作品一覧

  • 強く生きるために読む古典
    3.9
    1巻715円 (税込)
    高校三年で肉体労働の現場に転がり込んだ著者は、一冊の古典を読む。ヘーゲルの『小論理学』だ。その哲学書は、日々の土木作業で疲れ切った若者に「未知の地平へジャンプするための勇気」を教えてくれた。正しい理解を目ざすのではなく、自分が生き延びる助けになるように本を読む。そのとき、難解・重厚と思われた古典は、人生を戦うための武器となり、仲間となる。いわば、生きるための読書だ。その実践記録である本書は、「未読の古典にチャレンジするための勇気」を私たちに与えてくれる。【目次】はじめに 「できそこない」のためのブックガイド/1 『失われた時を求めて』(プルースト)かけがえのない時間/2 『野生の思考』(レヴィ=ストロース)ゴミ捨て場からの敗者復活戦/3 『悪霊』(ドストエフスキー)もしも世界が一編の美しい文章なら/4 『園遊会(ガーデンパーティー)』(マンスフィールド)今日、リアルな死に触れて/5 『小論理学』(ヘーゲル)気がつくと見知らぬ土地に立っていた/6 『異邦人』(カミュ)夕暮れ、場違いな人/7 『選択本願念仏集』(法然)最低の人間に贈られた最高の方法/8 『城』(カフカ)成し遂げられていない物語/9 『自省録』(マルクス・アウレーリウス)春の季節に生まれいづ/あとがき

ユーザーレビュー

  • 強く生きるために読む古典

    Posted by ブクログ

    この本には大いに不満がある。内容にではない。内容はつとに素晴らしい。素晴らしいだけに、その素晴らしさを表現出来ていないタイトルに大いに不満がある。

    この本は日経ビジネスオンラインでウェブ掲載していた文章を加筆修正してまとめたものだ。そのときのタイトルは『生きるために読む古典』だった。
    このタイトルは素晴らしいと思う。内容を端的に、的確に表現したものだ。こちらのタイトルは日経ビジネスオンラインの名編集者・山中氏が付けたものらしい。
    本になってタイトルが変わったのは出版社が違うからか。その辺の事情はよくわからないが、こちらのタイトルは出版社の方が付けたものらしいから、なるほどこの本に対して愛も思

    0
    2014年10月08日
  • 強く生きるために読む古典

    Posted by ブクログ

    古典を自分なりに解釈し、弱い自分を強くするための糧とするという取り組み。著者が殊更に自分の不幸・挫折を強調するので、「ひょっとしてこの著者は俺よりダメなのでは…」などという変な優越感を持って読み進む。しかしそれはまったくの思い違いでした。この人は強い。そして、もしかして僕も強くなれるのでは。
    『野生の思考』を説いて、「ブリコラージュという方法」で、「何度でも敗者復活戦を戦える気がする!」と。
    古典ガイドでもなく読書法でもない。本によって強く生きていくノンフィクションです。こんなの違う、という人もいるでしょう。でも僕は好きです。

    0
    2012年05月07日
  • 強く生きるために読む古典

    Posted by ブクログ

    自分を肯定できずに苦しみ続けてきた著者の、本との関わり方について。
    本と会話をして声を聞き、どう解釈して何を学んできたのか、苦しみを克服するために行ってきた「活かす読書」の記録。

    ――――――
    本は単に面白かったつまらなかったと消費するだけではなく、じっくり会話をするのもいいものだと再認識させられました。
    内容を正しく理解するのは、研究者に任せておけばいいんですよね。一般人は何のために本を読むのかというと、目的は主に娯楽・気分転換・暇つぶし。または先人から生きる智恵を学ぶためだったり。
    読書は個人の精神活動なので、読書目的や何を感じて学ぶのかは読者次第です。多少乱暴に勝手な自己解釈をしてでも

    0
    2011年09月09日
  • 強く生きるために読む古典

    Posted by ブクログ

    あぁ、そういう風に考えたら、なんだかとっても身近に感じる!!
    なんと!?そんな捉え方をするの!?

    っていう新鮮さがあった。
    読んでてハッ!とするフレーズが多く、共感した。
    古典を『読む』だけじゃなくて『糧』にする本だなぁ…

    0
    2011年06月11日
  • 強く生きるために読む古典

    Posted by ブクログ

    本を読む時に、これは何が言いたいのだろうとか、これが書かれた背景はなんだろうとか、考えながら読む人には面白い本だと思います。
    本はエンターテイメントとしてか、情報収集源として浅い読み方しかしないので、全部は理解できませんでしたが、それでもマルクス・アウレリーウスの「自省録」や法然の「選択本願念仏集」の読み方が面白かったです。カフカの「城」やカミュの「異邦人」も、なるほどそういう読み方もあるか、と結構すとんと腑に落ちました。

    “人生を生き抜くための武器”として古典を解釈するという視点で読めたら、よくわからない古典も楽しく読めそうです。
    まずはカフカとカミュの再読からトライしてみます・・・。

    0
    2011年03月01日

新規会員限定 70%OFFクーポンプレゼント!