東京大学で世界文学を学ぶ

東京大学で世界文学を学ぶ

小説・文芸
715円 (税込)

3pt

小説はいつの時代も、いたるところで書かれてきた。古くは神話から始まり聖書へ、日本では漢語の輸入から文学の成熟へ。『ドン・キホーテ』、『ボヴァリー夫人』、『白痴』など、世界の名作を細部まで読み解き、物語の歴史を考察することで、小説の誕生からその構造や手法、作品同士の繋がりまでを面白く丁寧に解説する。現役東大生が熱中した特別講義を完全収録した究極の“世界文学”読本。

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  • カテゴリ
    :
    小説・文芸
  • ジャンル
    :
    小説 / 国内文学
  • 出版社
    :
    集英社
  • 掲載誌・レーベル
    :
    集英社文庫
  • タイトル
    :
    東京大学で世界文学を学ぶ
  • タイトルID
    :
    287849
  • ページ数
    :
    432ページ
  • 電子版発売日
    :
    2014年11月07日
  • コンテンツ形式
    :
    EPUB
  • サイズ(目安)
    :
    1MB

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東京大学で世界文学を学ぶ のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ

     タイトルに惹かれて購入した。本にするために行った講義を本に纏めたものだそうで、これを読んだら東京大学の文学部の講義受けた気分に浸れるだろうという甘い考えのもとで読んでみた。思いのほかあまり難しくなく、読み切ることができた。もしかしたら辻原氏が本になった後の一般の読者を意識して、易しくしてくれたのかもしれない。

     全体を10の講義に纏めている。

    1 我々はみなゴーゴリから、
      その外套の下からやってきた
    2 我々はみな二葉亭四迷から、
      その『あひゞき』から出てきた
    3 舌の先まで出かかった名前
      ~耳に向かって書かれた〈声の物語〉
    4 私をどこかに連れてって
      ~静かに爆発する短編小説
    5 燃えつきる小説~近代の三大小説を読む1
      セルバンテス『ドン・キホーテ』
    6 燃えつきる小説~近代の三大小説を読む2
      フローベール『ボヴァリー夫人』
    7 燃えつきる小説~近代の三大小説を読む
      ドストエフスキー『白痴』
    8 物騒なフィクション
      ~ラシュディ『悪魔の詩』と冒涜するフィクション
    9 自作『枯葉の中の青い炎』は、
      どのようにして書かれたか
    10 ヘンリー・ジェイムズの『ねじの回転』を
      どう読み、どうパスティーシュするか

    という全部で十数回の講義を10章に纏めた。このため、これに紹介されているいろいろな小説、長編あるいは短編をなるべく読んでみた。二葉亭四迷訳・ツルゲーネフの「あひゞき」、バルザックの「ゴリオ爺さん」、コルタサルの「山椒魚」と井伏鱒二の「山椒魚」などなど。さらには追いついていないが、これから読もうと準備したのがトルストイの「アンナ・カレーニナ」、セルバンテスの「ドン・キホーテ」、フローベールの「ボヴァリー夫人」、ドストエフスキーの「白痴」、そしてどうしても手に入れて読んでみたいのがサルマン・ラシュディの「悪魔の詩」である。

     私は小説を書く気もないし小説家になる気もないが、この本で小説はどのようにして書かれるのか勉強になった。この講義を受講したような気分になったから嬉しい。
     この本によってコルタサルやバルザックという作家を知った。そして作品を読んでみた。井伏鱒二や二葉亭四迷にも及んだ。後半に題材として取り上げている「ドン・キホーテ」「ボヴァリー夫人」「白痴」もぜひとも読んでみたい。
     また、後半に辻原氏本人の作品を題材にしている。もちろん彼の作品も読んでみなければいけないと思う。
     最後は「パスティーシュ」について解説している。私はこの「パスティーシュ」を知らなかったが、辻原氏がヘンリー・ジェイムズの「ねじの回転」をパスティーシュする構想を解説しているが、これは既に「抱擁」として出版されている。これも是非読んでみたくなった。

    0
    2014年02月19日

    Posted by ブクログ

    近代文学のおおよその流れが分かって面白かった。著者の言うように「19世紀の文学」にどっぷりはまってみたい気分になった。但し、作家になる気はないので全集は読む気はないが・・・

    小説や物語を分析的に読むのは、あまり好きではなく、読んでて面白ければそれでいいと思っていたが、やはり、色々お勉強してた方が、より深い理解もできるだろうし、より楽しめるでしょう。

    それにしても、名作と言われる物のかなりの作品が恋愛物で、不倫、三角関係いわゆるドロドロした何でもアリの男女関係を扱っているのに今更ながら驚きました。世の中も人間もそんなには変わってないと言う事なのでしょうか。

    0
    2017年05月07日

    Posted by ブクログ

    久々に読み終わってすぐ再読しなければならないと思った。という読みながら思った。

    ロシア文学は十代のうちに読まなければダメと。私は既に手遅れだな。けど相容れないとばかり思っていたロシア文学で、ゴーゴリはなんか違うっぽいぞと思って実際短編を読んでみたらかなり好きな感じだった。誤解していた。

    自然描写と心理描写の関係については自分のなかで漠然とした仮説みたいになっていたことをクリアにしてくれてスッキリ。

    0
    2015年09月23日

    Posted by ブクログ

    『東京大学で世界文学を学ぶ』
    辻原登

     小説家は、フィクションをもって隠喩を解体し、また別の隠喩をつくっていく。……隠喩を解体するのは、隠喩でもってるすしかない。(p26)

     ……作家は何かを現実に訴えかけるときもやっぱり隠喩に頼ってしまう。それは別に作家でなくてもそうですが、ひょっとしたらここに落とし穴があるかもしれない。(p28)

     暗喩について。ここでよく読まないとわからないが、村上春樹氏を批判している。大江健三郎に対するスーザン・ソンタグのように。

     我々の生きているふつうの次元を超えた時間と空間を文章に盛り込んでいく。そいういう世界です。(p34)

     時間の描き方。時は、一瞬であり、長い未来であるということ。

     作品のほうが勝手に近づいていて、もう1回読んでくれと呼びかける。同時に我々も、もう1回読んでみようと何ものかに駆りたてられる。この両方によって再読、想起という世界が成立します。そこで初めて我々は、生の意味を「感得、感受」することが可能になるのです(p295)

     小説がわれわれを捉えるのは再読されたとき、という言葉に続いて。然り。

     実に丁寧に書かれている良書。 

    0
    2014年05月18日

    Posted by ブクログ

    近代小説について十講にわたり解説される。小説の読み方について縦横に語られ、まさに目から鱗が落ちたとの感がある。19世紀が近代小説のピーク、ドン・キホーテが最初の近代小説、騎士道小説の批判がドン・キホーテである等の指摘に納得した。女ドン・キホーテだという「ボヴァリー夫人」を読まなくては。

    0
    2013年05月19日

    Posted by ブクログ

    面白い!
    ゴーゴリもあひびきもドン・キホーテもボヴァリー夫人も白痴も読まなきゃなぁ。
    というか、この年までにドストエフスキー作品をカラマーゾフと貧しき人びとしか読めてない情けなさ。
    読書が趣味って言ってる割には全然読めてないんだよな。時間が足りない!

    0
    2013年04月25日

    Posted by ブクログ

    著者の本は小説以外では書評「熱い読書 冷たい読書」「熊野でプルーストを読む」は読んだ。
    本書は、小説とは何かという講義を元にしたもの。

    まずゴーゴリと二葉亭四迷を語る講義。
    四迷に関しては関川夏央「二葉亭四迷の明治四十一年」を思い返した。「あひびき」の引用があり、国木田独歩の「武蔵野」への影響もより納得させられた。近代が風景をその心境を映す対象として発見したという言説は、橋本治「江戸にフランス革命を」にもあった。

    ドン・キホーテ
    子供の頃に読んだが、風車に挑んでいくクダリしか記憶がない。グレアム・グリーン、矢作俊彦のパスティーシュは読んだので、原作もそんなものだろうと思っていた。いや~、これは面白い。最初キホーテを止めていたサンチョ・パンサもキホーテの狂気に引きづり込まれるとか、続篇では登場人物達はキホーテの前作の物語の読者で、キホーテとの邂逅を喜びつつ、からかって合わせているうち、やはり同じように狂気に囚われていくとか、贋作の印刷にキホーテが立ち会う等々。
    騎士物語の否定は神話の否定に繋がり、近代小説の誕生を齎したという論考。

    ボヴァリー夫人。
    タイトルしか知らなかった。この分析も堪らなく面白い。

    白痴
    高校生の頃に読んだが、ムイシュキンの無垢さとロゴージンの周囲をも悲劇を齎す黒い情熱が印象に残っている。そんなに恐ろしい話だったか。再読しなきゃいけないな。

    ポストモダンに対し批判的な論考もあり、暗喩の持つ力に対し、慎重であれとも説く。若き文学の徒に対し様々考えさせる内容。

    パスティーシュの題材にあったスティーヴンスンの南洋での晩年を描いた中島敦の「光と風と夢」は大学の頃読んでいたが完読していない。読み返そうかな。

    読書について、色々考えさせられる内容。読みたくなった本がまた増えたな。

    0
    2016年02月28日

    Posted by ブクログ

    2014/10/29
    いま読んでる
    友達のフルート吹きにオススメされました。タイトルに「学」が3回も出て来るところが大事らしい。

    2014/11/20
    読み終わった
    講義を書き起こした本なので、講義を聞けばもっと臨場感あふれるものなのだと思う。ボヴァリー夫人を読みたくなった。あとドストエフスキーは20歳までに読めって、もうだめかなあ。

    0
    2014年11月20日

    Posted by ブクログ

    ドン・キホーテ、やっぱり読むべきなのかもしれない。講義の内容はところどころ比喩に寄りかかりすぎな気もしたけれど、学生時代が遥か彼方となった私にとっても啓発的な本でした。しかし古い翻訳書の文意は実にわかりにくい。

    0
    2014年05月26日

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    小説論から文化論へ。
    面白い!
    視野の拡大と飛翔。

    ★★★

    1 ゴーゴリ。カフカ。ナボコフ。
    言語表現の根底には比喩の問題。
    古びた比喩を壊すこと。その繰り返し。
    何がリアルなのか。

    2 二葉亭四迷 日本
    NOVEL 内面を書く文章がない。
    近代になって、行動の前に考える人間の登場。
    近代的=ロマンチシズム。
    近代人=個人。
    成長する個人の見る自然。
    リアル感=カタルシス。
    自然=客観。
    近代の散文は自然・風景をとらえる。あるがまま。印象主義。
    内面がはっきりするのは肉体が病のとき。
    詩想をとらえる。純粋言語を日本語によって救い出す。
    ベンヤミン。翻訳者は自国語を外国語によって拡大し深める。
    描写の問題と翻訳の問題。大和言葉のリアルと漢文のリアル。さらに欧米の外国語。

    3 舌の先まで出かかった名前
    近代小説は本になった物語。共同体から切り離された個人が作った。作者。
    手の先に道具を持つ。さらに見えない言語としての言語を持つ。これは進化ではなく変化。
    物語は共同体の共有体験。複数。
    内面の動機を描くのが近代小説。

    4 短編小説
    長編にいろいろ背負ってもらいながら、短く爆発させる。
    小さい器の中に人間をそっくり縮めてみせる。
    爆発点。転換点。

    5 ドン・キホーテ
    読む人であり、後半には読まれる人にもなる。
    偽の物語を受けて、後篇は行先を変更する。
    自分の偽の物語が印刷されている場面に立ち会う。
    小説が小説を意識した瞬間。理性を失う。
    イエスのパロディ。

    6 ボヴァリー夫人
    重層性を、帽子やケーキを通じて示唆する。
    読書する女。

    7 白痴
    主体は対象を欲望するが、そのあいだには媒体=モデルがいる。三角形。
    媒体と主題の距離。
    人間は生身で湿っている。小説の登場人物は乾かされた素材。燃え上がりやすい。
    近代小説の終わりは死。

    8 物騒なフィクション
    ストーリーとプロット。
    探偵小説。
    世界文学は。日本は。イスラムは。

    9 「枯葉の中の青い炎」

    10 「ねじの回転」のパスティーシュ

    0
    2013年04月25日

東京大学で世界文学を学ぶ の詳細情報

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    :
    小説・文芸
  • ジャンル
    :
    小説 / 国内文学
  • 出版社
    :
    集英社
  • 掲載誌・レーベル
    :
    集英社文庫
  • タイトル
    :
    東京大学で世界文学を学ぶ
  • タイトルID
    :
    287849
  • ページ数
    :
    432ページ
  • 電子版発売日
    :
    2014年11月07日
  • コンテンツ形式
    :
    EPUB
  • サイズ(目安)
    :
    1MB

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