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「今の日本への問題意識を示すために、この舞台を選んだ」日露戦争に<負けた>日本。終戦から11年たった大正5年、ロシア統治下の東京で、身元不明の変死体が発見された。警視庁刑事課の特務巡査・新堂は、西神田署の巡査部長・多和田と組んで捜査を開始する。だがその矢先、警視総監直属の高等警察と、ロシア統監府保安課の介入を受ける。どちらも、日本国内における反ロシア活動の情報収集と摘発を任務とする組織だった。やがて二人は知る。ひとつの死体の背後に、国を揺るがすほどの陰謀が潜んでいることを。警察官の矜持を懸けて、男たちが真相を追う! 警察小説の旗手として不動の人気を誇る著者が、魂を込めて描いた、圧巻の歴史改変警察小説。
...続きを読むPosted by ブクログ 2020年03月16日
日露戦争に負けた東京で繰り広げられる陰謀をめぐるミステリー。ウクライナやポーランド、バルト三国で起きたことの焼き直しでは?と思う部分もあるが、歴史改変モノに珍しい「後ろ向き」な世界観のリアリティは秀逸。
東京特に千代田区周辺の土地勘があるとより楽しめます。
単に100年前のお話しと片付けられないのが...続きを読む
Posted by ブクログ 2020年08月17日
日本はロシアの実質的な占領下にあった。大正五年、ユリウス暦では1916年。警視庁刑事課の特務巡査・新堂は西神田警察署管内で他殺死体が発見されたという報で応援を命じられたのだ。死体は日本橋川堀留橋のたもとで運河に浮かんでいたという。制服の巡査が新堂を巡査と認めて敬礼してくる。名前を名乗ると私服の巡査も...続きを読む
Posted by ブクログ 2020年05月01日
佐々木譲は基本的にミステリーの書き手ではなく、冒険小説作家だと思っている。スケールの大きい国際冒険小説、第二次大戦もの、幕末もの、どこをとっても骨のある男気の感じられる小説ばかりだ。とりわけ男性読者が多いのではないかと思われる。
最近は警察小説作家という印象が前面に出ているように思うが、それに...続きを読む
Posted by ブクログ 2020年03月08日
日露戦争で敗北し、ロシア統監府が日本を統治。〝御大変〟と呼ばれる敗戦による大きな体制転換から約10年後、水道橋付近で死体が発見される。それは、国を揺るがすような陰謀へと繋がってゆく。捜査にあたるのは警視庁刑事課の特務巡査・新堂と西神田署の刑事・多和田。警視総監直属の高等警察とロシア統監府保安課の介入...続きを読む
Posted by ブクログ 2020年02月07日
歴史改変警察小説とある。SFよりミステリー色が強い作品。日露戦争に敗れた日本は、「二帝同盟」の名の下にロシアに従属させられていた。折りしも、第二次世界大戦下の欧州に派兵中で、さらなる増派を求められていた。そんな中、ある殺人事件を追う二人の刑事を中心に話が進む。
この二帝同盟下の日露関係は、太平洋...続きを読む
Posted by ブクログ 2020年01月11日
虚実ごちゃ混ぜで境界線がよくわからないところが小説の面白さ。本作はその典型だ。中身からすると冗長すぎて3割ぐらいは削れそうな印象だが、大正の世界大戦勃発からシベリア出兵あたりの時代の空気や東京の雰囲気がよく描かれている。日露戦争講和後にロシアの半植民地化した日本でのレジスタンス、という設定がなかなか...続きを読む
Posted by ブクログ 2022年12月23日
もし日露戦争で日本がロシアに負けていたら、というifの世界を舞台に東京で発生した殺人事件の謎を追っていくストーリー。著者の初期作品にみられた世界大戦時の冒険小説の様相と近年の警察小説とが上手い具合に交じり合ってifながら圧倒的にリアリティがあり面白い。第2次世界大戦前夜の話ながら起こっている事件は小...続きを読む
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