • 帝都妖怪ロマンチカ ~猫又にマタタビ~
    3.0
    1~3巻616~649円 (税込)
    昭和初期の東京。浅草の片隅の見世物小屋でひっそりと暮らす猫又の弐矢は、むかし愛した女に瓜二つの美貌の持ち主を見つける。その青年・嘉寿哉の家に居候することに成功した弐矢だが、心理学を研究しオカルトを糾弾しようとする嘉寿哉の周りには何故か妖怪たちが引き寄せられてくる。愛しい彼を守るべく、弐矢は奮闘するが……。欲望渦巻く帝都で暗躍する、妖しくも美しい妖怪たちの物語。
  • 手がかりは一皿の中に
    3.4
    1~3巻671~704円 (税込)
    あの一皿にヒントが隠されていたのか――。ある夜、グルメライターの北大路亀助は先輩の河口に誘われて食通のメンバーと絶品の熟成鮨を堪能していた。だが、メンバーの一人がその直後に死亡し、店が食中毒を疑われる事態に。閉店を迫られる店主を救うため、亀助は持ち前の味覚を駆使して、犯人探しをはじめる。事件解決のために食べまくる亀助に、食欲を刺激される美食満載のグルメミステリー。
  • てっぺん! シロVSクロ総選挙!! 友だちのいないオレが生徒会長になるまで
    -
    「楽しくなければ、学校じゃない」。この公約をかかげ、オレは生徒会長になる! そして――!? “クロ”と“シロ”ふたつの学校が合併して誕生した銀灰(ぎんかい)小学校で、生徒会長選挙が行われる! ひそかな野望をいだき、いち早く立候補をきめたミカドだけど、応援してくれる友だちはゼロ!! 一方、対立候補のジュリは人望ある人気者!!! 圧倒的不利なミカドは文化部最強助っ人・ハルトをブレーンにスカウトして…!? 下剋上! 選挙コメディ!!
  • 鉄人の思考法 1980年生まれ、戦い続けるアスリート
    4.7
    「生きた実践的な哲学と、終わらない魂に感動しました。私にとって、ここに名前の並ぶ彼等は全員ヒーローです。」(又吉直樹/芸人・作家)中村憲剛、館山昌平、大黒将志、玉田圭司、木村昇吾、和田毅、寺内健――彼らに共通するのは、「1980年(度)生まれ」。そう、あの「松坂世代」にあたる一流アスリートたちだ。どんな競技であれ、現役人生は短く、厳しいアスリートにとって、40歳近くになる年齢まで現役で戦い続けることが簡単であるはずがない。そこにいたるまで、どれだけの挫折や困難があり、そこを乗り越える指針となった出会いや言葉、考えがあったのか。そんな「鉄人」たちが明かす、生きた「哲学」「思考法」とは!? 又吉直樹と中村憲剛の<同級生>対談も収録! ○「自分の事を知っているのはやっぱり自分。」(中村憲剛)○「投手は自分から投げることを始める。基本的にはすべて自分の責任。」(館山昌平)○「フォワードの仕事はとにかくゴールすること。」(大黒将志)○「まわりを輝かせた上で、自分が輝く。」(玉田圭司)○「全部受け入れて反省しないと、絶対にうまくならない。」(木村昇吾)○「信じて、考えて、一生懸命にやるしかない。」(和田毅)○「上を目指していけばピークなんてどんどん上がる。」(寺内健)
  • 「鉄道最前線」ベストセレクション なぜ南武線で失くしたスマホがジャカルタにあったのか
    3.7
    東洋経済オンラインで圧倒的ページビューの鉄道ニュースサイト「鉄道最前線」を、ベストセレクトして書籍化! ジャンルは「旅」「経営戦略」「サービス」「技術」「雑学」「ランキング」「JR北海道」「司法・事故」「営業係数」。表題の記事を含めて、真面目な記事からニヤリと笑える楽しい記事まで66本を収録。鉄道産業の裏側が見える!! 日々のビジネスのヒントになる!! そして誰かに話したくなる!!【一部抜粋】●あのGALA湯沢が今になって活況に沸く理由 ●寝台夜行列車は、こうすれば再生・活躍できる ●小田急「複々線化」を恐れる意外な路線は? ●JR東海の攻勢をかわした「名鉄」の復活劇 ●上場したJR九州はどこまで利益を増やせるか ●京浜急行、真夏の「水着美女ショー」電車の舞台裏 ●都知事公約「満員電車ゼロ」は、こう実現する ●阪神・甲子園駅の野球ファン輸送は「神業」だ ●インドの電車が「ドア開けっ放し」で走るワケ ●なぜ『シン・ゴジラ』で鉄道が大活躍するのか ●「新幹線のお掃除」に一流が学びを求める理由 ●映画『君の名は。』にジェイアール東日本企画が惚れた理由 ●「バスタ新宿」のコンビニ賃料が激安なワケ ●電車の座席が窮屈な理由は「肩幅」にあった ●初公開! 首都圏「ノロノロ運転」ランキング ●鉄道事業を営む会社「平均年収」ランキング ●北海道新幹線、「満席」にはできない本当の事情 ●全国主要路線、営業係数リスト ……ほか 【目次】はじめに/ 第一章 旅/第二章 経営戦略/第三章 サービス/第四章 技術/第五章 雑学/第六章 ランキング/第七章 JR北海道/第八章 司法・事故/第九章 営業係数
  • 鉄道について話した。
    4.0
    内容は、『週刊プレイボーイ』で連載中の人気コラム「ライクの森」に加筆・修正をほどこし、さらに書き下ろしパートを加えたもの。全国各地の路線や名車両だけではなく、「ガンダムスタンプラリー」や「世界の鉄道マニア事情」など、鉄道にまつわる幅広いテーマについてゆる~く、マニアックに語っている。鉄道ファンは共感しきり、鉄道ファン以外も気軽に“鉄”の面白さに触れられる、市川紗椰ならではの鉄道本が誕生! <収録されているテーマ> 相模鉄道/名古屋鉄道/山万ユーカリが丘線/107系電車/EF81形/モノレール/コロッケトレイン/春のダイヤ改正/駅そば/スタンプラリー(ガンダム篇)/高輪ゲートウェイ駅/京浜急行の駅名/鉄道の音/ドイツの蒸気機関車/世界の鉄道マニア/市川紗椰の偏愛路線 etc. 【著者プロフィール】 市川紗椰(いちかわさや) 1987年2月14日生まれ。父はアメリカ人、母は日本人。4歳から14歳までアメリカで育つ。現在、モデルとして活躍するほか、ラジオ、テレビなどに多数出演。鉄道以外にも、食べ歩き、地形、アニメ、相撲、美術、音楽など、さまざまな分野のカルチャーをマイペースに楽しむ。
  • 掌に眠る舞台
    3.6
    「だって人は誰でも、失敗をする生きものですものね。だから役者さんには身代わりが必要なの。私みたいな」 金属加工工場の片隅、工具箱の上でペンチやスパナたちが演じるバレエ「ラ・シルフィード」。 交通事故の保険金で帝国劇場の「レ・ミゼラブル」全公演に通い始めた私が出会った、劇場に暮らす「失敗係」の彼女。 お金持ちの老人が自分のためだけに屋敷の奥に建てた小さな劇場で、装飾用の役者として生活することになった私。 演じること、観ること、観られること。ステージの彼方と此方で生まれる特別な関係性を描き出す、極上の短編集。
  • 手のひらの幻獣
    2.7
    心の中に作り出した動物のイメージをあやつる異能力を持つ「表出者」の日野原柚月。十万人に一人といわれる彼らが集まる企業に勤めて早くも十年。孤独を感じながらも安定した日々を送っていた。そんなある日、できたばかりの新研究所を警備する業務を任される。しかしそこには表出者のパワーを増幅する禁断の存在が隠されていて……。日常化した非日常を緻密に描く“三崎ワールド”全開!
  • 手のひらの砂漠
    4.2
    この不幸は、いつまで続くのだろうか――。平凡な結婚生活の先に待っていたのは、思いもよらぬ夫からの暴力だった。シェルターからステップハウス、DVの被害女性だけで運営される自然農園……。離婚を経て、居場所を変えながら少しずつ自立を果たそうとあがく可穂子に、元夫・雄二の執拗な追跡の手が迫ってくる……。現代の闇に恋愛小説の女王が切り込む、衝撃のノンストップサスペンス!
  • テロリスト伝説
    -
    アラビア語、ヘブライ語に堪能な外交官が行先を隠して海外へ出た。謎を感じて追うルポ・ライターにいつしか死の匂いが……。(赤い星の伝説) リビアのカダフィ大佐会見記を目論むフリー・ライターが、ホテルにひそむ赤軍派テロリストと見られる男に日本語で話しかけたことから、アッラー神の怒りが……。(暗殺者の伝説) 激動する政治の背後で策動する男たちを描く迫真の国際ゲリラ・サスペンス。
  • テロリストの処方
    4.0
    医療費の高騰で病院に行けなくなる人が急増した日本。医療勝ち組と負け組に患者が二分され、同じく医師も高額な医療で破格の収入を得る勝ち組と、経営難に陥る負け組とに二極化。そんな中、勝ち組医師を狙ったテロが連続して発生する。現場には「豚ニ死ヲ」の言葉が残されていた。若くして全日本医師機構の総裁となった狩野のもとにも脅迫状が届く。医事評論家の浜川は、狩野に依頼され、テロへの関与が疑われる医師・塙の行方を探すことに。三人は医大時代の同級生だったのだが――。迫りくる日本の医療危機を予見する、戦慄の医療ミステリー。
  • 天気晴朗なれど
    3.0
    夫はバカバカしい発明に熱中し、手塩にかけた息子は、なんとホスト・クラブ勤め。娘は娘で妻子ある男と不倫の恋。ああ、今まで守り続けてきた我が家はいったい…!? 戦前から戦後にかけ、“家”への奉仕にあけくれた主婦の造反物語を、ユーモアとペーソスを折りまぜて描く!
  • 天空の城 竹田城最後の城主 赤松広英
    4.5
    雲海に浮かぶ姿から「天空の城」と呼ばれる竹田城。現在は石垣とわずかな遺構を残すのみだが、この城を完成させたのは赤松広英という武将だった。名門の家に生まれ、少年時代に家督を継いで以来、信長、秀吉、家康と続く戦乱の世を全力で生きた。その真摯な人柄ゆえ領民に愛されるも、三十九歳の若さでこの世を去った。あまり知られていない赤松広英の生涯を丹念に描きだした長編歴史小説。
  • 天才ハッカー安部響子と五分間の相棒
    4.1
    ネット上でのなりすましとカードの不正利用の被害に遭った肇。犯人探しの末に辿り着いたのは隣人の美女・安部響子だった。彼女に誘われ、ハッカー集団ラスクの一員として活動を始める肇。トラブルを放置する悪質企業を攻撃して謝罪と賠償を行わせる、世直しともいえる活動は世間の支持を集めるが、警察の捜査の手も迫り……。引きこもり美女と変わり者の青年が大金を狙う、スリリングな快作!
  • 天才ハッカー安部響子と2,048人の犯罪者たち
    4.0
    都内の高校に通う希美は、ロボットのような受け答えをする風変わりな同級生・佐野良子が気になって仕方ない。美人だが変人の彼女にちょっかいを出すうち、親しくなってゆく。良子は希美が持つパソコンに興味を抱き、部屋に入り浸るようになり──。インターネット黎明期、のちの天才ハッカーがいかに誕生したか、そして現代、彼女と次世代の天才の邂逅と活躍を描く、青春サイバーサスペンス。
  • 汚れた天使
    -
    1~6巻550円 (税込)
    <私>は大新聞社の横浜支局詰め記者。三十半ばを過ぎて独身。仕事はできるがちょっとニヒルな一匹狼。事件の取材で出会った女たちには、さまざまな<天使>の素顔がある……。表題作ほか6編収録。
  • 天使突抜おぼえ帖(集英社インターナショナル単行本)
    -
    物静かな風呂敷職人の父、引き揚げ者だけれども元気いっぱいの母、そして優しいお姉ちゃん。京都の下町に生まれた<むっちゃん>はご近所さんや幼稚園・学校の先生にかわいがられながら大きくなった。そんな彼女が何よりも好きだったのが木琴を弾くこと。野菜やお花を持ってきてくれる白川女のおばさんや、お隣の裁縫塾のお姉さんたち、そして若くしてこの世を去った愛しい教え子の小百合ちゃん……音楽家にして稀代のエッセイストが描く「天使突抜一丁目の人たち」のポートレイト!
  • 天使の卵 エンジェルス・エッグ
    4.0
    そのひとの横顔はあまりにも清冽で、凛としたたたずまいに満ちていた。19歳の予備校生の“僕”は、8歳年上の精神科医にひと目惚れ。高校時代のガールフレンド夏姫に後ろめたい気持ちはあったが、“僕”の心はもう誰にも止められない。第6回「小説すばる」新人賞受賞作品。みずみずしい感性で描かれた純愛小説として選考委員も絶賛したデビュー作。
  • 天使の柩
    4.1
    家にも学校にも居場所を見出せず、自分を愛せずにいる14歳の少女・茉莉。かつて最愛の人を亡くし、心に癒えない傷を抱き続けてきた画家・歩太。20歳年上の歩太と出会い、茉莉は生まれて初めて心安らぐ居場所を手にする。二人はともに「再生」への道を歩むが、幸福な時間はある事件によって大きく歪められ――。いま贈る、終わりにして始まりの物語。『天使の卵』から20年、ついに感動の最終章。
  • 天使の梯子
    4.0
    バイト先のカフェで耳にした懐かしい音。それはフルチンこと古幡慎一が高校時代に思いを寄せた先生、斎藤夏姫のものだった。8歳年上、29歳の夏姫に、どうしようもなく惹かれていくフルチン。だが、彼女は、体はひらいても心を見せてはくれない。10年前の「あの時」から夏姫の心には特別な男が棲んでいるのだから――。傷ついた心は再生するのか。愛は蘇るのか。それぞれの思いが交錯する物語。
  • 【電子特別版】天使の柩(天使の卵シリーズ)
    4.0
    「世の中がどんなにきみを責めても、きみの味方をするよ」14歳の少女・茉莉(まり)が出会った20歳年上の画家――その人の名は、歩太(あゆた)。望まれない子どもとして育ち、家にも学校にも居場所がないまま、自分を愛せずにいる少女・茉莉。かつて最愛の人・春妃(はるひ)を亡くし、心に癒えない傷を抱え続けてきた歩太。公園で襲われていた猫を助けようとして偶然出会った二人は、少しずつ距離を近づけていく。歩太、そして彼の友人の夏姫(なつき)や慎一との出会いに、初めて心安らぐ居場所を手にした茉莉だったが、二人の幸福な時間はある事件によって大きく歪められ――。『天使の卵』から20年、『天使の梯子(はしご)』から10年。いま贈る、終わりにして始まりの物語。 電子版のみ著者インタビューを収録!!
  • 天使の骨
    3.8
    ぼろぼろの守護天使たちがわたしにつきまとう……。人生のすべてをかけた劇団を失い、世捨て人のように暮らす劇作家ミチル。絶望の果てに、彼女は天使の幻覚を見るようになる。この天使たちを葬るために――。イスタンブールからリスボンへ、そしてパリへ。ヨーロッパを彷徨うミチル。再生の光は果たして見つかるのか? 魂の巡礼を鮮烈に描く青春小説の傑作。第6回朝日新人文学賞受賞作品。
  • 天神
    3.6
    1~5巻555~715円 (税込)
    絶対にファイター・パイロットになるんだ――。親子三代での戦闘機乗りを目指す航空学生出身の坂上陸(りく)と、防衛大学卒業後、国を守りたいという強い思いから航空自衛隊に入ったエリートの高岡速(はやり)。立場も考え方もまるで違う二人の青年の人生が交差するとき、心揺さぶられる熱いドラマが生まれる! 戦闘機に乗ることに憧れを抱き、夢に向かって突き進む若者たちを描いた壮大な“空”の物語。
  • 天帝妖狐
    4.0
    とある町で行き倒れそうになっていた謎の青年・夜木。彼は顔中に包帯を巻き、素顔を決して見せなかったが、助けてくれた純朴な少女・杏子とだけは心を通わせるようになる。しかし、そんな夜木を凶暴な事件が襲い、ついにその呪われた素顔を暴かれる時が…。表題作ほか、学校のトイレの落書きが引き起こす恐怖を描く「A MASKED BALL」を収録。
  • 天に堕ちる
    3.5
    騙されていると知りながらも、出張ホストに貢ぐ「りつ子」。男の都合に合わせ、ソープ嬢へと身を落としていく「茉莉」。中学生の男子生徒に密かな欲情を抱く養護教諭の「和美」。ありきたりの生活の中にある、小さな小さなくぼみ。わかっていて足を踏み入れるのか、気づかないうちに、穴が広がってすべり堕ちてしまうのか。一途に愛することの幸せ、そしてその代償。十人十色の愛のカタチを描く、傑作短編集。
  • 天に星 地に花 上
    3.8
    享保十三年、久留米藩領井上村。大庄屋、高松家の長男である甚八と次男の庄十郎は、父に連れられて訪れた善導寺で、何千と集まる人々の姿を目の当たりにする。「ようく見とけ。これが百姓の力ぞ」。藩主から言い渡された増税に抗議して集まる群衆。あわや一揆かと思われたそのとき、あるお達しが下り――。九州の田舎で飢餓と圧政に苦しむ百姓のために医者を志した少年の成長を描く歴史巨編。
  • 天然まんが家
    3.7
    デビュー作『遠い島影』から、『男一匹ガキ大将』の大ヒットをへて『俺の空』『硬派銀次郎』『サラリーマン金太郎』まで。つねに新しいジャンルに挑み、数々の名作を生み出してきた本宮ひろ志が、みずからの半生をはじめて明かす。“鬼オヤジ”との確執、身も心もぼろぼろになった恋、そして創作の苦悩と喜び。漫画にすべてをかけた男の熱き魂の自画像。巻末には北方謙三、大沢在昌との2本の対談を収録。
  • 天皇の料理番 上
    4.0
    1~2巻660~726円 (税込)
    小さいときから強情でいたずらっこだった篤蔵は、福井の大庄屋の次男坊。高等小学校の時、ひょんなことから鯖江連隊の田辺軍曹からご馳走になった〈カツレツ〉の味に仰天。彼の運命が大きく変わることに――。その後、家出同然に東京へ行き、西洋料理の世界に裸一貫で飛び込んでいく。明治生まれの若者が、日露戦争以降の東京で、激動の時代と共に、力強く成長していく立身出世の物語。
  • 天馬、翔ける 源義経 上
    4.0
    【第11回中山義秀文学賞受賞作】平安末期。平氏追討の決起を促す以仁王の令旨が兄弟の運命を変えた。奥州藤原氏の下に逼塞していた弟・義経、そして伊豆に流罪となっていた兄・頼朝。黄瀬川で対面を果たし、力を合わせて源氏再興を図る二人だったが、かたや類いまれな政略家、かたや知勇並びなき天才武人。兄弟の溝は深まる一方だった。源平合戦の固定観念を打ち破った歴史大作。風雲急を告げる波瀾の第1巻。
  • でいごの花の下に
    3.8
    プロのカメラマンだった恋人が、死をほのめかすメモと使いきりカメラを残して姿を消した。フリーライターの燿子は、彼の故郷・沖縄へと飛ぶ。青い空と海、太陽と風に包まれ愛した男を追いつづける。出会った人々それぞれの過去や今に触れながら、行方知れずの恋人の秘められた驚愕の真実を知っていく。燿子は失った愛を見つけられるのか。南の島で奏でられた生命の讃歌、濃密で一途な純愛小説。
  • できない男
    3.6
    芳野荘介28歳。彼女いない歴も28年。田圃と山しかない地元・夜越町で冴えない広告デザイナーをしている非リア充日本代表。一方、河合裕紀32歳。超一流クリエイター・南波仁志の右腕でありながら、独立や彼女との結婚には二の足を踏み続けていた。そんな真逆の二人が《夜越町農業王国》プロジェクトでチームを組むことに。迎えた人生の転換期、「できない男」たちが出した結論とは? 共感必至! 自分のダメさと向き合い成長する、頑張るアラサーのための青春小説!!
  • デクリネゾン
    3.7
    仕事、家庭、恋愛の全てが欲しい女たちとその家族的つながりを描いた最新長編小説。二度の離婚を経て、中学生の娘である理子と二人で暮らすシングルマザーの小説家、志絵。最近付き合い始めた大学生の蒼葉と一緒に暮らしたいと娘に告げるが――。恋愛する母たちの孤独と不安と欲望が、周囲の人々を巻き込んでいく。
  • デジモンアドベンチャー LAST EVOLUTION 絆 映画ノベライズ みらい文庫版
    -
    「選ばれし子どもたち」の1人である八神太一は、大学4年生になった今も将来を決めることができずに悩んでいた。そんな中、謎のデジモンによって「選ばれし子ども」の行方不明事件が多発する。アメリカでデジモン研究を進めているメノアが、その事件の解決のため太一たちに力を貸して欲しいとやってきて……。この事件の裏には一体なにが!?
  • デス・ゾーン 栗城史多のエベレスト劇場
    4.1
    両手の指9本を失いながら“七大陸最高峰単独無酸素”登頂を目指した登山家・栗城史多氏。エベレスト登頂をインターネットで生中継することを掲げ、SNS時代の寵児と称賛を受けた。しかし、8度目の挑戦となった2018年5月21日、滑落死。35歳だった。彼はなぜ凍傷で指を失ったあともエベレストに挑み続けたのか? 最後の挑戦に、登れるはずのない最難関のルートを選んだ理由は何だったのか? 滑落死は本当に事故だったのか? そして、彼は何者だったのか? 謎多き人気クライマーの心の内を、綿密な取材で解き明かした第18回開高健ノンフィクション賞受賞作!
  • 破壊屋 プロレス仕舞伝
    4.0
    造花が依頼の合図。リングで規律を乱す問題児を制裁する「掃除屋」という裏稼業を担うベテランプロレスラー藤戸。自身との試合で重傷を負った友の治療費のためという美談が周知のものとなり、今ではタレント扱い。満身創痍の彼がいつ誰と引退試合をするのかの憶測が飛び交う中、彼を騙る者が一般人を襲撃する事件が。そして意外な人物から裏の依頼も……。迫真の描写と圧巻の仕掛け。業界でも話題となった三部作待望の最終章。衝撃のラストに、あなたは震えを抑えられるか! 圧巻のプロレス小説を体感せよ!!
  • デッド・リミット
    -
    宅配便で届いたのは、誘拐された息子の指だった。母親は身代金の受け渡しに奔走するが、卑猥な写真を盗撮された女性教師、両親を監禁されたサラリーマン、小悪党の刑事らを巻き込み、事件は錯綜を極めていく。誘拐犯に踊らされる者たちの暴走は止まらない――。子供の命は、そして、全てを裏で操るコンダクターとは何者なのか。疾走感あふれる展開で衝撃の結末まで駆け抜ける、社会派サスペンス。
  • DEVIL'S DOOR
    3.0
    「マニピュレイテッド」と呼ばれる人型AIが自由に往来する近未来。自由都市サン・ハドクには、人とマニピュレイテッドと、そして悪魔が生きている。近年、悪魔が仕業の事件が多発し、一方で、人間によるマニピュレイテッド狩りが横行していた。マニピュレイテッドの射撃手・ユマは、聖書型の悪魔アグリとともに、悪魔祓いを生業としている。ある日、二人のもとにシオリという女性シンガーの護衛依頼が舞い込み……。人の心を理解し始めるAIと、人の魂を堕落せさようとする悪魔…二人の冒険が始まる!
  • でも女
    3.5
    「でも…」「でも―」と、何でも欠点を見つけ否定する一流好みのオザワさん。そんな彼女がフツーの店での飲み会に行ったから大変!(「でも女」)小学校で、中学校で、高校で、大学で、大人になって……幾つになってもついてまわる女同士のしがらみを、明るく描く女の友情物語10編。
  • デモクラシー
    3.4
    「あなたは今日から議員です」 202×年、日本の政治システムは一変していた。 憲法は改正され、20歳以上の国民から合計1000人の「国民議員」がランダムに選出され、総理大臣は直接選挙で選ばれる。国会は解散し、「国民議会」(二院制)を新たに結成。議会は完全オンラインで行われ、議員の任期は4年、年間報酬500万円、基本再選はなし。専用のデバイスを支給され、議員としての活動は全てオープンに。さらに、国民は常にそれらを確認、監視できるようになっていた。 突然議員に選ばれた大学生の混乱、直接選挙で選ばれた新首相の苦悩、国民議員の不正を監視する機関「国民議員調査委員会」の危うさ、一気に権限が大きくなった官僚、現首相と旧政治体制に固執する都知事らの政権争い…… 有り得るかもしれない「未来」を描く実験的政治小説。堂場瞬一の新境地!
  • 田園発 港行き自転車 上
    3.9
    1~2巻759円 (税込)
    滑川駅で父が突然亡くなった。駅前には一台の自転車が取り残されていた。父は、宮崎へ出張に行ったはずなのに、なぜ――。十五年後、絵本作家になった娘・真帆は父の足跡を辿り富山へと向かった。一方、東京で働いていた千春は、都会での生活に疲れ故郷へと戻る。そこで年下の従弟・佑樹と入善の町に広がる田園風景に癒されていく。富山・京都・東京、三都市の家族の運命が静かに交差する物語。
  • 伝記シリーズ 愛をつたえる人 ナイチンゲール/ヘレン・ケラー/マザー・テレサ
    5.0
    ナイチンゲール、ヘレン・ケラー、マザー・テレサ――世界中で愛され、尊敬されつづけている女性たちです。彼女たちは、どういう子どもだったのでしょう。そして、なぜあのように、人のためにつくすという、すばらしい仕事をすることになったのでしょうか……。3人の、愛に満ちた人生を、1冊で読むことができる、新しい伝記物語です。【もくじ】フローレンス・ナイチンゲール 看護師をりっぱな仕事として広めた人/ヘレン・ケラー 目や耳の不自由な人のために行動した人/マザー・テレサ 貧しい人を助けることに一生をささげた人/あとがき/参考図書一覧/愛をつたえる人 地図
  • 伝記シリーズ 明智光秀 なぜ、本能寺へむかったのか――?
    3.0
    戦国時代、あの織田信長を殺した人物。明智光秀と言えば「本能寺の変」を起こした人として有名です。しかしながら、明智光秀は、どんな人物だったのか。なにを求めて生きようとしていたのか。そして、なぜ、本能寺へむかったのか……? 知られざる彼の一生にせまります!【目次】おもな登場人物/まえがき/第一章 地図/第一章 世に出るまで/コラム 戦国時代とは/第二章 地図/第二章 越前から/コラム 光秀ゆかりの人々/第三章 地図/第三章 信長の家来に/コラム ライバル、秀吉/第四章 地図/第四章 一国一城の主/コラム 領主としての光秀/第五章 地図/第五章 信長の右腕に/コラム 本能寺の変をめぐる諸説/第六章 地図/第六章 本能寺の変/コラム 光秀の最期と生存伝説/『明智光秀』年表/あとがき/参考文献
  • 伝記シリーズ 大江戸ヒーローズ!! 宮本武蔵・大石内蔵助……信じる道を走りぬいた7人!
    -
    1603年、徳川家康が江戸に幕府をひらいてから265年間つづいた、戦乱のほとんどない江戸時代。そんな天下泰平の世で、自らの信念をつらぬき、人々の記憶に残る生き方をした7人がいます。宮本武蔵、天草四郎、徳川光圀、大石(内蔵助)良雄、大岡忠相、長谷川平蔵、大塩平八郎……現代でも、時代劇などで親しまれている彼らの、ほんとうの姿とは? 赤穂浪士四十七士全員のミニエピソードも紹介! 【目次】まえがき~本書の構成~/年表/地図/ひたすらに、道を求めて。 宮本武蔵/信じる者を救いたい! 天草四郎/ほんとうの、文武両道を。 徳川光圀/亡き殿の、名誉のために。 大石(内蔵助)良雄/世のため、人のため。 大岡忠相/町を守り、人を正す。 長谷川平蔵/正義を、つらぬけ! 大塩平八郎/あとがき/参考文献
  • 伝記シリーズ 西郷隆盛 信念をつらぬいた維新のヒーロー
    -
    江戸時代末期、薩摩藩に生まれた西郷隆盛。二度の島流しのあと、藩の指導者になった隆盛は、日本の進むべき道をさがし、新政府を立ち上げ、中心となって活躍しました。しかし、意見のちがいから、故郷へ帰り、若者のために力を注いでいたときに運命を変えるできごとが……。やさしさと正義感にあふれ、ひたむきに生きた西郷どん51年の人生にせまります!
  • 伝記シリーズ 戦国の天下人 信長・秀吉・家康
    -
    今からおよそ400年前、「戦国の世」と呼ばれた時代に、織田信長、豊臣秀吉、徳川家康という、天下をめざす3人の武将がいました。炎のようにはげしく生きた信長、風のように出世の道を駆けあがった秀吉、一歩一歩着実に天下とりへの道を進んだ家康――。彼らはどんな少年時代を過ごし、どのような大人になったのでしょう。3人の人生が1冊で読める、新しい伝記物語です。【もくじ】まえがき/炎の英雄 信長/風の覇王 秀吉/道の将軍 家康/織田信長 年表/豊臣秀吉 年表/徳川家康 年表/全体地図/全体年表/参考図書一覧
  • 伝記シリーズ 戦国ヒーローズ!! 天下をめざした8人の武将-信玄・謙信から幸村・政宗まで
    5.0
    今から400~500年ほど前の日本では、力を持っている多くの武将たちが、自らの勢力を拡大しようと各地で戦いをくりひろげていました。運命のライバル、信玄と謙信。「ふつう」でない生き方をした信長。その家臣として光と影のように存在した秀吉と光秀。天下を手にした家康。家康に果敢にいどんだ幸村。先人たちに多くを学んだ政宗。戦国時代を熱く生きた8人の武将の人生を、一冊で!【もくじ】まえがき~本書の構成~/年表/地図/情けは味方! 武田信玄/悩むほど、強くなれる。 上杉謙信/「ふつう」を捨てろ! 織田信長/ひたすら、ひたすら。 明智光秀/人の心に入り込め! 豊臣秀吉/耐える強さを……。 徳川家康/つなぐ名前、残す名誉。 真田幸村/心の目で見よ! 伊達政宗/あとがき/参考文献
  • 伝記シリーズ 千年前から人気作家! 清少納言と紫式部
    5.0
    「春はあけぼの(春は、明け方がいちばんステキよね!?)」……とても有名なこの一文ではじまる『枕草子』を書いた清少納言。光源氏という超イケメン☆が主人公の長編小説『源氏物語』の作者・紫式部。千年以上も前に生まれた彼女たちは、どのような人生を送り、これらの傑作をのこしたのでしょうか。清少納言と紫式部が、まるで21世紀によみがえったように語りかけてくる、新しい感覚の伝記です! 【目次】人物紹介と関係図/はじめに――千年の時空を越える、二人の女性作家の世界――/元祖! 人気エッセイスト 清少納言/世界一のロングセラー作家!? 紫式部/年表 清少納言・紫式部とその周辺/あとがき&ブックガイド
  • 伝記シリーズ 天才! 織田信長 戦国最強ヒーローのすべて
    -
    戦国時代、尾張の小大名に生まれた織田信長は、うつけ(バカ者)と呼ばれながらも、並はずれた行動力と斬新な発想力を駆使してつぎつぎに周囲の敵を撃破。ついに天下を手にするところまでのぼりつめる…! 第一章「信長伝記物語」第二章「信長の、びっくり!なるほど!エピソード集」第三章「信長のまわりの個性的な人たち」第四章「信長が挑んだ戦いと住んだ城」……いろんな角度から、戦国の人気ナンバー1武将・信長を知ることのできる最強の一冊。
  • 伝記シリーズ 徳川15人の将軍たち
    5.0
    はげしい戦国の世を勝ちぬいた徳川家康が、江戸に幕府をひらいたのは、1603年。以後265年間、徳川家の将軍たちは、15代にわたって日本の権力の頂点に立ちつづけ、まつりごとを行いました。家康、秀忠、家光、家綱、綱吉、家宣、家継、吉宗、家重、家治、家斉、家慶、家定、家茂、慶喜――平和で、多彩な文化が花ひらいた江戸時代をきずきあげた、個性あふれる15人の将軍たちの人生を、一冊にまとめました!【もくじ】はじめに/系図/年表/第一章 家康・秀忠・家光(初代~第三代)江戸幕府の基礎をかためた将軍たち/第二章 家綱・綱吉・家宣・家継(第四代~第七代)江戸文化が花ひらいた時代の将軍たち/第三章 吉宗・家重・家治・家斉(第八代~第十一代)改革の時代の将軍たち/第四章 家慶・家定・家茂・慶喜(第十二代~第十五代)開国に向かった時代の将軍たち/歴史用語解説/地図/あとがき/参考文献
  • 伝記シリーズ 幕末ヒーローズ!! 坂本龍馬・西郷隆盛……日本の夜明けをささえた8人!
    -
    今から150年ほど前の日本では、長くつづいた徳川幕府により政治が、うまくいかなくなっていました。そして、日本の各地に、「国をもっとよくしたい!」と考える人たちがたくさんあらわれます。この本では、その中から西郷隆盛、木戸孝允(桂小五郎)、坂本龍馬、吉田松陰、勝海舟、近藤勇、緒方洪庵、中浜(ジョン)万次郎の8人を選び、その人生をご紹介します! 幕末から明治にかけての激動の時代……彼らが成し遂げたこととは!? 【目次】まえがき~本書の構成~/この本に出てくる藩/年表/地図/弱い者いじめは、しない。 西郷隆盛/目標は、あきらめない。 木戸孝允(桂小五郎)/何ものにも、とらわれない。 坂本龍馬/志を、次の世代へ。 吉田松陰/海を守り、国を開く。 勝 海舟/最後まで、武士の心。 近藤 勇/日本の、医学のために。 緒方洪庵/流れに、負けない。 中浜万次郎(ジョン万次郎)/あとがき/参考文献
  • 電子改訂版 沖縄からはじまる
    5.0
    1996年から98年にかけて、当時の沖縄県知事・大田昌秀と、沖縄に移住した作家・池澤夏樹が数回にわたり対談をおこなった。「平和の礎」を建設し、米軍基地問題に真正面から取り組んだ大田知事は、自身の戦争体験を語り、沖縄の歴史をひもとき、現状を憂い、将来を見据え、対話は多岐にわたった。これはその全記録である。しかし、その後の選挙で大田は敗れ、沖縄は大きな揺り戻しに翻弄された。それから四半世紀近くが過ぎても、沖縄のおかれた状況は変わらず、更に悪化さえしている。当時、日本政府の中にもわずかに残っていた良識は消え、いまや目を覆うばかりの劣化と抑圧が日々進んでいる。それ故にこの対話はまったく古びることなく、逆に時間とともに叡智の光を放ち始めているのだ。沖縄が生んだ希有な文人政治家と、マージナルな場所から日本を見つめ続ける作家が平明な言葉で語り合う。民主主義とは何か。沖縄とは何か。沖縄の問題とは何か。そして、なぜいまだ解決していないのか。沖縄と日本が直面するアクチュアルな課題を理解するのに最適な一冊であり、いまこそ読み直されるべき貴重な言葉の宝庫である。こうした言葉の力なくして真の民主主義は手に入らない。この国の民主化は「沖縄からはじまる」のだ。電子化に際し、2016年におこなわれた最後の対話を特別に収録した。その1年後に大田昌秀は世を去った。
  • 【電子特別カラー版】恋するソマリア
    4.3
    台所から戦場まで! 世界一危険なエリアの正体見たり!! アフリカ、ソマリ社会に夢中になった著者を待ち受けていたのは、手料理とロケット弾だった……。『謎の独立国家ソマリランド』の著者が贈る、前人未踏の片想い暴走ノンフィクション。講談社ノンフィクション賞受賞第一作。“世界最大の秘境民族”、ソマリ人の核心部へDIVE! 電子版には紙書籍未収録のカラー写真を追加収録!!
  • 【電子特別版】少女か小説か
    4.0
    卒業式の日、誰もいなくなった教室で、制服を脱ぐときが訪れた少女と男性教師が「恋」について交わす会話のゆくえは……。(「セーラー服を脱がないで」)ほか、“トラウマテクノポップ”バンド・アーバンギャルドのリーダー松永天馬が描きだす「少女」たちの物語。病的にポップ。痛いほどガーリー。アーバンギャルドの代表曲をモチーフにした短編小説12編を収録した短編集。電子版には宮崎夏次系イラスト集を収録。
  • 【電子特別版】ゼロ! 熊本市動物愛護センター10年の闘い
    4.4
    飼い主に見捨てられ、行き場をなくした犬や猫が、保健所で悲惨な死をむかえる―。ペットブームにひそむ現状を「しかたがない」で終わらせず、「殺処分ゼロ」を目標に立ち上がった熊本市動物愛護センター。無責任な飼い主に対する職員たちの奮闘が始まった。決して夢物語ではないことを十年がかりで証明した、彼ら独自の取り組みとは? “闘う公務員”たちを追う、リアルストーリー。電子版には「熊本市動物愛護センター日々の風景」として写真を追加収録。
  • 電車で行こう! 新幹線を追いかけろ
    4.2
    電車大好きな小学生が集まり、とあるグループが結成された。その名は、「トレイン・トラベル・チーム」! メンバーの雄太たちは、初めての旅行に出かけようとしたものの、駅構内で事件に遭遇してしまう。初めてのミッションは、数十本ある新幹線の中から、たった一人の乗客を見つけること!? タイミリミットは二時間! 時刻表や路線図をフル活用して、人探しに挑戦だ!
  • 電線一本で世界を救う
    5.0
    オーディオマニアなら知っている電線(ケーブル)の重要性。敏感なマニアたちは電線の特性が音に大きな影響を与えることを熟知している。オーディオ機器メーカー代表の著者は、ある日、音響的に優れた自作の電線を自動車の内部配線に応用することを思いつく。結果、自動車の排ガスから一酸化炭素、窒素酸化物などの汚染物質が大幅に除去できたのだ。自然環境保全に大きな可能性を拓くこの技術を発想した、街の発明家の苦闘とは?【目次】序章 電線一本で世界が変わる/第一章 新しい電線、銀線とは何か/第二章 自動車と銀の電線/第三章 静電気と電磁波と銀線と/第四章 街角技術者、闘う/第五章 オーディオマニアの世界/第六章 世界に広がる銀線/終章 未来にむけて/おわりに――工作好きな子供はどこへいった
  • 電力と国家
    3.7
    軍部と革新官僚が手を結び、電力の国家統制が進んだ戦前、「官吏は人間のクズである」と言い放って徹底抗戦した“電力の鬼”松永安左エ門、「原爆の先例を受けている日本人が、あんな悪魔のような代物を受け入れてはならない」と原発に反対した木川田一隆など、かつて電力会社には独立自尊の精神を尊び、命を賭して企業の社会的責任を果たそうとする経営者がいた。フクシマの惨劇を目の当たりにした今こそ、我々は明治以来、「民vs.官」の対立軸で繰り返されてきた電力をめぐる暗闘の歴史を徹底検証し、電力を「私益」から解き放たねばならない。この国に「パブリックの精神」を取り戻すところから、電力の明日を考える。【目次】はじめに 電力を「私益」から解き放つために/第一章 国家管理という悪夢――国策に取り込まれた電力事業/第二章 誰が電力を制するのか――「鬼の棲み家」で始まった民の逆襲/第三章 九電力体制、その驕りと失敗――失われた「企業の社会的責任」/おわりに 試される新たな対立軸
  • トイレは小説より奇なり
    3.9
    使用するトイレットペーパーの適切な長さとは? 女性がトイレの水を二度流しする心理とは? デートの時トイレに行くタイミングは? 等々、誰もがお世話になるトイレにまつわるウンチク豊富なお話しのあれこれを披露。他に、イマドキのワカモノの言葉を解説する「青年の単語帳」とコラムニストの歳時記「春夏秋冬いとをかし」を収録。タメになって、シミジミおかしい強力エッセイ3連発。
  • 闘鬼 斎藤一
    3.5
    なぜ彼はそこまで“闘い”に心酔し、鬼と化したのか。十代の終わり、些細な喧嘩から人を殺めた斎藤一は、斬る悦びに目覚め、誰もが恐れる新選組最強の剣士となった──。命懸けで仕掛けた芹沢鴨暗殺や池田屋襲撃など、血なまぐさい事件を重ねてきながら激動の幕末を駆け続けた男の生き様。息を呑む展開、手に汗握る剣戟場面、胸を震わせる結末。注目の正統派時代作家による、渾身の長編。
  • 東京―旭川殺人ルート(十津川警部シリーズ)
    3.0
    十津川警部の部下の西本刑事が、突然若い女に声をかけられた。怪しい男につけられているので、自宅まで送って欲しいというのだ。半月前、同じマンションの女が殺され、その頃痴漢騒ぎもあったという。十津川はセキュリティシステムの万全なマンションの構造とその女の行動に不審を抱く。やがて女も事件に巻き込まれ……。謎解明の為、警部北海道へ! 大好評十津川警部シリーズ3篇を収録。
  • 東京エレジー 居酒屋十二景
    3.0
    “居酒屋の達人”太田和彦が春夏秋冬、東京の街を散策。田端、浅草、銀座、新宿、麻布、下北沢――その街での出会いや発見、街への愛着や思い出を描いていく。そして、一杯。居酒屋探訪30年の新境地!【目次】春・田端/夏・浅草/秋・阿佐谷/冬・新宿/春・湯島/夏・銀座/秋・日暮里/冬・麻布/春・下北沢/夏・佃/秋・神保町/冬・千駄ヶ谷/松本――東京前史/あとがき
  • 東京観光
    3.8
    アパートの水漏れがきっかけで、下の階に住む男と親しくなったあかり。男はある日、奇妙な相談を持ちかける。「俺と、部屋を交換しない?」(「天井の刺青」)。街のあちこちに灰色の公衆電話が存在していた、あの時代。初めて東京を訪れた私が泊まったホテルの部屋には、なぜか外国人女性が住んでいて……(「東京観光」)。不思議で、ユーモラスで、じんわり染みる。直木賞作家が贈る、味わい深い七つの物語。
  • 東京藝大 仏さま研究室
    4.2
    2浪、3浪は当たり前、時には10浪以上の学生も……。パンダと桜で賑わう上野公園に隣接する東京藝術大学。通っている学生も教授も少し変わった人ばかり。そんな東京藝大で、仏像の保存について研究する通称「仏さま研究室」の修了課題は、なかなか過酷で学生泣かせだ。様々な思いを抱え、真心を込めながらも、「模刻」に悪戦苦闘する学生たちを描く、クスっと笑えてグっとくる青春ストーリー。
  • 東京自叙伝
    3.8
    【第50回谷崎潤一郎賞受賞作】舞台は東京。地中に潜む「地霊」が、歴史の暗黒面を生きたネズミや人間に憑依して、自らの来歴を軽妙洒脱に語り出す。唯一無二の原理は「なるようにしかならぬ」。明治維新、第二次世界大戦、バブル崩壊から福島第一原発事故まで……首都・東京に暗躍した、「地霊」の無責任一代記! 史実の裏側で、滅亡へ向かう東京を予言する。果てしないスケールで描かれた第50回谷崎潤一郎賞受賞作。
  • 東京上空500メートルの罠(十津川警部シリーズ)
    -
    埼玉の飛行場から、有名人の招待客7名を乗せて東京遊覧に飛び立った世界最大の飛行船ツェッペリンNTワン号が、ハイジャックされた。ゴンドラ下に爆弾を仕掛けたという犯人は、一人3000万円の身代金を要求。十津川警部は、犯人のたび重なる要求に翻弄されながらも、人質を守ろうと飛行船を追跡するが……。大都会東京の上空500メートルの攻防! 意想外の難事件に挑む十津川警部の活躍。
  • 東京零年
    3.8
    介護施設に入所中の父を支え懸命に働く亜紀と、権力者の父の元で安穏と暮らす健司。二人の偶然の出会いと、亜紀の父浩介が偶然テレビに映った「死んだはずの男」湯浅を見たことから、運命は動き始める。十数年前の湯浅の死に父の重治が関わっていたと知った健司は、亜紀と事件の真相を追うが、二人の前に公権力の壁が立ち塞がり……。今の世に問う、渾身の社会派サスペンス! 第50回吉川英治文学賞受賞作!
  • 東京大学で世界文学を学ぶ
    3.7
    小説はいつの時代も、いたるところで書かれてきた。古くは神話から始まり聖書へ、日本では漢語の輸入から文学の成熟へ。『ドン・キホーテ』、『ボヴァリー夫人』、『白痴』など、世界の名作を細部まで読み解き、物語の歴史を考察することで、小説の誕生からその構造や手法、作品同士の繋がりまでを面白く丁寧に解説する。現役東大生が熱中した特別講義を完全収録した究極の“世界文学”読本。
  • 東京大洪水
    3.9
    大型台風23号が接近。東京上陸はないとの気象庁発表。が、日本防災研究センターの玉城はコンピュータ・シミュレーションで24号と23号が合体、未曾有の巨大台風となって首都圏を直撃することを予知。要請により荒川防災の現場に入る玉城。設計担当者として建設中の超高層マンションに籠もる妻・恵子。残された子どもたち。ひとつの家族模様を軸に空前の規模で東京水没の危機を描く渾身の災害小説。
  • 東京ディール協奏曲
    3.0
    この世界、動けるものが勝つんだよね。東京、香港、ドバイ、ニューヨーク――。巨大資本の間隙を縫ってマネーの魔術師が疾走する! 現役の実業家が圧倒的なリアリティで描く、新時代の企業買収エンターテイメント。「電子化にあたっての追記」も収録。【著者紹介】塩野誠(しおの まこと)…ゴールドマン・サックス証券、ベイン&カンパニー、ライブドア証券(取締役副社長)等にて国内外の事業戦略立案・実行、資金調達、M&A、投資に従事。テレコム・メディア・テクノロジー業界を中心にベンチャーから企業再生までを経験。IGPI参画後は、大手メーカーの資金調達、エンターテインメント企業のM&A、大手テレコム企業のクロスボーダーM&A、事業開発等に従事。慶應義塾大学法学部卒、ワシントン大学ロースクール法学修士 。※この本は2007年に栗山誠名義で出版されましたが、電子化にあたり著者名を本名に変更しています。
  • 東京デザート物語
    3.3
    地方から上京し女子大生になった朱子は、料理研究家の叔母の家に寄宿する。朱子の毎日は刺激の連続で、ひょんなことから女性誌の読者モデルに選ばれ、彼女の生活は一変する。そして秘密の恋も始まる。叔母さんのデザートレシピとアドバイスで、朱子は素敵な恋愛レッスンを積んでゆく。恋愛長編小説。デザートのレシピも一部ついています(文庫版から一部割愛)。
  • 東京物語
    3.6
    1978年4月。18歳の久雄は、エリック・クラプトンもトム・ウェイツも素通りする退屈な町を飛び出し、上京する。キャンディーズ解散、ジョン・レノン殺害、幻の名古屋オリンピック、ベルリンの壁崩壊……。バブル景気に向かう時代の波にもまれ、戸惑いながらも少しずつ大人になっていく久雄。。80年代の東京を舞台に、誰もが通り過ぎてきた「あの頃」を鮮やかに描きだす、まぶしくて切ない青春グラフィティ。
  • 東京ロンダリング
    3.6
    1~2巻451~814円 (税込)
    内田りさ子、32歳。訳あって夫と離婚し、戻る家をなくした彼女は、都内の事故物件を一ヶ月ごとに転々とするという、一風変わった仕事を始める。人付き合いを煩わしく思い、孤独で無気力な日々を過ごすりさ子だったが、身一つで移り住んだ先々で出会う人人とのやりとりが、次第に彼女の心を溶かしてゆく――。東京の賃貸物件をロンダリング〈浄化〉する女性の、心温まる人生再生の物語。
  • 凍結捜査
    3.8
    北海道大沼で雪の中から、平田という男の射殺体が発見された。函館中央署の保井凜は、平田に暴行されたと被害届が出ていたことを思い出す。早速、被害者の珠希を訪ねると、姿を晦ましていた。進展なく迎えた初夏、東京で女の射殺体が発見される。凜は、警視庁の神谷と捜査を進めていくが……。連続殺人の狙いは金か怨恨か? 巧妙に計画された重大犯罪に熱き刑事魂の捜査チームが挑む。待望の「検証捜査」兄弟編。
  • 桃源
    3.9
    六百万円を持ち逃げした比嘉の行方を追うこととなった大阪府警泉尾署の刑事、新垣と上坂。二人が辿り着いたのは、沖縄近海に沈む中国船から美術品を引き上げるという大掛かりなトレジャーハントへの出資詐欺だった。遺骨収集、景徳鎮、クルーザーチャーター。様々な情報と思惑が錯綜するなか、真実はどこに向かうのか。過去作に登場した上坂が組んだ相方は沖縄出身の色男・新垣。新結成の警察コンビが事件の謎に迫る。新たな正統派警察捜査小説シリーズ、ここに誕生!
  • 倒錯の庭
    3.3
    電灯を消した仄暗い部屋の中で、私は今、竹彦と一緒にキノコを食べている。ヌメリイグチという名の、黄色い湿ったキノコだ。(「倒錯の庭」) 恋という病に憑かれた男と、溺れゆく女の、頽廃と官能に満ちた恐怖世界を描く表題作の他、人の心に巣くう危うく妖しい欲望に取材した3つの中編を収録。精密な筆致で描きだす人間心理の襞。サイコ・サスペンス集。
  • 闘神伝説 1
    4.3
    1~4巻495円 (税込)
    パキスタンとアフガニスタンの国境付近で、映像プロデューサーの笹目京介は、銃創を負った少年を助ける。日本語を話し、タケルと名乗る少年は、名前以外のすべての記憶を失っていた。好奇心に駆られた笹目はタケルを伴って帰国し、駒引神社の宮司である八神家に預ける。だが、笹目は自分たちを尾行してきた三人の男の存在に気づいてなかった――壮大なスケールで展開するアクション・ロマン。
  • 逃走中 オリジナルストーリー 参加者は小学生!? 渋谷の街を逃げまくれ!
    3.0
    気がつくと渋谷にいた小6の陽人達。明らかに様子がおかしいと混乱しているなか、突如真っ暗だった大型ビジョンに【『逃走中』参加者のみなさまへ】の文字! そしてゲームマスター月村サトシの姿が。『60分間、逃走に成功すれば60万円がきみのものになる』突然【逃走中】のゲームに参加することになった陽人達は果たして逃げ切る事ができるのか!? ハラハラドキドキ! 決死のサバイバルゲームが今始まる!!
  • 灯台からの響き
    3.9
    板橋の商店街で、父の代から続く中華そば屋を営む康平は、一緒に店を切り盛りしてきた妻を急病で失って、長い間休業していた。ある日、分厚い本の間から、妻宛ての古いはがきを見つける。30年前の日付が記されたはがきには、海辺の地図らしい線画と数行の文章が添えられていた。差出人は大学生の小坂真砂雄。記憶をたどるうちに、当時30歳だった妻が「見知らぬ人からはがきが届いた」と言っていたことを思い出す。なぜ妻はこれを大事にとっていたのか、そしてなぜ康平の蔵書に挟んでおいたのか。妻の知られざる過去を探して、康平は旅に出る――。市井の人々の姿を通じて、人生の尊さを伝える傑作長編。
  • 凍土の狩人
    2.5
    漆原院長夫妻は、浪人中の息子の性欲処理のため、女性を誘拐する。だが、誘拐した松葉尚子を誤って殺害。スキャンダルを恐れて隠蔽をはかるが、なぜか死体が消えてしまう。一方、尚子の兄・潤一の妻が、多摩川で殺害される。刑事たちは、小さな糸口から二つの事件の繋がりを見つけ真相に迫っていくが……。性、金銭、名誉で心を満たすエリート。大都会の人間たちの激しい欲望と滑稽さを描くミステリー。
  • 蝶舞う館(東南アジア5部作)
    3.0
    ベトナム解放三十周年記念番組の収録中、日本の女性タレントが行方不明になった。番組関係者のもとに届いたのは、不当な弾圧を受ける少数民族モンタニャールの名を冠した組織からの犯行声明だった。不可解な要求にとまどいつつも救出に向かう男たち。だが、武装蜂起の予兆と見た公安部が組織壊滅に動き出し、凄絶な民族紛争に巻き込まれていく――。東南アジア5部作の掉尾を飾る傑作長編。
  • 透明人間はキスをしない
    -
    将来に可能性が感じられず、自分が存在しないみたいに思えた高校三年生の冬。俺は風逢(ふわ)に出会った。冬の神戸、三宮。確かにそこにいるのに、俺以外には見えない透明人間。不自由の中で生きる俺は、自由に生きる風逢に惹かれていった。現れては消える少女に導かれ、俺の人生は静かに動き出していく――。消えゆく君との出逢いから始まる、真冬の青春ストーリー!
  • 透明人間は204号室の夢を見る
    3.4
    コミュニケーション能力皆無の実緒は、高校3年生の時、ある出版社の小説の新人賞を受賞する。ペンネームは「佐原澪」。デビュー当時は話題になったが、6年経った今、佐原澪の名前を覚えている人間は少ない。実緒はデビュー以降、スランプに陥り一作も小説を書けなくなっていた。自分のデビュー作が未だに置かれている書店へ行っては、誰か手に取らないかと監視する日々。するとある日、実緒の本を手に取る大学生風の男の姿を確認する。思わずあとをつけ、彼の家を特定する。部屋の番号を確認し、ポストに手を突っこみ郵便物を抜き取ると、そこには大学からの封筒と彼の名前・春臣の文字が。それからというもの、今まで一行も書けなかったことが嘘のように、実緒は春臣のことを連想した小説を書くようになる。その小説を春臣のポストに投函することで実緒は満足感を得ていた。ひょんなことから実緒は春臣の恋人と仲良くなるが――。第三十七回すばる文学賞受賞第一作。
  • 凍夜
    3.5
    高校卒業以来、20年ぶりの帰郷だった。鶴巻秀人、39歳、バツイチ。同窓会の懐かしい顔ぶれは、彼の中で風化していた記憶を呼び起こす。たまり場での仲間との会話、憧れの美人教師、初めて抱いた女の子のぬくもり、そして、夢。「俺、小説家になりたいんだ」。氷点下の夜、骨まで凍みる冷気に震えながらも希望に燃えていた1977年、冬、18歳の思い出――。二度と帰らぬ日々を鮮烈に描く青春小説の傑作。
  • 遠い背中 おいしいコーヒーのいれ方 VI
    3.6
    大人気の「おいしいコーヒーのいれ方」シリーズ第6弾。花村の叔母夫婦がついにロンドンから戻ってくる。勝利はかれんとふたりだけになれる場所を確保するために、周囲を説得して、ひとり暮らしを決意する。男としての強さ、優しさに、磨きをかけるためにも。なのに、かれんは近いようで遠くて。ふたりの甘く切ない恋の行方がますます気になる…。
  • 遠き落日 上
    4.2
    1~2巻605円 (税込)
    【吉川英治文学賞受賞作】1876年猪苗代湖の貧農の家に生まれた野口英世は、母シカから受けついだ天性の忍耐力で肉体的なハンデを乗り越え、医学への道をめざす。周囲の援助で21歳で上京。北里研究所を経て、横浜海港検疫所、ペスト防疫のための清国行き、同郷の山内ヨネ子への恋の破綻。やがてアメリカに渡っての研究生活。若き無名時代の苦闘の日々――。人間野口英世の生命力あふれる半生を赤裸に描く伝記小説。
  • 遠の眠りの
    3.6
    大正末期、貧しい農家に生まれた少女・絵子は、農作業の合間に本を読むのが生きがいだったが、女学校に進むことは到底叶わず、家を追い出されて女工として働いていた。ある日、市内に初めて開業した百貨店「えびす屋」に足を踏み入れ、ひょんなことから支配人と出会う。えびす屋では付属の劇場のため「少女歌劇団」の団員を募集していて、絵子は「お話係」として雇ってもらうことになった。ひときわ輝くキヨという娘役と仲良くなるが、実は、彼女は男の子であることを隠していて――。福井市にかつて実在した百貨店の「少女歌劇部」に着想を得て、一途に生きる少女の自我の目覚めと、戦争に傾く時代を描く長編小説。
  • 咎人のシジル
    -
    美貌の青年・藍沢結人は、ひとつの街でひとつの恋しかしないと決めていた。なぜなら、恋をした相手の首に縄をかけ吊るすことを最大の愛情表現だとしているから。このあかつき町でもひとりの劇団員の女性を自殺にみせかけて吊るしたので、別の街へ移ろうと考え…? 連続殺人者と犯罪被害者家族たちが入り乱れ、誰もが傷つけ傷つけられる復讐の因果が回り始める!
  • 時々、慈父になる。
    3.8
    1983年5月、『優しいサヨクのための嬉遊曲』から40年。 いつまでも自分が主役だと思うなよ。 毀誉褒貶を顧みない作風で時代を駆け抜けた作家による、 デビュー40周年記念の自伝的父子小説。 第一部「父親の変わり身」 第二部「親バカでない親はいない」 第三部「運命なんて愛したくない」 第四部「後のことはおまえに任せた」 時は1991年、島田雅彦30歳。バブルは崩壊したとは言え、執筆の他にも世界中を旅する仕事が続く中、妻の妊娠が判明する。夫は、子育てに適した新居を探し、子どもの名前を考える。「永遠に実現しない希望」を意味する弥勒菩薩からミロクと名付け、生後間もない頃から世界中へと連れ回し、家族の記憶はいつも旅の記憶。自由奔放に子どもを育てたいと思いながらも、お受験へ。入園式当日に朝帰りをしたのは、父だったからか、作家だったからか。息子が生まれ、世界が一変したはずの作家による自伝的父子小説。
  • 徳川最後の将軍 慶喜の本心
    4.4
    御三家水戸藩に生まれた徳川慶喜は、美男子で文武に秀でていた。一橋家養子となると、名君の資質を見込まれ次期将軍に推される。だが、出世欲がなく、黒船来航からの国難に対処して欲しいとの要望を初めは拒む。開国を迫る世界情勢を鑑み、諸外国から日本を護りたいとは思うが……。最後に将軍となり、最悪の評価を覚悟して最良を模索し続けた慶喜。溺れる国の未来を拓いた男の真意とは! 歴史小説。
  • 特殊害虫から日本を救え
    NEW
    -
    日本の食を守るための、 想像を絶する戦いの記録。 数十年前まで、九州以北では南西諸島で採れる農作物の多くを食べることができなかった。 当時、ウリ類や熱帯果樹をむさぼり食う“特殊害虫”が蔓延し、法律でこれら作物の移動が禁止されていたのだ。 それが今、ゴーヤやマンゴーが日本全国の食卓に並ぶようになったのは、 害虫根絶に人生をかけた現地職員の、想像を絶する戦いがあったからだ。 本書は、根絶事業に自ら携わり、死闘の現場を間近で見てきた現役昆虫学者による奮闘の記録である。 日本の食を支えた名もなき戦士たちの、努力と情熱と執念をぜひ知ってもらいたい。

最近チェックした本